シスター・キャリー〈下〉 (岩波文庫)

シスター・キャリー〈下〉はこんな本です

シスター・キャリー〈下〉はこんな本です

シスター・キャリー〈下〉の感想・レビュー(50)

ドル―エと良い関係に落ち着きかけてところに、ハーストウッドによって強引に駆け落ちさせられるキャリー。しかし、ニューヨークについたあたりからハーストウッドの経済力が落ちて、それとともに彼の影響力が弱まる。やがてキャリーは独り立ちして、彼女は他の誰のものでもない、自分の実力と技術で都市をのし上がってゆく。田舎の小娘から、アメリカン・ドリームを体現するかのように都市の中産階級の仲間入りをした彼女は、でも本当にこれでいいのかと自問する。ドライサーはある意味でアメリカン・ドリームを否定していると言えなくもない。
- コメント(0) - 2016年11月18日

ハーストウッドと共に、ニューヨークへ移るキャリー。前職に固執したがために職の見つからないハーストウッドは、悲惨な結末を迎えるわだが、だからと言って、彼を責められるかどうか。だが、どこかで妥協すれば、もっとまともな最期を迎えられただろうに……とも思ってしまう。キャリーが成功の中で感じた孤独は、人間性を捨てていく過程に生まれたのかもしれない。確かに、現代を生きる私にも、響くところが多かった。
★2 - コメント(0) - 2016年10月12日

舞台で華々しく成功する女性と、転落する男性。二人の明暗を分けたのは、単なる運だけではなさそうな気がします。キャリーには、ハーストウッドが失った気力と若さが残っていた。富と名声を手に入れる人がいる一方、今夜寝る場所すら無い人もいる。大都会は光と闇のコントラストが毒々しいまでに濃い場所なのだと感じました。もちろんNYに限らず東京も然り。キャリーの栄華がいつまで続くのか気になるところです。都会も人も、弱者には容赦無いし、成功したとたんに手のひらをかえす。分かってはいるけど、なんだか複雑な気持ちになりました。
★48 - コメント(0) - 2016年8月7日

上巻では美しい田舎娘キャリーについてずいぶん細かく書かれていましたが、この下巻では様子がすこし変わり、彼女を強引に駆け落ちに連れ出した金持ハーストウッドという男が話の中心になっています。彼は、その新しい土地で職にありつけず、窮乏にあえぎ、やがて自殺する。キャリーはといえば、都合よすぎるくらいうまく事が運んでいき、あっという間に有名女優という地位を手に入れ、そのうちに貧乏のハーストウッドも見捨て、贅沢な生活を手に入れる。露骨なまでの逆転と対比からは、どこかスリリングな香りさえ漂ってきます。とても面白かった。
★8 - コメント(0) - 2016年4月28日

Z
古典的な書き方で作者とおぼしき人間が時々顔をだし登場人物の行動等に評価などをしていく。富裕な男と駆け落ちした主人公。いろいろあって男は貧しく堕ち主人公は名声を獲得する。男の没落はリアリスティックで少し胸が痛む。男が都市の暗い面を代表させるなら女は舞台女優という華やかな面を表している。作者の女に対する評価を読むと地に足をつけた生活ではなくショービジネスというイメージの世界にいきフワフワとした生活を送ることに対する批評意識を感じる。マスメディアを主題とした作品としてドスパソスなどと対比して読んでみようかな。
★4 - コメント(0) - 2015年10月20日

キャリーが栄華を極め、それを賛美するストーリーになるかと思っていたら落とし方が違っていた。また途中彼女が孤独を感じる場面があり、富や名声の虚しさについて語るのかとも考えていたのだが、またもや違く、さらに欲の深さを罪とするのでもなく、一般の道徳規範や価値観とは見解を異にしていて興味深かった。読んでいるときは、キャリーの性格が好きで幸せになって欲しいとしか考えていなかったのだが、解説を読むと、彼女の貞操についても触れてあり、本書がアメリカの新しい未来への道を示しているのだと強く思った。
★2 - コメント(0) - 2014年10月15日

表紙でネタバレした上に、間違っているというのは如何なものか>岩波文庫。下巻はひたすらハーストウッドが没落してゆき、男と女の心のすれ違いが残酷なまでに客観的に描かれる。ドライサーは二人の主人公の即物的な生き方に批判的なのだけれど、それは同情の欠如を意味しない。むしろ、社会の「歯車」でしかない彼らの悲惨を通じて、資本主義という制度が批判されている。最後まで愚かな自尊心に振り回されたあげく「やれやれ」と呟いて死んでしまうハーストウッド。ポストモダンには生きれない不器用さにしみじみするのが僕にとっての文学である。
- コメント(0) - 2013年12月17日

ハーストウッドの落ちぶれぶりが凄まじい。しかし、妙なプラス思考で辛い現実から逃避している姿は他人事とは思えず、怖くなった。読み終わったあとは少し寂しい気分に。キャリーの本当の幸せとは何なのだろう。
- コメント(0) - 2012年10月31日

生きる気力に満ちている女と、気力がなくなった男の対比。金=自分の力、と思い込んでいる男が落ちていくのは当然。上巻の終わりのほうから、加速度的に面白くなってきた。さすが岩波文庫。
- コメント(0) - 2012年4月14日

社会という大きな力に抗えないハーストウッドの姿をみていたら、いつか自分にも降りかかるんじゃないかと怖くなった。キャリーは幸せを追い求め続けることができるんだから恵まれてる。プラス思考なんですかね。
- コメント(0) - 2012年1月22日

ハーストウッドの失墜があまりにも鮮やか。キャリーのなりあがりも華々しい。それだけに、結末の寂しさが印象的。
★1 - コメント(0) - 2010年12月12日

想像していたよりもかなり面白かった。シカゴとNYが舞台になっているのですが、アメリカだからこそ書けた小説でしょう。キャリーに共感は出来るけれど、好感をもてるかと言われると微妙・・・。詳しくはブログで書こうかな。
★2 - コメント(0) - 2009年12月5日

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シスター・キャリー〈下〉の 評価:56 感想・レビュー:14
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