巨匠とマルガリータ(下) (岩波文庫)

巨匠とマルガリータ(下) (岩波文庫)
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巨匠とマルガリータ(下)はこんな本です

巨匠とマルガリータ(下)の感想・レビュー(134)

クラクラと目眩のするような奇想天外な物語。素晴らしかった。とてもロマンチック。空飛ぶ全裸ヒロインのマルガリータの巨匠への愛の力強いこと。「あなたの睡眠を守るのは私」優しさと激しい情熱をあわせ持つマルガリータの魅力に溢れる下巻。死者たちの舞踏会の光景はおぞましいのに、華やかでチカチカと眩しかった。悪魔たちの不条理な悪事は旧ソ政権への批判。ピラトゥスや、巨匠とマルガリータのように永遠の旅立ちに込められた自由への渇望や「原稿は決して燃えない」という言葉にこめたブルガーゴフの思いが伝わる。大好きな一冊になった。
★60 - コメント(6) - 3月11日

マルガリータ活躍しすぎて笑った。まさに狂宴の下巻
★2 - コメント(0) - 3月8日

風刺。ウィットに富み芳醇なる香りを放つ風刺。豊穣なる恵みと共にある風刺。
★19 - コメント(0) - 3月2日

悪魔の狂騒が中心だった上巻に対し、下巻はマルガリータの冒険が中心。とはいえ彼女も単なるヒロインではなく、魔女になったりモスクワで大暴れしたり果ては魔宴の女王になったりと大活躍。。あと下巻では最後の部分を除いて、悪魔があまり悪魔らしくなかったなあ。やはり悪魔というよりトリックスターな感じだったし。それについては読み終えてエピグラフを見ると、改めてそこに込められた意味が感じられた。そして宴はいつか果てるもの。様々な騒ぎの後には巨匠の小説の終わりと共にやってくる、静謐なラストの余韻にはいつまでも酔えそうであった
★67 - コメント(0) - 1月10日

2016年1084冊め。【244-2/G1000】ピラトゥスが何を考えていたのか、イエスの処刑を命じた時に彼に葛藤はなかったのか。神を信じるのか悪魔を信じるのか、それとも何も信じないのかというのがこの本のテーマなのだろうか。何にせよ、悪魔たちがまあ楽しそうだこと。そしてイエスキリストによって巨匠とマルガリータは祝福されたのでめでたしめでたしなのか。私にはなかなか難しい作品だった。
★78 - コメント(1) - 2016年12月16日

売れない作家の巨匠がけっこう好き。悪魔譚については、ファンタジーゲームが流行した今、ちょっと凡庸だといわざるをえない。だが、天才が次々と精神病院に閉じ込められ、救世主が次々とはりつけにされる小説を誰かもっと上手に書いてほしい。
★10 - コメント(1) - 2016年11月26日

裸で飛翔するモスクワの夜。罪人や死者の集まる悪魔の舞踏会。ようやく登場したマルガリータが活躍する下巻だが、マルガリータが悪魔に魅入られたのは何故なのかという疑問を持ちつつも、この夢幻の世界をただ楽しんだ方が読み方としては楽しめるのかもしれない。「原稿は燃えないものなのです」という悪魔の台詞には発禁処分に苦しめられた著者の叫びが込められているのだろう。当時のソヴィエトはこのようなスケール感ある闇の世界が人知れず醸成する雰囲気をたたえていたのか、と想像しながら読んだ。
★7 - コメント(0) - 2016年11月24日

第2部に入ってようやくマルガリータが登場し、悪魔の誘いによって彼女の冒険が始まる。モスクワの人々を徹底的な混乱に陥れた悪魔たちは不思議なほど巨匠とマルガリータにはやさしくて、彼らとピラトゥスに救いが訪れ、一方未だ不安の只中にあるモスクワの人々を映して物語は幕を閉じる。現実と非現実とが入り混じったカオスを抜けた先に驚くほどの静寂があった、という感じがあってその心地よい読後感のなかにいる。
★3 - コメント(0) - 2016年10月25日

ようわからんかった
- コメント(0) - 2016年9月12日

父親の本棚から持ってきた本。次々に登場人物が出てきてストーリーが目まぐるしく展開するドタバタの上巻からマルガリータ中心の下巻へ。登場人物が誰もみなおちゃめでいまいち憎めない。読む前にこの本が書かれた当時の時代背景について解説を読んでおくと、色々なことが分かりやすいと思う。巨匠が書いたという聖書時代の小説は、実際の聖書とはかなりかけ離れているけれど、ヨシュア(イエス)の処刑について後悔していたのが、2000年の時を経て巨匠によって罪の意識から解放されたピラトゥスの視点からみるとこういうことなのかもしれない。
★14 - コメント(2) - 2016年8月26日

下巻にしてはじめて本著の主人公マルガリータが登場する。多くの人が指摘してる通りマルガリータが登場した下巻は失速気味でやや退屈だ。上巻のメインだったイワンがリアクション芸人として一流だったからだろうか。それに対してマルガリータはあまりに強い女性過ぎる。悪魔に翻弄されて右往左往する人間が見たくて読んでいるのだから笑。それはそうと巨匠が描いたキリストの小説はそれ自体が独立した作品として読んでも面白いくらいに良くできている。新約聖書の人物を生々しい人間身のある人物として描くのは今読んでも斬新だった。
★3 - コメント(0) - 2016年8月22日

悪魔たち一行のダークなフェスティバルが続く中、マルガリータがようやく登場する。巨匠に会いたいがために、悪魔に魂を売る勢いで魔女になる覚悟もあった彼女のふるまいにいったいどうなってしまうのかとはらはらしながら読んだ。ラストは事件の後処理まできちんと書かれていて、なんだがほっとしてしまうくらいだった。永遠の隠れ家というのはいい響きで自分もそこで暮らしたいなと思えてしまったほど。現実と幻想が織り交ざる展開に自分はちょっとばかしのれなかったかなという印象。おそらくもう一回読まなきゃ分かんない。
★5 - コメント(0) - 2016年7月28日

ひたすらマルガリータが主役の物語。なぜ巨匠がタイトルに入っているのか、物語的にいまひとつ説得力がない。ある女性から『巨匠とマルガリータ』は読むべきと強く勧められていたのだが、いまいちの出来だった。
★1 - コメント(0) - 2016年7月26日

偽ヨシュア伝の世界は、ソ連社会の反措定だったのか。あるいは、現実を映し出す鏡像として機能していたと見るべきなのだろうか。重く沈潜する世界にあって、一人自由に飛翔するのがマルガリータである。では、彼女が希望を運ぶのかといえば、そうではない。悪魔の一行がこの世界にもたらしたもの―それは混沌でしかなかったのではないか。ブルガーゴフは、あらゆる規制を桎梏とする極めてアナーキーな世界を庶幾しているようにも思える。ソ連であるが故に生み出された鬼子。ただし、極めて魅力に富んだ鬼子である。私には評価も難しく難解な作品。
★291 - コメント(2) - 2016年7月24日

上巻ではヴォランド一味の奔放さに振り回される人々の様子を満喫しましたが、下巻ではマルガリータの魔女っぷりとヴォランドたちの仕事ぶりを堪能できました。なぜ悪魔たちが巨匠を救い出し、巨匠を追い詰めた者を錯乱状態にしていったのかは、解説を読んで腑に落ちた感じです。『悪魔の大舞踏会』がもっと長くても嬉しかったなと思うくらいお気に入り。
★15 - コメント(0) - 2016年7月22日

「原稿は燃えないものなのです」。下巻でついに、巨匠、マルガリータとヴォランド一味が出会い、物語が大きく進展。マルガリータが巨匠と会うために魔女になったり、ヴォランドの力で、二人で永遠の安息の地へと旅立ったり。サブテーマとして、ピラトゥス総督に象徴されるように、社会的な立場上、自分の思いとは違ったことをせねばならず、その結果として苦悩に苛まれるような人間にもフォーカスを当てる。壮大な物語だった。
★7 - コメント(0) - 2016年6月20日

第二部に入るとマルガリータ主役になることもあって、ファウストとの類似がいっそう見えてきて面白く。悪魔ヴォランドはヨシュアよりよほど人間と関わり善悪ともに影響を与えているし、マルガリータ(王妃マルゴ!)は全裸の魔女になっても心は高潔、悪魔の手下たちも個性的で愉快だし、やっぱり神より悪魔のほうが魅力的。ラストは大風呂敷を広げてもらってSFらしさを堪能しました。その一方でエピローグのイワンの強迫観念とも言える強い思いが、人間らしさってこういうものなのかもと思ったり。読み終えるのがもったいなかったです。
★10 - コメント(1) - 2016年6月11日

ドストエフスキーやトルストイが大好きなので買ってみた。しかし帝政ロシア時代の両巨頭とは時代が全然違うせいか、あまりロシアっぽくない印象。しかしSFみたいでこれはこれでありかな。
★3 - コメント(0) - 2016年6月4日

[図書館本]続いて下巻。上巻の中盤でようやく登場した主人公「巨匠」と下巻から登場した愛人の「マルガリータ」によるぶっ飛んだ奇想小説。序盤の衝撃的な始まりから最後までひたすらカオスな印象を受けた。でも凄く面白い。特に印象に残った台詞は、「原稿は燃えないものなのです。」という悪魔の一言。この言葉は、ソ連時代に不遇の作家人生を歩んだブルガーコフの暗示的な言葉と言えるのではないかと思った。また読みたい。
★17 - コメント(0) - 2016年6月2日

不条理と絶望の渦巻くモスクワで、文学の力こそは安らぎを与え、不条理に翻弄される人々の姿を滑稽なユーモアに替えてくれる貴重な存在だった。「巨匠は光には値しない、安らぎに値するのだ」二千年間囚われ続けたピラトゥスに救いを与え得たのは、巨匠が信じていたのが多分光だけではなかったから。ヴィーナスを見失い、錯乱の中で歴史を書き残すことしかできなくなった詩人イワンの姿は、「巨匠」となることも能わずにもがき続ける世の中の有象無象の人々に重なっている。
★10 - コメント(1) - 2016年5月24日

全ての事は起こり得るままに、起こったとしか言いようがないようだ。とびっきり魅力的なヴォランド、元聖歌隊長コロヴィエフ、猫のベゲモート、アザゼッロに訪れてほしいのは、全てを失って灰から蘇り、蘇り続ける原稿を持つ者。ヨシュアとピラトゥスは2000年あまり議論を続けてたようだ、あの日の処刑について!生み出された主人公に許しが与えられ悪魔達は仮装を落とし、落ち窪んだ美しさで月夜、霧に飛ぶ。そして〈宿なし〉イワンのあのベンチからの眼差しと、「夢」の中で「巨匠とマルガリータ」真実の永遠の恋の物語は現れ、終わってゆく。
★9 - コメント(0) - 2016年5月2日

rb
ずいぶん変わった小説だった。悪魔の大舞踏会があり、ときおり挟まれながら進行していた作中作も本筋と合流する。タイトルにもとりあえず納得。巨大な猫ベゲモートの態度でかい感じが好きだった。主題とか意味を追求し始めると釈然としない部分もあるものの、発想豊かで楽しく読める作品だと思う。「私につづけ、読者よ。まぎれもない真実の恋などこの世に存在しないなどと語ったのは、いったい誰なのか。こんな嘘つきの呪わしい舌なんか断ち切られるがよいのだ」
★56 - コメント(0) - 2016年3月23日

何かメッセージ性があるのだろうけど、そんな事を全然考えさせないままに読み終えてしまった。すげー面白い。また読むだろうなと思う。
★4 - コメント(0) - 2016年3月20日

面白過ぎて一気読みだった。首は転がり、黒猫はしゃべり、劇場の天井からは紙幣が降る。目まぐるしく展開される奇想天外な事件の数々に圧倒されながらも、登場人物はみな魅力的で飽きる事なく、ぐいぐい読める。「私につづけ、読者よ。」の言葉を頼りに信じて身を任すのみ。ああ、至福の時でした。
★42 - コメント(0) - 2016年3月7日

上巻から一転してエンタメ作品に。意味深な下りも多く解釈が求められるんだろうけど、なんだかんだでちゃんと主人公も活躍しておもしろい。ピラトゥスの世界とリンクする部分は特に良かった。
★1 - コメント(0) - 2016年2月1日

空間も時代もそして現実も非現実的なものも飛び越えた世界観。読みごたえがあった。構成力が凄い。
★2 - コメント(0) - 2016年1月20日

悪魔たちが奇妙な魔術で旧ソ連のモスクワを混沌に陥れる物語。自由自在にモスクワの街中を飛び回る魔女、かつての罪人たちが集う悪魔の舞踏会…。巨匠とマルガリータは、悪魔の力を借りて世俗の不安のない自由を手に入れます。たしかに抑圧的な社会に遠慮せず、本能のままに行動した彼らにこそその安楽は相応しいのかも。壮大な冗談めいた現代とは対照的に、終始陰鬱な雰囲気の漂うエルサレムの物語が印象的。総督ピラトゥスを動かした、最大の罪、"臆病"こそ、キリストを処刑し、人々を縛め、いまだに人類の歴史を動かす原動力なのかも。
★10 - コメント(2) - 2016年1月17日

「カラマーゾフの兄弟」でイワンは、「神の存在は不可知なものなので認知しても、神の世界は認めない。」と述べた。幼児にまで及ぶ不条理な世界を許容できないからだと。ロシア帝政の終わりであったドストの世界から、社会主義の始まりのブルガーコフの世界は、平等で美しい体制の名の元、人が人を支配する。それは、まるでトリッキーな黒魔術のような新たなる暗黒の世界。個人も世界も善悪を内包する。光のみの世界でなく、寛容な安らぎの世界を追い求めた悲痛な作者の叫びが聞こえるようだ。
★6 - コメント(0) - 2016年1月17日

Y
すごい
- コメント(0) - 2016年1月14日

第二部は「私につづけ、読者よ」で始まる。狂乱のモスクワ。巨匠を救うために全裸でほうきに乗ったマルガリータと一緒に悪魔の大舞踏会へ。上品そうなマルガリータが舞い上がっているとこすごい!そして巨匠が焼いたはずの長編原稿は残っていた。マルガリータが原稿を慈しむところが安らかで、本好きが夜に小説の世界に入っていくみたい。ピラトゥスも救われる。そして遂に救出された巨匠とマルガリータは悪魔と共に永遠の隠れ家へと空をかけていく。はーいい読書だった。電車で読んでいて自分も一緒に永遠の住みかに行くみたいな気持ちだったよ。
★22 - コメント(0) - 2015年12月14日

あまりの面白さに、後半は動悸を感じながら読んだ。思想=文学的な位相でも、胸を打つ描写はたくさんあった(文学を破壊したり、社会を批判したり)けれど、それ以上にエンタメ性が強すぎて、漫画のように読むことのできる稀有な世界文学だと思う。悪魔の饗宴、コロヴィエフとベゲモートのジブリ感。頭の中では星野桂とか永井豪とか中村明日美子とかいろんな人の絵柄がぐるぐるしていた。メフェストフェレスに比べれば、ヴォランドは影が薄いけれど、それでも、それゆえに大物っぽさがすさまじい。ピラトも巨匠も悪魔のよって救われるのだな。
★12 - コメント(0) - 2015年12月4日

真面目に働くモスクワ市民とエルサレムでの人間ドラマの水面下で、彼らを嘲笑うかのように悪魔たちは相変わらずテンションアゲアゲで突っ走っていく。モスクワ市民が気の毒に感じる一方で、悪魔たちのチャーミングな姿が見ていて面白かった。現実がそうであるように、物語に終わりはない。古代のエルサレムは現代へとつながり、古代では総督ですら求めた月を象徴にしてあらわされた神、または救いを、現代では狂人のみが求めるという悲しい現実をブルガーコフが意識して描いたのかどうかはよくわからないけれど、勝手に想像して悲しくなった。
★8 - コメント(0) - 2015年11月25日

久しぶりに読んで満足感、充実感を感じ、内容、文体とも終始、感嘆するとともに魅了されていった。翻訳した水野氏に感謝を述べたいほど。今回は楽しんで読んだだけであるため、次は解説にもあるようなソビエト社会への訴えを汲み取って読みたい。そして、ゆくゆくは原文を読みたい。Очень было интересно и прекрасно!!
★2 - コメント(0) - 2015年11月21日

マルガリータはアザゼッロの指示に従って香油を全身に塗って空を飛べる魔女となり、ヴォランドとともに悪魔の大舞踏会を主催する。ライフワークを発表することができなかった「巨匠」は、精神病院で過ごしていたが、マルガリータがヴォランドに頼んで救出に成功する。「作家かどうかを決めるのは証明書なんかではけっしてなくて、書くもの次第なのです!」(p.287)というコロヴィエフの言葉には作者ブルガーコフの自恃が感じられる。スターリン時代のロシアで発表されることなく作者は死亡したが、こうして作品が甦ったことに感謝したい。
★4 - コメント(0) - 2015年11月12日

「私につづけ、私の読者よ、ひたすらわたしについてくるのだ」との呼び掛けから始まる第二部は、ぐるぐるぐるぐる目が回りそうな超展開。悪魔との契約からの魅惑のクリーム→裸でほうきに跨ってビューン!のあたり、ブルガーゴフさん、あなた一体どういう表情でコレ書いたんですかねと問い質したくなる。わたしは単純な読者なので壮大なエンタメとして最後まで楽しく読んだが(こういう「作品に巻き込まれていく読書」ってなかなか得られないもの)、解説を読み「原稿は燃えないものなのです」の台詞にぐぐう…と唸るのであった。素晴らしかった!
★33 - コメント(1) - 2015年8月31日

よくぞ、この収拾不可能に思われる物語を完結させてくれた。それは、悪魔ヴォランドに対しても、主人公の巨匠に対しても、そして勿論作者のブルガーコフに対しても言える。永遠に許されない(と思われていた)ピラトゥスのあやまち、そして永遠に結ばれない(と思われた)恋。悲痛な二つの主題は他ならぬ悪魔の手引きによって(!)見事に解決された。冒頭の「永遠に悪を欲し、永遠に善をなすあの力」の意味が、ついに明らかにされる。他にも、悪魔の大舞踏会や、ベゲモートとコロヴィエフのコンビが繰り広げる度を過ぎた悪戯など、見所は尽きない。
★14 - コメント(0) - 2015年8月18日

清楚なマルガリータが魔女に変貌していくとこはある種のフェティシズムを意識させられるし、とにかく享楽的で祝祭的なパレードとしての側面が、ピラトゥスの苦悩と対になるのではなく、むしろその苦悩と、源たるピラトゥスと、彼を創作した巨匠を、祝祭に巻き込み駆け抜けていく。物語としての勢い、完成度の高さが織り込まれたテクストの意味合いを振り切ってしまっているのも痛快。それが勿論、“正しい”読み方ではないにせよ。ヴォランドの、尊大で有りながら全て見通しており、さらに慈悲深いという、いかにも“大悪魔”的なキャラいいなあ。
★6 - コメント(0) - 2015年8月10日

精神病治療による狂乱や社会主義をゲーテの『ファウスト』に仮託し、聖書や神話のメタという手法も取り入れて皮肉った作品、これにて終幕。悪魔、ベゲモートの演説で配給制によってぶくぶく、肥え太る商店に啖呵を切った後で商品のチョコレートを貪る痩せこけた老人の姿には悲壮なんだけど、笑ってしまう清々しさがありました。マルガリータは『ファウスト』のマルグレーテ、巨匠はファウストだったのかしら。
★28 - コメント(1) - 2015年7月23日

旧ソ連時代に、完全に抹殺された作家、ブルガーコフの傑作ハチャメチャ物語。1930年代に出版の当てなく書かれたこの小説が、日の目を見たのは66年、体制の変化とともに削除された箇所が徐々に回復されていく。73年のがほぼ決定版のよう。ものすごいむちゃくちゃ感が下でも持続するのだが、これ、どこに持って行くつもりだったのだろうか。広げすぎた風呂敷を、回収しようともせず月へと飛び去って行くヴォラント一行に、読者は唖然としたまま頁を閉じる。すべては夢で、あったものなどなかった。ずっとトリップしているような読書体験。
★13 - コメント(0) - 2015年7月5日

巨匠とマルガリータ(下)の 評価:70 感想・レビュー:42
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