ことり

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ことりの感想・レビュー(2041)

【2017酉年にちなんで】幾度となく温かい涙が溢れてくるのに、ただただ静かで淋しさに心が支配される静謐な物語だ。幼稚園の小鳥の世話をしていたことから、小鳥の小父さんと呼ばれていた弟と、弟にしか通じないポーポー語以外話さない兄は、ささやかな変化さえ負担に感じるほど昨日と同じ毎日を過ごしていた。兄を喪ってからも小父さんの変化ない日々が続くのだが、そのなかでひときわ色ずく一瞬もあった。それは園長との、司書との、傷ついたメジロとのふれあいで、兄が作った小鳥のブローチのように小父さんの人生のなかで輝きを放っていた。
★63 - コメント(1) - 2月3日

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読む前はことりちゃんっていう少女の話かと思っていた。でもあながち間違いでもなかったかな?小鳥の小父さんと呼ばれた男性の人生の話。言語、声、歌、求愛、の単語が頭の中でぐるぐるする…。何度か泣きそうになった。小鳥の言葉を話す兄の言語を人間で唯一理解できる弟、という事実が、安定を守る規則的で慎ましい生活が、簡素な部屋で祈りを捧げる者に光が差している絵画のような美しさを感じて、先生にただただひれ伏すしかない。
★6 - コメント(0) - 2月2日

小鳥を軸に織り成す美しい物語。さえずりに似た言語を話す兄と、唯一その言語を理解できることりのお父さん。鳥籠の中で生活していた彼らですが、彼らに相応しい小さな自由がそこにはあり、静謐で心地よい空間が好きでした。春が待ち遠しい。
★13 - コメント(0) - 1月27日

3回か4回目の再読。ことりの小父さんとお兄さんみたいに潔くて、淡々と毎日を繰り返し、心は温かく穏やかで豊かな生活っていい。年重ねてきてどんどん現実世界の虚飾が苦手になってるなぁと、今回は我が身の再発見があった読書だった。またいつか読む
★30 - コメント(0) - 1月25日

小川さんの描く主人公たちは、はたから見れば変人で、報われない人たち。でも、本人たちにはそんなことはなくて、自分たちの価値観で幸せを感じている。本作の小鳥の小父さんもやっぱり同じで、お兄さんとの素敵な思い出やメジロとの親密な生活の中で人生を終えていった。僕も彼らのように幸せを見つけられるといいなぁ。
★11 - コメント(0) - 1月25日

変化を好まず、毎日決まった時間に決まった行動をとり穏やかに過ごしている主人公。毎日同じ繰り返しのなかでもほんの少し違うことをすることでようやく変化がみられる人生。遠足などの学校行事が好きでなくいつもと変わらない日々が好きだった私は、ことりの小父さんの生き方に憧れます。「どんな世界にも落ちこぼれはいるし、天才もいる」の落ちこぼれの部類なのかもしれませんが、そんなことに大きな関心はないのでそっとしておいてほしい。心穏やかに過ごしていきたいだけなのです。
★10 - コメント(0) - 1月19日

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深く静かな心地よい話でした.小川洋子さんの本は、まったりとしていてこころがほっとする.明日からは鳥の声に耳をすましてしまいそう.
★7 - コメント(0) - 1月14日

鳥を大切にしている小父さんのひっそりとした生活。
★4 - コメント(0) - 2016年12月31日

あえて現実の言葉で説明すると、知的障碍者である兄の世話をし、兄亡き後も不器用に生きながら最後は孤独死を迎えた老人の話。なんて物語から受けるイメージと異なる「現実」だろう。兄はポーポー語を話し、小鳥を愛し、小鳥の言葉を理解する。老人は兄のポーポー語を唯一理解し、兄を敬愛し、兄亡き後、兄の愛した幼稚園の鳥小屋の掃除をするようになり「小鳥の小父さん」と呼ばれる。静かで神聖な時間が流れている。前半はその文体で空気感を楽しみ、後半で物語が動き出す……のだが、ストーリー性を求めてつい読み飛ばしてしまう自分が悲しい。。
★9 - コメント(0) - 2016年12月20日

小鳥を愛した兄弟の話。独特の世界観なのに小父さんに謎の感情移入を覚えてしまう(笑)小父さんの恋を応援したり、新たな生きがいを見つけて安心したり。ひっそりとした一生を見守る感じです。
★11 - コメント(0) - 2016年12月19日

読みながら、前半はずっとブローチの色や形の朧げなイメージがあった。お兄さんが亡くなってポーポー語の語り手がいなくなってしまって、もうこの小鳥たちとの暮らしが終わってしまう、と感じたけれど、後半もしんなり世界に浸りながら読んだ。時代が変わっていき小父さんが年をとるのを感じて、不安になった。けど、そんな俗世的な物差しは彼には、小川洋子の世界には不似合いな不安だ。帯の「淡い恋」とかいうフレーズはちょっとどうなの。そんなの一言で言ったらダメだよー。
★9 - コメント(0) - 2016年12月9日

毎週日曜の朝10時、小川洋子さんの声を東京FMで聞いていながら初読みでした。「ことりの小父さん」の静かな一生の物語です。不思議で静かな時間が流れます。最後、メジロが竹籠の中に居るのに…と一瞬思いましたが、冒頭の2〜3ページを読み返し、あ!そうだった!良かった。ことりの小父さんの魂は、美しい歌を歌うこのメジロと共に解き放たれたのですね。
★102 - コメント(0) - 2016年12月9日

言葉について考えさせられる話。深く静かにすすんでいく。
★6 - コメント(0) - 2016年11月25日

世界で唯一、鳥のさえずりに似たポーポー語を話す兄の言葉を理解する男の一生。鳥を介してのみ、人と触れ合う男は縁深くなる度に別れを経る。唯一深く交れたのが、鳥だった。何かに深く関わることが、誰かを深く慰めることもある。薬屋の女に母を投影した兄の想いを男が解さなくても、彼女は男と関わり続け、忠告を告げている。気付かない縁が、人を慰めることも、きっとあるのだ。
★16 - コメント(0) - 2016年11月23日

読了後、帰り道にある公園の木に止まっている鳥たちの鳴き声に耳を澄ましていた。いつもなら、こんなにじっと耳を傾けることはない。物語の中の鳥の声がずっと心に波紋のように広がっていたからかもしれない。鳥たちも私たちもこの瞬間ただ生きている。いつまでも、いつまでも、この余韻が消えなければいいのにと思いました。
★15 - コメント(0) - 2016年11月18日

小川洋子さんの静謐な世界。鳥籠の中にいるような小鳥の小父さん、段々と鳥籠が狭められていく。最後小父さんは鳥籠を抱きしめて自由に空を飛び回れるようになった。
★14 - コメント(0) - 2016年11月5日

ことりの小父さんと彼をめぐる人々の物語。お兄さんと小父さんとの閉ざされた関係性が心地良いなぁと思いながら読み進めていたら、お兄さんが亡くなったことで物語は暗転していく。司書や虫箱の老紳士が去って行ったあとの切なさがあまりにもリアルで、胸をわしづかみにされた。「私はチョコレートを食べないのです」という台詞に、司書の残した爪痕の深さを感じずにはいられない。容疑者扱いにされてしまったり、幼稚園の鳥小屋が解体されたりと不幸に見舞われるなか、最期まで小父さんに寄り添ってくれたのは小鳥だったことに救いを見いだしたい。
★35 - コメント(1) - 2016年11月4日

ことりの小父さんの生涯のお話。 小父さんの周りにいる、少し風変わりな人々との関わりや、日々の過ごし方。淡々と語られていくのに、どこか引っかかるような気持ちにさせられる。 小父さんは幸せだったのだろうか。
★15 - コメント(0) - 2016年10月23日

兄弟があまりに静かに慎ましく、閉ざされた世界で生きてるものだから、なんだかもどかしいような気持ちになって、もっと確かで明るい幸せ(それこそ本物の旅行に行くとか恋をするとか)を味わってほしいと思ってしまう。でもそんなの押し付けがましい考えで、二人に小鳥の側で生きる以上の幸せはないんだろう。だから孤独だった小父さんの余生も最後はきっと満ち足りていた。だけどやっぱり切ない。
★4 - コメント(0) - 2016年10月9日

ことりの小父さんの静かな一生。小川さんのシンとした世界観にメジロの歌声が良く響きます。ラストでホロリと零れ落ちた涙の音まで聞こえてしまいそう。小さな閉塞感さえ感じられる世界なのに、決して不自由ではなくて。日本の現代が書かれているようなのに、まるで別の時代の世界のような。小川さん独特の世界観が魅力的な一冊でした。117
★11 - コメント(0) - 2016年9月24日

ことりの小父さんの静かな一生。小川さんのシンとした世界観にメジロの歌声が良く響きます。ラストでホロリと零れ落ちた涙の音まで聞こえてしまいそう。小さな閉塞感さえ感じられる世界なのに、決して不自由ではなくて。日本の現代が書かれているようなのに、まるで別の時代の世界のような。小川さん独特の世界観が魅力的な一冊でした。117
★8 - コメント(0) - 2016年9月24日

小鳥の小父さんのお話。前半は小父さんとお兄さんの話で後半は司書や鈴虫のおじいさんとの交流。面白かった。毎日続く生活が描かれている。この先へ先へと読み進めさせる技術はなんだろう。メジロの歌を聴きたくなる。
★15 - コメント(0) - 2016年9月13日

小父さんの日々の丁寧さからか、物語は時計の秒針の音を一つ一つ数え上げるようにゆっくりと着実に過ぎてゆく。陽光や土の匂いに包まれるゆっくりではなく、自身とは隔絶された世界でも、美しいものが存在すれば良いというような淡泊なゆっくり。「ことり」の表記に美しいさえずりもお兄さんが言ったおやすみの一言も空虚な寂しさも詰まっているような気がする。
★18 - コメント(0) - 2016年8月24日

この兄弟にことりたちがいて良かったとも、ことりたちがいないほうが、とも思う。それはこの兄にこの弟がいて、弟に兄がいて、の関係にも言える。ひさびさの小川洋子さんは端正な文章で、そのキャラクターの生き様を淡々と記してくれた。
★10 - コメント(0) - 2016年8月13日

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小鳥、お兄さん、薬局、メジロ
★2 - コメント(0) - 2016年8月10日

切ない。小川さんの作品はどこかひんやりしていて心地いい。夏におすすめです。
★8 - コメント(0) - 2016年7月24日

鳥の言葉しか話せなくなった兄とその兄と現実をつなぐ役割をする弟である主人公、「ことりのおじさん」のお話である。鳥と彼らの関係は、あまりにも完璧で他者が入り込む余地がない。自分も彼らの目で鳥を見たいと思い、図書館司書のように好奇心で近づいてみても、あまりに純粋で、嘘のない彼らに、混乱して距離を置いてしまうのだろうなと思う。彼らが少し歪んで見えるのは、私の立ってる場所が歪んでいるからなのかもしれない。透明で、儚く、切ないお話です。
★27 - コメント(0) - 2016年7月23日

始まりは終わりじゃない。また終わりも始まり。この物語はまさに渡り鳥という言葉がぴったりでした。もし自分がいつか1人で生きていかなければいけない時がきて最後の死ぬ瞬間、これまでの人生を振り返り後悔ばかりの人生でもいいから自分の生きてきた証を大切に思い出したいと思いました。最初に冒頭の文章を読む時と読了後に冒頭の文章を読んだ時、全く同じ文章なのに意味が全然違って余計に切なくて儚い物語だと感じました。
★49 - コメント(5) - 2016年7月4日

小父さんは孤独だ。小父さんは周りの人に、小鳥に寄り添った。けれど、小父さんをフェンスのへこみのように包む存在はなかった。それなのに、小父さんはとても幸せそうな最期を迎える。ほっとため息が出る。小川洋子さんの文章は隅々まであたたかい。小鳥との生活というのはすごく心惹かれる。鳥はあんまり得意じゃないのだけど。メジロとの日々は、ほんとうに愛おしいものだった。
★19 - コメント(0) - 2016年7月1日

人との関わりは短期間でごく限定的、家族もなく誰にも看取られず(愛したことりは一緒に居たけど)死亡。世間の人からは「孤独死」と哀れまれ「何もとりたてて語るべきことのない人生」と決めつけられるかも知れないが、自分の世界を大切に守り通した主人公の静かな生活は、一つの理想の生き方にも思える。世間の評価がどうあろうと、そして不本意な別れもあったが、主人公にとっては幸せな一生だったのでは。
★17 - コメント(0) - 2016年6月24日

“ことりの小父さん”と呼ばれ、幼稚園の鳥小屋を素晴らしく心地よく整え続けた1人の男の静かで物悲しい人生。生涯を通じ愛した小鳥達。両親、小父さんにしか解らないポーポー語を話す兄、青空薬局の女店主、理解あった幼稚園の園長、愛らしい図書館司書、虫箱の老人…彼の人生を通り過ぎていった幾人もの人々。中でも兄が小父さんに与えた影響は計り知れない。私には小父さんの後半生は、あったはずの兄の人生を生きたように思えた。本当は誰かと一緒に生きたかっただろう。小父さんが幸せな人生だったと思いながら目を閉じたならいいと思う。
★71 - コメント(0) - 2016年6月19日

丁寧な文章に引き込まれました。静かに流れる人生。読み終わってから、しばらく余韻に浸っていたい、そんなお話です。
★41 - コメント(0) - 2016年6月19日

小川洋子さん、大学生になってから読んだのは初らしい。この人にしかない独特の表現が、忙しいときには重く感じて、あぁ大人になっちゃったなって思ったりした。小父さんと司書を表現する言葉たちがたまらなく愛しい。小川洋子さんは、続けて何冊も読もうとは思わせない作家だと思う。またこの愛しい感覚が欲しくなったら読もう。
★12 - コメント(0) - 2016年6月17日

ポーポー語を話す兄と、その言葉を理解できる唯一の弟「小鳥の小父さん」。ことりのさえずりに、じっと耳を傾ける生涯の物語り。時折り揺れ動きながらも、ひたすら穏やかで澄んだ印象。わが家は緑に囲まれているので、日の出とともに「一体何種類いるんだ」と思うくらい様々な鳥が鳴き始めます。今日も1日が始まるぞ、というふうに。私にとっては何気ないことだったけれど、これからはじっと耳を傾けるようになりそうです。
★17 - コメント(0) - 2016年6月16日

単調に見えるかのような兄弟の生活、少しずつ変わる景色、淡い恋、そして死。 小父さんに報われるということはあったのだろうか。淡々としすぎて切なくなった。 冒頭、空へ飛び立っていったことりだけが救い。
★10 - コメント(0) - 2016年6月16日

小父さんの経験が、人生の色々として凝縮されてるような何度も切ない気持ちになったけど、最後も…小父さんらしく生き切ったのかなぁとも思う。ただ…メジロは空に戻れてないまま終わっちゃった。小父さんには空に舞ったのを見届けて欲しかった。
★10 - コメント(0) - 2016年6月7日

小鳥とだけ気持ちが通じる兄を半分うらやみながら寄り添う弟の静かな一生。風景に溶け込んでしまいそうなくらい危うい存在の人たちが、いきいきと描かれている。小川洋子さんの面目躍如的な作品の1つ。
- コメント(0) - 2016年6月5日

小鳥の小父さんの一生。人間の言葉を話さなくなった兄。毎日、毎週繰り返される習慣。そして、喪失。何だか淋しくなりました。
★8 - コメント(0) - 2016年6月5日

★★
★3 - コメント(0) - 2016年5月28日

ことりの 評価:100 感想・レビュー:953
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