高野聖・眉かくしの霊 (岩波文庫)

高野聖・眉かくしの霊 (岩波文庫)
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高野聖・眉かくしの霊はこんな本です

高野聖・眉かくしの霊の感想・レビュー(613)

真実をぼやけさせる語りかけという手法が物語にマッチしていて効果的。怪談(そもそもこの話がほんとうに怪談なのかもわからないが)の怖さはわからないというところにあるので。
★2 - コメント(0) - 3月10日

幻想的で儚さを感じるのに妖艶な強さも感じる、鏡花の短編2作品。情景を思い描きながら読み進めました。
★3 - コメント(0) - 3月4日

古文調で書いてあるためか怪異の恐れをひきててる一方で、文体にくせがあって難しく感じた。しかし、難しいおかげか何度か読み返すことで情景が頭に浮かんくるため、くせのある文体も個人的には全然あり。繰り返し読むことで話に引き込まれ恐れが広がる効果もあるため私みたいに古文苦手な人にもおすすめです。
★4 - コメント(0) - 3月2日

初の泉鏡花。悩ましく艶やかな女性たちを包む春霞のような漠たる世界観と、幻想的な物語に彫琢された文章が彩りを添えた短編二作品を収録。豊かな身体をほしいままにする女たちの婀娜めく描写に酔いしれるにしても興は尽きないが、独特の文体からあふれ出る玲瓏とした霊気にはやはり恍惚としてしまう。この世のものと思えないほど綺麗なものには恐怖すら伴う、という主題に支配された両作品から匂い立つ美しさもまた、この世のものとは思われないが、それでも恐怖を覚えないのは、やっぱりそこまで美しくないからか、影をしりぞく典雅の成す業か。
★14 - コメント(0) - 2月26日

情景描写が巧みなんだけれども、ただ詳しく書いてるというわけでなく、何というか、美しい日本語で表現されているが故に、ぼうっとふわっと輪郭のない情景が浮かんでくる。怪談で恐ろしさもあるけれど、艶かしく美しい。うーん、もっと自分に語彙力があればもっと上手く感想もかけるだろうに。そういえば、『高野聖』が会話文からの始まりで驚いた。
★6 - コメント(0) - 2016年12月18日

色の白い、長い黒髪の女。雪深い土地のしっとりと細やかな情感。谷崎がぐらぐら煮える鍋の湯気なら、泉は吐く息の白さだろうか。どちらもたっぷり水気を含んでいるが、泉の方が儚い。言いさしたような文末がぼんやりした明りのようであり、同時に掴んだ瞬間に溶ける雪のようだと思った。
★3 - コメント(0) - 2016年12月14日

怪奇でファンタジックな幻想文学。飛騨の山越えの過程が、大蛇、大鳥の卵、山蛭であったりモンスターと言いたくなるような生物がうじゃうじゃで、まるでRPGのフィールド移動(でのエンカウント)みたい。その危機を切り抜け、山中の古家へたどりついたけど、そこには妖艶な美女がいて...。分かりやすい。怪奇というか昔話的なお話でした。なかなか読むのに時間がかかりましたが、ルビ打ちがとても素敵でした(「莞爾(にっこり)」とか好き)。
★20 - コメント(0) - 2016年12月13日

SY
「高野聖」は天才の筆。全体に漂う雰囲気を、日本語の単純な形容詞で表現したくない。ヒル、あやかし、女。雨月物語を撮った溝口健二でこの作品を観たいと思う。妖しさ、などというより、美と恐怖が渾然一体となった世界。故に恐ろしさとは異なる何か、の中に僕は浸った。
★4 - コメント(0) - 2016年12月11日

泉鏡花の傑作から二作品を収録。どちらも初めて読む。 高野聖は最初は動でドキドキしながら読み進めたが、後半は静の部分が多く、その描写の緻密さにただただ驚嘆。特に人肌を花びらに喩えるのが驚いた。好きな表現。ストーリーも面白かった。 眉かくしの霊は山中の宿の怪異。なんだか暗闇にぼんやり光る提灯の灯りを眺めているような話だった。最後の描写のあまりの美しさに総毛立った。 解説も分かりやすくて好き。鏡花作品にハマりそう。
★6 - コメント(0) - 2016年11月22日

NAO
『高野聖』擬古文の美しい自然描写と、その風景の中に違和感なく存在する妖艶な美女。どこか異様なその暮らしぶりを見て離れて来てからの種明かしという巧みの技。怖さよりも、薄気味悪さよりも、美しさを感じるのは、鏡花のたぐいまれな詩情によるもの。『眉かくしの霊』出だしの弥次喜多を気取った気軽な旅の雰囲気から、うどんが蕎麦へ、蕎麦とともに出された鶫から女へと、どこへ向かうか分からない話はいつの間にか冬の幽霊へと収斂していく。難解ながら、徐々に怖さが増していく巧みな文章構成と、ここでも溢れるほどの詩情。音読がお勧め。
★58 - コメント(3) - 2016年11月8日

鏡花ならではの美意識とメティエ(技巧)に幻惑されるなら『眉かくしの霊』だろう。粋な旅情話は徐々に得体の知れぬ艶めかしさに侵食され、やがて怪異の上をぐるぐる虚無的に旋回する感覚に陥る。ある女の存在と、もう一人の女の存在の不透明さにイメージを重ねるあたりは、幾らでも読者の解釈の余地を与えてるし、また空想を働かせるほどに混乱をきたす施しもなされているようだ。風情をそのままに味わえば良いが、物語の住人の有りようも考えてみたり。頭を抱えているうちに官能漂う妖気と白い桔梗の花が整然と競い立つ恐ろしさだけが残された。
★47 - コメント(2) - 2016年11月5日

10代の時に「夜叉ヶ池」を読めず、今回読書会のテキスト本に決まったので、再度、泉鏡花にチャレンジ。 「夜叉~」に比べたら、読めただけマシ? しかし難解。 この世界に入るには、まだまだ未熟かしら。でもあれから30年予過ぎて、まだ泉鏡花の世界に入れない自分…。悲しい。
★5 - コメント(0) - 2016年10月12日

残暑の季節には涼しくてよかろうと思って読みなおし。
★2 - コメント(0) - 2016年9月19日

泉鏡花はその世界観から感覚的な作家と見られることが多いように思う。たしかに詩情豊かな文体と黄昏を文章に落とし込んだその物語は感覚的でもあるのだが、それ以上にきちりと組み立てた指物細工、工芸芸術品のごときものでもある。「高野聖」はその白眉で、出だしに語らせた僧はくるりとうしろに回り、語りは旅の道連れに任せる軽やかさ、物語の道中幾度もあらわれる峰の重なりは真実を二重三重に隠すことの暗喩になり、幻、現の境は実にあやふや。優れた工芸品には神仏が宿ることもあり、まさに職人鏡花の腕の冴えが光りを与えた物語である。
★31 - コメント(0) - 2016年9月17日

「眉かくしの霊」おいでなさいましたね。と怪異は私たちを待ち受けています。鏡花の職人的創作の秀作です。喜劇と言っても良い入り口は、膝栗毛まで持ち出す念の入れようで笑いを誘いますが、そこには既に恐怖と怪異の種が混じっているのです。岩絵の具のような鮮やかで重い色あいの文章は、一文になるとなぜか軽やかですらあり、鏡花の詩人としての面目が躍如して言葉の深遠さ、表現の美しさ、物語の創意工夫、それらはすべて最後の怖さにしゅうれんします。動きも豊かで映像的なこの物語を玉三郎丈に歌舞伎に仕立てていただきたいものです。
★38 - コメント(0) - 2016年9月13日

来る来るぞと思っていたところを過ぎてから、不意に異形の者が顕れる。修行一途の僧だから逃れ得て、過ぎてから触れるほどの距離に異界があった、ということか。筋はまさしく怪談で、「その瞬間」を待ち受けるような気分になるが、文章の方も吟味しながら読みたいところ。
★1 - コメント(0) - 2016年8月17日

鏡花初体験。怖いという印象はあまり受けなかった。幻想的でちょっと古めかしいイメージが浮かび上がってきた。眉かくしの霊は高野聖より難解。
★13 - コメント(0) - 2016年8月10日

初読みでしたが、訳が分からなかったです。一体どういうことって思いながら首を傾げてしまいました。難しかったです。
★1 - コメント(0) - 2016年7月29日

「高野聖」たぶん初読み。旅先で同宿した説教師の坊さんが話をするのを聞くという形式。山中の女怪みたいなのよりも、スタイルの方が気になってしまった。いまは直接怪異と出会うことを書くよな…
★2 - コメント(0) - 2016年6月8日

作者の名前も、その舞台も、登場人物も美しく。頭の中に思い描く景色から匂うはずもない花と樹々の香りを感じました。そして、美しすぎる世界は同時に怪しさも匂わせてきます。旧字、旧かなの文章に読みつもどりつながらもその世界観に漂いながらどんどん魅了されていきました。私はお嬢さんにアッサリ囚われてしまうタイプの旅人なんでしょうね。読みにくさにもどかしさを覚えてふと思いつきで音読してみたのですが、特段感情をこめているわけでもないのに旧かなの発音が導き出す音色の美しさに驚きました。いろんなところに美しさがちりばめられて
★4 - コメント(0) - 2016年6月1日

いずれも話は知っていたが読むのは初めて。心にぞっと来るような恐怖感がある。
★1 - コメント(0) - 2016年4月25日

本年17冊目、昨年暮れに読書会でいただいた本。泉鏡花さん初読み。明治のファンタジーものという感じ。薄いのですがなかなかに文章を読み進むのが時間かかってしまった。
★47 - コメント(0) - 2016年4月18日

泉鏡花を読むとあまりの描写の美しさ、色鮮やかさに驚かされます。 高野聖の、夏の暑い山道や冬の汽車から見た雪、蛭の出る森で血や泥に塗れた姿、夜の川で女に背中を擦られている場面など、一つ一つの情景が鮮明に、フルカラーで頭の中に浮かんできました。 また、美しいさの中にも得体のしれないものの不気味さが混じって、冷たいものに背中を撫でられるようなゾッとした感覚を覚えます。 表現は難しく、所々わからない部分もありましたが、他と比べられないほどの美しい文章に引き込まれました。
★2 - コメント(0) - 2016年4月16日

「高野聖」「眉かくしの霊」の2篇収録。▼旧字旧仮名で注釈もないので、これを最初に読むのはつらいかもしれない。再読用としてならおすすめできる。やはり泉鏡花は旧字旧仮名で読んだ方が雰囲気があってよろしい。(青空文庫でも読めるが、「高野聖」は新字新仮名と新字旧仮名の2種類、「眉かくしの霊」は新字新仮名のみ。)▼字が小さい。岩波文庫にはワイド版というのがあるので、大きい字が良ければそちらで。
★33 - コメント(3) - 2016年4月12日

草木も眠る真夜中に、ひとり静かに頁を繰りながら鏡花世界をたっぷり堪能する至福のとき。いつしか幽玄深山の魔力にからめとられ気がつくと、妖しく艶やかな空気にすっぽり纏わりつかれている。まさに麻薬にも似たこの感覚。泉鏡花の、美しすぎる響きと流れを生みだす文章力、麗しすぎる鮮明で繊細な表現力に今時空を超えて接することができるこの奇跡に感謝しかない。私的には無形文化財、国宝レベルの稀有な作家であり作品。
★5 - コメント(0) - 2016年4月11日

高校生の時分には難しく思えて、それからずっと敬遠していたのだけど、ようやく今になって読了した。ああ、もっと早く読んでおけばよかった! 本当に素晴らしい! なによりも怪しくも美しい文体による描写。文章そのものに魅せる力があって、最初はとっつきにくく思えたのに、すぐに引き込まれていた。構成も良い。私と僧坊と親父と三様の語りが自在に入り交じり、時に焦らされ、時に話者の近くに、また、時に遠い遠い幽玄な世界へ、まるで翻弄するような入れ替わりが心地よくなってくる。実に素敵な読書体験だった。後、ヒルが気持ち悪い(笑)
★7 - コメント(0) - 2016年3月15日

2007-0925
★1 - コメント(0) - 2016年3月14日

独特のリズムと奥行きを感じる詩的な文章。黙読より音読の方が断然その世界を堪能できると感じた。鏡花代表作「高野聖」は高野山の高僧が木曽深山中の狐屋で、豊肥妖艶の美しい婦人(あやかし)に恋心を抱くという話。この婦人が非現実性と通俗性の両方を併せ持っているのにさほど違和感を感じないのは筆致の素晴らしさにあるとは解説にもあった。p67「金釵玉簪をかざし、蝶衣を纏うて、~思わず涙が流れたのじゃ。」が好き。じっくりとまたこの世界に浸りたい。「眉かくしの霊」は冬の怪談話。黒髪、着物姿の女の霊ほど怖ろしいものはない。
★6 - コメント(0) - 2016年3月8日

幻想的で幽玄で、艶やかな世界。体言止めが多用してあり、流麗な文章。 『薫のする暖い花の中へ柔らかに包まれて』とか『いささ小川の水になりとも、何処ぞで白桃が流れるのを』とかとにかく美しい!
★42 - コメント(0) - 2016年2月23日

高野聖のみ読んだ。短文と体言止めの連続、口語的な言葉遣いによってリズミカルで読み易い文章となっていたように思う(とはいえ、いつの間に状況が追えていないこともあったが)。女の妖艷さと、男の「花びらの中に包まれたような」恍惚が印象的であった。
★4 - コメント(0) - 2016年1月15日

3
眉かくしの霊。すっきりしていて理解が簡単、という意味で読みやすい。人に勧めやすい。鶫の丸焼きが美味しそう。奈良井宿に行きたくなる。
★2 - コメント(0) - 2016年1月8日

「有声の画」の如く言葉と文字による絵を思い浮かべるだけにとどまらず、静寞の中の音、巌を照らす艶な月光、留南奇の薫り漂う深山に本当に迷い込んでしまったかのよう。夢か幻か、恍惚の中に浮かび上がる世界。現実を超えた美の境地が描かれた2編。『高野聖』は『今昔物語』のスタイルであり、修行中の僧侶によって語られる。僧侶が見た婦人は、艶麗に笑い「暖い花の中へ柔かに包む」存在。婦人の哀しみを感じるが故に僧侶は落涙し、そして迷い苦しみながらも婦人への想いを断つ場面は、物語を至純なものへと浄化する。
★58 - コメント(5) - 2016年1月5日

人間とあやかしの存在する空間、そこに色を加える女の美しい表現が、より一層幽玄さを描き出しているように思う。眉かくしの霊は、後半で恐怖が加速し最後にすごくぞっとした。流れるような文体、独特な文末表現により、物語の内に引き込まれてゆきました。
★1 - コメント(0) - 2015年12月1日

泉鏡花氏の作品は前々から気になっていましたが暫く本棚に眠ったままにしてしまっていました。そしてやっとのこと。さあ読むぞとページを繰っていったら、戦慄しました。文体、美しすぎです。とても好み。文章に熱中して一回目は内容があまり入ってこなかったのですが、二回目では何となくだけど少しだけ理解できたような気がします。深刻な読解力不足……もっと勉強しなければ。
★1 - コメント(0) - 2015年11月25日

現代の、わかりやすくそして情報量の多い情景描写に慣れた人には読みづらいかもしれないけれど、骨となる部分だけがしっかりと書かれているため、短編ながらもとても情景豊かに思えます。 この時代の日本は霊やこの世と違うもの、そういった別の世界が日常のすぐ傍に存在していて、今でも読み継がれる作家はその世界を最低限の、しかし豊かな筆で表現しているんだろうなと思います。 感想として持った事が的確に解説に書かれていて、それもまた凄い。 裏打ちされた知識と創造力など教養が無ければ、ただの奇譚もの。文学に触れる重要性を感じた。
★1 - コメント(0) - 2015年11月7日

美しい薔薇には棘がある。美味しい話には裏がある。誘惑してくる妖艶な美女には、、、。旅の僧の語りから始まる怪奇譚、高野聖。泉鏡花が繰り広げる独特な表現と世界観に、堕ちる。女性の艶かしさと色香の表現に酔う。幻想的な世界観に迷い込んだのは、僧だけでなく読者である私も、きっと。話のオチも秀逸。いつの時代も男って変わらない。学生の頃より、深く作品の世界に堕ちたと感じたのは、私が成長したからか?それとも、堕落したからか?
★20 - コメント(0) - 2015年10月22日

読みたい読みたいのに.....なんとなく幽玄さと現実と幻想のさかいぐちゃぐちゃ感はわかりました...
★2 - コメント(0) - 2015年10月17日

ふと鏡花を読もうと思って『新編泉鏡花集』を借りてあったのだが、今朝たまたま清水の方でシネマ歌舞伎とやらで「高野聖」をやるということを知り、午後に行くことにしたので、おさらいも兼ねて急遽久々に文庫で再読した。学生時代に心酔していたものだが、やはり他とは比べようもない。
★2 - コメント(0) - 2015年9月28日

鏡花の幻想にふたたび潜ってゆく。山の奥深く、宿を求めた旅僧が出逢ったもの。美しく、気持たせな女。あやかしの魔界。女に促されて服を脱ぎ、川の水で体を浄めてもらう場面のほのかな官能に高揚をかくせない。体をさする女のてのひら、ひたとくっつく女の温気、立ち昇る香気。それを鏡花は「暖い花びらの中に包まれたような」と表現する。月夜と女と水、それがいかに妖艶な輝きを放つかを鏡花は悉く知り尽くしているのが憎らしい。見知らぬ地で山を分け入る一条の路は、あの世にいざなう魑魅魍魎の棲む深山の路。月の水面にぱしゃりと跳ねる女。
★146 - コメント(2) - 2015年9月9日

高野聖・眉かくしの霊の 評価:96 感想・レビュー:207
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