さいはての島へ―ゲド戦記〈3〉 (岩波少年文庫)

さいはての島へ―ゲド戦記〈3〉はこんな本です

さいはての島へ―ゲド戦記〈3〉の感想・レビュー(386)

明確な目標もないままの船出、遭難すれすれの航海、そして何より若者と老賢者との師弟愛を越える友情。女の身の現実を忘れて胸熱くする、この忘我没頭があるからファンタジーが大好き。ゲドの言う生と死のあり方は、作中で繰り返し語られる<均衡>の一言に尽きる。その理から外れた黄泉の国のありさまは心底恐ろしかった。本作をアレン視点に固定すればまた違う物語になるのだろうけど、そこをあえて去っていく先達であるゲドの側から読ませてくれたのが新鮮でよかった。ラストの膝をついて礼を取るゲドの満足げな笑みは感無量でした。
★8 - コメント(0) - 2月11日

世界規模での異変に立ち向かうゲドの姿が、共に旅する王子アレンの視点で描かれています。世界各地で魔法が使えなくなる現象が起こり、二人が調査に向かうのが物語の始まり。海に生き陸地の出来事に無関心なイカダ族や魔法使いの総本山であるロークの学院、果ては竜の一族にまで異変が広がっていく絶望感が心地いい。解決策の見出だせない閉塞感のなか、どんどん状況が悪化していく様は、ウイルス感染物の小説のような恐ろしさがありました。作者の死生観が良いアクセントになって物語に深みを与えています。
★2 - コメント(0) - 2月11日

均衡が破れたことで、人々は生きる喜びが欠け、他者への疑いが心に充満し、色の違いもものの区別も様々な境界線も、すべてがぼやけてあせてしまった。読み進めるのがつらかった。かつて力を持っていた者は永遠の生を探し求めるようになり、今作の主人公であるアレンも、死への恐怖と戦いながら、ゲドと破れを探す旅をする。ゲドへの不信、死ぬという絶望、不安や苦しみのおもむく先で、アレンはかつてのゲドのように、自らの闇と立ち向かおうとしてゆく。共に旅をし挫折せず最後まで読んだことで、私たちも内に潜む闇を見つめる力をきっと得ている。
★8 - コメント(0) - 2月8日

★★★☆☆
★2 - コメント(0) - 1月23日

初老?になった大賢人ゲドのもとにアレンと名乗る一人に青年が現れる。アレンは古い国の王子だった。王からの伝言を預かりやって来たのだ。市民は土地を奪い合い戦争を繰り返し、金に目がくらみ醜く生きている。人間の醜さを描き魔法使いというファンタジー要素を壮大な物語に折り込み、「生は死の中にこそあるもの」というテーマを語りかけてくる。ジブリの映画をちゃんと観ていないので違いは不明ですが、原作本は実にジブリ的な雰囲気が強く出てます。この巻のゲドはナウシカのユパ様をイメージして読んでいました。折り返しまで来ましたが、残り
★44 - コメント(0) - 1月18日

老人は死に向かって、しかし、成長し続けている。老いてなお、老いてこそ成長するゲドの生きざま。魔法を失うこともまた成長の証。
★1 - コメント(0) - 2016年12月15日

ジブリ映画「ゲド戦記」はこの本がベースになっているらしいが、あまりにも設定が異なりすぎている。 アレンは勇気ある若者なのに、なぜ映画では意気地なしで父親を刺すような描かれ方をしたのか、ますます理解できない。
- コメント(0) - 2016年11月25日

悲しくせつない物語です。ファーシーアの一族シリーズで、フィッツが道化とともにヴェリティを救いにいく物語を思い出したりしました。さいはては地理的な意味以上にまさにさいはて。このようなところに人は、たどり着くこともまして立ってはいられまい。選ばれてしまった人が、予言を成就するために自身の魂さえ犠牲にして悪戦苦闘する様は、凡人からすると滑稽味すら感じる、というとだいなしか。装飾的な言葉がなく、書かれてある通りのことがそこにある、という、真にリアルな物語世界に、捉われてしまう。
- コメント(0) - 2016年11月18日

ことばは沈黙に/光は闇に/生は死の中にこそあるものなれ「エアの創造」
- コメント(0) - 2016年10月15日

今度は年老いたゲドと年若き王子との旅。ゲドはこの戦いで力を使い果たし、もう魔法使いではないというが、この後の話はどうなるのかな?この物語を読むと、人は為すべきことを持って生まれてくるのだなぁと感じられるようになる。それは自身で掴めなくても、わかる人にはわかるようなので、それとなく導かれて生きるのかもしれません。為すべきことを為して終わらなければね、と思う。
★9 - コメント(0) - 2016年8月26日

何かの歌の歌詞「死ぬのを怖れて生きることができない」というのをふと思い出した。目に見えない、言葉に出来ない何かがジワジワと人々の心に伝染して、狂ってゆく様子など、現代に通じるものがある。今こそ読んでよかった。時代を経て読み継がれる物語。
★3 - コメント(0) - 2016年7月27日

《読了短歌》爪を切り髪を切る 僕の切れはしが世界へ返ることへの安堵
★3 - コメント(0) - 2016年6月28日

pie
物に名前を付けるということは、それとそれ以外のものを分けるということで、分けられた状態になることがわかるということだから、名前や呪文や歌が忘れられていくのは、混沌に回帰するベクトルの現象なんだろう。アースシーの魔法は言霊のテクノロジーといった感じ。
★2 - コメント(0) - 2016年5月8日

ゲド戦記3巻。ゲドとアレンの物語。ジブリの映画をみた原作者がいい顔をしなかった理由が分かった。本当に別物ではないか。こんな哲学的な作品だったとは。
★10 - コメント(0) - 2016年5月1日

ゲドが最後の(?)旅に出て、魔法を使い切りただ一人の人間となって(おそらく)懐かしい島に帰るまでのお話。でもまだ続刊があるので、もちろんそれも読むつもり。大賢人となっても、人としての弱さや強さを持ち合わせるゲドが魅力的。
★13 - コメント(0) - 2016年4月24日

★★★
★3 - コメント(0) - 2016年4月4日

世界から魔法が失われていく原因を探るため、大魔法使いのゲドは、剣をまとった若き王子と旅に出る。空を覆い尽くすような巨大な竜の描写や、闇の魔法使いとの対決は迫力があった。英ガーディアン必読小説1000冊
★8 - コメント(0) - 2016年3月13日

内なる戦いです。ゲドのみならず、登場人物はひたすら煩悶して葛藤し続けます。果たして行き着く先はあるのだろうか?☆☆☆
- コメント(0) - 2016年2月28日

さいしょに読んだ時は死というテーマもあってか、重くて迫力のある一冊であり、読後はこれですべてが終わったのだという感慨があったものだ。力を使い果たして退場するのは主人公たるゲドだけだったというのは後になってわかった。次の主人公たちへの橋渡し、物語を再生する一巻でもあったのだなと。
★3 - コメント(0) - 2016年1月24日

第1巻から時が流れて大賢人となったゲドの姿に風格を感じました。ファンタジーの世界を通じて生と死というテーマを描く手腕が見事です。
★2 - コメント(0) - 2016年1月21日

ゲド戦記初期三部作読了。 現代ファンタジーに通底する様々な要素が見て取れた。 またどの作品でも、ゲドの人間としての弱さをきちんと描写した上で、その弱さと立ち向かう「強さ」を見事に表現していることに強い感銘を受けた。
★6 - コメント(0) - 2015年12月24日

生と死に始まり様々な事象にまで波及する世界の異変を何の手がかりもなく老年ゲドと若い王子が探求するお話でした。1・2よりは身に近いものを感じて読みやすかったように思います。これで最終巻のような終わり方に見えますけど、本編はあと1冊あるんですよね。
★6 - コメント(0) - 2015年12月20日

 細切れで読んだせいか、あまりのめりこめなかった。 3作続けて読むと、関係性とかもみえてくるのかな? 評価:星2
- コメント(0) - 2015年12月6日

大賢人となったゲドのもとに、ひとりの王子がやってくる。魔法の力が失われ、世の中の秩序が乱れつつあるという知らせをもたらしたその王子とともに、ゲドは海のかなたへと旅立つ。多くを語らないゲドの代わりに、王子の心の動きが細やかに描写され、その成長が頼もしく感じられる。
★3 - コメント(0) - 2015年10月7日

大人になったテナーとか、オジオンが見られると思ってたので少し残念。一巻で光と影を一つにして大人になったゲドももう大賢人。導き手になってしまっててアレンの方に共感しました。何を考えているのか分からないゲドに疑心を抱き絶望する気持ちもよく分かった。何かをするよりも何もしないでいることを選ぶってまだまだよく分かんないです。しなければならないこと、それしか道がないことそれだけをするべき、かあ。なかなか難しいなあ。全体に世紀末感が漂っていてクライマックスの雰囲気がすごい。壮大な物語でした。続きも読もう。
★1 - コメント(0) - 2015年8月31日

uka
魔法が消えつつある中の物語。ゲドがいつの間にか老成してしまっていたのが寂しい。アレンの心の機微も分かる。信じていてもいろいろな面が見えてくると本当に信じていいのかといった疑念は出てくるものですよね。できればゲドがここまで老成する前の青年期のお話をもっと読みたい!と思いました。
★1 - コメント(0) - 2015年8月1日

生と死の話。死を意識してこその生、というのはよくある言葉だけれど、それを文学としてここまで描き切ったのは凄い。徐々に死へと近づいて、そのものの上に立つ様は恐ろしさを感じるようだった。宮崎駿が怖くなると言ったのも納得のリアリティには脱帽。また読みたくなる作品でした。
- コメント(0) - 2015年7月31日

死とは、なにか。それを問い続けることに意味はないけれど、問わずにはいられないのが人間なのかもしれない。
- コメント(0) - 2015年5月22日

ゲドが大賢人となり老齢に入っているためか、これまでの危険ではあるが溌剌とした冒険・成長とは全く違う、暗い物語となる。一人の男の欲望から、「均衡」は崩れ、世界は魔法を失い、竜は言葉を失う。個人的には、ここまでの2作に比べて余り楽しめない巻。喪失、死をテーマにしているため仕方ないのかもしれないが…。同じ危険に立ち向かうにしても、これまであったワクワク感が薄れ、どんよりとした暗さばかりが漂う。
★7 - コメント(0) - 2015年4月16日

再読です。大変重厚感のある内容なのでなかなかページが進まないんですがやっぱり読んでおきたいものです。永遠の生を求める男の悲哀が堪らない。 まだまだ身に染みて理解しているとは言えないのは、私が死についてしっかり考えていると言えないからなんでしょう。多分この本は一生読み直すんだろうな。
★1 - コメント(0) - 2015年4月5日

ゲド戦記第三作。世界中から魔法が消えつつあるとき、かつて全世界を支配していた血筋の王子アレンが、大賢人となったゲドを訪ね、原因を突き止める旅に出る。これまで以上に暗示的な内容で、正直なところ物語の道筋に殆ど何の必然性も認められない。それこそ作中のアレンのように、ゲドのことを疑ってしまう。しかし、これが暗示的なものであることを前提として読むと、作者とゲドが重なって見え、そこに深い意図が内在していることが見て取れる。小説というのは、必然としてそのような形式を取るものである。
★6 - コメント(0) - 2015年3月21日

受け容れる事を気付かせてくれる物語。ドキッとさせられましたよ。私は傷付くことを恐れているし、嫌な事からは逃げ出したいと思ってるから。いい教訓になりました。
★5 - コメント(0) - 2015年3月10日

この物語のすごいところは、ここまでどの巻も、その終わりが新たな「始まり」であるところ、というか、始まるための物語となっている所だと思う。「めでたしめでたし」ではなく、そこからわたしたちの背中を押す。物語のセオリー的に、そして訳者あとがきにもあったように「予言」されているように、これから起こりうることが分かったりもするけれど、どのようにしてそれが成し遂げられるのか、何故それが成し遂げられるのか、ということが、生きている私たちのものとして象徴的に歌われていた。豊かな象徴と物語の海を渡った満足感に浸る。
★5 - コメント(0) - 2014年12月17日

前二作と比べるとかなり鬱屈とした展開が長く続く本作。正直読んでいて結構辛かったが、クライマックスになると一転、一気に読んでしまった。「『死』をいかにして受け入れるか」という極めて重いテーマを、ジュブナイル・ファンタジーという枠内で見事に描ききってみせて名作であると言える。ゲドからアレンへと、受け継がれていく知性と勇気を感じさせるプロットは、実に良かった。
★3 - コメント(0) - 2014年11月28日

壮大な死生観。疫病は宇宙の均衡を維持しようとするひとつの運動だが、この世の均衡が揺らぎ破滅へ傾くほどの際限のない欲望が人間にはある。たった一人の男の存在が均衡を崩しうるとして、それを誰が許す?誰が禁止する?ゲドと同行することになったアレンはゲドを救い、ゲドは故郷へ戻っていく。アレンがハブナーの玉座につき平和を守れますように。
★11 - コメント(0) - 2014年9月24日

L&
「アースシー辺境の島々から魔法が失われている」 ローク島にいる大賢人ゲドの元に、エンラッドの王子アレンがやって来た。アースシーに忍び寄る災いの根源を探すためにゲドはアレンを連れて旅に出る。……ここまで読んで色々とほんとーに感慨深いです。若くてまだ世界を知らないアレンと、様々な冒険を経てきたゲドの関係が、1巻のときのゲドとオジオンのようで。こうして人と人が繋がって新しい時代をつくっていくんだなぁと。アレンもいずれ、他の誰かに与える立場になっていくのだろうと思い、そのときはまた涙腺が緩みそうです……
★4 - コメント(0) - 2014年8月17日

さいはての島へ―ゲド戦記〈3〉の 評価:72 感想・レビュー:79
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