狐になった奥様 (岩波文庫)

狐になった奥様 (岩波文庫)
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狐になった奥様はこんな本です

狐になった奥様の感想・レビュー(154)

体裁はカフカ「変身」だけど、変身した狐の描写が妙に可愛らしいので、どちらかと言うと動物と人間の蜜月を描いた小説(ex.谷崎「猫と庄造と二人のおんな」、コレット「牝猫」)に近く感じる
- コメント(0) - 2月23日

我が最愛の小説の一つ「回想のブライズヘッド」に本作を読む場面があったので、読んでみた。セバスチャンの凋落と、その後のチャールズとの関係を暗示するための小道具だったのだね。既に小説がもっとねじくれて来ていた時期に、かなり稀有といったストレートさと純情さを持って突き進んで行くお話であって、それが高い評価となったのであろう。面白いかと言えば私には結構微妙なものであった。多分それは、現代的にはあまりにもリアルに認知症患者とどのようにして関係していくかを突き付けて来るものと読んだので。とりあえず考えたくないなあ。
★7 - コメント(0) - 2016年12月15日

「一方、シルヴィアとしては、夫のほうがけだもののようになるか、けだもののようにふるまうことを望んでいたのではなかっただろうか?」奥様の思惑通り、テブリック氏は遂に狐のように振る舞っていました。しかも、テブリック氏はそこに幸せを見いだしていたし、奥様も幸せそうでした。恋の駆け引きって、相手を自分に振り向かせるためのものだと思っていましたが、もしかして、相手を自分と同類へ変えるためのものなのでしょうか?笑
★7 - コメント(0) - 2016年10月22日

傍に居続けることが愛なのか、別れることが愛だったのか。「これは、まさしく奇跡なのだ。」
★12 - コメント(0) - 2016年9月19日

ユーモアがあってすっごく面白いんですが、よんでてなんか切ないんですよね。狐の姿に変身してしまった妻がどんどん野生化していく姿を見守りながら愛すってどんなに苦しいことだろぉ〜!?狐になっても微かに感じる妻の仕草、つっ辛すぎる…。野生に放ち知らずに子供を産み育ててる姿、雄狐の存在、何もかもを受け入れ愛する彼にグッと涙してしまいそうになりました。最後は元の姿に戻ると思ってたけど、違った〜!
★5 - コメント(0) - 2016年8月23日

何の前触れもなく妻が狐になってしまった。言葉を話すことができなくなり、行動は獣じみ人間性は失われていく。それでも愛することをやめない。やめられない。これほどの献身、言い方を変えれば執着ぶりを見せる夫に、これは喜劇か悲劇かと迷う。読んでいて味わうもどかしさ、自分の手で殺めてしまえば良かったのに、と思った。狐狩りは犯罪ではないし、理性を失くしていく姿に耐えかねて、未だ人間だった頃の面影が残ってるうちに、というひとつの選択肢。なんて、そんなこと考えもつかないであろう、夫の弱さと優しさ。
★15 - コメント(1) - 2016年7月14日

若い妻が突如狐になってしまう。という荒唐無稽な大事件から妻への愛を貫こうとする夫とどんどん野生に帰ってしまう妻の悲しくも美しい物語。冒頭は今時の日本ならば「信じるかどうかはあなた次第」な感じの語り口で始まるのでつい、勘弁してくださいとか思っちゃう訳ですが(まぁ、それはそれで19末〜20世紀初頭のトンデモが科学の振りをしてた時代だから仕方ない)、あの国の田舎ならばもしかするとと思わされちゃう効果はあると思う。20世紀後半からの環境テロリスト的自然讃歌っぽい言動に走る夫も単に妻をということだし
★50 - コメント(3) - 2016年4月17日

理性を失っていく最愛の妻に胸を痛める夫の様子が何とも言えない。タイトルに興味をそそられて読んだが、とても楽しめた。
★3 - コメント(0) - 2016年2月29日

散歩中な突然狐になってしまったテブリック氏の夫人シルヴィア。段々と内面も野生化していき、家を出て森の中で生きるようになり、果てには5匹の狐の子を産む…。テブリック氏は悲しみや、雄狐への嫉妬などに苦しみながらも狐になったシルヴィアを愛していく。途中のテブリック氏とシルヴィアのやりとり(シルヴィアは話しませんが)から男女間の越えられない壁について考えさせられました…もう別の生き物ですよね。解説の「ひとを愛することのいかに難事であるかを、さらにそれがほとんど不可能であることを前提としたうえで…(p161)」
★6 - コメント(0) - 2015年12月20日

mm
解説に福田恆存さんの名解説が紹介されている。まさしくその通りだと思う。「人を愛することのいかに難事であるかを、さらにそれがほとんどは可能であることを前提としたうえで、かつ愛しぬこうとする激しい意思を物語ろうとしているのだ。そこには、愛そうとする意思が物語られているのではなく、愛そうとする意思がこの作品を物語っているのだ。」名言ですね〜。
★15 - コメント(1) - 2015年10月27日

178*タイトルの時点でインパクト大。自然讃歌に読める部分もある。
★1 - コメント(0) - 2015年8月21日

好きな人と一緒にいる難しさ。 言う通りにさせたかったり、相手に合わせたり…「そもそも男の人と女の人は違う生き物である」というあとがきにも納得。 傑作!!
★2 - コメント(0) - 2015年6月1日

Me
トンデモ設定なのに気づけば彼のその愛に心が張り裂けそうになりました。段々と体が獣になるよりも段々と頭が獣になる様は何と残酷なのでしょう。それでも嗚呼愛しい妻よ、愛とは執着でしょうか、果てはその雌狐を愛していたテブリック氏、個体識別も完璧です。しかし頭の中で狐と人間の間を振り子の様に彷徨い苦悶する彼が不憫でなりません。読了後も序盤の言葉が響きます「誓って言うよ、かわいいひと、わたしは一生涯、きみを裏切らない。誠実を尽くそう。妻たるきみを尊敬し、敬おう…きみがどんな姿に変わろうと、わたしの愛は変わらないよ」
★27 - コメント(0) - 2015年5月11日

狐と化した妻をそれでも愛し、それゆえに苦悩する夫の姿が痛々しい。「愛」とは何かを考えさせられる。肉体を超えた、しかし肉体に束縛される感情。エンディングまで淡々と進むのもよい。
★1 - コメント(0) - 2015年4月22日

物語の前半では狐になった妻に人間時代と変わらぬ生活を強いていた夫とそれに従う妻、この関係が物語の後半では狐となった妻の野生の習慣に周囲に狂人扱いされながらも懸命に合わせようと必死に悪戦苦闘する夫。これは悲劇なのか喜劇なのか判断が難しいがどちらにせよ奇っ怪ではあるがラブストーリーだ。
★3 - コメント(0) - 2015年3月23日

◎/あとがきを読んで『ポカホンタス』の作者か!と思った。テブリック氏がかわいそうで、これは何の物語なんだろう……ってことまで頭が回らなかった。
★3 - コメント(0) - 2015年2月7日

原書は1922年、イギリスの小説。版画の挿絵入り。ある日突然、妻が狐に変身してしまった夫の物語。錯乱して人間が狐に見えるようになってしまった、または、実は妻を殺害した夫が言い逃れに狐を利用している、などと仮定し始めの頃は斜に構えて読んでいたのですが、あらかじめ予期してあったかのように本文でことごとく否定されました。ほんとに変身してる…しかも可愛い…。変身の理由は不明。夫は体だけでなく心も獣になっていく妻を愛し続け、やがて元妻という理由すら超えて狐そのものを溺愛する。この愛は美しいのか異常なのか、はたして。
★16 - コメント(2) - 2014年11月24日

突然狐になった妻をひたすら愛そうとする夫の悲哀。最初は狐のまま理性を保った状態でいるものの、段々と動物化していく妻をいろいろと理由つけて受け入れようとするところを純愛を見るか狂気にかかったと見るか。個人的には後者の比率が高いような気がする。
★3 - コメント(0) - 2014年9月17日

情景がすぐに浮かんできて、自分が自然と物語の中に入っていける感覚がありました。日々生きて行く中で、大切な存在を突然失ったり、受け入れるしかないどうしようもない事実を突きつけられるということは誰にでも起こりうると思います。読み終わった後は少し、しんみり。
★3 - コメント(0) - 2014年8月27日

題名そのまんまの中編。不条理な状況に陥った夫の純愛話で、突然狐になって日々野生に戻っていく妻の様子と彼の心情が丁寧に描かれる。読み進めるうちに読み手が彼に抱く滑稽さは悲痛さに変わっていってラストに向かう。最後の行のそっけなさが彼の残りの人生をいろいろ想像させる。夫の心情はちゃんと語られるのだが、狐の妻(当然喋れない)の内面はしぐさなどから推察されるだけで、このズレが切なさを増幅させるのだろうか。いろいろな読み方が可能な良書。
★22 - コメント(0) - 2014年2月15日

ある日突然、狐になってしまった妻を、苦悩しながら愛し抜こうとするものの、彼女は人間であったことすら忘れ、野生に戻っていってしまう。何をしても裏目に出て、夫の愛は空回り。愛とは、夫婦とは何なのだろう。妖しく官能的な側面と、報われない愛情のどん底。求めているものが違いすぎる男女関係の焦りと絶望。とことん情けなくも哀しい夫の姿が滑稽に映って生々しい。そして他でもなく狐というのがまた、夫婦という本来、化かされた関係を揶揄しているようにも見え、しみじみ深い物語だなと思わずにいられなかった。
★112 - コメント(0) - 2014年2月12日

カフカの『変身』が掲載されてから7年後の1922年に出版された作品。ある日、突然狐に変身してしまった愛妻シルヴィアをテブリック氏はあくまで人間らしく扱おうとするが、雌狐は次第に"人間らしさ"を喪失してゆき、"野生化"していく。それと同時にテブリック氏は、世捨て人的な生活を送るようになりdegenerateしてしまう。逃れようのない嫉妬や狂気から救い出してくれるが、愛する雌狐の死であり、彼は愛と幸福の喪失によって生き長らえるのである。
★7 - コメント(0) - 2013年10月8日

これは童話でも寓話でもない。紛れもなく文学である。『死の棘』作中でミホが読んでいた作品ということで手にとった。同書の狂いゆく妻は夫に愛の誓文を書かせつつも夫は「愛の言葉」を口にしない。理性を失う恐怖にさいなまれるミホが欲しかったその優しい言葉こそが、この物語のなかに響き渡っていることが、なによりも皮肉であり、二作を併せ読むことでより一層の物悲しさに胸を打たれた。30「誓って言うよ、かわいいひと、わたしは一生涯、きみを裏切らない。誠実を尽くそう。妻たるきみを尊敬し、敬おう。神が憐れみの心から、きみを元の
★17 - コメント(5) - 2013年8月30日

狐になった妻を愛する主人公。序盤、妻の名字がフォックスとか、幼少期に狐の血を顔に塗られたとか、ふざけた設定に笑う。しかし後半、妻の生んだ子狐たちと主人公が森で戯れるシーンがあって、愛に溢れ過ぎてて涙が出る。でも人と狐では生活をともにできない。丁寧な描写を積み上げて、彼らの絶対的な隔たりを見せつけられる。その愛と隔たりは、寓意なんかぶっ潰してしまう。妻を野に放すときにキスをするシーンの「シルヴィアは相変わらず唸っていたけれども、噛みつきはしなかった」が切なく可笑しい。
★10 - コメント(0) - 2013年6月22日

【図書館】ある日突然狐になってしまった妻。次第に人間らしさは消え、妻は野生化していくが、それでも妻への愛を貫こうとする夫。この夫を、姿形が変わろうとも妻を愛し貫こうとする献身的な夫とみるか、気が狂った馬鹿者とみるか……。次第に妻を人間としてではなく、一匹の雌狐として愛するようになり、果てには人間よりも禽獣のほうが幸せだ、という結論いたるあたり、やはり気狂いとみるべきだろうか。ともあれ、愛というのは難しい。
★14 - コメント(0) - 2013年6月19日

切ないラブ・ストーリーですね。
★3 - コメント(0) - 2013年1月18日

狐になった妻を愛し続けようとする夫の話。美しい愛を貫こうとすればするほど苦悩し病んでいく夫の姿が痛々しく、切ない。また、変身譚の例にもれず象徴的。愛する者に精一杯自分を合わせようするうち自分も野性的になったり、恋敵に対して複雑な態度をとったり。解説で男と女が別の生き物である象徴といったようなことが書かれているのにも納得した。
★3 - コメント(0) - 2012年9月22日

寓話。変身譚。突然、狐になってしまった妻を愛し続ける夫の話。だんだんと野生化していく妻に対する愛情と悲しみが伝わってくるが、最後の文字通り憑物が落ちたように書かれた一文で、やはりこれはただの愛情深いだけの話ではないのだと思った。
★4 - コメント(0) - 2012年9月21日

紀伊国「ほんのまくら」フェアで購入。妻が狐になっても愛し続けた男の話。作者の処女作らしいが、次に書いたという男が猿の隣で展示された話も気になる。ひたすらシンプルな話だった。余計な描写や展開は排除されていて、童話的で読みやすかった。小説に小難しい言い回しなんかなくても人に影響は与えられる。買って損はなかった。
★3 - コメント(0) - 2012年9月2日

狐となったシルヴィアの動作の愛らしさ、子を生むことでさらに彼女は美しくなる。ジュクジュクになるまで愛することを化膿させ、その行為の成熟のさきを見る。狐の頭に手を乗せる。その些細な描写から、妻への変わらぬ思いを伝える。
★4 - コメント(0) - 2012年6月13日

変身譚。徐々に野性的になっていく描写がとてもリアルだった。妻にハト見て舌なめずりされた時点で愛情が尽きないなんてすごい。本当にこころから愛そうと思ったら、狂わなきゃやってられないのかも。「それを言うなら、テブリック氏は、現在も生きている。」
★5 - コメント(0) - 2012年4月10日

突如、狐になってしまった妻を愛しぬこうとする主人公。野生化していく妻に苦悩する姿は切なく哀しい。
★3 - コメント(0) - 2012年2月17日

シルヴィアに時々人間の感情が表れるせいでつらい思いをするテブリック氏。読んでるこっちもつらいよ。彼のシルヴィアへの一途で真摯な(馬鹿じゃないの?と言いたくなるほどの)愛が彼自身をこんなに苦しめるとは・・・でも、狐のシルヴィアはその愛をどう感じていたのかな?解説にあった「動物園にはいった男」も読みたいのに文庫版は出てないのね・・・
★4 - コメント(0) - 2011年6月12日

本屋でタイトルに惹かれて購入。カフカの変身、中島敦の山月記などに比べたら、最も童話的で読みやすかった。キツネの様子が生き生き描かれている。キツネはよくその狡猾さが描写されがちではあるが、昔話のごんぎつねと同じく、悲劇的な登場人物としても、その大役をやってのける魅力ある動物だと思った。
★2 - コメント(0) - 2011年5月23日

まだ・・混乱している 私です・・・。
★1 - コメント(0) - 2011年5月2日

愛だよ。
★2 - コメント(0) - 2011年4月8日

さて質問です。突然、愛する人が狐になってしまい、次第に野生になっていたらあなたはどうしますか・・・?狐となり、人間の心も失っていく妻、その事実を嘆きながらも妻を最期まで愛した夫、彼らの別離。人間性や愛の儚さや普遍さ、滑稽さなど色々なことを描いています。ウェルズ氏がこの作品を評した言葉が胸にすとんと納まりました。所々にある押絵も素敵です。
★21 - コメント(0) - 2011年3月5日

【イギリス】散歩の途中に狐になった妻、それでも愛し続ける夫の話。深い意味がいろいろとあり、読む人によっていろいろと解釈は異なるのだろうけれど、素直にありのまま読んで受け止めたい。狐に姿を変えて野生化していく妻、それを守ろうとする夫の愛情の深さと葛藤、そのあたりが見事に哀愁深く描き出されていると思った。何かせつない。
★5 - コメント(0) - 2010年11月15日

狐になった奥様の 評価:76 感想・レビュー:54
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