古森のひみつ (岩波少年文庫)

古森のひみつはこんな本です

古森のひみつの感想・レビュー(58)

★★★★★ ひじょうに良かった。好きなポイントはけっこうたくさんありますが、まず一九二五年七月…などと年代が特定されているところ。大佐が森の中で音を15種類聞き分けるところ(こういう細部の描き込みが好き)、p.206 五人の悪夢(巨大なゼリー状の頭…うぉお)、それから、かなり細かい部分ですが p.112 “つごうのいい昔話のように、ちょうどこのとき書斎のドアが開き~” が個人的にストライクでした。これもうふつうに岩波文庫でいいのに。
★7 - コメント(1) - 3月11日

そこは動物や木の精が住まい、風たちが行きかう小さな深い森。でも新しい所有者のプローコロ大佐は大木を切り倒し、風のマッテーオを従えてしまい…優しいだけではない物語。心を失くしたような命令をするくせに風や木の精の声を聞き分け姿を見る、悪とも善ともはっきりわけられない大佐がとても魅力的でした。
★2 - コメント(0) - 2月22日

大人も子供も楽しめるファンタジー。悪に染まりきれない大佐が人間味あっていい。少年もまた大人になって森のささやきが聞こえなくなるのでしょう。ちょっぴりさびしい読後感。
★4 - コメント(0) - 2月21日

子供向けとしてはエグい描写も。でもふと思い出す。昔昆虫の図鑑が好きだった。一番の楽しみは天敵に食される写真。蟻を摘んでクモの前に置いた事もある。大人の思う「子供向け」と子供の関心は必ずしも一致しない。著者の意図は分からぬが人の業や自然の摂理を知るキッカケになるかも。大佐は「聖闘士星矢」で喩えると双子座のサガ。カササギが彼を庇うのは最も神に近い男・シャカが一見邪悪なサガを擁護したのと同じ理由。歳と共に多くを失う宿命。殆どは二度と戻らぬ。だが中には取り戻せるものも。いや実は失われてないのだ。素直になれば必ず。
★39 - コメント(1) - 2月11日

プローコロ大佐は、登場のときから悪玉なのか善玉なのかわからなかった。いろいろとひどいことも企むのだけれど、それが(ヴェンヴェヌート少年のような)ある種の弱さと繊細さの別の一面なのだとわかる。甘くも柔らかくもないファンタジーだった。胸が痛むような、ある思いが伝わってくる。少年だったら素直に発露できるそういう思いが、大人であるがゆえに、昔のブロック崩しゲームのように鋭く跳ね返っては周囲を崩していくせつなさ。いい物語を読んだと思う。
★3 - コメント(0) - 2月8日

図書館本。【勝手にせっせと岩波少年文庫を読む年】おや、新しそう~で借りてきた本の世界に読み終えてもずっとはまっていて、次の本が読めない。どうしてくれよう。きっとわたしの知っている森とは全然違うはずなのに、風の音、葉擦れの音、雪の匂い、木の洞に座り込んで見た雨粒、青虫を抱え込む狩バチの前脚、そして…。子どもの頃に感じて一度忘れはてたものを、もう一度箱の中からそっと取り出したような気持ち。久しぶりに何か怖ろしいモノに追われる夢を見たのはこの本のせいかも。
★10 - コメント(0) - 1月23日

しみじみと面白かったです。大人向けの短編のような超展開や切れ味するどい描写はないのですが、終わりゆく何かと始まりゆく何かが美しく描かれていました。風の描写は秀逸です。私もまた風の歌を聴きたいです。聞けるでしょうか。
★4 - コメント(0) - 1月23日

不思議なファンタジーだった。いきなり妖精が出てきてそれを普通に受け入れてるし。殺す殺さないとなかなかの野蛮で、それはイタリアの小説だからか。
★2 - コメント(0) - 1月22日

「過去を振り返らない」という言葉が何度か出てくる。季節巡る間森は一度として同じ姿をしていないように人と生きとし生けるもの全てが時間と共に変化していく希望と哀しさがあった。森には魂を宿した動植物と精霊が暮らしいて人間が樹木伐採により脅かすことを憂いている。説教じみた展開はない。寓話にありがちな勧善懲悪もない。カササギは過去を恨まず、大佐の悪徳もマッテーオの老いも全ては森羅万象の時空の中へ。ラストの大佐の見た幻想世界が哀しく美しい。凱旋行進は誇りある華やかな勝利を讃えた在りし日の夢。パレードは人生を思わせた。
★64 - コメント(3) - 1月11日

NAO
木の妖精が住む森がもともと泥棒が隠れ家として植えた森だったり、森の相続者の大佐は木々を伐採してしまおうというような人物なのになぜか他の人には見えない妖精たちが見えたりと、不思議な設定がいかにもブッツァーティっぽい。人間だけでなく、森の木々や昆虫たち、風にさえ栄枯盛衰があり、生れたものは必ず死に直面する。あらゆるものが一つ所に止まったままであることはなく、絶えず変化し、絶えず動いていく。だからこそ、その一瞬一瞬が美しくいとおしい。それを、こんなにも美しく不思議な話に描き上げるブッツァーティってすごい。
★55 - コメント(0) - 1月6日

気になるディテールが次々と出てきて読みやすかった。世界一古いモミの木がある古森、風、鳥、森の生き物、木の精、森の中の音や匂い、高い木に囲まれた井戸の底のような森。この雰囲気の中で、売るために木を切ったり、うるさいからといって鳥を撃つというような行為は、次に悪いことが起こるような予感を感じさせる。人は子ども時代が終わると、森から遠ざかり、それまで森の中で感じていたことを感じられなくなる。でも、年老いて疲れたときにまた森の中で癒されるのではないかと思う。この大佐は、ちょっと頑固すぎたけど。
★27 - コメント(0) - 1月4日

映画化されたもののようなので映像でも見てみたい。
★1 - コメント(0) - 2016年12月21日

なんだろう、この読後感。こんな作品が児童書に埋もれていようとは!裏表紙には「中学以上」とある。小学生にはチト難しいですかそーですか。カササギで思い出すのですが、村上春樹が本書を訳したら、良さが倍増しそうな気もする。ラストの素晴らしいこと。これこそ、ヒロインがいたらジブリで映画化すべき本です。
★49 - コメント(0) - 2016年12月16日

とてもとても良かった。登場人物たちの渦巻く感情に呑まれるようにして一気に読了。大人になった少年たちを迎える森の描写や、責めるべき人間をかばうカササギの必死さ、プローコロ大佐の頑なな姿や、マッテーオの絶望と潔さにぐっと心を掴まれ、後半何度も涙が出た。ベンヴェヌートには、どうか強く生きてほしい。また読み返したいので購入予定。
★15 - コメント(0) - 2016年12月11日

恥ずかしながら、ブッツアーティー初読み。感銘を受けた。詩のように美しく深淵な風景やドキッとする位動きのある状況描写。一見ファンタジックなのに、登場する一人一人がとても複雑で、その時その時でセオリー通りには決していかない、ものすごく現実味のある深い物語。「~はこういうキャラ」と固定的に自分や人を捉えようとする若者、この大佐を見よ。人間って、世の中ってそんなに簡単にはわからない。1ヶ月違いで出た東宜出版のも読み比べたいし、他のも少しずつ読んでいきたい。イタリア文学、良いですねえ。アンソロジーからいこうかな。
★8 - コメント(0) - 2016年12月7日

ああ、いいなぁ。木の精が住む古森の木を伐採しちゃいましょう、というところから始まるお話。ひねくれた読者は、やすっちい展開になっちゃったら嫌だなぁなんてシラケ気味な構えになりそうな(笑)でも、さすがのブッツァーティーさん、そんな心配は無用でした。気難しい大佐が最後まで気難しい。素晴らしい。そして「古森のひみつ」というタイトルのとおり、古森にはひみつがいっぱい。だけど真理は明かされません。たぶん、人のうかがい知れる領域じゃないから。そんなところがいいですねー。ひみつはひみつのままに。
★14 - コメント(4) - 2016年12月3日

ブッツァーティの書く「孤独」が好きだ。そこには矜持がある。古森に対し大佐は、焼野原も厭わない暴挙に出、少年を割と本気で殺しにかかる。カチコチの軍人気質、ステロタイプな悪役かと思いきや(前半はその通りなのだが)、綯い交ぜになった感情に自身が翻弄されてゆく。からだが勝手に動いてしまったんだ。どんな者でも良いところはある、なんて生易しい言葉では語り得ず、赦されなくとも立派でしたと賛辞を。本書の中でひとり好きなキャラを挙げるとするなら「ゼリー状の頭を持った悪夢」かな。語感と、どう見てもゼリーには見えないあたりが。
★12 - コメント(0) - 2016年10月10日

出し惜しみをしない豊富なエピソードがそれぞれ緊張感があって思わず本をめくる手が早くなってしまう。古森のファンタジックな世界と、その世界とは相容れない異物的なプローコロ大佐の両方に魅力があるところがいい。
★5 - コメント(0) - 2016年10月5日

岩波少年文庫から出ているので、ファンタジーや童話というくくりなのだろう。でもそこはやはりブッツァーティだ。悪意にも満ちている。イタリアの古い森を舞台に人間と自然、人間と人間、それぞれが対立し対決する。壮絶な食物連鎖も。結末はいかに。時折、風が美しい歌を聞かせる。その風マッテーオはかなり恐ろしい奴なのだが。エルマンノ・オルミ監督により映画化もされているよう。擬人化された自然はどのように映像化されたのか?特に風が気になる。
★6 - コメント(0) - 2016年9月20日

さとうさとるさんの文章を読んだ後だからか、勝手にメルヘンを期待していた。イタリアの宮沢賢治らしいけど怖かった。
★6 - コメント(0) - 2016年9月9日

プローコロ大佐とマッテーオはお互いに自分と似てると感じてたのかもしれない。私ははじめの頃の恐ろしい大佐もどこか好きだった。その理由が最後にわかった
- コメント(0) - 2016年8月18日

大佐も甥も、妖精も動物も、風も森も、何もかもが奥深い。すべてが善悪をあわせもち、一筋縄ではいかない。そこがとても良かった。ひどい大人のように見えて、純真な子どものように風や妖精や鳥と会話できる大佐が、一番深いように思えた。
★1 - コメント(0) - 2016年8月17日

物語だけ追うと気難しくて頑固な大佐の存在感と残酷なパートに渋い顔になってしまうが、場面の絵を思い描きながら読むと楽しめた。風といえば気ままで自由なイメージだけどマッテーオは随分と義理堅い。
★2 - コメント(0) - 2016年8月10日

童話風なファンタジー世界で描かれる実在描写のフェティシズム。見所は「人を不道徳へとためらわせる疚しさの効用」や「振る舞いによって内面を衒う幻想の効用」や「腰が曲がることのロマン」など。結局「古森のひみつ」は明示されないが、世上に語られることのない出来事としてのこの物語が古森で起こったひみつなのかも。とりわけ毛虫が蜂に卵を産み付けられ、それが身体から孵る描写は何度も読み返したい名描写。仲間たちが次々と死んでいくなかで、我が身中の蜂の子は存在しないのだと念じながらも死ぬ、その絶望への愉悦ときたらたまらない。
★11 - コメント(0) - 2016年8月4日

遺産として由来ある古森を引き継いだプローコロ大佐は、仕事を辞めて森に移り住む。木の精や森の生き物たちと何かと対立し、とうとう暴れん坊の風マッテーオを解放し、自分より広大な森を相続した甥のベンヴェヌートを殺そうとすらする。そんなプローコロに愛想を尽かし、プローコロの影は体を離れて出て行ってしまうのだった。引退し仕事を離れて、家族も友人もいない偏屈な男の話、ではあるのだが、普通の大人なら気にしないようなことを気に留めているあたり、古森への情があるのだろう。自傷行為のような痛々しさを感じた。
★11 - コメント(0) - 2016年8月4日

★★
- コメント(0) - 2016年7月27日

いろいろと恐ろしい場面はあるけれど、頭のなかで映像化しながら読んだ。アニメ化しないかなあ?(と思ったら、1993年にエルマンノ・オルミ監督で映画化されていた!)
★5 - コメント(0) - 2016年7月23日

妖精や風の精霊が棲む古森で、偏屈じいさんと孫が距離を縮めるハートウォーミングストーリーじゃないからおそろしいぜ。偏屈じいさんは隙あらば孫を亡き者にしようと企むが失敗し、風やラジオがその顛末を広めていると怯える始末。そんな偏屈じいさんに愛想を尽かして自分の影までが去ってしまう中で、命の危機にある孫と古森を救うことで、偏屈じいさんとその分身たる風のマッテーオが分相応の誇りを取り戻すところがすごくいい。偏屈じいさんは偏屈なままで孫との距離は縮まらなかったけれど、自分の影が戻るくらいには自分の誇りを取り戻せた。
★6 - コメント(2) - 2016年7月14日

泣いた。なんて哀しくて美しい物語なんだろう。自然と人間との共存を主軸に、自分の性質を変えることの難しさ、それを変える勇気、子ども時代への別れなど、幾層ものテーマが重なっている。偏屈で利己的な大佐、貧弱だが強く優しい心をもった甥、門番のカササギ、嫌われものの風の精、そして古森に棲む精霊たち。彼らの交わす会話にときにクスリとし、ときにハッとする。しんと静まりかえるラストはとても切なく、胸がいっぱいになった。ああ、すごく良いなあ。沁みた。
★29 - コメント(3) - 2016年7月13日

ちょっと待って、これ、ほんとに児童文学? こんなに哀しく美しい幻想文学が? 自然保護とか生物循環とか正義といったわかりやすい言葉ではまとめられない、深い余韻の残る話だった。
★9 - コメント(0) - 2016年7月5日

この作者の本はいくつかアンソロジーや岩波文庫で読んだだけです。児童用の「シチリアを征服したクマ王国の物語」も読んだのですがこれも最近出版されたばかりの児童用の物語dす。嫌われ者の退役した軍人がいるのですが、皮肉っぽく書かれています。風の精やこの古森に住む様々な生き物が出てきて子供用とはいえかなり楽しめました。ヤングアダルト向けのファンタジーといってもいいのでしょう。
★128 - コメント(0) - 2016年6月21日

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古森のひみつの 評価:100 感想・レビュー:31
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