国家〈下〉 (岩波文庫 青 601-8)

国家〈下〉 (岩波文庫 青 601-8)
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国家〈下〉の感想・レビュー(571)

プラトンは霊魂の存在と不死を説いたわけだけど、我々の間で流通しているそれとは違っていると思われる。というのも、プラトンはこの世で我々が見ているのは仮象であり、真の実在はイデアであると説いている。よってプラトンの霊魂と、我々が思っている霊魂、この世を実在と思いながら”非物質的な実在”という唯物論の跳ね返りを想定することとは、正反対のものではあるまいか。霊魂の不死や輪廻などは色々な民族の中でもみられるもの故に、ある種の普遍性、真理を反射していると思われるが、同時に多くの誤謬も言葉の不明瞭さ故に含んでいる。
★14 - コメント(0) - 3月15日

上下巻読む前に、下巻末の解説をまず読むと全体の見通しがつくのでオススメ。
★18 - コメント(0) - 2月2日

下巻は教育学で有名なくだり(洞窟の比喩、哲人国家論など)が多く、とりあえずそれらのプラトンらしい学説の原典にあたれたという満足感はあった。下巻の民主制批判には、現代のわれわれも(トランプ大統領の誕生などを見るにつけても)参照しなければならない部分があるように感じられた。あと面白いと感じたのはホメロスの作品をはじめとする詩への批判。詩に歴史以上の価値を置いたアリストテレスの『詩学』と読み比べたい。最後の10巻部分は、ギリシャ神話と仏教的世界観をごたまぜにしたような、奇怪な話にしか思えませんでした。
★8 - コメント(0) - 1月26日

有名な洞窟の比喩の話など、「おーこれか」という感じで面白かった。ただ、魂を線分に例えるあたりなどは、イマイチ理解できなかったので、他の本にもあたってみたい。興味深かったのは、僕は今まで民主主義というのは最も優れた国家の形態だと思っていたけれど、プラトンによればそうでは無いらしく、やがては僭主独裁制に行き着くらしい。少し乱暴な気もするけど、昨今の世の中を見ていると、一笑に付す事が出来無い気もする。
★2 - コメント(0) - 2016年12月20日

最後のエルの物語。なかなか興味深いです。ダンテの「神曲」を髣髴させます。次の人生を選ぶくじで、アイアスやアガメムノン、最後にオデュッセウスの魂が登場しますが(残念ながらディオメデスは出てきません。)彼らは果たして来世にどのような人生を選ぶのか。ソクラテス、ホメロスのことをボロクソ言っているが、本当は好きなんだろ?
★1 - コメント(0) - 2016年12月18日

ソクラテスの問答から人間は認識形式から物事を現象として構成する、経験から知り得た固定観念はすべて否定される。物事の本質は各個人の間違った認識によるものであり客観的に捉えられるものではない、また、主観が世界を構成する要素である。純粋理性批判を著したイマヌエル カントに通じている。しかし、ソクラテスの一方的な言説に対して質問者が容易に同意する展開には疑問を呈するが、そこに奥深く隠されたものがあるのだろうか?やはり哲学であり自分の主観が分からなくなってくる。国家のあり方も人間の認識形式では真理は見えない。
★1 - コメント(0) - 2016年12月1日

民衆は常に愚かだから哲人王が国家を統治するべきで、愚かな民衆に政治を任せるのはヤバイと解釈した。愚かの意味は(広い意味で)神を信じていないということ。彼らにしたらナントカ国に誰かが捕まったら、自己責任だとか言って放置で、金の無駄だからむしろ死ねぐらいに思っている。自分の力ではどうしようもなくても、神にとっては一切は可能だと祈ることはない。可能性に絶望している。国家は捕まった人を助けてやって、国民に可能性を、神の代わりとして見せてやらないといけない。in god we trustは民主主義には必要なんだろう
★4 - コメント(1) - 2016年11月26日

あるべき国の構成とあるべき人の生き方を対応させ、人体という(あるいは国家という)比喩。目に腸の働きをさせないとかそんな感じで多数。ここが要で大胆かつ斬新。あとはそれぞれの性格の人間(国家)がどんなふうに一生をたどりどんなふうに受け継がれるか、ここではヘシオドス流に下方史観なのでよくなるということはない。その他魂の不死や死後説などは寓話というよりおとぎ話のレベルだったがまあ面白かった。
★2 - コメント(0) - 2016年11月16日

「正しい」とは何か、それ自体で「正しく、かつ善い」と証明できるか。全体(国家)をモデルにして全体の正義を論じ、それが「正しく、かつ善い」ことが証明されれば、個人としての正義もまた同様に証明されるだろう。どちらも、各自(魂の各部分)が各自の役割を守り、上位者(魂の理性)の支配を受け入れること。その真実を知るのは、正しくあることを見ようとする哲学者のみで、彼だけが魂の浄化の意味を知る正義の人、正しく善く生きようとする人となり、ゆえに渋りつつも正義のために国家に正義をもたらすだろう…。恨みに充ちている感じ。
★2 - コメント(0) - 2016年10月30日

洞窟の比喩や、教育についてなど、かなり勉強になった。この本に書かれてあることが、かなりの部分現実となっているのではないかと思ったりした。結局、中庸を守り、様々な欲をきちんと節制すれば、幸せになれるということだろうか。
★3 - コメント(0) - 2016年10月24日

上巻に引き続きグラウコンくんが大活躍している下巻である。滔々と自説を展開していくソクラテスに対してあくまで読者の目線に徹している彼は、一度聞いたことをうっかり忘れたり、「よくわかります」と言ったと思えば数行先で「ちょっと考えが浮かびませんが」、などと口答えしたりする。最終的には、「知っているかね」と問われたとき「教えていただけばわかるでしょう」などと少々投げやりになっている。それは兎も角、哲人政治を論じているところでは能力があれば男女関係なく人を統べるべしと言うところなどには先進性を感じた。3/5点
★3 - コメント(0) - 2016年9月20日

「太陽、線分、洞窟の比喩~」の部分に読み応えがあるのは確かなのですが、正義の実践こそが最高の生き方という理論を導くくだりは圧倒的な違和感と中二病感があります。そして結婚と子育てのパートではフリーセックスを推奨されているかに見えるではないかグラウコンよ! ともあれ対話によってリズムを作り出し、親しみやすい口語で綴られる文章で進むのでとても読みやすいです。
★5 - コメント(0) - 2016年9月11日

「正義とは何か」という問いから「正義」を体現する場としての「ポリスとは何か」(=最も優れた統治形態とは何か)という問いへ。有名な洞窟の比喩が出てきますけど、外に出て本当の太陽の光を浴びた人間は、まだ洞窟にいる人間たちのところへ戻らないといけない、という件は考えさせられますね。確かに「ノブレスオブリージュ」のエリート意識は鼻に付くけど、プラトンの言うそのエリートには自由がない。「正義を行う人は幸せになるのか」という問いに「イエス」と答えるとき、それは「正義を行い得る主体」への問いに繋がるのだと気づかされる。
★4 - コメント(0) - 2016年8月21日

先見の明を記した書では決してない。これは、そうと知られたものが、どう繰り返されてきたかを記したものである。全てのことは、知者の経験と思慮と言論によって善と判定されたものであり、それゆえに、この本は、最善を記したものとして存在する。しかしながら、古典でありながら読み継がれない、そのような遺物であることが実際であろう。そうでなくては、私たちの社会が、寡頭制から生まれ落ち、僭主制へと続くことを運命づけられた民主制に基いていることを、私は正当化し得ない。誰にでもこの本は読んで欲しい。自然的素質なるものを超えて。
★1 - コメント(0) - 2016年8月12日

民主制について述べた箇所が、現代にも当てはまる点に驚いた。理想の政治とは何かを考え始めるのにうってつけの本かも。
- コメント(0) - 2016年7月18日

プラトンによる理想国家の後半。「洞窟の比喩」、イデアとプラトンの哲学の中でも重要な部分が出てくる。そのあたりは読んでいても理解できるかな。ソクラテスによる国家の形態とその国家的な人間の話が面白かった。ヘロドトスの『歴史』の中にもダレイオスの即位の場面でそれぞれの国家形態についての話があったのを思い出した。個々の分析は面白い。相変わらずの詩人に対する批判。プラトンの理想国家は人間が人間である以上実現は不可能だな。
★23 - コメント(0) - 2016年7月5日

上巻も酷かったが、下巻はもっと酷い。 プラトンの理想国家は、自由ゼロ・人権ゼロ・国家の命令に従順に従うロボットだらけの世界である。 さすがにルソーやマルクスに影響を与えただけの事はある。
★3 - コメント(0) - 2016年6月13日

よく教科書で見かける国家の要素や節制等の事が詳しく書かれている本。言語だけで理解するのは難しいなと思った。もうちょっと身近な物から政治や国家について学んでみようと思う。
★13 - コメント(0) - 2016年6月12日

YN
後半戦。 有名な洞窟の比喩や、線分のたとえ話はなるほど。 国家、と言うだけあって国家制度の種類について述べる。 優秀者支配制>名誉支配制>寡頭制>民主制>僭主独裁制。 何が正しいかを見た目ではなく、その本質に基いて考え、判断をしましょう。 最後のエルの部分は、なんと言うか大衆?に変革を促す意味でもあるのか。 それとも当時としては自然の考え方か。 因果応報。善く生きることが出来れば来世も安泰さ、という。
★2 - コメント(0) - 2016年6月8日

プラトンの国家を読んで、物事の表層を見るのではなく、いかに真理を捉えるかという必要性を感じた。ビジネス本では分からない、本質の捉え方、真理を学んでいきたい。
★2 - コメント(0) - 2016年5月5日

高校のころに上巻を読んで以来放置していたがやっと読めた。君主制から僭主制に至る国制の説明と、それに対応する人々の性格、国家における知勇欲のバランスと分業、それぞれの教育、そしてイデアについての洞窟の比喩、最後に正義や徳の報いとしての死後の生についてが語られ、盛りだくさんな内容だった。特に最後の死後に千年の賞罰期間を受け、その後また地上の生涯に帰って行くというのを繰り返すあたりが、人間と動物の入れ替わりがあるのもふくめて、輪廻的な発想だなと思った。
★2 - コメント(0) - 2016年4月16日

もやっとする。一つ一つの主張とその証明過程を丁寧に追っておけばもっと理解できたのだろうか。
★2 - コメント(0) - 2016年3月13日

2ヶ月かけて上下巻を読了!自分では、絶対に考えもしないことを考える、知るというのは、かくも新鮮でありまた辛くもある
★1 - コメント(0) - 2015年11月27日

民主主義批判。人々は自由平等を尊重し勝手気ままに行動する。快楽の区別なく己の好むものを際限なく追求することで、そのため節制の徳を持つ人が追いやられ、最終的に独裁者の台頭を許してしまう。現代で考えれば、自分のみの利益を追求する者が多数となるとその利害に沿った政策が取られ、様々な利害が錯綜した状況になる。利害対立を民主的な政治によって解決することができずに1人の指導者に解決を委ねてしまうということだろうか。民主主義は結局のところ国民の知性による。
★16 - コメント(2) - 2015年11月21日

とても昔の人が書いたとは思えない程、現代でも通用する内容だと思う。特に第8巻は、なるほど❗って、感じた
★1 - コメント(0) - 2015年11月14日

表題は「国家」だが内容は政治学に限られず、魂における徳(とりわけ正義)が主題となっている。他にも、教育や芸術、数学などその内容は広範にわたっており、掘り下げると興味深いようなテーマを色々と提供してくれる。不死なる魂やイデアの世界など所々宗教的に感じられる箇所もあったが、全体的に見れば現代でも興味深く読める古典的名著である。
★1 - コメント(0) - 2015年10月15日

上巻に続いて現在の仕事視点で気になった箇所。p.119法というものの関心ごとは…国全体のうちにあまねく幸福をいきわたらせることこそ、法は工夫するもの。p.302物事が正しく判定されるためには…経験と、思慮と、言論(理)によってではないか。p.367(366-367を要読)立派な人物というものは、彼に反抗を命じるのは、理(ロゴス)と法(ノモス)であり、悲しみをへと引きずって行くのは感情(パトス)ではないか。哲人統治など、下巻は個人的には抽象度が高い印象だったなあ。
★5 - コメント(0) - 2015年9月7日

国家論はすっとんでしまうのに驚いたが、国政の遷移についての指摘は実際に歴史が証明しているのでさらに驚いた。これから、の時代を考える上でも顧みるべき原点。
★2 - コメント(0) - 2015年9月6日

国家論のみならず、人の生き方・在り方、教育、幸福・快楽などについて論じた対話編の後半。イデア論が展開されるのも(下)からがメインだが、洞窟の比喩は例え高校の倫理で勉強したつもりの人にも真面目に読んでほしい部分。教科書に描かれているイラストは洞窟の外について触れていないなと思い、不十分だと感じる。また、民主主義批判については、素直に読むというよりは、だからこそ権力者も民衆も知者じゃなくちゃダメだよな、という風に読んだ。読み返すとまた、生き方について学ぶところが多そうな一冊。
★2 - コメント(0) - 2015年6月16日

私はよく思っていた。“どうして数学は目に見えないのだろう…算数は実物を使って表現できたのに”そんな疑問がこの本を読んで解決した。“数学は実物をもとにして表現するものではない。数学は思椎によって知られる真実なのだから”この『国家』という本は、一見単なる政治の本のように見えるだろう。しかしそうではない。もちろん“よりよい国家とはなにか”をベースに問答は展開されていくが、そこから数学、芸術、魂、正義といったあらゆる分野へと展開されていき、そこで国家論へ収束する。
★1 - コメント(2) - 2015年6月14日

登録し忘れてた(:3っ)∋近代思想を学んだ人は面白いと感じると思う。
- コメント(0) - 2015年6月9日

第五巻から第七巻にかけてイデアについて語られるけど、正直、どうでもいい。第一巻が面白かったためにひきのばし連載されたかのようだ。上巻の第一巻以外どうでもいい。
★4 - コメント(0) - 2015年6月8日

散々国家について議論してきたが、結局はその国家が現にどこにあるか、将来存在するかはどちらでもよい、と捨ててる部分は面白かった。プラトンは低俗な国家や政治、また個人の在り方にうんざりしていたんだろうなと感じた。《気に入ったフレーズ》p122 真の意味での富者とは、思慮あるすぐれた生を豊かに所有する者のことだ。
★5 - コメント(0) - 2015年6月2日

本書に収められた有名な洞窟の比喩。これまで幾度となく哲学入門書の類で引用されているのを目にしてきたが、かなり違う印象を受けることにちょっと驚き。後、解説でも触れているとおり、他の作品とは違って、本書ではソクラテス以外の登場人物の性格があまり際立っていないというのが印象的。殆どソクラテスの独壇場という塩梅。それだけにここでのソクラテスは他の作品には無い力がみなぎっているように思える。それから、何かと議論の対象となっている芸術についての論議は、やはり読者それぞれの多様な読み方を許すものではないか?と思う。
★3 - コメント(0) - 2015年2月21日

未だに議論を呼んでいるというあたりがすごいテキストだよね。
- コメント(0) - 2015年2月4日

下巻はイデア、国制、勉学、正義など。<善>の実相(イデア)こそあらゆるものを正しく美しく生み出し、<思惟によって見られる世界>が真実性と知性を提供する。公私において思慮ある行動を起こそうとするならイデアに到達しなくてはならない。また知と縁のないものたちは常に下~中をさまよい、決して真実の上を仰ぎ見たこともなく、確実で純粋な快楽を味わったこともない。ちなみに長々と講じた国家論については「ま、どうでもいいけど」で締められます。
★3 - コメント(0) - 2015年1月21日

神のつくった実在、を重ねた実存社会、をまねた劇作家という論法でいくならばだよ。プラトンよ、神のつくった真理を、実際に生きたソクラテスの言葉で代弁させようという、君の著作もイミテーションとはならないかね?
★2 - コメント(0) - 2015年1月2日

国家〈下〉の 評価:52 感想・レビュー:113
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