不時着する流星たち

不時着する流星たち
あらすじ・内容
たくらみに満ちた豊穣な世界文学の誕生!

盲目の祖父は、家中を歩いて考えつく限りの点と点を結び、その間の距離を測っては僕に記録させた。足音と歩数のつぶやきが一つに溶け合い、音楽のようになって耳に届いてくる。それはどこか果てしもない遠くから響いてくるかのようなひたむきな響きがあった――グレン・グールドにインスパイアされた短篇をはじめ、パトリシア・ハイスミス、エリザベス・テイラー、ローベルト・ヴァルザー等、かつて確かにこの世にあった人や事に端を発し、その記憶、手触り、痕跡を珠玉の物語に結晶化させた全十篇。硬質でフェティッシュな筆致で現実と虚構のあわいを描き、静かな人生に突然訪れる破調の予感を見事にとらえた、物語の名手のかなでる10の変奏曲。

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不時着する流星たちの感想・レビュー(237)

どこか世界の隙間に生息している人たちの話のようで、静謐で郷愁を感じる独特な世界観。インスパイアされたものから紡いだ話は豊かな想像力を感じる。読んでいて不安になる危ういバランス感と秘密を隠し持っている、こそっとした感じが緊張感を醸すように思う。
★18 - コメント(0) - 3月25日

前半の各小説はまさに小川洋子、という言葉の遣い方があちこちに埋め込まれ、楽しく読むことができました。人知れず埋もれている物語を掘り出したり、著名人のストーリーを一捻りして意外な展開に持ち込む力、流石です。大したものです。第八話以降、作者の色が感じられず物足りませんでしたが、まあ、七本分は楽しめたのでよかったです。
★4 - コメント(0) - 3月25日

静謐極まる...小川さんの世界に浸った。感化された人物や出来事をモチーフにした短編が、不思議な肌触りで己に迫ってくる(特に文鳥 の話は怖くて切なくて...どこか狂気を孕んだこだわり)。カタツムリのレースの話は、幼少時ガラスを使って裏から見て同じことしたよ。言葉にならないたくさんのことに、言葉から触れて感じた気がします。
★27 - コメント(0) - 3月25日

静かで歪で、危ういところでバランスを保っている世界。仄かな狂気を帯びたその世界はとても小さく見えるのに、中に入ってしまうと——招かれた者以外は入ることができないのでおそらく、だが——無限に広がっている。自分のためだけに膨大な物語を紡ぎ続ける人々は「まとも」な世界からは弾き出された流星たち。そんな実在の人物を掬い上げた短編は、小さな粒を核として成長する雪の結晶のように儚くも美しい広がりを見せ、落下しながら束の間慎ましやかな光を放つ。この世界があまりに内向きなので、やや好みが分かれそうな気も。(私は好き)
★65 - コメント(2) - 3月25日

「肉詰めピーマンとマットレス」、息子をもつ母親としては最高に切なかった。
★9 - コメント(0) - 3月24日

小川さんが様々な本からインスパイアされて創設した10の短編。読み終えてそのネタを知ると、その幅広い知的好奇心に唸ってしまいます(個性的な人や出来事も多いところはちと笑えます)。作家さんの想像力は、貪欲ともいえる「読書力」に裏打ちされているんでしょうね。見習いたいものです。
★50 - コメント(0) - 3月24日

十作の短編ごとに付けられた情報源の紹介を読んで、ヒントを活かす作者の発想の飛躍に感心した。映画「若草物語」の4姉妹を演じるクラスメイトを題材にした「若草クラブ」が印象に残った。主人公は影の薄いエミイを演じさせられるが、映画では後に大女優になったエリザベス・テイラーの役。役になりきるため主人公は図書館で彼女の伝記を読み、本人になりきろうとする努力が喜劇的というより悲劇的。大女優の足のサイズは21センチで自分と同じだったが、成長期の主人公は纏足のように足を縛る。7回の離婚は有名だが、足のサイズの小ささに驚く。
★9 - コメント(0) - 3月23日

ちょっと私は苦手だったかなぁ。素直に雰囲気を楽しんだ話もあったけれど、小鳥の行く末や纏足の話は「うー」と心の中でうめきながら読んでいました。うー。
★9 - コメント(0) - 3月22日

流星たちはひとつところに留まることが出来ず彷徨い続け、いつか力尽きた時にどこかに不時着しないわけにはいかない。そこにどんな物語があるのか、そこに何が残っているのか。そんな現象を一つ一つ取り上げている短編集。人間の裏側を撫でていくような、薄闇の世界。ここに身を置きながら正攻法の日常を送っている人もいるんだろうなぁ…。小川洋子さんの小説を読むと、時々背筋がゾッと寒くなることがあるけど、この本はまさにそれ。私はその(ゾッとする)感性も人間が生きてくことなんだな…と思います。
★7 - コメント(0) - 3月22日

短編集。アイデアのもととなるエピソードがこぢんまりと紹介されているのが面白い。どこから発想を得て、どう変化をつけて展開したのか、考える面白みがある。創作の過程を垣間見るような。
★20 - コメント(0) - 3月20日

著者の短編集は、いつもタイトルからしてわくわくする。今回も期待に違わず面白かった。特に好きなのは「手違い」「肉詰めピーマンとマットレス」「十三人きょうだい」。どうしたらこんな視点で物語を書けるんだろう。
★10 - コメント(0) - 3月20日

☆☆☆☆不思議な短編集です。小川洋子さんの清澄な文体にひきつけられます。親の再婚、誘拐、散歩、梱包係、カタツムリ、服従実験、測量、塩田、埋め立て、葬儀、若草物語、エリザベステイラー、文鳥、13人きょうだい、多彩な内容です。 小川洋子さんの名作紹介のラジオを時々聴きますが、小川洋子さんの中には古今東西の名作の知識があるようです。散歩は小川洋子さんも好きなのでしょうか。 散歩をしながら誰かを思い出すというのは理解できます。 今近くにいない、あるいは亡くなった親しい人との対話するのは長い散歩の時です。
★18 - コメント(2) - 3月20日

かつて確かにこの世にあった人や事に端を発しその記憶手触り痕跡を珠玉の物語に結晶化させた全十篇。①誘惑女王:ヘンリーダーガー②散歩同盟:ローベルトヴァルザー:出版社梱包係、プレゼント梱包を手伝った思い出に浸る③カタツムリ結婚式:パトリシアハイスミス④臨時実験補助員:放置手紙調査法⑤測量:グレングールド⑥手違い:ヴィヴィアンマイヤー:葬儀場にお見送り幼児を連れて行ったが手配誤りで葬儀無く⑦肉詰めピーマン:バルセロナ男子バレー⑧若草クラブ:エリザベステイラー⑨さあいい子:最長ホットドッグ⑩13人兄弟:牧野富太郎
★28 - コメント(0) - 3月18日

小川さんの物語りができる過程を見たような・・・というようなことを何かで読んだが、そうだな。
★5 - コメント(0) - 3月18日

話題の本を遅ればせながら読了。テキストの元となった人物が誰でも知ってる有名人じゃなくて、興味のある人なら分かる如何にも小川洋子さん好みの人物なんですよね!でも内容は本筋の人物のエピソードとは余りあからさまには関係なくモチーフだけに留めて想像を飛翔させてなんとも素敵な物語世界を作っています。外国ばかりでそれの翻訳までを作品に取り込んでどこの世界でもないものにしてるなーと思ったら最後だけ日本が舞台でなる程なーと感心しました。ある様でない不思議な物語です。ヘンリー・ダーガーとパトリシア・ハイスミスが好み。
★28 - コメント(0) - 3月18日

それぞれの有名人へのオマージュみたいな作品で、ちょっといつもと違った味わいがありました。肉詰めピーマンか・・。
★11 - コメント(0) - 3月18日

子供の頃、私も家族で飛行機を見に行った思い出がある。滑走路にいる旅客機を見て感動しました。スケッチブックを持って行かなかったことを大変後悔しました。フェンスにしがみついてしっかり目に焼き付けた記憶で作った版画が入選して銀行のロビーに展示されたのが逆に恥ずかしかった。駅まで自分の土地から出ずに行けるという作中の自慢話も全く同じことを祖父が言った記憶もあります。土地を切り売りして働かずに生きてきた祖父です。隣国に泣き女という仕事があるそうですが、作者が創作したと思われる葬儀用の幼児の話がとても記憶に残ります。
★70 - コメント(3) - 3月17日

小川洋子さん独特の“ひっそりとした”空気がある短篇集。 十人の実在の人物にまつわる(インスピレーションをうけて(?)から、そこから紡ぐ短篇。 「測量」「手違い」「十三人きょうだい」が、特に好き。 何とも言えない距離感、空気感。 挿絵もよい。
★12 - コメント(0) - 3月16日

誘拐の女王/散歩同盟会長への手紙/カタツムリの結婚式/臨時実験補助員/測量/手違い/肉詰めピーマンとマットレス/若草クラブ/さあ、いい子だ、おいで/十三人きょうだい ■実在した人や物事から作られたお話。前半はなぜか読むのに苦労したけど、後半は(慣れたせいか?)読みやすかった。いつもとは少し違っていたのかもしれないけど、やっぱり小川洋子さんの醸し出す不思議な世界。 この前に読んだ夏目漱石にも出てきた文鳥、最近縁があるのかな?ただ死んじゃうけど(-_-;)
★33 - コメント(0) - 3月16日

なんだろう。創作なれど創作ならず、なんだろうか。すこしフシギ。
★122 - コメント(0) - 3月14日

ちょっとエキセントリックな人物や出来事などから発想を得ているのに、不思議に統一感がある10の物語。ネタを明かされて改めて分かる小川洋子のユニークさ。
★23 - コメント(0) - 3月14日

不思議なタイトル。流星・・・図らずも地球の引力に引き寄せられ、大気圏に入ってしまった隕石たち。この小説に出てくるのはいずれもどこか突出した感覚を持つ人物。その突出した感覚は、他者の理解を超えた思考や行動をとることから、「いびつ」に見えるかもしれない。筆者は、歴史からそうした突出した人物や出来事を拾い出し、「常識」という大気の中で燃え尽きていく姿を描こうとしているのではなかろうか。そして、「では、常識とは一体何者なのでしょうか?」という問いかけにまで昇華させている点が巧みである。
★121 - コメント(0) - 3月13日

どこに行くのかワクワクして読んだ。好みはヴィヴィアン・マイヤー。
★23 - コメント(0) - 3月12日

読了:◎
★1 - コメント(0) - 3月12日

装画も挿絵もとても美しくて まるで大人のための童話集のよう。登場人物たちは皆、現実と虚構のギリギリのラインに踏み止まっていて、脆くて危うい。 世間から押し出されたところでひっそりと生きている人たちを見つけ出し、両手のひらの中に掬い上げて慈しんでいるような 小川さんの優しい目線を感じる。中でも『散歩同盟会長への手紙』『肉詰めピーマンとマットレス』『一三人きょうだい』がたまらなく好き。 読み終えたばかりなのに、もう一度読み返したくなる。そんな風に思える一冊と出会えて幸せだ。
★19 - コメント(0) - 3月11日

いつものように、現実に埋め込まれたような幻像が静謐に語られる10編。似たような空気の中にも、独特の味わいを持った話たちだけど、「臨時実験補助員」「肉詰めピーマンとマットレス」あたりが好きかも。題名や話名、物語の雰囲気を醸し出す挿絵や、インスパイア元の人やコトのちょっとした紹介も気になる1冊。
★43 - コメント(0) - 3月11日

色々なエピソードから触発され生まれた短編集。小川さんの想像力って凄いなぁと思い知らされる。小川さんの書く世界は閉じられた世界感が多く、そこに閉じこもったままドツボになるか、崩壊するかの展開が多いのですが、崩壊する方が圧倒的に好きで、今回好みだったのは「測量」と「十三人きょうだい」。ふとしたことで、壊れていく世界が物悲しく、虜にさせられます。あ、でもバルセロナ男子バレーのアメリカ選手の丸坊主は、抗議だけではなく、サミュエルソンの責任を軽減させるためもあったと思うので、それも加えて欲しかったです。
★16 - コメント(0) - 3月10日

実在した人をモチーフにした短編10編。普通なら物語の主役にはならないような人が、小川さんの物語では主役になれる。道端に落ちている石を拾いあげて、その石が語る物語に耳をすませるかのように、ひっそりと物語は進んでいく。でも、静かなだけではなく、中には異常な、狂ったような人たちも登場する。彼らは皆、地球という星に不時着してしまった流星のような存在なのかもしれない。挿絵も物語の雰囲気にぴったり。装画はMARUUさん。
★38 - コメント(0) - 3月10日

小川洋子さんらしい、静かで、情景が目に浮かぶような、雰囲気のある内容でした。短編10話。「肉詰めピーマンとマットレス」母親の気持ちが繊細にえがかれていて良かったです。「さあ、いい子だ、おいで」も、続きが気になり一気に読みました。
★27 - コメント(1) - 3月10日

物語ることの原初をみた思い。ある事実から限りなく広がる空想を細密画のように仕上げた十短篇は、常識や狭量な価値観など一切の縛りから解放された伸びやかさ。存在と非存在が等価で語られ、全ての事象が物語として許されている驚き。新作を手にするたびに、読む喜びに打ちのめされる。小川さんと同時代に生きることができる幸運と幸福をかみしめた。
★107 - コメント(0) - 3月10日

生と死、正気と狂気の境界が曖昧な独特の世界。ここに登場する人々は他にはあまり理解されないだろう。が、その道をひたすらに切実に極めようとする姿は祈りのように見える。一番心に残った【肉詰めピーマンとマットレス】遠い異国で暮らす息子に会いにやって来た母の為に丹念に手書きされたレポート10枚の観光手引き書。母は息子の一番の好物を台所を占拠するほど作る。折々に語られる二人きりで慎ましく、寄り添ってきたこれまでの暮らし。空港で笑顔で別れた後の母の泣き顔に私の涙腺もあえなく決壊した。
★146 - コメント(0) - 3月9日

どこかミステリアスで、中毒性を帯びた小川洋子さんならではの作品。十三人きょうだいのモチーフとなった牧野富太郎って、あの朝ドラの星野さんだと気がつきました。
★20 - コメント(0) - 3月8日

改めて、小川さんのすごさを実感。十篇の中でも、「肉詰めピーマンとマットレス」「十三人きょうだい」がよかった。
★11 - コメント(0) - 3月8日

真っ白な壁の、窓もない部屋。簡素な椅子だけの部屋に、ひっそりと集まった人々。誰に聴かせるでもなく、まるで独り言のように、それぞれのお話を語り始める…小川さんの短編集は、いつもそんな光景が頭に浮かぶ。ゆっくりとしか進めず、あちこちで人にぶつかられ、舌打ちされていそうな人達ばかり。しかしなんて魅力的な人達なんだろう。肩で風を切って歩く、逞しい人も素敵だが、私は不器用な、小川さんの描く人が好きだ。「測量」は他の短編集と合わせても、1、2を争う秀作。良いものを読んだ喜びに浸れる本だった。
★31 - コメント(0) - 3月8日

実在の人物の人生をモチーフにした短編集。各話の最後にその人の経歴が載っていて、そこから先に読むと面白さ半減になってしまいます(実験済w)。それほど個性的な方々ばかりで軽くショックでした。世界は広いなぁ…
★23 - コメント(0) - 3月7日

短編集。繊細で孤独な登場人物たち。小さな狂気も感じた。
★39 - コメント(0) - 3月6日

短編集。作家だったりギネス記録だったり。なにかに関したお話。この世界のはずだけど、どこか違う世界?
★9 - コメント(0) - 3月6日

誰もがそれぞれの小舟でこの世界の果てをさ迷いながら、ときおり誰かと交信しながらも生きていく。小川洋子の紡ぐ世界には、失われた言語で言葉を交わす民のようなひっそりとした美しさがある。実在する人物をモチーフにした短篇を、まるで神話を読みとくようにひもといた。選ばれなかったもの、顧みられなかったもの、はかなくも美しいもの、あやしくて目が離せないもの。この世界で漂流しながら、私達はいつかどこかへ辿りつけるだろうか。硬質で美しく、ひっそりと佇みながら僅かに発光する。小川洋子の本領発揮と呼ぶにふさわしい、十の短篇集。
★31 - コメント(0) - 3月6日

なんか凄いものを読んじゃったなぁ。全く知らない学校の先生のモノマネで、ウケを取ろうとする人を見ているような。まさに知らない人のオンパレード。でもそれでいてしっかりドラマになっている。創作力とでもいうのか、または寄せる力なのか、力技にやられたって感じでした。
★76 - コメント(0) - 3月6日

私のようなろくでなしには、高尚過ぎて読むのが辛いという気分になった。隙がない。ラジオの口調より、実は若いんだ、とプロフィールをみて思う。失礼なことに。
★18 - コメント(0) - 3月5日

不時着する流星たちの 評価:90 感想・レビュー:115
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