三酔人経綸問答 (岩波文庫)

三酔人経綸問答 (岩波文庫)
268ページ
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三酔人経綸問答はこんな本です

三酔人経綸問答の感想・レビュー(314)

読了。中江兆民ー三酔人経綸問答はよく問題で聞かれた気がする。 古典独特の、しっとりした文体、しかし内容は苛烈。今の(国際)政治は本書の域を未だに出ていないと思う。 また、民主主義と拡張主義の意見の対立、南海先生中立的意見以上に、学問(特に文系学問)の有用性を指摘する一文が印象的。 「時代は絹、紙、思想は絵具、事業は絵です。一時代の社会は、一幅の絵なのです。」「あなたが今のうちに、思想という絵具の調合に努力して怠らないならば、百年後には、その絵具の汁が社会という皿に、どくどくと溢れるようになるでしょう。」
★1 - コメント(0) - 2月16日

良いとは聞いていたけれども、想像以上に凄い本だった。短い中に、国際政治に関わる人間なら誰しもが選び悩むところの幾つかの立場を、日本に即した形で論じている。論ずるのは、民主平和論を説く進歩主義者の洋学紳士、パワーポリティクスと帝国主義を旨とする豪傑君、慎重な漸次改良主義者の南海先生の3人。中江兆民がこれを書いたのは1887年、その後の日本が、豪傑君の論に従い中国を切り取りに行き、敗戦を経て、洋学紳士の自由民主主義・平和主義に(少なくともある程度は)行き着くことを考えれば、驚異的な一冊だと思われる。
★1 - コメント(1) - 1月31日

酔っ払い3人が日本国の政治について議論を交わす対話篇。 理想主義の洋学紳士君、帝国主義の豪傑君、現実主義の南海先生の順で主張がなされる。 楽しく入り込んで読めた。
★4 - コメント(0) - 2016年12月28日

現代社会においてもヒントになる小論であった。明治時代の作品とは思えなかった。
★5 - コメント(0) - 2016年11月10日

現代語訳がなければ、多分本の内容は理解できないと思う。南海先生、洋学紳士君に豪傑君の話は、今の日本の世の中でも議論されていること。結局のところ、長く論じられているものの、世の中も本質的にはあまり変わっていないのではないか。普遍的なことなのかもしれない。
- コメント(0) - 2016年11月5日

1887年に出版されたが今尚色褪せない内容に驚く。洋学紳士の論は「カエルの楽園」で読んだような。歴史は繰り返されるというが…
★13 - コメント(0) - 2016年10月6日

現代語訳と解説を読了。南海先生と紳士君と豪傑君が居間のちゃぶ台を囲んで、政治の話をしているところを想像しながら読んでいました。本文と関係ないけど、紳士君と豪傑君の正体を知りたい。
★16 - コメント(0) - 2016年10月4日

明治の本なのに昨今の安保論争と同じような対立を描いていて驚いた。
★3 - コメント(0) - 2016年6月15日

歴史は繰り返すものだ。 明治20年代の日本を反映するのみではなく、日本の歴史や未来を見通したこの本はまるで歴史の予言書みたい。 「時世は絹紙なり、思想は丹青なり、事業は絵畫なり。故に一代の社会は一幅の畫幀なり。」良い未来か悪い未来か、国家の未来のすべてが我々国民の手で決めるものである。
★4 - コメント(1) - 2016年5月21日

机上の空論である未来に来たるべき理想社会を語る紳士君に対し、過去に尊ばれた旧習である侵略する君主を語る豪傑君。紳士君の説などは学者だけがいってることであり、政治家にも民衆にも相手にされず殴りとばされるという。しかし、ぼくは紳士君の意見にけっこう賛成だ。ぼくがかつて正義について書いた小説では、古代の賢人に従う利己的な政府が正義だとした。古代の賢人が何をいっていたのかわかってきた今のぼくは新しく論説を書くべきかもしれない。
★8 - コメント(0) - 2016年4月28日

★★☆☆☆断じて行えば、鬼神もこれを避く。些細な言葉の行き違いを口実にして、むやみに争いを煽り立てる。
★1 - コメント(0) - 2015年8月19日

近代日本の進むべき道を模索する大著ではあるが、対話形式で書かれておりとにかく面白い。士族民権を皮肉る個所などは面白すぎてクラスメートに配ってしまったくらいだ。最後に南海先生が洋学紳士も豪傑君も「思い過ごし」をしているとする議論も面白いが、流石の兆民にもWW1は予見できなかったのだろう。
★4 - コメント(0) - 2015年8月16日

p.51・・・国際法を道徳の中に入れて、法律の中にいれようとしない。法律にはそれを施行する役人が必ずおり、それを犯すものあれば必罰ということ・・・ところが道徳(=国際法)は守ろうと守るまいと人々の良心の問題、つかさどる役人がいないので法律ではない → 難民問題(ハンナ・アーレント、ジョルジ・ソレイユ)で言及されている「人間とは」・「例外状態」部分を要再読、土佐弘之の「安全保障という逆説」も改めて読み直す必要有り
★1 - コメント(0) - 2015年8月1日

「中庸とは何か」ということについて書かれているのだと感じました。極論に至れば至る程、言うなれば「強さ」を感じ、聞き耳を立ててしまうのが人の性と思うのですが、真摯に耳を傾け、偏らず、拘らずに理解をし、きちんと意見を述べるという、静かな粘り強さこそ、現在に通じる態度が表れているのではないかと思いました。そういう意味で、南海先生は現実主義というより、中庸の人に見えました。しかし、洋学紳士、豪傑君とも、情熱的で、、言い得て妙、という例えが満載で、読んで大変面白く、とても素晴らしい一冊だと感じました。
★1 - コメント(0) - 2015年7月11日

ゼミの課題本。前期最後の本です。面白い。
★1 - コメント(0) - 2015年6月21日

現代語訳の100頁(原文は198頁)に「思想とは何か」という問題について南海先生の簡潔な答えが記されていました。本書は全体を通じて面白いのですが、私はそこがいちばん気になりました。
★23 - コメント(0) - 2015年6月13日

旧態的な態度と先鋭的な態度を元素になぞらえている点、日本の開化が武人によって行われていることのまずさ、が面白かった。
★1 - コメント(0) - 2015年6月13日

現実主義者の先生、民主主義者の紳士君、膨張主義者の豪傑君の三人が酒を酌み交わしながら政治談義をする。あとがきにもあるように、この三者は何れも中江兆民自身の内面なのだろう。
★1 - コメント(0) - 2015年5月12日

内容的には「おっそうだな」というか、デジャブというか、この3人の議論が現在でも通用するように見えるのは兆民に先見の明があるともこの国が変わらない証ともいえるが、議論が殴り合いにならないだけ進歩しているのかもしれない。豪傑君の意見は征韓論を思わせ、士族に共通する思想かもしれない。兆民にさえ、豪傑君の血が確実に流れている。日本が近代国家になるためには、士族が死に絶える必要があったということか。
★4 - コメント(0) - 2015年5月4日

「恋旧の元素」であり、近代化に対する「癌」であることを自覚する豪傑君は自ら外征中で死ぬ事を祈願し、上海に渡り革命に身を投じる。『仁義なき戦い』の深作監督が闇市にしか生きられない人々を評したように、近代のシステムが構築されていく中で次第に社会から疎外されていくが、依然として自らのエネルギーの行く先を求めざるを得ない悲哀を、この豪傑君からも感じることができる。ここに、単なる「侵伐家」というヒールに留まらない豪傑君のキャラクター造形の妙が有るように思える。
★3 - コメント(0) - 2015年4月28日

自由主義と平和主義を信奉しすぎるために、綺麗だが理想過ぎる世界観に陥った洋学紳士君と、リアリズム的な観点から対外進出を主張するが、一方でそれは国内の保守派というガンを一掃するためでもあると言う豪傑君。そこで彼らに対して南海先生は、どちらも極端であり、より現実を分析した上での対応をとるべきと言う。特に反応が極端になりそうな外交の世界において南海先生ような落ち着いた現実主義の妥当性必要性を感じた。「国と国とが恨みを結ぶのは、実情からではなくてデマから生ずるものです。」(南海先生)
★1 - コメント(0) - 2015年4月27日

三人の男が酒を飲みながら政治論議をする話だが、先見性が有り過ぎて畏怖の念さへ覚える。書かれたのは明治初期で、その後の帝国主義、冷戦、自衛隊などの概念についても言及している。むしろ、政治の本質のそれぞれが歴史に於いて繰り返されているだけかもしれない。それぞれの男は、西洋近代思想、帝国主義、現実主義と異なる思想を持つのだが、議論することで読者に政治の本質を垣間見せる。国が恨み合うのは実情よりもデマから生じるというのは肝に銘じたい。これは思想扇動の常套手段だ。原文と現代語訳が収録され、ルビがふってあるのが良い。
★39 - コメント(0) - 2015年4月1日

昔の国Ⅰ教養試験文章理解に出た記憶がある。文明の本質=道義の心(14頁)。人間と呼ばれる価値:政治に参加 する権利、財産を私有する権利、すきな事業をいとなむ権利、信教の自由の権利、言論の権利、出版の権利、結社の 権利(34頁)。37頁の官僚批判は痛快。洋学紳士:選挙権で独立の人格に。行政官にへつらわない。授業料不要で 国民は学問を。死刑廃止。関税廃止。読むものには眼の自由を(46頁)。南海先生:社会の事業は、過去の思想の 発現(100頁)。
★26 - コメント(0) - 2015年3月4日

戦後のいわゆる進歩的知識人をさらに純粋培養したかのような思想の持ち主である洋学紳士と、国家発展のためには他国への侵略も辞さないとする国粋主義者の豪傑君。そして、この両極端の意見を静かに聞き、最後には諫める南海先生の鼎談という形をとることで、それぞれの議論の相違点や対比などが非常にわかりやすかった。92ページ以降の南海先生の演説だけでも読む価値は十分過ぎるほどあるだろう。また、訳文はすでに50年前の文章であるが、軽快でリズムが良く、読みづらさがほとんどないのも素晴らしい。
★5 - コメント(0) - 2015年1月12日

理想主義者、軍国主義者、折衷主義者の鼎談を想定した対話篇。とても評価しにくいと感じた。私には、どの意見も中途半端で、精錬されてないように思える。ただ豪傑君の悲壮な語りが面白い。
★2 - コメント(0) - 2015年1月11日

日本の政治について三人の男が酒を酌み交わして議論するといった話。外交上の問題の多くはデマから生じる。とあるが、各国がマスメディアを通じて取り組んでいる広報外交とも繋がる話で非常に興味深かった。また政治の本質は「民意に沿い、国民の知的水準(誤解を招きやすい言い方だが)に合わせ、福祉の利益を得させること。」というのは、民主政治を実施していない多くの国に目を向けると頷ける。「決して民主政治が優れているわけではなく、各国に適した政治体制がある。」という考えをこの明治期に書かれていたという意味で、本書は貴重である。
★4 - コメント(0) - 2014年11月13日

中江兆民恐るべし。あと昔と今は本当に何も変わってないんだと思いました。
★2 - コメント(0) - 2014年10月21日

最初の紳士と豪傑の論は大したことないように感じるが、その2つを取りまとめて導かれる南海先生の論は見事。今の政治情勢にも通じるところが多い。
★2 - コメント(0) - 2014年8月28日

帝国主義時代の日本のあり方を語り合ったもの。非常に読みやすい。
★1 - コメント(0) - 2014年8月19日

1887年に書かれたとは思えないような既視感を覚える内容が多数あり非常に興味深かった。内容は、政治を語らせればその筋では高名な南海先生の下に二人の客人紳士君・豪傑君が訪れ、自説を展開して南海先生がばっさり切り捨てる(笑)というもの。原文も掲載されているが、現代語訳化されているので読みやすく実質100ページほどの内容なので手軽に読める。ちなみに紳士君と豪傑君の主張が非常に極端でアレなので個人的には読んでいて面白かった。
★3 - コメント(0) - 2014年7月31日

三人の男性が酒を酌み交わしながら日本の政治体制に関して論じるという形態の本。明治期、条約改正や列強各国の脅威がある中でこの本が書かれたことはとても興味深い。特に、洋学紳士君が述べる主張は、カントの永遠平和論以上の理想論である。現代でも主張できないような論をこの時代に生み出せたことが、兆民が知の賢人であったことの証明ではないか。
★3 - コメント(0) - 2014年7月5日

NHK「日本人は何を考えてきたか」から入りました。論旨にたまに雑さが見られるものの、明治という時代に入って熟議の重要性を示した快著。最近百田尚樹氏がTwitterでした発言「9条教の信者を前線に送り出す」と洋学紳士の「敵弾に斃れるまで」というセリフが立場が逆でありながら意見が一致していて面白かったです。しかしながら私達の不幸は南海先生を持たないこと。なんてね。
★4 - コメント(0) - 2014年5月12日

桑原武夫が現代語訳をしてくれて読みやすい。漢学の先生と洋学紳士と豪傑君が民主主義を論じる傑作。現代にも、全然通じる内容。
★2 - コメント(0) - 2014年2月9日

政治の話。政治の本質とは。「国民の意向にしたがい、国民の知的水準にちょうど見あいつつ、平穏な楽しみを維持させ、福祉の利益を得させることです。」外交の話。「多くのばあい、国と国とが恨みを結ぶのは、実情からではなくてデマから生ずるものです。」もう130年ほど前に書かれたものなのに、現在にまで通じるものがあるのはそれこそが本質ということなのだろうか。
★3 - コメント(0) - 2013年12月13日

自由民権運動の後半時に出された本であるのに、登場人物三人のそれぞれの思想が明治から現代までに実現されていることに驚きました。そしてこの三人の思想は現代の国際政治や民主主義を考えるうえでも不変のテーマであり続けています。僕は中江兆民の未来を先読みする力というか、明治時代にこれだけの議論が行われていたことに驚き、純粋にすごいと尊敬したように感じました!
★2 - コメント(0) - 2013年12月8日

周りに喋らして最後偉い人が説き伏せれるだけの一家言いう流れはプラトンの饗宴みたいやなおもた
★2 - コメント(0) - 2013年12月2日

そう言えば追加してなかった(2回目)
★1 - コメント(0) - 2013年11月30日

ありがちなリアリズムとユートピアをきちんと批判する、のだが、批判される両者も真剣に日本の未来を問うていた。維新直後のエネルギーと中江の批判能力と文の勢いが「圧巻」という読後の印象を与えてくれた。余力があれば原文そのままの語りに近づける漢文書き下しで読むべきなのでしょう。
★3 - コメント(0) - 2013年11月25日

ちょっと難しかった。書いてある内容が現代と照らし合わせても、古く感じられないという点が、凄いと感じつつも恐ろしいと思ったりする。思想は種であり、脳髄は田畑だという表現に、ほぅとなる。図書館より。
★2 - コメント(0) - 2013年11月5日

三酔人経綸問答の 評価:64 感想・レビュー:84
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