つめたいオゾン (富士見L文庫)

つめたいオゾン (富士見L文庫)
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つめたいオゾンはこんな本です

つめたいオゾンの感想・レビュー(238)

「水槽の脳」のような、自らの感覚・認識の有り方というものを思わず疑ってしまいたくなるような物語。病が進行し、結合されゆく二人の思考の行き着く先を見守るのが絶望でもあり……同時にどのような最後を遂げるのか、気になって読み進める手が止まりませんでした。作中ユングとかの心理学にもちょろんと触れてるんで、その辺りに関する知識があればより楽しめるのかも……?
- コメント(0) - 1月8日

静かに進行する物語。ただ、その内容は盛り沢山。設定が近未来で、SFを感じるところもあれば、ヒューマンドラマっぽさもある。かと思えば、形而上学から生物学まで広範に切り口が用意されている。様々な要素が撹拌されて、1つのスープを形作っているよう。
- コメント(0) - 1月2日

おお、めっちゃ面白かった。他人と感覚を共有し、やがてそれぞれの意識さえ失い溶け合いひとつになってしまう奇病アンナ・メアリー症候群に罹患した少年と少女、淡々としながらもどこか寂しさを漂わせる文体で紡がれる二人の人生の物語。少年は輝かしい未来と少女への想いを、少女は悲痛の中で支えだった少年への想いを、病気の進行により大切なものを失い、それでもどこか明るく幸福にさえ感じられる二人の結末にはため息が出る。それは幸福で平穏で、しかし他者との交感のない平坦な世界なのだろう。爽やかさと苦々しさの同居した読後感を残す名作
- コメント(0) - 2016年11月18日

三人称視点というか語り手と言うべきか。その語り口調が世界が一つのシステムであることを肯定していて、そうであるならば、替えのきくものの一側面を読み進めているに過ぎないと終盤で分かり、それがひっくり返される事も無く終わったことでやるせなさを感じました。それがこの作品の良さだと。
- コメント(0) - 2016年9月2日

感情ではなく知覚の共有が先立つのが面白い。普通の人生を送れないことの寂しさと諦めが全体を覆っている。
★1 - コメント(0) - 2016年7月16日

今まで作者が書いてきた中で、最悪の物語なんじゃないかと思う。質が低いという意味ではなく、むしろものすごくよくできているのだけど、それゆえに救いの無さが際立つ。病気によって個と個の境がなくなる話であり、他者としてお互いを思う感情、すなわち愛も無化され、心には完全な平静が訪れるが、どう考えても作者はそれを肯定していない。ラストの「あやつり人形のような」「朗らかな笑顔」という表現を見ればわかる。主人公二人は、「朗らかな笑顔」をするような人間じゃなかった。特にヒロインの花絵は、不幸に塗りつぶされたような人生で、
★7 - コメント(6) - 2016年7月16日

タイトルの「オゾン」は地球全体を覆う物という意味合いかな? どことなく人類補完計画っぽい感じもしたけど、ハッピーエンドともバッドエンドとも言いきれない切なさよ…
- コメント(0) - 2016年3月31日

前半に二人の半生をなぞってから、アンナ・メアリー症候群となった二人の話に繋がりますが、前半の頁数はもっと抑えても良かったのでは。そこよりも世界観をもっと掘り下げてほしかったかなと。しかし、ラストの「ありがとう。お母さん」の切なさは見事。それでも生きていく彼等の姿が、諸行無常を感じさせてくれます。
★2 - コメント(0) - 2016年3月23日

熱と冷がある物語、タイトル通りと思いました…… 熱は修一の将棋、冷は花絵の彷徨った夜の時か
- コメント(0) - 2016年3月13日

病気についての仮説と花絵の所感は割と面白かった。あと将棋パート
- コメント(0) - 2016年2月29日

静寂に満ちた作品。なんていうか、文章がとても落ち着いていて静かな感じがする。そういう意味では”つめたい”たぶんメリーバッドエンドっていうジャンルに入るのかな。もしくはフラジャイルとか。
- コメント(0) - 2016年1月4日

★★★★☆
★2 - コメント(0) - 2015年12月13日

最初に読んだ時はそうでもなかったんだけど、しばらくしてとてつもなく悲しい話だと考えるようになった。
- コメント(0) - 2015年8月24日

人と人との断絶を書き続ける作者の、人の内面が完全にひとつになってしまうまでの物語。二人の出会いが少女に何かしらの救いを与えないだろうか、と期待し、自殺未遂のシーンに緊張して読み進めるも、お互いが相手を思いやるがゆえに淡々と病の最後までいってしまう。親の立場では非常につらいし、本人たちにとっては悲劇でも何でもないかもしれないが、二人がいたと言う事実があったからこそ、ふたり分の意識を保ったまま触れあっていてほしかった。最後に笑う子は花絵ではないんだ。。
★1 - コメント(0) - 2015年7月7日

ヲチが欲しかった…
- コメント(0) - 2015年6月15日

現実に近い人間性+SF設定ということで過去作の中では一番ドッペルゲンガーの恋人が近いのでしょうか。「悲劇的な運命に抗う」という作品は多いですが、それを受け入れるという作品はあまりない気がします。あいも変わらず気が滅入るような展開なのにどこか乾いていて温度が低い感じは健在でした。 唐辺さんの三人称はこれまであまり印象が良くなかったのですが、本作は違和感なく読み終えることが出来ました。しかし、氏の一番の武器は一人称による内面の描写にあると私は思っているので、できれば次回作は一人称で書いてくださると嬉しいです。
★2 - コメント(0) - 2015年5月9日

最後は救いがあるのかと思ったのですが結局エンドレスでしたね… 花絵の家族はなんで亡くなったのでしょうか?ちょっとよくわからなかったです…
★3 - コメント(0) - 2015年4月29日

7/10。面白い作品であることは間違いないが、設定が生かしきれていないと感じた。奇病と主人公2人の生い立ちや、奇形の人間の存在がうまくかみ合っておらず、最後は特に捻りもなく終わってしまう。メインテーマよりも棋士を目指す脩一の半生のほうが楽しめた。
★1 - コメント(0) - 2015年4月17日

互いの意識感覚を共有してしまう奇病にかかった少年少女の話。 SF的な設定を使ってテーマを描く手法で、徐々に病気が進行していく展開などは「アルジャーノンに花束を」を思い起こさせる。 唐辺さんのいつもの作風通り全体的に暗いトーンで、その辺りが人を選ぶと言われる所以だろうが、乾いたユーモア混じりの淡々とした文章で描かれる無常はむしろどことなく心地よく、夏の雨の夜のようなしんみりした気持ちになる。 とっつきやすく、読みやすく、続きが気になる展開だが、結末まで淡々としていて読み終わった後の印象が薄いかもしれない。
★4 - コメント(0) - 2015年4月14日

この作品はプロローグを飛ばして、1・2章を先読みすれば病の不明確さが際立っておもしろいんじゃないかと、ふと思った。そうするとアンフェアな流れになってしまい、作者らしさが失われてしまうか。
- コメント(0) - 2015年4月5日

唐辺作品に共通のテーマとして「相互不理解」があると私は考えている。どうしたって根源的な部分で人は分かり合えないというものだ。今作ではそれを覆すように(あるいは補強するように)、「お互いの全てを理解するとどうなるか」について描かれた作品のように感じた。唐辺氏のこれまでの作品の中に「他人との断絶」を感じていた私としては、この話は悲劇的でこそないけれども、「感覚の共有が私達の悩み(断絶)を本質的に解決するのだろうか」と考えざるを得なかった。
★2 - コメント(0) - 2015年4月3日

ある少年少女の奇妙な人生を丁寧に描いた作品。なんというか殉教者の惨死体を見たような心地になった。しかしこの沈んだ色調の文体には和まされる。
★2 - コメント(0) - 2015年4月1日

淡々と悲劇が進む。大きな感動とかそういうものはないけど、読み終わった後に空っぽになる。ヒロインの方は読み進めていくのが精神的に苦痛だった。
- コメント(0) - 2015年3月26日

他人と感覚を共有してしまう病気。プロローグを読んでる時は厄介な病気だなと思っていたはずなのに、読み終えた後には病気に対しての印象は全く別なものになっていました。おめでとうとすら思えたぐらいです。ハッピーエンドとは言い難いけれどいい終わり方だと思いました。
- コメント(0) - 2015年3月22日

コミュニケーション。誰とも一生分かり合えることは決してないって大前提を崩してみるとたとえばどうなるかという設定というか、理想を病気として書くのが照れ隠しみたいで、細部が敷衍され残る感じがする。物語でありコミュニケーションである感じ。
- コメント(0) - 2015年3月15日

うーん….
- コメント(0) - 2015年2月13日

ちゃっかりループものっぽく終わらせていることとかに驚きを感じたりするけど、こんなに何もない話を書けるのも凄いなやっぱり 星三つ
★1 - コメント(0) - 2015年1月22日

結末があまりにも辛すぎた。 だめだもう、やめてくれよもう、あんまりだよっ。読み終わってただ、泣きました。ゆっくり、静かに訪れる残酷さ。読み終わって時間が経っても、読者の立場なのに『どうにかして救って欲しかった』と考えてしまいます。
★3 - コメント(0) - 2015年1月8日

初唐辺です。前々から読んでみたかった作者だったので読めてよかったです。鬱々した展開で引き込まれました。脩一もだけど花絵ちゃんの人生波乱万丈すぎだろ……。火事、いじめ、強姦、監禁とかまじ辛すぎ。最終的な結末も二人はあまり報われなくて後味苦い作品でした。
★2 - コメント(0) - 2015年1月6日

感覚や行動を、他人と共有してしまう病気にかかった少年少女のはなし。淡々と進んでいくはなしに、悲しく思えるがふたりにとってはどうなんだろうか。明確にオチがあるわけでも、奇跡がおきるわけでもないが、おもしろかった。
★4 - コメント(0) - 2015年1月5日

いつもの一人称は成りを潜めており、作者独特の色が若干抑えられた珍しい作品ではあったが非常に面白かった。同一化していく病を描きながら、誰もが一度は思春期に考える生とはなにか、心とはなにかといった青臭いといってしまえばそれまでの悩みを突き詰めて思考していく。「よく思うんですけど、たとえ私が忘れても、いえそれどころか世界中のみんなが忘れても、事実というものは消えてなくなるわけじゃないでしょう? それならば、別に忘れていたって、覚えていたって、悲しむほどの違いはないような気がするんです」この台詞に尽きる。
★3 - コメント(0) - 2014年12月18日

蛙以外最高だった。
- コメント(0) - 2014年12月16日

「もしオゾン層がもっと薄くなって、全ての人間の肌が太陽の光線で焼けただれるようになれば、皆と自分とで共有出来るものも増えてゆくのだろうか?」
★2 - コメント(0) - 2014年12月5日

この作者特有の語り口は今作ではかなり抑え気味になり、極めて簡潔な三人称の文章で書かれた作品。彼の新境地とも言えるかもしれない。彼の他の作品よりは人に薦められそうだが、彼の文章が好きな身としては少々物足りなさも感じる。非常に独特の世界観と精神状態を描いており、この発想とそれを描き切る力には脱帽。ただ、いつものような絶望的なことが起こり続けたり、驚くような展開はない。最初から言われていたオチへ穏やかに向かっていくだけの話で、終わった時は「え?これで本当に終わり?」となった。少し拍子抜け。
★3 - コメント(0) - 2014年12月4日

唐辺(瀬戸口)先生作品はどうして救急車で運ばれるシーンが多いのだろうとふと
★1 - コメント(0) - 2014年11月19日

★★★★★ 唐辺さん、あなたは本当にすごい。
- コメント(0) - 2014年11月13日

帯のアオリ文に惹かれて購入。病に気づくまでの二人の人生が語られてからの本編、というのがどこかドキュメンタリーのようにも感じました。 最後は、メリーバッドエンド、なのでしょうか。二人は幸せに一人になれたようにも思えますが。心に余韻の残る終わり方でした。
★1 - コメント(0) - 2014年11月4日

死体泥棒以来に作者の本を読んだ。相変わらずの周りの音がうるさくなるような静かな文体に、読者を当惑させるラストは期待通り。作中での従来の価値観では悲劇なのだけど、これからくるかもしれない新しい世界の期待とも見える不思議な終わり方だった。どうせ拒めない変化なのであれば、それと向き合っていくしかないなだ。
★2 - コメント(0) - 2014年11月2日

最初に感じたのは「あっ、ちゃんと物語してる」という事。作者の投影である青年の饒舌な語りは影を潜め、客観的な三人称になってる。同じ系統の犬憑きさんよりも数倍面白い。人格の統合という設定はベルイマンのペルソナのようで、しかもあっちよりも数段分かりやすい。どんどん知性や人間性が欠落していく展開は、過去の唐辺作品にも見られるモチーフで、だけど、それを単純な悲劇ではなく、我々の知性では推し量ることのできない未知の世界であるという提示の仕方は、いかにも作者らしい達観に満ちていて、凡百の書き手とは違うなと恐れ入りました
★2 - コメント(0) - 2014年10月30日

つめたいオゾンの 評価:52 感想・レビュー:77
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