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中国史(上) (岩波文庫)

感想・レビュー
51

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hare
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初学者向けでありながら格調高い。中国史が好きになった。
0255文字
ろば
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岩波文庫05年刊、77年初出、坂上康俊『唐法典と日本律令制』からこちらへ。主に隋唐時代の知見を得たくて書棚から引っ張り出すが、東洋史の分野では法制史研究はマイナーなテーマであることを知る。隋唐の歴史はともに武力簒奪から始まるように、その歴史も武力闘争や政権抗争が中心で法制史は比重は小さく、極めて波乱に満ちた時代だった。唐王朝を象徴する律令も、本書が描く歴史の中では意外に存在感が薄いようだ。また、冒頭で展開される時代区分論や地域関係の議論が印象的で、広い視野と長い時間に対する知見に圧倒されました。
0255文字
dexter4620
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『大唐帝国』などの著者、宮崎市定氏が綴る中国史上下巻。本書では氏の歴史観をまず開陳し、黄帝から堯舜、唐から五代、宗とつながる先史〜中世の時代が描かれる。『十八史略』ほどのボリュームはないが各時代のトピックを振り返るには十分です。下巻も楽しみ
0255文字
アトラス書房
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1901年から1995年まで、20世紀をそのまま体験してきた東洋史学者による中国史。一人の著者によって書かれている分、記述に矛盾がなくスムーズに読める。総論「歴史とは何か」は歴史学にまつわる著者の見解が示されており、何度でも読みたいほどに洗練された文章である。 319頁 軍隊というものは一度失敗すると、今度こそはと名誉回復を計って、一層強く戦争欲に駆られるものなのである。
0255文字
ヒロユキ
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宗を境に中世と近世に別れるという説は新鮮
0255文字
maniafellows53
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★★⭐︎
0255文字
Seele
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著者による中国通史。上巻では総論として著者の歴史観や時代区分法、着眼点を示したのち、古代都市の形成、領土国家の成立、古代帝国による統一と進む歴史の変動を、ヨーロッパと西アジアとの比較を通して記述。 一転して漢代よりのち10世紀の宋による統一に至るまでの長い分裂傾向を示す時代を、西域への交易で金が流出したことによる不景気、それを背景にした土地への投資と荘園の発達、封建貴族の専横と腐敗、繰り返す軍閥異民族の侵入という観点から論じる。これだけダイナミックに歴史の流れを描きだせるのは、著者の力量あってこそか。
0255文字
shimashimaon
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遣唐使を描いた上野誠『天平グレートジャーニー』や、仏教教典の翻訳を論じた植木雅俊『仏教、本当の教え』等を読んでいるうちに、古代・中世の中国がどんなであったか知りたくなりました。古代・中世・近世とは、そもそも歴史とは何かということから話が始まるのは驚きでした。例えば遣唐使の時代、日本は古代だが、唐は中世に属するなどの相対性が面白い。中国では唐以前の隋、その前の北魏からすでに、漢民族ではなく、北方異民族による王朝が成立していたという点や、経済の好不況という観点から時代区分を論じる点が、ダイナミックで興味深い。
0255文字
Naoki
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引用は全て自己の著書です。全体を通して、一人の歴史学者の考えが入っていて興味深かったです。
0255文字
有益な怠慢
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高校世界史で中国史の要点はかなりの部分カバーできてるのねという所感。
0255文字
穀雨
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歴史とは何かを論じた前置きが長かったが、本編に入ると俄然面白くなった。特に周代や春秋戦国時代についてはほとんど知らなかったので、わかりやすい解説がとてもためになった。ただ、鉄器の使用や文字の発明といった画期的な出来事は複数の地点では起こり得ないとして、古代文明一元説を唱え、中国文明の淵源も古代オリエントに求めている点は疑問だった。
0255文字
ばろっさ
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大家による中国通史。古代から中世宋建国まで。 圧倒的知識量と味わい深い文章で、読み物としてとても面白い。 南北朝〜五代十国の間は移りが激しく、ついて行くのがやや厳しかった。
0255文字
kanako
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科挙研究で有名な宮崎市定博士の中国通史。上巻は夏から五代まで。中国史は好きだけど断片的な知識しかないので、通史をさらえる本はありがたいですね。やや文体は古いけど、それも味があっていい。
kanako

情報受領側の能力不足により大した感想が書けなかった。

08/17 09:25
0255文字
式
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著者が疑古派史学の立場であることから衝撃を受ける言説も多く非常に面白い。連綿と説明が続き情報量がとても多くて良いが、最近の歴史本のように都度その出典を明示しているわけではないため著者の仮設と事実が判別しづらい点が玉に瑕。
0255文字
.
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これまで日本史しか興味なかったけど、彩雲国物語にハマったため読んでみることに。せまい専門に閉じこもって視野の狭い研究してたらダメだな、と思った。読んでよかった。自分が思想研究より歴史研究を好む理由がわかった気がした。網の目をほぐして整える作業をしながら空間的にも時間的にも視野をひろげるって、どこまでできるかなぁ...。
0255文字
酩酊斉案山子
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歴史学のいいところは、昭和に書かれていても古くならないところ。さんざ読んだ分野だけど、また発見があった。人によって重点おおくところが違うけど、この本は時代ごとの経済や社会の成り立ちに着眼点がおかれててよかった。
0255文字
Takeya
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中国の歳寒三友:宋の時代、文同、蘇軾等の文人が竹をテーマにした水墨画を描き始めた。やがて画題は梅・蘭・菊・松へと広がった。これらのうち竹と松は真冬の寒さの中でも青々としており、梅も厳しい寒さの中で花を開く。文人たちはこれらを清廉潔白、節操と認識。そして松・竹・梅の3つを歳寒三友(さいかんさんゆう)として多く取り上げられたが優劣の意識は全く無かった。これが平安時代に日本へ伝わり松竹梅と呼ばれ、江戸時代に一般に定着。現代ではお祝い事の象徴に。この点も中国の歳寒三友の認識とは違いが。
0255文字
jhok
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岩波全書版が1977-78。93に「自跋」を附して全集収録。文庫版は井上裕正の「解説」付き、2015。「はしがき」の緊張感が非常に良い。「概説が単なるまとめ仕事ではなく、基本的な研究の一種であるという事実の発見」/「総論」は「解説」で言われるように史学概論となっている。「常に世界史を念頭におき、世界史的立場から、最も具体的に個別の歴史研究に取り組む用意が必要」、歴史学は「人文科学の中で最も根本的な基礎科学」などの歴史哲学が語られる。時代区分と簡単な通史概観も。
jhok

時代区分は四時代区分。経済の問題(景気)を最重視しつつ、文化の伝播や交通、中国社会の求心力と遠心力など具体的な現象でもって時代を捉える。/「むすび」(下巻)には「歴史家にとって、歴史概説こそが、同時に歴史哲学であってしかるべきだ」との言がある。

08/17 10:56
0255文字
デューク
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中国史の大家による、夏王朝から中華人民共和国までの中国全史。上巻は古代、中世の唐から五代十国時代まで。 火の使用に見る発明が生活を変えるメカニズム、不景気の時代の人々の行動、唐と宋の間の決定的な変革、統一国家が生まれるためのある必要条件、織田信長が愛知で生まれた理由、などなど。歴史事実の羅列だけではなく、年表をなぞるだけでもない。歴史を活かし、歴史から学ぶ、清の教養人の姿がここにある。歴史を学ぶのではなく、歴史から学びたい人にうってつけの一冊。いちおし
0255文字
じょあん
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碩学による読みやすい中国の通史。冒頭「歴史とは何か」をはじめ感銘を受けるところが多い。「常に世界史を念頭におき、世界史的立場から、最も具体的に個別の歴史研究に取り組む用意が必要だと思う」とあるように世界史の立場から書かれた通史で、世界の大きな流れの中にある中国の歴史に触れることができる。上巻は、五代まで。これは著者の時代区分によれば中世の終わる時期に当たる。時代区分についても総論の中で、世界史の立場から述べられており、非常に興味深い。
0255文字
シタン
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何よりも冒頭の総論が面白い!「歴史とは何か」から始まり、時代区分論に移り、各時代を概説する。歴史は人文学の基礎科学にして「時間の論理」であるという考え方、古くから伝わっていたり多くの人々が信じていても理屈に合わないものは疑う態度(“疑古派史学”)がとても好き。他方で歴史の本質は客観的事実ではなくその意義の評価であるとする。従って本書は宮崎博士による中国史の一つの評価である。上巻は博士の四分法でいう中世の終焉、すなわち宋の太祖(趙匡胤)の即位まで。明晰な文体で時間と空間のダイナミズム、相互作用が論述される。
シタン

興味深い記述。「由来独裁者は文化の境界線から現れるものであって、それは相違なる両種の文明、風気によって鍛錬され、頭脳が複雑に働くので、乱世に処して難局を切抜けるには最も適しているからである。(中略)独裁者が地域の境目に生れやすいという傾向は世界に共通する現象であるらしい。ヒットラーが生まれたのはドイツとオーストリーの境界近くであり、スターリンが生れたグルジアはキリスト文明とイスラム文明との境界に当たっていた。→

01/21 22:28
シタン

→日本では織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三人が揃って尾張、三河から現れたがこの辺は銀使いの西日本と、金使いの東日本の境界付近であった。(中略)乱世に生れて覇を争うには画一的な教育によって頭の動きを固定されず、物事を相対的に考え、平衡感覚を働かせて現実に即した行動をすることが最も必要なのであった。」(「第1篇 古代史 5 前漢」 pp. 204-206) 「独裁者」というところが気になるが……。

01/21 22:31
3件のコメントを全て見る
0255文字
大泉
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著者の見立ての特徴的な点は、宋代を近世の始点とする点にあるのだろうと思うのだけど、この上巻は中世終わりまで。しかし格調高くかつ簡明な文体の力よ。欲を言えば地図は下巻にまとめず適宜挿入して欲しかった。
0255文字
かずー
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素晴らしい本だが、冒頭にある旧日本軍将校が言ったとされる発言が最も印象に残った。ある将校が歴史学者に対して、年代(年代とは、1600年関ヶ原の戦いのような、☆年にナントカが起きたという知識か?)をいくつ覚えたら大学の先生になれるか、と質問したそうだ。知識の記憶は歴史学徒の必須だが、全てではない。少しでも歴史を真剣に学べば当たり前のように体得することなのだが、世間ではポピュラーではないらしい。あるいは、日本軍の教育はいわゆる「知識偏重」だったのかしらね。
0255文字
wattann
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「歴史とは何か」の文章がいい。読みやすい。
0255文字
かずい
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77年と古い本なので読みにくいと思ったが、読みやすくまた著者の教養がにじみ出ていて読んでいてタメになった。中国史は数ある国や皇帝が幾度も出現し、競い、戦いと戦国時代を繰り返してきた。特に面白いのが効果に使う銅や鉱石の発掘の量によって景気が左右され、悪化すると戦争を繰り返すという歴史。金持ちケンカzせずとはよく言ったものだ。また国政をするにあたって宦官や科拳など役人の待遇も重要で悪い待遇などは汚職を産み、また政権転覆の引き金にもなった。下巻も近いうちに読みたい。
0255文字
pepe
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古代から中世までの中国の通史。波乱に満ちた政権の推移、領土の興亡、宗教、家族制度などの変化がバランスよく描かれており、中国の広さと先進性がわかる。社会や政治制度から中世や近世を定義しており、ヨーロッパ、西アジア、日本と異なる展開を指摘する。
0255文字
Haruka Fukuhara
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総論の部分で歴史についていろいろと語っているのが特に興味深かった。はしがきの文章もなかなか味わい深い。
0255文字
糸
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意外なほどの読みやすさ…!一応京都東洋史学の隅っこに一瞬いたもので、読めてよかったです。それにしても唐代までが一冊とはなんという駆け足。しかしこれみんなとりあえず読んだらいいよね。歴史は繰り返し、反省は(していたとしても)活かされない。
0255文字
tieckP(ティークP)
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最近、歴史の教科書の偉大さをたびたび痛感して、あれを作る作業はほとんど芸術に近いなと思うけど、この宮崎氏の中国史はまさに、別に教科書があったうえでこそ読みたい本。かなり奔放であるし、書かれたのが40年ほど前だから、本書の内容や提言は説得的な部分ほどそれが40年後まで生きた説かを確認しながらでないと怖くて読めないけど、教科書が最大公約数がどこかを教えてくれるから、安心して宮崎氏の想像力を楽しむことができる。本人は抽象的な言葉と歴史とで後者を重んじると言いつつ、良い意味で抽象的な思考力こそが彼の魅力だろう。
0255文字
Moish
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中国史って面白い。純粋にそう思える1冊。筆者は東洋史の大家とのことだが、学者にありがちな難解な文章ではなく、とにかく読みやすい。また、分かった気になっていた「古代」「中世」「近世」の分け方がストンと肚落ち。個人的には春秋・戦国時代の興味が湧いたので、宮城谷昌光の『呉越春秋』シリーズでも読んでみようかな。
0255文字
佐藤丈宗
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京都東洋史学の泰斗による中国通史。もとは岩波全書だったものを二分冊にして岩波文庫でリバイバル。上巻は総論と古代から唐・五代まで。唐と宋の間に中国史の転換があるとみる宮崎史観からすると、下巻からが本番と思いきや、総論にも宮崎史学の髄をみることができる。原著は40年前なので、その後の研究成果と照らし合わせると古い部分もあるが、いまなおラディカルな問題提起もある。戦後の東洋史学を牽引した大家による格式高き古典的名著を、文庫というかたちで手軽に読めるのはありがたい。
0255文字
宇六
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冒頭から100ページ程までは筆者の歴史の見方が紹介されている。筆者は、歴史学が人文科学の中で最も根本的な学問であると訴え、他の分野の学問を修める上でも歴史学を視野にいれることを促す。また、太古~漢を古代、三国~唐末五代を中世、宋~清を近世、中華民国~を最近世とする、筆者が採る時代区分論を説明する。上巻である本書はそのうちの古代史と中世史をそれぞれ100ページ程で述べたものだ。単調な王朝交代の連続に思える中国史が、当時の政治経済の状況を踏まえて簡潔に書かれており、全く冗長に感じなかった。下巻にも大いに期待。
0255文字
kapo54
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随所に筆者の知性が滲み出ている。楽しい。
0255文字
sakamoto
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非常に読み易くて面白い。描かれるのも、極めてダイナミックな殺し合いの世界で、登場人物の半分以上が発狂サイコパスの殺人鬼ででもあるかのようなスリルとサスペンス。
0255文字
coolflat
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前半は著者の考える時代区分や著者の世界史観について。後半からが五代十国までの中国の歴史。170頁。戦国時代(前403年~)の形勢を急変せしめたのは、戦争の間から生まれた二つの発明、鉄の使用と騎馬戦術の採用。戦国の七雄の中で騎馬戦術を最初に採用したのが趙だが、その効果を最終的に最大限取得したのは秦。188頁。始皇帝は偉大なる専制君主であったが、著者がこれを独裁と呼ばないのは、宋代以後の独裁君主制と区別するため。宋代以後は制度として法的な独裁君主が出現したが、古代はまだ個人の力量による専制という面が強かった。
coolflat

242頁。前漢では武帝以来、儒学を尊崇したと言っても、それは臣下が儒教を学ぶことを認めたという程度であって、天子自ら孔子の信徒となったことはない。後漢以後、儒教は中国の国教となった。269頁。魏の九品官人法。狙いは地方有力者と中央政府の結合。332頁。玄宗は唐王朝を再興させた。玄宗は貞観時代に置かれた六都護府にならい、辺境地方に十節度使をおいて、国境の警備、貿易の保護に当らせた。西方貿易に従事する隊商を保護するのが目的。351頁。五代十国時代の後周が中央集権化を始め、継いだ宋王朝が中央集権化を確立させた。

04/05 21:09
0255文字
壱萬参仟縁
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歴史は客観的学問(13頁)。史学には時間の評価が大切(14頁)。史学は事実の論理の学問で、注意すべきは事実を抽象して抽象語を造ると、その言葉は独り歩きする危険がある点(19頁)。著者が問題にしたいのは、時間と空間が織り成す座標軸の広さ(21頁)。世界史や世界史の部分的研究と、現実に進行しつつある世界情勢との関連問題(32頁)。史家の研究は生き方の問題だが、過去の整理に重点を置く(33頁)。史学をどのように社会、人生に役立てるかの課題(38頁~)。
壱萬参仟縁

漢代は黄金が多く、インフレ好景気時代(68頁)。世界三大文明の火薬、羅針盤、活字印刷の使用は宋代で普遍化(94頁)。学問の武器は書物で、『春秋』を教科書にしたのは孟子の頃(161頁)。晋王朝が衰えた一因は貴族化、奢侈化(284頁)。公務員だけがボーナス増えてて官尊民卑ってのも衰えてる証で、罰があたる。

04/03 06:26
0255文字
モッチー
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格調高く読みやすい文章で、あっという間に上巻を読み終えてしまった。叙述の至る所に著者の卓見が詰まっていると感じた。例えば、中国史における景気変動を論じた箇所で、著者は、「名君によって治世が生れ、暗君によって乱世が始まるのが歴史の法則のように考えられてきたが、実は治世とは好景気のこと、乱世とは不景気の別名なることが多い。そして景気不景気は、その時々の君主個人の政策によって左右することが難しい」と指摘している。現代でも、政治家に対して度々その有能無能が論じられるが、それも物事の一面でしかないということか。
0255文字
徒生
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前半に収められている総論はどこを読んでも教えられることの多いもので、線を引きながら読もうとしたら、線しかなくなってしまうのでやめることになった。通史の記述も、理論に陥らず、事実を愚直に追求しながらも些事にこだわらないで彼自身の見解を述べる、バランスの優れたものだ。総論でやられているので、私のような浅学にはこの叙述には感心しきりで、こういう一流の著作を疑いながら読むということはまだ到底できないと思わされてしまった。
0255文字
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中国史(上) (岩波文庫)評価68感想・レビュー51