孤独な娘 (岩波文庫)

孤独な娘はこんな本です

孤独な娘の感想・レビュー(144)

予備知識もなく、表紙のあらすじを読んで購入したいわばジャケ買い。勝手にイメージしてたのとだいぶ違った。まず「孤独な娘」、はつつましく心優しい職業婦人ではなく、悩み多き青年で、さらに「読者からの手紙に真摯に対応する内に人生に目覚める」訳ではなく、「読者からの手紙に悩みを深めつつ思わぬ方向へはまっていく」。感動とか、共感と言う作品ではないけれど、読者からの手紙は当時の時代を反映すると共に現代の人生相談にもつながるものを感じ、「孤独な娘」には特に共感できなかったけどラストへの伏線の貼り方などなかなか面白かった。
★17 - コメント(0) - 2月11日

R C
「孤独な娘」という名で新聞の悩み相談を担当している青年が、読者から送られてくる現実の悩みに向き合わざるを得なくなり自らも苦悩に沈んでいく。様々な行動に出るが、自身の苦悩も読者からの悩みも解決することはできず、空回り状態の末に結末を迎える。主人公を軸にした短いエピソードが連なる形式で、都市生活者の孤独を表現したものらしい。自分が読んだ限りでは、解決しがたい憂うつにとらわれた現代人の姿だなという印象。ブラックユーモアという評についてはあまりぴんと来なかった。
★5 - コメント(0) - 2016年8月23日

大学では英文学を選択したにも関わらず、この作家/作品を知らなかったことを恥じ入りたい。事務的に整理してしまえば人生相談を担当するある男に纏わる悲喜劇なのだけれど、三〇年代に書かれたとは到底信じ難い瑞瑞しい筆致(なんという名訳!)が描こうとするのは、こう表現すれば退屈に聞こえるだろうが「都会人の孤独」とでも表現すべきものなのではないかと思う。これもまた恥ずかしい話だが、キリスト教に関しても無知なので本書の宗教的な側面からのブラックユーモアも理解出来ていない。そのあたりきっちりした解説が欲しかったのは我が儘か
★9 - コメント(0) - 2016年8月3日

181*何となく意味ありげな表現が多いが、結局何を言いたいのか理解出来ず。おもしろいとは思えなかった。自分には、やっぱりアメリカ文学が合わないのかも。
- コメント(0) - 2016年7月20日

主人公の孤独な娘が、投書者たちの救い主(キリスト)になりたい、彼らを心配し、いたわる気持ちは本当だったと思う。しかし、件のドイル夫妻への手の差し伸べ方はどうだったか?そこに孤独な娘のドイル夫妻への優越感、つまり自分より下の人間がいることの安堵があったのではないか。自分が「キリストと一体」になって、「助けてあげた」という見下しはなかったか?その優越、安堵がドイル夫妻にも伝わったのではないかと考える。(コメントに続く)
- コメント(1) - 2016年3月9日

【第56回 海外作品読書会】悩み相談の編集者が陰鬱な手紙を読んでいるうちに、どこかに引きずり込まれていく話。救世主は何時の世も理解されないということなのか最後は天啓を授かったわりにはあっという間に終わってしまう。第一次世界大戦の影響は大きくシェルショックで精神を病んだ男性や、戦場でからだの一部を失ったと思われる男性が出てくる。悩みの多くは男性が絡んでおり、《孤独な娘》は女性よりも男性への共感を示す。ゲイ小説の一種なのだと思う。確かにアメリカと言うよりは同時代のヨーロッパ的な作品だと感じた。
★1 - コメント(1) - 2016年2月12日

時々出会う「何が面白いのか分からない本」。
★2 - コメント(0) - 2016年1月27日

新聞の身上相談欄を担当する《孤独な娘》は、投書に対する向き合い方が判らず、彼らの憂鬱に引っ張られていく。いかがわしくて下品、なのに美しさがある不思議な作品である。キリストへの懐疑的な人々が象徴的なのかもしれない。正直よく理解できなかった部分もあるけれど、癖になる。
★9 - コメント(0) - 2015年12月10日

抽象的なうえに西洋的思想が絡んでいるのでやや取っつきづらさを感じましたが、低学年向けの教科書に掲載されていそうなこのテンポのよさはまぁすごい。ネット書店でおすすめされなければまず手に取らなかったというくらいにはドマイナー作品だと思いますが、埋もれさせておくにはもったいない
- コメント(0) - 2015年7月13日

なんという問題作。新聞投書のお悩み相談員を設定したなら、例えば自身の想像をこえた現実に気づかされて真理により深く目を見開かされていく話、とか、やがて社会を変えていく小さな一粒の種を蒔く話、とかも出来ようが、ここではどこまでも現実は変わることなく、圧倒的で、醜悪で、その前で悩む人間(あるいは悩まない人間)も、全くとるに足らないつまらない抵抗で日々を過ごしているだけに見える。いろいろ連想している人がいるようだけれど、私は『未来世紀ブラジル』とか安部公房とか連想したかな。
★4 - コメント(0) - 2015年6月12日

[図書館本]《孤独な娘》と称する新聞の人生相談者を中心とした物語。主人公の呼称は一貫して《孤独な娘》で、名前は一切出ないが、どうやら性別は男であるらしいことはわかる。手紙で届く悩み相談に辟易している様子も見られた。正直言って、あんまり面白くはない。全体的に暗く平坦で、読めば読むほど気分が落ち込んでいった。気が向いたらまた再読するかもしれない。
★11 - コメント(0) - 2015年5月4日

丸谷才一訳だから読み始めた本(解説者の富山太佳夫がいみじくも冒頭の述べている通り)であったが、ものすごく面白い。
★5 - コメント(0) - 2015年2月24日

この作家の別の代表作「いなごの日」からこちらを手に取る。1933年作。主人公は読書の投稿からの人生相談の連載記事『ミス・ロンリー・ハート』を担当しているが、次第に彼は…… 小説としては破格な作品で全く先が読めない。人生のきつくえぐい部分をさらけ出している。30年代によくここまで書くものだと驚いた。シュールな表現もありそれらから個人的にデビッド・リンチ監督作品を連想した。米文学入門のこの作家の記述にあったが、この作家は高みから揶揄することができないので、痛々しいとあるがなるほどと感じる。
★34 - コメント(0) - 2014年12月30日

ゴッフマンの『スティグマの社会学』冒頭に引用されている作品。手紙の内容は深刻だけど、全体のテイストは軽快で皮肉っぽい。大雑把に言えば筒井康隆みたいなユーモア感覚。
- コメント(0) - 2014年10月30日

孤独な娘の意味が興味深いです。解説の政治文学にサンテグジュペリがあげられていることが意外でした。ジャンルではなく、時代を考えて読むことのほうが好きですね。
★2 - コメント(0) - 2014年10月24日

乗れなかった。
- コメント(0) - 2014年6月8日

≪孤独な娘≫として新聞の人生相談を担当する主人公の男。失望と怒りから、グロテスクな夢想と暴力性をはらんだ鬱屈した視線で世界を見つめる。嫌悪しながらも目を離すことはできない。底にある信仰と、信じるが故の失望。苦悩を冗談にすることもできず、解消することもできない。俗な上司や、女性達の存在で、重苦しくなく、読みやすいですが、またその俗っぽさが悲惨さをきわだたせる。映像的で好きな作品です。
★1 - コメント(0) - 2014年5月24日

ミス・ロンリーハーツの異名で新聞の「人生相談」を担当する男に、人々は教会の告解の小窓に向かう様にアカラサマな悩みを綴ります。まるで、この世界が煉獄そのものであると、相談者は言います。悲惨を極め、救い難き懊悩の数々と男自身の生活に横たわる問題がシンクロし、キリストゴッコと現実の埋め難い距離の隔たりが突然の終端を迎えます。決着は救いなの?破滅なの?信仰と現実の間で実感出来るモノが少ないために理解が届かないもどかしさもありますが、読後に残った「美しい」印象は、偽善を排そうとした男の正直さ?の余韻かも知れません。
★32 - コメント(0) - 2014年5月18日

ブラックユーモアの傑作とかいう世評だが、どうも苦味ばかりが強く感じられて、あまりユーモア的な部分を楽しむことが出来なかった。多分意図してそういう書き方をしているのだろうが、所々、どうも文意を取り難いようなところがあって、上手く登場人物の言動や内面を把握することが出来ない所が何ヶ所かあり、少々ストレスに感じた。そもそも「孤独な娘」が抱く宗教的なパッションが私にはどうもよく共感を持って理解が出来ないので、「孤独な娘」の苦悩と凋落が上滑りしていくような感じを受けた。よって、ラストも衝撃的だが、どうも……。
★2 - コメント(0) - 2014年3月25日

大衆新聞の身の上相談欄で回答する『ミス・ロンリーハーツ(孤独な娘)』という設定にそこはかとないユーモアを感じたのだが、これはかなりブラックであった。「娘」宛に毎日膨大な悩みが寄せられ、娘を演じる「彼」は最初こそ読者を増やすための一手段であり、冗談に過ぎないと考えていたが、寄せられる悩みのあまりの悲惨さに彼は次第に飲み込まれてゆくのだ。しかし彼の女癖の悪さたるや、相談者をアパートに連れ込んだり、上役の奥さんを誘惑したり。なんだかモノクロのフランス映画を観ているようだった。ラストシーンはまさに映像的。
★56 - コメント(0) - 2014年3月9日

新聞の片隅に創設された人生相談欄を担当する一人の都市生活者。彼の上司も彼の友人も、この人生相談欄を半分ジョークとして軽視しているが、彼は彼の全存在をかけて投書に綴られる都市生活者の憂鬱と対峙しようとする。相談者と彼の間にしか見えない絶望と救済、そこに浮き彫りにされる都市の内的倦怠。信仰と救いは都市によって迫害され、無機質で虚ろな寒々しさだけが我々の心に残った。その冷たい生だけをただ無条件に与えられた我々は何に縋ればいいのだろう。第二の失楽園に気づいたミスロンリーハートの孤独な足掻きが記されている。
★2 - コメント(0) - 2014年2月3日

時は大恐慌時代、新聞の人生相談欄を担当する《孤独な娘》(ミス・ロンリーハーツ)の目に映る、病める現代人の姿。あまりにも異常な社会に不遇の作家はどう向き合ったか、本作は諷刺文学だが、それはシニカルというよりもむしろ自虐的である。「訳者あとがき」や「解説」ではダダイスムやシュールレアリスムからの影響も指摘されていて、確かに読んでいて印象的なのはその痛ましさであった。
★6 - コメント(0) - 2013年12月8日

20世紀初頭のアメリカ。新聞で悩み相談を受ける男の物語。宗教的な救いの手を授ける聖職者然とした側の人間の苦悩と、問題を抱え現実社会に生きる凡庸な自身との間に苦しむモチーフは古くからある。メディアでの悩み相談とかたちは、今となっては新しくもないが、その頃としては斬新だったのであろう。
★1 - コメント(0) - 2013年11月25日

なんともいえず重苦しく消耗するような一冊でした。
★3 - コメント(0) - 2013年11月23日

パラノイアの孤独な娘が、夢の世界と現実を行き来したがら、新聞の投書の不条理な世界に憂いつつ、その日々を過ごして行く、カフカ的な雰囲気がある小説でした。孤独な娘は、最後まで名前が分からず、孤独な娘と呼ばれている事などが、城のKを思い出しました。面白いのですが、万人受けしない様に思います。カフカが好きな人は、合うかも知れません。
★1 - コメント(0) - 2013年11月21日

「彼は岩を探し求めた。それはまだそこに存在した。笑いも泪も、岩に作用することはできない。岩は、風や雨のことなどすぐに忘れてしまうのだ。」(p150)終盤に突如現れる「岩」という表現、そして試された「岩」は、夜を越え主人公を発熱させる。これらは序盤から常に物語に寄り添ってきた「キリスト」の隠喩であるとみれば、なるほどブラックユーモアである。
★1 - コメント(0) - 2013年11月16日

ブラックユーモアって、こういうテイストのものを呼ぶんですかね?なんかちょっとイメージと違うような、私のブラックユーモアのイメージがずれてるのかしら。この本を持って30年代にタイムスリップしたら、ウィットに富んだことがたくさん言えて知識人にモテそう。
★1 - コメント(0) - 2013年11月1日

短い作品だったけれど、ここ最近読んだ中では一番難解な作品だった。新聞社のお悩み相談記事担当者を主役とし、彼の同僚や相談を持ちかける読者とのやりとりなので普通に面白いのだけど、キリストうんぬんの記述部分は私には理解が難しかった。
★1 - コメント(0) - 2013年10月31日

『いなごの日』に比べると本作でもかなり「シュール」なのだが、ポストモダン小説を通過した我々はまだなんとか読み通せる。物事を笑わずにはいられない、という「孤独な娘」が抱える病は、シニシズムというポストモダンの病である。故・丸谷才一の訳ということで書店に並んだのだと思うが、この小説を早期に、しかもかなり正しく評価し翻訳した丸谷の読み手としての才覚はやはり素晴らしい。露骨に性的で暴力的なギャグの数々から、ユダヤ系のブラック・ユーモアの元祖として、ウェストを位置づけることもできるのではないかと思いながら読んだ。
★2 - コメント(0) - 2013年9月9日

ラストシーンは好き。途中、あまり物語に入れないところがあった。
★3 - コメント(0) - 2013年9月6日

なんというか、ミザリーな感じの作品。新聞のお悩み相談の欄に「クリスチャンの信心深い女性」という体で答える男性の若者。しかも、販促記事として期待されて、という状態で。 読み進めはするのだけれども、なんというか楽しい読書ではなく、重くだるい読書、という感じも受ける本だった。そういう点では、実に真実を描き出している感じもするし、リアルさもある。
★7 - コメント(0) - 2013年9月5日

「思ってたんと違う」本。表紙の著者の写真、まさか最後まで付きまとってくるイメージになってしまうとは。人の不幸が流れ込んできたら、一体自分はどうなってしまうのだろう…と考えさせられる内容でした。それにしても、あの時代にこの内容、結構ショッキングだったんじゃないのかな。結末はやはり、こうなったか…の感が。ちょっとオーウェルの『葉蘭-』っぽい。
★8 - コメント(0) - 2013年9月1日

表紙に「都市生活者の苦悩」「現代人の憂鬱」とあるが、まさに、主人公・周辺人物含めて「こういうこと言う人よく見るな……(主にネットで)」と思いながら読んだ。女流作家を「業界志望若年女性」に変え(さすがにあれよりは市民権がある)、ネット・SNS要素を入れればそのまま現代日本の物語になると思う。/平易にして流れるような、語彙の豊かな良い文章だと思ったら丸谷才一だった。これが二十代の仕事か……
★2 - コメント(1) - 2013年8月28日

《孤独な娘》原作ではMiss Lonelyhearts。英語だと何かスタイリッシュな響きだが訳者のセンスが謎。でもって、《孤独な娘》とは新聞の身の上相談欄担当の男性記者のペンネームなので、思わず唸る。マスメディアの側に身を置くことは、自らの繊細な部分を鈍麻させ、内なる声に耳を塞ぐことかもしれない。だがそのことが彼をどんどん損なっていく。いつの世も尽きない悲惨に人としてどう向かい合うのか。答えは示されない。ラスト3章がシュールな感じで印象強し。
★2 - コメント(0) - 2013年8月25日

「生とは一つのクラブでありまして」(p.94)と始まる言葉は、映画『ジャイアンツ』の演説場面を思い起こさせる。引用か。1929年大恐慌の後だから、やけっぱち風。図書館本。
★3 - コメント(0) - 2013年8月25日

1933年初出。「生活に負けてしまってはいけません。今までの人生行路が失敗だと判ったら、爽やかな新しい道を探そうではありませんか」(15頁)。そうだな。学位も採れないし、大学教授になる道も険しい。ま、読書会でも開くか。「生活とは苦悩と心痛の恐ろしい戦いであって、希望も喜びもないようです」(73頁)。生活に追われ、税金、負担、病気、など、希望は確かにないが。作品は世界恐慌後に書かれている。生活の厳しさを露呈するが、それでも、生きていかざるをえない、今の3・11後の放射能ダダ漏れでの生活に似たものを感じる。
★18 - コメント(0) - 2013年8月18日

【図書館】性別を偽り、新聞の人生相談欄を担当する《孤独な娘》 仕事だからと割り切って、適当にやり過ごせばいいようなものの、次第にそれらの相談ごとから抜け出せなくなっていく。相談ごとの深みにはまり、抜け出せなくなるのは、結局のところ、彼が真面目だったからだろう。
★12 - コメント(0) - 2013年7月30日

禁酒法時代のアメリカで、新聞が読者数を増やすための企画として設けた相談コーナー「孤独な娘」の回答を担当する独身男が読者から寄せられる相談にさらされて次第に追いつめられていく。男にはキリスト教精神を標榜しつつも理想主義といえるほどの使命感もなく、完全に仕事として割り切るだけの非情さもなく、その中途半端さのゆえに抜け出したはずのしがらみにまたからめ捕られてしまった・・というストーリーだけでは表現しえない空気感にやられました。しかし、アメリカでは記者と市民の距離は相当近いんですね。
★4 - コメント(0) - 2013年7月17日

孤独な娘の 評価:72 感想・レビュー:50
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