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f植物園の巣穴

感想・レビュー
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うみ
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大好きな梨木香歩さんの『家守綺譚』に近い雰囲気を感じ手に取った作品。タイトルからある通りこの作品でも植物が世界観を形作る重要なアイテムとなっている。最初は歯が痛い植物園の園丁の日常だったはずが、徐々に認識の綻びやが生じ「どういう状況!?」と主人公と読者を混乱の渦に放り込む。そこから主人公の過去、現在の出来事が濁流の如く代わる代わる現れる。途中何が起こっているのかわからなくなっている瞬間も多い。が、それを乗り越えて見えてくる事実を知り、再度読み直したくなるのはこの世界観の不思議さがまた好きなんだろうと思う。
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シロ
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再読。矯正中の歯が疼いて堪らず、そう言えば作中の主人公も歯痛に悩まされていたな…と、久しぶりに読み返しました。今はまだ手に負えない苦しさもいつか向き合う時が来て、その時には涙を流しながらも受けとめる事が出来るかもしれない。目を逸らして忘れ自分を守ること、その時そこで傷ついている人、いなくなった人と笑い合ったこと。悲しみも喜びも噛みしめて、人の形が保てなくなっても生きる。歯の痛みを忘れて読みました。
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Meg
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ネタバレ梨木さんは好きで何冊か読んでいるが、この本は世界観に馴染めず読み進めるのが苦痛だった…。 この主人公も淡々とし過ぎていて共感もなく、一体何処に向かっているのか、何を求めているのか分からないまま読み進めていくと終盤でようやく着地点が見えてきて、まさかのほっこりラストだった。
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ぴろこ
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佐田豊彦は植物園の木のうろに落ちて意識を失っていた二日間に、この世に生を受けることなく亡くした我が子道彦に出会い、不思議な世界を旅し、無意識に封印した自分の過去の記憶を辿る。極度に辛い苦しい経験を忘れるのはこころをまもるために必要なことだ。ひとはそういうふうにできていると思う。いつかそれを消化できるようになったら佐田のように思い出し、その記憶とともに生きればいい。それまでは忘れていることを許してほしい。
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mimosa
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途中、時間の新旧も場所もごちゃ混ぜになり、作者の見えているものがこちらの想像力のたりなさのせいかなかなか見えてこない。そのためなかなか読み進められなかった。普段何が起きるか予想しながら読んでいることに気づいた。なんとか読了(「裏庭」は挫折してしまったので(泣))死の匂いの色濃い作品だった。
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美登
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【再読】現実と不思議な世界が交差する場所で、過去と現在も曖昧になり、「私」はまるで潜るように心のわだかまりとなっていた者や風景と再会する。名なき者の存在はあやふやで頼りなく悲しい。名前を呼ばれたときの嬉しい表情に涙する。偏屈な「私」の抑えられた悲しみの深さにも。せき止められた荒々しい水の流れが、おだやかになっていくような感じだった。「確かなものなど何もない。人はいつでもぎりぎり人の形を保っているのである。一寸揺すられれば異形の正体を現す。」いろいろな意味で確かにそうかも。植物の名前を知ればより楽しめそう。
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c
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これぞ梨木ワールドといったかんじ。
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棕櫚木庵
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この作者は3冊目.『家守綺譚』や『夏草冬虫』にくらべ,閉塞感というか,何だか内に籠っている感じが強かったけど,最後まで来て,ああ,そういうことだったのか・・・.精神分析的に(?)深読みできそうな暗喩が多かったけど,そういう深読みはこの作者にはふさわしくないような気がした.→
クプクプ

こんばんは。梨木香歩さんが園芸のことを書けないのはしょうがないとして、この作品は、タイトルに内容が負けてしまいましたね。梨木香歩さんでしたら、私は「裏庭」や「りかさん」が面白かったです。

04/05 19:24
棕櫚木庵

こんばんは.確かに「巣穴」の方に重きがあって,「植物園」である必要はあまりなかったような感じがしました.『裏庭』,『りかさん』また探してみます.ありがとうございました.

04/05 20:03
3件のコメントを全て見る
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しょっちー
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植物園に纏わるお話かと思いきや、歯の治療から過去へ過去へと、自身の"うろ"に潜り込み、失くしていたものを思い出していく道程。なんたるモラハラ夫か!と腹立たしく読み進めていたら… 家守綺譚系ですね。 論理的な展開で読者に情報を与えていくミステリーの構成ならわかるけど、不可思議な体験を通り抜け、自然と「わからせていく」物語、どうしてそんな文章が書けるのか、筆者の筆致と感性に感嘆します。
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jon
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ネタバレ図書館本。前に一度借りて時間的に数ページずつしか読み進められなかった為か、頓挫してしまっていた本。再度、時間のある時に3時間程かけて一気読み。面白かった。やっぱりこの作者は好き。冬虫夏草のような読了感で、光がみえて終わる。読み終えるとこの主人公は面白い世界観を持っていたなぁという事と、最後の2文に歓喜した。途中で坊の名前は主人公がつけるというくだりに、あぁやっぱり、と坊の正体に確信めいたものがよぎったが、名付けの時にはつい瞼が熱くなった。大家さんの雌鳥頭に追いかけられるシーンが印象に残る怖さだった。。
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ushio
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形にならなかったものと出会う旅。 幻想の中では別ればかりだったけどラストにホッとした。 最初幻想と気づかずにそういう世界線なのかと思った。 違ったけど、それでも面白そう。
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な
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不思議な世界に迷い込むような気分が味わえてよかった。歯医者の奥さんが何となく好きになった。
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toto
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ネタバレ湿地や水辺の薄暗い描写が多く、不思議を不思議でくるんでるようなタッチで読みやすくはない。けど頁を進めていけば、探していた世界がしっかりそこにある、そんな感想。 ねえやの千代の最期は哀しかったけど、思い出せたのは救い。 芋虫から蛹、蝶になるプロセスを「一度死んだ」との解釈が興味深かった。そしてそれが家内の千代だったとは。 カエル小僧との謎かけがほんわかしていて、それもあの子とは。今後幸せになりますように。 伏線(と言うのかな?)が効いてるので、ミステリー好きな人にも楽しめそう。
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ハトコ
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“千代に会わねばならぬ。たとえあれが、イザナミのような姿になっていたとしても。”(p178)
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megumi♪
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ネタバレどこからか現実でどこからか非現実なのか…なかなかとっつき辛く描写された情景を思い浮かべるのが困難でした。ただ妻に先立たれた主人公が、うろに落ちた世界(この表現であってるのか…)で過去を思い起こし、現実に向かい合って行く様はとても興味深く、坊の正体は胸にくるものがありました。キーパーソンは“千代”。そして結末は思いもよらぬハッピーエンドが待っていて、心がじわんと温かくなりました。
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いぬい
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友人と好きな作家の話をしていて山尾悠子を激推ししたら薦められた一冊。山尾悠子ほど緻密で硬質的なイメージはなく、ディック読んだ時みたいな現実がねじ曲がる感覚と不思議な浮遊感があり、繰り返される虫歯の描写で痛覚が刺激されます。でもストーリーとしてはそんなに捻くれてない読みやすい話でした。描写のせいで幻想文学にカテゴライズしたくなるけど実際はむしろ現実と向き合うまでの過程を描いてる話なのが面白いです。自分は細かい描写や雑学に目がいって無性に植物園に行きたくなりました……。もう何冊か読んでみます。
his

裏庭と沼地にある森をぬけてをおすすめします!

01/11 07:50
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takao
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ふむ
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やなせトモロヲ
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★★★★☆ 椿宿を先に読んでしまったことを後悔。ラストはなんかホッとした。
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沖
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ネタバレ巣穴から落ちた先の不思議な世界で自分を見つめ直す話なのかな。 夢のような綺麗で奇妙な世界の話だった。
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Kahori
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この世界観がクセになる
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みい⇔みさまる@この世の悪であれ
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ネタバレ☆×4.0…ある別シリーズと比べると区切りがないためにそこから読み始めて人は少しばかり違和感を覚えるかもしれません。だけれども、ちょっと我慢して読み続けてくださいね、きっと心に触れるものがありますから。植物園の隠れ江で仕事に没頭する男。しかしながら周りの情景はどうもヘンテコ。そしてついぞヘンテコな世界へといってしまって…それは彼の心に救ってしまった「闇」を浄化するための旅だったのですよね。ある人物と出会いますがすごく重要人物です。最後まで読んでみると…おや、目の前がぼやけて見えなくなっちまったぜ。
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Pillow
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果たしてここは夢の中なのか幻か、常識では考えられないような摩訶不思議な世界が続く。いちいち理解しようと読み返していたら前に進まない。ざっとストリーを掴めれば良いのだ。しかしこの作者の本は面白い。
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勇魚
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ネタバレ★★★★☆f植物園の園丁・佐田豊彦の物語。時は明治(だろう)。歯痛に悩み雨の夜の静けさ。そこからどんどん世界はおかしくなっていき、読者は主人公の語りで物語に入るしかないのだから読者も豊彦と一緒にこの不思議世界へ迷い込む。ねえやの千代、妻の千代、そして流れた子。どんどん下っていく道行きの連れは”坊”。初読時も思ったが下へ下へ行くというのは自分の心の奥へ向かって行ってるよね。入れない入り口は出直す。戻るともう道は違う。何度も実家の門の外の川と椋の木が現れる・・物語の後半は圧巻です。これは豊彦の再生の物語。
勇魚

「椿宿の辺りに」の後にこれを読むと感慨深いものがある。山彦の祖父・藪彦の兄・道彦は流れた子だったのにしっかりした兄だったという印象はこの物語に出てくる"坊"の成長を豊彦が千代や藪彦に語ってたんだろうねとか「なすべきことは家の治水」と稲荷に言われた豊彦がきっぱり拒否してるのが山彦の代まで祟って?たりね。表紙の植物画もすてき。

06/28 17:39
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hitokoto
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 アゲハチョウはミカン科が好きで、その葉に卵を産み、モンシロチョウはアブラナ科が好きで、その葉に卵を産むことは知っています。そして、芋虫が蛹でいったん液体になり、それが成虫としてふ化する不思議さに驚いています。そんな世界を彷彿とさせる梨木香歩さんの作品「f植物園の巣穴」(2009.5発行)。歯の治療の進行に合わせた摩訶不思議な世界の描写、よく創作されるものだと、いたく感心しました。
hitokoto

ナイス、有難うございます!

05/07 03:13
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Lxa_tisia
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今まで読んだ本の中でトップクラスに伏線回収の手際が良い おそらくは幻想文学に分類されるであろう小説で、こんなに伏線を回収しまくる作品があっただろうか
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風花 kazahana
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梨木香歩さんの独特の世界。この世と どこかの世とが繋がっていく。この不思議な世界観に足を踏み入れたくて つい手に取ってしまう作家さんです。でも不思議な世界観であるがゆえに 時々私はカチカチの自分の脳と戦う事になってしまうのでした。佐田豊彦と一緒に彷徨い歩くのです。一緒に彷徨うので ある意味正解かもしれませんが。彷徨い 今は会えない人たち、と思われるものに出会い、今の世に帰ってきたときに 過去の出来事から 前に進むことができたようです。最後まで読み終わったときに やっと心が落ち着き ほっとするのでした。
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あまなつ
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幼少の記憶の中を坊と旅する中、ひとつひとつ記憶が心が整理され、癒えていき、閉じ込めていた大切なことを思い出し、治水が己が命であることを自覚する。 あやかしと当たり前のように共存する奇天烈な森見登美彦ワールドのような、千と千尋の神隠しのような、不思議の国のアリスのような、なんともたまらぬ世界観。
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まるるん
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☆ なんともまぁ不思議な小説 異界譚 と言ってしまえばそうなのだけれど… ちょっと私には無理かも… 断片的には興味をそそられるエピソードには事欠かないのだが…
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花
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文章は特徴的で、不思議な世界だった。現実と幻想とが入り混じり、独特の世界観がある。うろに落ちた主人公は、日常と非日常の世界を行ったり来たりしながら、蓋をしていた過去や喪失と向き合う。悲しい過去は忘れてしまったように思えても、心の奥に凍ったままで残っている。本当は、それを解凍してあげることが大切なんだと思う。人が忘れてしまって蓋をしてしまった過去を遡り、大切な何かに気付かせてくれる優しい作品。
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あゆぷ
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子供の頃から、高熱出して寝込んでいるときほど小説が読みたくなる。フィジカルな熱量に任せて読み切った作品。頭がぼんやりしていた所為か、平熱に戻った今思い返すと色々不思議な出来事のはずが、そんなこともあるよねと思いながら読んでいたように思う。人は犬にはならないと、今なら分かる。 本の選択を誤らない限り、高熱読書はいつもと異なる読書体験を得られるのでお薦め(体調悪化と激しい頭痛は伴いますが)。
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すみの
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f植物園園丁の主人公・佐田豊彦が大木のうろに落ちてから見つかるまでの間の、無意識下?夢?の中で体験する異界譚。その中では、時に犬になる歯科医の妻、雌鳥頭の大家、ナマズ神主など異界の匂いが植物の草木花の香りと共に漂ってくる感じ。カエル小僧の坊の道案内で、千代を探す豊彦。坊に『道彦』という名前を授けて、異界の旅から現実の世界に戻ってくる豊彦。なんとも不思議なお話。
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みゆう
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不思議な世界に迷い込んだ感覚と哲学じみて理解できないようでいて何か自分が高尚になったような勘違いで分かった気になる。記憶が蘇り忘れていた辛い過去から立ち直った時家庭が上手くいき続巻に繋がる。 西の魔女が死んだがすごく心に残り裏庭で挫折した。自分の頭では理解できない本が多々あるのに何故か気になる作家で、今回の本も理解できなかったのに完読しなくてはという強迫観念みたいにとらわられる。 自分にとって不思議な作家。
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HaruNuevo
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意図せず封印した記憶が誘なう異界 終盤までは何を読んでいるのかよくわからない作品だったけど、異界の道中の連れとなった坊の正体がわかったあたりから、それまでのもやもやした霧のようなイメージが収斂してはっきりとした形を表していく様はとても印象的
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湖都
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ネタバレ幻想的であり、決して怖くはないけど悪夢のような物語。主人公の忘れかけていた過去をほじくるように話は進み、神話のようであり、人を再構築する(本文中の蛹液のような)器のようでもあった。示唆している事柄に対し比較的しっかり答えをくれているのが救い。全て曖昧な感じ、ご想像にお任せします系だったら、ちょっと辛かったなぁ。夢オチじゃないけど、妻の千代のこともうまいことおさめてくれて良かった。本気で愛していないのかと思った。
0255文字
oskrt
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梨木さん久しぶり。読みはじめは倉橋由美子的な雰囲気を感じたが幻想系なら川上弘美かなとも思った。梨木さんはこういう本を書く人だったなあと思い出しながらもまったりしてるので途中は少し退屈だったりもしたのだが■言葉を積み重ねて様々なイメージの世界を構築する作者の技術なのか想像力なのか感性なのか、よくわからないけどとにかくできあがったこの作品は素晴らしいものだったと思う、面白かった。生まれ出ることが適わなかった蛙くんとのノスタルジックな交流が特に心に残りました。
0255文字
miz_1001
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ネタバレ夢の中の話だった。うつくしい水辺と、子供の頃の思い出と、歯医者がどうにも始末におえないというのと。 他人の夢の話を延々と聞かされるような小説だけれど、文章に流されて一気に読まされてしまったというところ。まあまあ面白かった。
0255文字
とろまつ
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ずっと不思議な世界にはまり込んでしまった。途中からは堂々巡り、何の話を読んでいるんだろうと思う。終盤にかけて、冷めた主人公の葛藤と人間味が現れる。久々に読んだ梨木香歩さんの世界だった。
0255文字
冬子
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再読。主人公は植物園の園丁。植物園の椋木のうろに転がり落ちたあたりから、現実と幻想的な世界が混然一体となりはじめる。ねえやであった千代、妻であった千代、カフェの女給である千代と同じ名前の女性が複数登場したり、歯科医師の妻が犬であったり人間であったり。過去と現実が入れ替わり立ち代わりし、それは主人公の傷をいやし、成長を促していく。もう一度「椿宿」も読もう。
0255文字
散文の詞
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変な中毒性のある文章です。 読み始めた時は、?の連続でしたが、どんな結末が待っているのか気になってきて、最後まで一気に読んでしまいました。 半分も理解できないような気もしますが、不思議な余韻が残りました。 万人受けはしないでしょうが、こういう小説を一度は読んでみるのもいいかも。
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△土器土器ぴらみっど▼
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ネタバレ主人公は自身の勤める植物園にある穴に落ち、気が付くとそこは確かに主人公の住む街であるがどこかおかしい。歯医者で犬が働く?あれは確かに大家だが、首から上が鶏頭?はて、これは妖怪小説か。しかも思った以上に舞台が昔のようだ…摩訶不思議な世界に心を躍らせながら読み進めた。物語後半は、忘れていた悲しい記憶を取り戻す。単なる夢オチではなかった。夢と言うよりは、この場合精神世界と言った方が相応しいかもしれない。前半の展開が特に好きでござった。この著者の小説は初めて読んだが、是非他の作品も読んでみたい。続編もあるとな?
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