戦争交響楽 音楽家たちの第二次世界大戦 (朝日新書)

戦争交響楽 音楽家たちの第二次世界大戦 (朝日新書)
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戦争交響楽 音楽家たちの第二次世界大戦 朝日新書巻の感想・レビュー(35)

ナチスドイツの台頭から戦後までの世界大戦で巻き込まれる音楽家たちを描く。名盤で名が残る名演奏家指揮者たちが大量にでてきてクラシックファンにはオススメ。個人的に好きで興味のある分野、戦史とクラシック音楽の本で期待して手にとったのだが淡々とした教科書のような記述はすこし退屈に感じた。新書一冊にまとめたこと自体が大したものなのだが。フルトヴェングラーは結局ナチスに利用されるようになったが、十数人の愛人がいて面倒をみていたそうでそれでは身軽に動けないだろう。若く野心に満ちたカラヤンはヒトラーに嫌われてしまう。
★59 - コメント(1) - 2016年11月23日

主人公はフルトヴェングラー、トスカニーニ、ワルター、カラヤン。その多くはいつどこでどんな演奏を行ったかという事実の列記なのだが、その淡々とした記述が、そのの重みを物語る。あまりに政治音痴で音楽バカでナチスに利用し尽くされたフルトヴェングラー、彼と鋭く対立するトスカニーニとワルター。フルトヴェングラーに警戒され不遇のカラヤン。だがカラヤンは戦後それを利用して帝王にのし上がって行く。そんな中、1945年4月25日のサンフランシスコでのルービンシュタインの毅然とした姿に深く感動しました。
★3 - コメント(0) - 2016年11月5日

hr
中川右介氏の、著者のコメントを排して歴史的記録を並べて行く手法の圧倒的なことは、何冊かの著書を通して知っているが、今回のこの本からも深い感銘を受けた。トスカニーニの一貫したファシズムへの闘争心に安心をもらう。ナチスに利用され尽くしたフルトヴェングラーの無防備さは悲しい。状況によっては騙されることも罪。今後この2人の音楽家の録音を聴く時は、録音日を確認して、この本でその前後のエピソードを読み直そう。平和の後のボルヒャルトの死、九死に一生を得たワイセンベルク、アンチェルの家族の過酷な運命なども印象に残る。
★2 - コメント(0) - 2016年10月15日

FK
1933年のヒトラー政権誕生から、4人の主人公たちの第二次世界大戦中を描き、ラストはそのうちの三人の死亡年月日を記して終わっている。政治と芸術の関係は難しい。経済的な援助なくしてオーケストラによる演奏芸術は実現できない。政治によるその援助をどのようにとらえるか。政治とどのように関わるか。フルトヴェングラーは政治から超越した芸術というものが存在しうると考え、いかなる条件下でもそれを提供していくべきだ、と。対立するのはトスカニーニ。ナチスの支配下、ヒトラーからの依頼で演奏するなど到底できないという立場だ。
★2 - コメント(0) - 2016年9月1日

相変わらず面白い中川ワールド。事実を淡々と積上げて行く手法で、歴史が近づく。そして、いろんなことが見えてくる。まるで神扱いのスター指揮者もドロドロした欲と嫉妬に満ちた人間であり、どんな人間も時代の荒波に巻込まれて行くのだということを教えてくれる。通奏低音として、政治に無関心なのは構わないが、政治は個々の生活に土足で踏み込んで来ることをきな臭い今の日本人に暗喩してくれる。高名な、しかし、一般人よりも汚れたアーチストから繰り出されるからこそ、何とも言えない深みのある音楽になるのかもしれないなと思った次第。
- コメント(0) - 2016年8月29日

NHKスペシャルのような淡々と事実に基づいたクラシック音楽から見た第二次世界大戦。フルトヴェングラー、ワルター、トスカニーニといった三大巨匠やのちの帝王カラヤン視点が中心ながら、フリッチャイなども登場。ドイツ文化圏抜きでは語れないクラシック音楽だからこそ、こんにちでもベルリンフィルや、ウィーンフィルといった楽団が至高とされるが、だからこそ政治利用させられていく。戦争、イデオロギーとなると否が応でも自分の音楽と政治との態度を迫られる。
- コメント(0) - 2016年8月28日

カラヤンとフルトヴェングラーで知った作者 戦争を、クラッシック音楽家の視点で切ってみた著作。 カラヤンとフルトヴェグラーを知っている人は前著から、音楽家のカラヤンやフルトヴェングラーをあまり知らない人はこっちから読むとあの世相がわかりやすい。 今の時代に、平和と戦争を考えるにも適した読みやすい本。
- コメント(0) - 2016年7月16日

事実を淡々と述べているだけなのですが、読み進めるうちに辛くて辛くて何度も涙が出そうになりました。ヴィニフレートには兎に角悪い印象しかなかったのですが(戦後逮捕されてますし)、本書を読むと一概に「誰が悪い」と断罪出来ないことに気付かされます。
★1 - コメント(0) - 2016年7月12日

筆力はさすが。
- コメント(0) - 2016年7月4日

第二次世界大戦下をどう生きたのかを、音楽家に限定して綴った力作。実質的な主人公は、フルトヴェングラーか。圧倒的な天才ゆえ、政治に利用され、翻弄されるが、コンサートの数と移動の頻度・距離が凄まじい。それにしても、当時はこれほどまでに「戦時こそ音楽が必要」「音楽の力は国をも動かす」と考えられていたとは、驚き。現在の為政者なら、「音楽はただの道楽」「音楽なんて不要」と、ばっさり切り捨てそうな気が…。
★3 - コメント(0) - 2016年7月1日

二次大戦中のヨーロッパ・クラシック界がいかにナチスにひっかきまわされたのか、を淡々と書き連ねた一冊。ナチスに協力するかしないか、ユダヤの血を引いているかいないか、が音楽家たちの一生を左右していく。ワーグナーの孫娘が反ナチだったというのはちょっと意外でした。
★1 - コメント(0) - 2016年6月29日

政治と軍事が一体化した恐るべき権力が、文化や芸術に対し統制を図り始めた時、どれだけ多くの人々が本来持った才能と果たすべき役割を捨てねばならないのか。そのあらましを、クラシック音楽と第二次大戦に焦点を絞った歴史ドキュメンタリーが本書だ。記述はあくまで淡々としているがゆえに、その陰にあったであろうドラマに思いを寄せることができる。とりわけフルトヴェングラーの、自己の信じる芸術を守るために時代に翻弄されたその姿には、同情を禁じ得ない。批判されるべき点があるにせよ、彼の音楽に対する誠実さは損なわれるべきではない。
★27 - コメント(1) - 2016年6月29日

第二次世界大戦を生きたたくさんの音楽家たちのドキュメンタリー。戦争の中でも思ったいたよりコンサートが行われ、聴衆もいたことに驚きでした。「戦争でも音楽は必要なのだ。」しかし、ここに出てくる著名な数々の音楽家たちはやはり運がよかったのだということも分かった。あとがきにもありましたが、戦争で亡くなった人々の中に将来大音楽家になれた可能性のあった人はどれくらいいたのでしょう。自分が無知だっただけに、少し、音楽の聴き方も変わるかもしれないくらいインパクトがありました。
★4 - コメント(0) - 2016年6月7日

指揮者を中心として、音楽家たちが第二次大戦の中でどのように生きたかを描いた一冊。「よい音楽」づくりを優先してドイツに留まり続け、結果として「ナチスの指揮者」との批判にさらされることとなるフルトヴェングラー、ユダヤ系であるが故にドイツ、オーストリアを去らざるを得なかったワルター、音楽を通じてファシズムに抵抗するトスカニーニなど、個々人の思想等に関わらず、政治に巻き込まれ、翻弄される様を時々切なくなりつつ読むなど。後は本書をきっかけに、練習嫌いの指揮者クナッパーツブッシュに興味を持ちました。
★1 - コメント(0) - 2016年6月5日

戦時中、いかに音楽が政治的に利用されてきたか、よくわかる。でも現在の価値観で断罪はできない。
★2 - コメント(0) - 2016年5月26日

M S
基本的構成は事実を整理して並べているだけなんだが、そこからドラマが見えてくる。ただ、クラシック音楽について知らない人にはオススメしない。
★2 - コメント(0) - 2016年5月19日

第二次世界大戦中、音楽家たちはどんな立場で、何を考えて演奏していたのか...とても興味があり、本屋で見つけて即買いした。大きな柱としてはもちろん、対ナチスドイツ...ということになるのだが、音楽と政治や権力が結びついてしまうのはやはりやるせない。音楽は自由であって欲しい。封鎖下のレニングラードで演奏されたショスタコーヴィチの交響曲「レニングラード」のエピソードには感動した。「こういう非常時だから音楽を!」ロシアの市民はもちろん、攻めているドイツ軍の兵士にもこの音楽は響いたという。
★2 - コメント(0) - 2016年5月15日

著者は本書を論文や評論として期待しないよう求めているが、優れたドキュメンタリー映画がが多くを語るように本書もスリリングなドキュメンタリーでありかつ第二次世界大戦をめぐる音楽家たちに関する論文であり評論になっている。本当に面白い一冊でした。
★4 - コメント(0) - 2016年5月7日

購入してから3日ほどで読み切ってしまいました。クラシック音楽愛聴家としては、先の大戦時中におけるそれぞれの作曲家や演奏家たちの状況についても知っておかなければと感じました。歴史は音楽に大きな影響を与えるものであるということ、政治的・思想的な目的手段が違えども音楽は常に人々に必要とされているということを改めて知りました。それぞれの音楽家たちの思惑が歴史と交錯してきたこと、現在のクラシック音楽界があるもの過去の厳しい状況なかでも音楽を続ける人々がいたということを忘れてはいけないと深く知りました。
★4 - コメント(0) - 2016年5月3日

出先で読了してしまい、立ち寄った書店で「帰ってきたヒトラー」を購入してしまう「待ち伏せ」感…。芸術は誰のものか、と問われれば芸術は常に社会情勢とともにあったけれど、芸術家という個人もいいだけ翻弄された時代だったのだなあ。客観的な時系列の報告から浮かび上がる、時代のどうにもならない理不尽さ。浮世離れした感性を持ち合わせてしまった音楽家と、好きな音楽を楽しみたい聴衆と、自らも聴衆のひとりである為政者とのちぐはぐな関係性。「あの時代」にのみ起こった特殊な事件であってほしい
★2 - コメント(1) - 2016年5月3日

あれよあれよという間もなく、3日足らずで読み終わっちゃいました。ヒトラーのワーグナー愛好話し以外に、①ポーランド出身のピアニストが国連か何かの記念?演奏に母国から参加ないのを知り、途中で矢も盾もたまらず国歌弾いた、②レニングラード?包囲したドイツ将校が中で有名曲演奏あるからその間は砲撃止めてソビエト人たちとともに聴いていた、という感動的なストーリーが。音楽ってメロディーだけどねなのに、この様なパワーあるんですね、胸が一杯になりました。
★2 - コメント(0) - 2016年4月26日

本書読了の後、あの1951年7月29日のバイロイト祝祭管ライブを聴くと更に味わい深く目の当たりにしていないその情景が目に浮かぶのです
★1 - コメント(0) - 2016年4月22日

第2次世界大戦、作曲家や指揮者、演奏家たちは、過酷な戦火のなかどうやって生き抜いたのか。動乱を生きた巨匠たちの激しくも悲しい、壮大なドラマがこの一冊にある。クラシック音楽の発祥の地・ドイツは、ヒトラーによってナチスの支配下にあったというのは、芸術においても悲惨なことだった。そして、イタリアもロシアも、独裁と戦火のさなかにあった。本書を読むと、クラシック音楽観が違ってくるだろう。
★8 - コメント(0) - 2016年4月21日

第二次世界大戦とその前後の時代を、フルトヴェングラー、トスカニーニ、カラヤン、ショスタコーヴィチなどの音楽家の視点で振り返った歴史。中川さん得意の手法である、文献などの記録を元に同時代を多角的に再構成して群像劇として纏め上げる手腕が、今回もいかんなく発揮されている。
★4 - コメント(0) - 2016年4月18日

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