青白い炎 (岩波文庫)

青白い炎 (岩波文庫)
592ページ
248登録

青白い炎の感想・レビュー(80)

ジョン・シェイドの遺した999行からなる詩篇『青白い炎』をチャールズ・キンボートなる人物が編集し前書き、本編、注釈、索引という構成で世に出そうとしているものの、何かがおかしい。まず"作品の"前書きの時点で近くの遊園地をさし「うるさいな、あの音楽め」と、全く関係ない独白を平気でしたり、自分は正気だが周りの奴(特にシェイドの妻)がイカレてるという旨の発言を繰り返したり………コイツ多分頭のネジが緩んどる。そして注釈部分になると暴走は更に加速。脱線は当たり前、それどころか唐突に物語内物語が始まったりもする始末。
★16 - コメント(0) - 2月4日

『青白い炎』の注釈の中で別のものがたりが進むとかとばしすぎでしょ。
★1 - コメント(0) - 2016年11月6日

ある詩人の遺作に彼の同僚で友人の大学教授が前書きと注釈、索引を付けた本。なのですが、前書きから何か違和感が。それは注釈を読み始めるとさらに高まります。詩人の自伝的と思われる長編詩を解釈する注釈で展開されるのは、注釈者の祖国ゼンブラの最後の国王の半生(と注釈者と詩人の交流)なのですから! この解釈は妥当なのか、単なる妄想なのかと詩と注釈を行ったり来たり。冷静になるとこれはナボコフの作り上げた虚構で、つまりは作者の手のひらの上で躍っているだけなんですが、その楽しさといったら。ああ、「美しのゼンブラはどこに?」
★34 - コメント(0) - 2016年10月26日

『ロリータ』の成功で生活に余裕が出たらしいナボコフが、好き放題した印象の長篇。まず形式からして異形であり、英詩とその注釈からなる。その注釈者が問題で、詩の作者の親友で原稿を託されたと称する彼が、詩本篇と関係ないように思える膨大な注をつけていく。注のくせに物語していて、読んでいて楽しい(内容は怖いが)。詩と注から成る小説ということは事前に知っていたのだが、注釈者はもう少し自制してフツウの注を装うと思っていたところ、最初から大暴走で笑った。全体としては超絶技巧で書いたバカ小説という感じで、とても気に入った。
★15 - コメント(1) - 2016年10月8日

長編詩「青白い炎」の前書き、詩本編、注釈、索引と、尤もらしい佇まいで展開される物語を快い頭痛と共に読み終えた時、錯綜する感想が殺到し充実感に溢れた。その夢幻に惑乱。1959年、露文教授は愛を寄せた亡き米国詩人の詩の解釈を、母国への情熱に駆られ自らの妄想へ強引にこじつける。その執念が奇怪さと笑いを呼ぶ。作家自身の二面を肥大化して描いた様な二人の造形の巧みさ、教授自身もまた二人に、暗殺者も二人にと分裂していく厚みに混乱しては堪能した。文学愛、祖国愛、亡命者の心境が余すことなく描かれ、感嘆と哀切さを深く感じる。
★41 - コメント(1) - 2016年9月19日

「ブニン」「ロリータ」に続き、ナボコフの小説三作目にして、一番読みにくく辛抱のいる読書だった。前書き、999行の詞、詩の注釈の、三部からなる。詩人の詞を注釈で捻じ曲げることまでして、作者が得るものは、さて…? 試みとしてとても新しいもので、その試みの斬新さやユニークさは素晴らしいが、文学作品としての感想は再読しなければ書けそうにない。だが、再読する気になるだろうか。。。
★117 - コメント(1) - 2016年2月28日

詩とその注釈というスタイルをとっている小説です。祖国への郷愁にかられたある男が、老詩人に自分の祖国を詩に書いてもらおうといろいろ吹き込みますが、結局、老詩人が書いたのは自分の娘を詠った詩でした。男は注釈の中でこの詩は自分の祖国を詠ったものなんだと徹底的に言い張ります。自分の祖国とは何の関係もない詩を注釈の中で徹底的に捻じ曲げようとする努力が涙ぐましくて笑える話です。一編の詩が祖国の全てを描ききっていることへの期待を意味する991行目の注釈の最後の一文がとても心に残りました。
★2 - コメント(0) - 2016年2月3日

まえがきからパラノイア的な思い込みの激しい人間が書いている雰囲気を醸し、不穏になりつつ、美しいけれど意味のわからない詩が999行。それにかなりの量の注釈がついてその部分が小説になっている。素晴らしいのひと言。
★6 - コメント(0) - 2015年12月15日

最高に面白かった。言葉だけで、ここまでふざけまくれる。ザ・グレート・言語芸術。長編詩に付した、狂人の注釈、っていうと、前衛的でこむつかしい現代文学なんでしょ、いやだあ、と思われる向きもあるかもしれないがなんのことはない。ゴーゴリの「狂人日記」を読むように、そのまま気楽に豊穣な細部のギャグを楽しめる小説だ。なぜか自分のことをゼンブラとかスペインとかの国王だという幻想に語り手が捉えられているとか、形式的にも、いや何より、文体の異様なテンションが「狂人日記」を欲望するテクストとしているとしか思えなくてにんまり。
★6 - コメント(1) - 2015年11月27日

「難解な未完の詩への註釈としての人間の生涯。」という小説中の言葉(シェイドの詩句の一節だが、キンボートの註釈でも珍しく簡潔に同内容のみが繰り返されている)を体現した構造の本作はまさに、同じくシェイドの詩句を借りて言えば、「テクストではなく構成(テクスチャー)なのだ」。世界を一つの織物と見立てるナボコフの芸術観は、どこかゼーバルトを髣髴とさせるものの(ゼーバルトもナボコフを好んで読んでいたそうだが)、
★28 - コメント(2) - 2015年10月16日

ウラジーミル・ナボコフの『青白い炎』を読了。999行の詩と、そこに付された註釈。しかし、「註釈」とは名ばかりで、全く別個の物語が生成されていくという、かなり実験的な作品。要再読の一冊。
★1 - コメント(0) - 2015年10月2日

1962年初出。註釈が相当長く、索引も解説も巻末にある。充実の1冊。いかなる曙光、いかなる死、いかなる運命が死後の意識を待ちうけているかをしかと知らずして、どうして人間は生きられよう?(62頁)=How could he lie without Knowing for sure what dawn, what death, what doom Awaited consciousness beyond the tomb? (p.63)  
★31 - コメント(2) - 2015年9月9日

【ガーディアン1000冊/164】1000行からなる詩編とその前書き、解説とからなる書物。一見、詩であるのになぜかガーディアンの必読1000冊に入っているか? それは解説自体が創作であり、それが「実験的な」文学として認められたという事である。ただ、物語の背景・登場人物の役割等、単に解説を読むだけ、あるいは詩編の中から読み取るのは、至難の業であり、解説を参考にしなければならなかった。★★★☆☆
★5 - コメント(0) - 2015年8月23日

学術的な装いで読者の前に現れる『青白い炎』だが、前書きからして不穏な様子だ。ナボコフの小説における話者ほど信用できない者はいないが、この作品の語り手キンボードもそんな一人だ。彼は詩人シェイドの遺作に註を加えていくが、その註のなかで本体となる詩とは別個の物語が展開される。そして未知の国ゼンブラからやってくる暗殺者の足取りに呼応するように、シェイドの詩はキンボードに「解釈」される。非常に実験的な作品であるのに、リーダビリティーが高く、物語としての読み応えがある。さすがはナボコフだと唸らされる一作。
★24 - コメント(0) - 2015年7月17日

学術書のパロディ的小説という発想が面白かったです。老詩人が描いた長編詩に、同性愛の関係にあった学者が膨大な註釈をつけていきます。詩に対する注釈でありながら、関係のない自分語りをするのは果たして意図的なものだったのでしょうか。註釈で語られる御伽話のような現実とパロディ、彼との思い出の中に見える歪み。それは語り手の異常性が根底にあるからかもしれません。文学的遊戯がカオスのように入り乱れているように感じました。狂人が理性で書いたと言ってもいいかもしれません。
★70 - コメント(1) - 2015年7月9日

自伝的要素とその撹乱、亡命のアヴァンチュール、博物学的知への偏愛、自他相互に対する多数の引用、言葉あそびの甘美、痛快な高踏的語り口などなど、「これぞナボコフ」的愉しみに溢れた逸品。あたかも語りの主体が気付いていないかのように織り込まれる、語りの主体そのものに対する密かな皮肉によって、無限に反射された像が合わせ鏡の奥に消えて行くかのように、語り手は物語の奥深くに吸い込まれて消えて行く。ナボコフの作品を読んでいると、いつも自分の頭のわるさを突きつけられる思いがするのですが、そんなMな読書がナボコフの醍醐味。
★2 - コメント(0) - 2015年4月2日

『999行から成る長篇詩に、前書きと詳細かつ膨大な註釈、そして索引まで付した学問的註釈書のパロディのようなこの〈小説〉は、いったいどう読んだらいいのだろうか。はたして〈真実〉とは?』という、よく分からないあらすじに惹かれて手に取った一冊。ナボコフといえば『ロリータ』で、あの本もイカれていたのでかなり楽しかったが、『青白い炎』は、その何倍もイカれていた。たぶん、今まで読んだ小説のなかでも頭抜けたカオスっぷり。 つづく
★43 - コメント(2) - 2015年2月28日

Y
人間は暗闇のなかで走り書きされたことづてだ。作者不明の。 もう、自慰行為すぎてなにがなんだか、よくわからない詩集だった。
★1 - コメント(0) - 2015年2月10日

OKA
入院中に読もうと思って買った本。一度目はシェイドの詩を読みながら注釈を引く形で読んでみたけど、二度目はキンボートご推薦に従って注釈だけを読み進めてみた。すると、注釈だけ読んでも全然問題なく読書が成立する点において、注釈がキンボート氏の独壇場というのがより伝わってきた。シェイドの詩とは関係の無いゼンブラの話や自分の宗教観やらシェイド妻に対する攻撃とか。。確かにキンボートには芸術しかないのだろうけど、その歪みが半端ではないという事が、嫌という程伝わってくる。
★2 - コメント(0) - 2014年11月14日

詩への注釈のフリをして関係のない自分語りを連発するあからさまに信頼できない語り手が意図的なのか狂っているのかそれとも両方なのかはたまた…と考え始めるとどこまでも深読みしてしまう上に最後まで読んでも結論は出ず読了後も考える楽しみが尽きないのであった。
★29 - コメント(0) - 2014年9月9日

CCC
なぜか注釈の方を完全に信用しきって読んでいたので、コメントを見て唖然とする。私が必死に理解しようとしていた、あれは一体なんだったんだ……。自分の迂闊さのお陰でまたとない読書体験が出来ました。
★10 - コメント(0) - 2014年9月7日

999行にも渡る4つの長篇「私」詩を書いた亡くなった老詩人。そんな彼と同性愛の関係にあったという学者がそれに膨大な註釈を付けていく。註釈で紡がれる御伽話風の現実や詩へのパロディと彼との思い出話の中に何か、歪さが垣間見え、首を傾げつつもラストで恐怖のあまり、息を呑みました。まさかそんなことだったとは!!名作?銘作?迷作?私には難解でした。多分、英文の韻律や単語による言葉遊び、英国詩人の知識が有ったらニヤリとして楽しめたんだろうな・・・・。
★45 - コメント(0) - 2014年8月29日

偏執のツボが読めない男色家と哀切だけど魅力が判らない老詩人。活劇よろしく逃亡する国王と歩みの遅い愚鈍な暗殺者。終盤一気に加速し全てが交錯すると主役と脇役が入れ替わり話は冒頭に戻る、サイテーな状態で。・・・ところで、どう読んでもいい(ハズの)小説なのに「どう読んだらいいのでしょうか」とお伺いを立てさせるナボコフ教授って、ステキ。
★5 - コメント(0) - 2014年8月12日

★★★★ なかなかの読み応えですが、版面が読みやすくて助かった。
- コメント(0) - 2014年7月26日

詩と注釈と索引からなる。老詩人の遺作自体は回顧録的なもの。娘が死ぬシーンが同時刻に詩人の視ていたテレビのワンシーンと溶け合う演出などおもしろい。付された注釈は、自身が遠い北国から革命によって追い出された王だと信じ込んでいる狂人が、詩人に向かってとうとうと話した冒険譚、その冒険譚が詩に反映されていないことへの恨み節と、王たる自分を追って殺しにくる暗殺者の足取り、その暗殺者が誤って詩人を殺すまでの説明という内容。詩の注釈そっちのけで自分の話をはじめる注釈者がたまらなく笑えるが、よく考えると笑えない。なぜなら、
★14 - コメント(4) - 2014年7月22日

10年ぶりに再読。ちくま文庫版からは、きっと、評価が高い訳文となっていることだろうが、残念ながら、そこまでは覚えていなかった。 注釈の読み方に大きく関わると、今回も感じた。 ナボコフを再読するとは私自身は、思わなかったが、次は若島訳のロリータの予定です。
★9 - コメント(0) - 2014年7月21日

現代アメリカの詩人の999行に及ぶ詩と、それに付けられた膨大な編注。という体の小説。一見あまりに実験的に過ぎ、研究者でもない一般読者にとっては面白みがないようにも思える。だが、中盤からはこの編注なるものの書き手の異常性が明るみになるにつれて加速度的に面白くなって行く。狂人によって書かれた、理性的な文章。
★13 - コメント(0) - 2014年7月21日

読むのには時間がかかったけどとても素晴らしうございました。本来は作品の読みを深く豊かなものにするはずの注釈が、ときには詩篇に寄り添い、またあるときには詩篇と反目しながら、まったく別の物語を紡ぎはじめるという皮肉と技巧に舌を巻く。そして、詩篇と注釈、更に索引をいきつもどりつページを繰りながら二つの物語を繙いてゆく過程は読む愉しさに溢れた至福のひとときでありました。
★17 - コメント(0) - 2014年7月16日

岩波文庫版では索引が原書の通りアルファベット順に修正されている。当然だけど、とてもうれしい。
★5 - コメント(0) - 2014年6月29日

岩波の新刊で見かけたので思わず買ってしまった。細かい悪ふざけを壮大な知的ゲームの中に織り交ぜた感じの韜晦に満ちた作品であるが、どこかに真面目なところがあるような感じのするのが面白い。詩から脱線を続け分裂する注釈、それにより異なる「物語」を与えられてしまう詩。まえがきに書いてある読み方をすることで我々は語り手によるバイアスにとらわれ、詩そのものを読むことが出来なくなる。詩を殺す散文の怨念、青白い炎である。
★10 - コメント(0) - 2014年6月27日

素晴らしい読み応え。痺れるほどに圧倒されて快感だ。999行から成る長篇詩に前書きと膨大な注釈、索引まである…と言われても何のことやら、文字通りの手探りにて行ったり来たり(時々あちこち飛ぶ)頁を繰る。そんな按配なので話の運びはもどかしいものの、そこにある「物語」にはどっぷりと魅了された。おお麗しのゼンブラ…。解説の内容もすこぶる興味深い。
★14 - コメント(0) - 2014年6月27日

これが小説?長大な詩と、それについての膨大な注釈に怯みながら読み始める。注釈の中で明らかになる事実。でも最後はその事実に謎を含ませて終わる。いくらでも深読みできるつくりになっていて、とても楽しめた。
★17 - コメント(0) - 2014年6月25日

今読んでいるみんな最新5件(11)

12/22:AWOい秩序
09/11:wassermusik

積読中のみんな最新5件(40)

12/22:AWOい秩序
11/24:メセニ
10/05:chelsea

読みたいと思ったみんな最新5件(117)

03/07:八百
02/04:白蟻
02/03:かりさ
青白い炎の 評価:85 感想・レビュー:34
ログイン新規登録(無料)