ながい旅 (角川文庫)

ながい旅の感想・レビュー(74)

小川洋子の読書案内から。色々と考えさせられる。裁判とは何なのか、正義とは、悪とは、人に人を裁くことが出来るのか。東京裁判自体は当然不当なものだったと思うけれど、それが不正・違法なものだったのかはよく知らない。不当な裁判というのは歴史上無数にあって、そのなかの1つでしかないと言えばそうなんだろうな、とかいろいろ考えた。
★4 - コメント(0) - 2月22日

やはり8月は戦争物を一つくらい読まないと。ということで今年は本作を選んだ。捕虜不法殺害容疑でB級戦犯とされた岡田資の戦犯法廷闘争のドキュメントだ。終戦間近の日本国内の軍隊の混乱状況、戦後の占領軍の統治下でおこなわれたダブルスタンダードの戦争責任追及状況、などが顕わになっている。正誤善悪について論じる前に、戦争という国家事業がどのような状況をもたらすのかその事実を知ることはとても重要だと思う。
★4 - コメント(0) - 2016年8月30日

sui
知識のない私には、そこにある細かい国際法についてよく知らなかった。戦争とはそもそも殺し合いで、戦争すること自体は国際法違反ではないの?という疑問が。でも「何も彼も悪いことは皆敗戦国が負ふのか?」という岡田中将の言葉には頷けた。最後まで毅然とした態度で部下たちの責任を負って亡くなった岡田中将の、妻に宛てた手紙の温かさ、優しさが胸に響いた。やっぱり、戦争は嫌だ。でも、戦争は嫌だからと言ってそれを知ろうとしないことは一番恐い。
★16 - コメント(0) - 2015年8月20日

いやぁ正直裁判物なのでどうかと思いましたがとても良かった。岡田中将の生き様感動しました。死刑を逃れようとする者や自殺する者も多い中素晴らしい人がいたものです。見習いたいと思います。何か大河の吉田松陰とかぶってしまいますが見事な志と上官としての部下を思う気持ちです。名作です。
★9 - コメント(0) - 2015年5月11日

大岡昇平による、10年の歳月を費やされた渾身のドキュメンタリー。元陸軍中将岡田資(たすく)の最後の1年数か月間を描いたもの。岡田は東海軍司令官として、墜落して捕らえられたB29の搭乗員38名を処刑した責任を問われ、B級戦犯として軍事裁判にかけられた。ここから岡田の「法戦」が始まる。彼は一切の責任は司令官であった自分にあったとしながらも、裁判の中で米軍の無差別爆撃が国際法違反であったことを弁護士とともに立証していくのである。絞首刑となった岡田の遺書は、彼の高潔な人格と、人間としての温かみに溢れている。
★194 - コメント(2) - 2015年2月7日

もし、日本が最終的に戦争に勝つか和睦、無条件で降服しないで戦争が終わったとしたら、自国の戦争中の犯罪を裁いただろうか。おかれた状況の中、逃げず、堂々と立ち向かい、日本と若者の未来すら想っていた岡田中将。彼に聞いたら何と答えただろう。戦争を裁くのは難しい。正義も難しい。
★8 - コメント(0) - 2014年7月14日

「敗戦直後の世相を見るに言語道断、何も彼も悪いことは皆敗戦国が負ふのか?何故堂々と世界環視の内に国家の正義を説き、国際情勢、民衆の要求、さては戦勝国の圧迫も、亦重大なる戦因なりしことを明らかにしようとしないのか?」終戦直前、B29の搭乗員を処刑した責任を問われB級戦犯として起訴された岡田資中将は軍事法廷で戦い抜く決心をする。解説の通り、筆者は「作家としてというより、記録者の目で一貫された文体」で、公判記録に忠実に、事実を伝えている。読者の前に岡田資という人物が浮かび上がってくるようだ。
★3 - コメント(0) - 2014年5月3日

負けたからといって戦前の日本を全否定してきたつけが今きているように思う。岡田元中将のように反省すべき点は反省して責任をとり、反論すべき点はしっかりと反論すべきだった。それを命ほしさに責任逃れの指導者が多く、そういう指導者に引きつられて無謀な戦争に突入してしまった悲劇を国民が最も味わされた。
★4 - コメント(0) - 2014年3月24日

B級戦犯として処刑された岡田資中将の裁判記録。部下の除名を諮って全責任を負う姿勢に感服する。学徒兵まで絞首刑に処された石垣島事件と比較すると、上官としての覚悟は見事だと思う。決して清廉潔白な人間だとは思わないし、帝国軍人としての思考の限界も感じるけれど、米軍の無差別爆撃を裁判の俎上にあげた功績は大きい。現在の日本人が「責任」の意味を問われているように感じた。 (★★★★☆)
★2 - コメント(0) - 2013年10月16日

岡田元中将は軍律会議にかけることなく米兵を処刑したかどで裁かれたわけだが、この裁判の記録を読むことで私は裁判の必要性を実感し、米兵もきちんと裁かれるべきだったと思われたが、岡田がこうして裁判を受けられるのも戦争が終わったからで、岡田が業務の簡略化を迫られたという戦中ののっぴきならない状況についての知識が欲しくなった。272、273頁の「小説家の頭に閃いた空想」が美しい。
★2 - コメント(0) - 2013年9月1日

『レイテ戦記』で戦争の実相を描ききりながら、戦う人間、司令官の心理に迫れなかったことが心残りだった、と吐露する筆者は、岡田資(たすく)陸軍中将と、彼がB級戦犯として臨んだ横浜軍事法廷を知り、彼の「法戦」を中日新聞の新聞小説として書いた。人間としてすぐれているかどうかとは無関係に、戦争となれば戦うしかなく、戦う以上負けるわけにはいかない。負ければ無慈悲な断罪が待っている。これしか選択肢がなかったのかと考えさせられる。いっぽう軍事法廷だが公平に徹する横浜法廷の様子には、アメリカの凄さを見せ付けられた。
★5 - コメント(0) - 2013年8月16日

東京裁判の話はいろいろあるけれども、主人公の岡田氏のような戦い方に触れたのは初めてだった。戦争の責任はある、あるけれども負けたからと言って何もかも否定される戦後処理に対して毅然とした態度で臨んだことはすごい。なんと高所から物事を見ていたことだろう。言うべきことはきちんという。負うべき責任はきちんととる。敗戦国民という弱い立場でしかも被告として貫くことは人間の尊厳に触れた思いがした。何もかもが混乱していた時代に、その後の日本を引っ張るべき人が惜しくも処刑されたことを本当に残念に思う。または、優秀であったがゆ
★4 - コメント(0) - 2013年8月8日

岡田資という人を知ることができて良かった。人格的に優れた人が、人の生命を殺めなければいけない、そしてその人自身、罪人として裁かれなければいけない。戦争ほど悲惨なものはない。自らの死を目前にして、家族を思いやる手紙。この強さは、彼が持つ宗教への確信に違いない。
★2 - コメント(0) - 2013年4月19日

B級戦犯として処刑された東海管区司令官岡田中将の裁判と彼の処刑についてのノンフィクション。小説ではなくて資料中心で語るスタイルなので慣れていないと違和感を感じる。作家の勝手な想像で事実を弄ぶようなことを避けているのだ。中将は絞首刑の判決を受けて処刑される。撃墜降下した米軍爆撃手たちを処刑した罪なのだが、裁判で中将は爆撃手たちを無差別爆撃した犯罪人であるとみなし処刑したのだと訴えた。証人の供述により法廷は無差別爆撃を認めた。中将の人格と責任の取り方は立派とだが無差別爆撃を認める米国司法の公正さに舌を巻いた。
★6 - コメント(0) - 2013年3月2日

野火が読みたくて大岡昇平の欄みたらこれしかなかったからって仕方なくだったはずだったのに、全然そんなことなかった。ノンフィクション感が満載。 レイテ戦記も読みたくなった。
★2 - コメント(0) - 2013年2月20日

つまらん
- コメント(0) - 2013年2月2日

最後まで日本の軍人としての「俺たちだってなあ!」みたいなのを貫き、最期は日蓮宗だかなんだかの悟りを開いたみたいな感じになって死んだ、というのはかなりすごいことだと思うのですが、一方で軍人的な思考から法戦という枠の囲いの中に逃げ込み、自分の罪を武器として最後の神風みたいな感じで玉砕していった感じにはなんともいえない、やっぱりこれがジャップか…という感想を禁じ得ませんでした。独房内で法華経をどうみたいな箇所も、これが麻原彰晃だったらどうなの?という感想になります。しかしこれが滅びゆく男の、一番カッコいい死に方
★1 - コメント(0) - 2012年9月22日

小川洋子さんの新書での推薦にいたく惹きつけられ読んでみたが、推薦文の方が心を揺さぶるという皮肉な読後感だった。ただし、戦争犯罪人と呼ばれる人たちをひとくくりにイメージしてしまうことは実際を見誤ることなのだなということを痛感した。
★2 - コメント(0) - 2012年4月24日

論文のよう
- コメント(0) - 2012年3月1日

読者の想像力と洞察力に期待するかのような淡々とした語り口が逆に強い吸引力となっている。内容的には、戦争における正義の無意味さを改めて痛感させられ、岡田中将が法戦において最も訴えたいことではなかったかとさえ感じた。また作者の、「軍人は上級になるほどずるくなるが、軍司令官クラスには立派な人物がいることを知った」という言葉が非常に印象に残り、今日の政治家や官僚にもそのままあてはまるような気がした。ただ、現場での優秀な司令官までもが少なくなっていることが今の日本社会を象徴しているようにも感じた。
★2 - コメント(0) - 2011年12月10日

評価保留
- コメント(0) - 2011年2月12日

たぶん再読 映画化された2008年4月に読んだはず
- コメント(0) - 2010年4月4日

岡田さんのように信念を貫いて生きることができたら、幸いだと思う。
★2 - コメント(0) - 2008年12月10日

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