キッチン (角川文庫)

あらすじ・内容
唯一の肉親であった祖母を亡くし、祖母と仲の良かった雄一とその母(実は父親)の家に同居することになったみかげ。日々の暮らしの中、何気ない二人の優しさに彼女は孤独な心を和ませていくのだが……。
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キッチンの感想・レビュー(8881)
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色鮮やかに毎日を生きている者は、突然この世から去ってしまうが、その人の存在は残った者の心に深く爪痕を遺していく。
子どもを持つと、一日でも長く生きて孫の顔でも見れたらななんて思うけど、こうやって全力で生き抜く人たちにも惹かれる。
かけがえのない人に先立たれたひとたちの、生を静かに描いたお話でした。深い悲しみに沈んでも、どうしようもなく生きることしか選べない。その絶望を、私もふと感じたことがあります。私が言葉にできなかったものが、形になって随所に散りばめられていて、はっとさせられる場面がたくさんありました。お話の中で、ご飯を食べるシーンが何回か出てくるのですが、食べることって生きることを意識することだと思うのです。登場人物が、丼を食べて美味しいと感動するような、何気ない場面で、彼らが確かに生きていることを描いているなと感じました。
読むの何度目だろう。ふと思い出して読みたくなる。初めて大きな別れを経験してからの読了。以前より、作品がもっともっと身近に感じた。別れの辛さと、それでも前を向いて生きていかねばならない辛さがこんなにも丁寧に描かれているなんて。ありがとう。また読みたい。
第6回海燕新人文学賞、第16回泉鏡花賞等受賞作品である。キッチン、満月の登場人物は、両者とも家族等大切な人を喪っている。同時に強く生きるということを感じ取れる描写となっている。吉本ばななの美しくそして瑞々しく時には儚い表現を味わえる。キッチンには生きる、生産される、といった比喩があると思う。
キッチンって、私はごみごみしていて好きじゃない。だがこの小説の主人公は、どんなに汚いキッチンでも、好きらしい。そしてそれはタイトルになっているけど、別に小説の直接的な鍵を握る訳でもなんでもない。吉本ばななの書く小説ってそんな感じがする。不思議で素朴だけど、意思のある、清潔で、品のいい人が出てくるイメージ。本当はそんな風になりたくて、この人の小説を読んでしまう。
友人の勧めで知った吉本ばなな。描写がキレイですごくよかった。一つ目の話はカツ丼が、二つ目の話はセーラー服が印象的。ちょっとズレてるかもしれないけれど。またしばらくしてから読みたい。
サラサラとしていて流れるような文章だなと感じた。満月が一番気に入った。身近な人物の「死」は避けて通れないことだと思うが、「夢」なのか「現実」なのか分からなくなることがあるだろう。それはきっとその人が自分にとって近い存在、大切な存在だったことを示すのだ。
学生のころによく読んだ。年を経て改めて読んでもすっと染み透る。傷ついたりかすかすになったりした心に。疲れたときに猛烈に台所を磨くっていう癖があるんですがそれは多分この本の影響な気がする。登場人物の誰もがいいんだよなぁ。
誰にとっても「死」は切り離せないものでありすごく身近なものであることを改めて気づかされ、同時に生きることと食事をすることは深いつながりがあるなと…しみじみ感じました(--)
すごくすごくおもしろかった!
食に興味があるので尚更!
ムーンライト・シャドウも涙してしまいました。
吉本ばななさんは初めて読んだけれどすごくおもしろかったのでまた読んでみようとおもいます(^^)
吉本ばななさんの本は、なんとも不思議な本ですね。話を予測することができなくて、何度もえっ!うそ!って驚かされました。加えてすごく話が深くて命について考えさせられました。登場人物の優しさと個性が、すきです。
頭の中に文字が、表現が、情景が、するすると入ってくる心地よさに任せ、一気に読了。自分の中の女性的感覚が呼応するような、言葉で上手く言い表せない不思議な感覚を味わった。ー幸福とは、自分が実はひとりだということを、なるべく感じなくていい人生だ。
以前にも読んで、最後どうなったかを忘れたのでもう一度読み直してみた本。
実際にありえなさそうなシチュエーションに、登場人物のセリフ回しがイマイチ好きになれないけど、面白かった。
表題作よりもう一個の短編が好きです。
再読。今回も新たな気づきが。文章表現を一つ一つ丁寧に読み込んでいくと過剰なんです。それが重くなくて軽やか。この名作をこれからも何度でも読み続けていきたい。
最近読んだ小説の中では、幾分「やわらかめ」な物語でした。綺麗な文章が本当に読みやすい、特に134ページはステキだと感じました。また読み返したい。「食欲と性欲が同時に満たされるからじゃない?」おまけ程度に考えてた「ムーンライト・シャドウ」も不思議で透明なお話です。読んでよかった!
「世界28カ国で翻訳され、読みつがれる永遠のベストセラー小説」と書いてあった。著者初読み。今まで敬遠してきたけど、身近に両親を亡くした高一の男子がいて、交流をすることになり、若い頃の感受性を蘇らせるべく手に取った。肉親の縁薄いみかげと雄一。物理的な距離は近いのに、相手の心の中にはやすやすとは踏み込まない。そして、ある距離を置く。親が守ってくれない子供は相手と距離を置くことで安心できるのかな。標題「キッチン」は今ひとつピンとこなかったけど、少しずつ動き始める二人が好ましかった。うん、急ぐことはない。
大学の現代文学講義で扱われるのでその予習として読了。「キッチン」、「満月」、「ムーンライトシャドウ」のいずれも人の死がテーマとなり主人公はそれと葛藤している。まだ私は大切な人の死というものを体験したことがないが、残された者同士の絆はより深まるのではないかと思った。文体は個人的にあまり好きではないが、素朴な感じでとても読みやすい。講義前に再読する予定。
大切な人がいなくなってしまったときに誰かとその痛みを分かち合える、どこかに居場所がある、いつも当たりまえがとても大切なことに思えてくる。この物語に大きな波ないけど、読んでいると心がじんわりして、またゆっくり読み返したくなる。
学校の宿題として読んだけど、普通に楽しめて読めた。
授業中にも話したけれど、結局みかげと雄一の関係はどうなったのかは気になる。
これから二人でずっと一緒に生きていくような感じはしたけど。
吉本ばななさんはきっと人の何倍もの感情を感じてしまう人なんだ、溢れる感情が閉じ込められた本だ。キッチンに含まれる作品はどれも死と出会い、大切な人のいない世界で生きる人。潰れることはなく日常を過ごせてしまう。それでも、この世界を少し美しく感じ、生を感じられた。大切な人を失くし、残された人々が安易に慰めあわずにただ、共に過ごす姿が鮮明に描き出されている。
ひとりぼっちの、さみしさの夜の世界のその向こう。ようやっとたどり着けた部屋の明かりのような優しさに、ただむしょうに泣きたくなる。祖母を亡くして、天涯孤独になってしまった主人公のみかげ。何度も読んでいるのに、どうしてか時たま読み返したくなる。真夜中に、ある人のためにカツ丼を届けるシーンがとても好きだ。大切な人が苦しい時に、こんなふうに出来たらなんて素敵なんだろう。きっといつか、またこの物語に出会いたい。何度でも手に取りたいと思える、大切な一冊と出会えることは何て幸せなんだろう。
再読はもうあっという間だった。。 ページを捲るたびに涙が自然と出てきてしまう、思わずワッと心の奥に入り込む文章。不器用な2人に読者は魅せられるんだろうなぁ・・
再読です。唯一の家族である祖母を亡くしたみかげ。そのみかげを家に住まわせる雄一とえり子さん。そのお陰でみかげはしたい夢をみつけ自立できるようになる。しかし、えり子さんがストーカーに殺されてしまい、今度は雄一がみかげの様な状態になってしまう。みかげはそれを察して、雄一が1人で泊まっている旅館にカツ丼を届ける。文章が丁寧で素敵な作家さんだと思いました。機会があったら他の小説も読んでみたいです!
★★★☆☆ 息子くんのGWの課題と言うことで読んでみました。大事な人をなくした時こんな感情を抱くのだろうか?きっと雄一くんのように何も考えることができないんだろな。それにしてもこの本でどんな感想を求めているのかな?教えて欲しい。《34》
彼らの傍にはいつも死がいて、その悲しみは逃れられない。どんなにそれまでの日常と同じに振る舞ってもあの頃へは戻れず、思考は何処か別世界へ流れてゆく。そんな彼らの心中は厚い幕に覆われ闇に閉ざされている筈なのに、私の目にはとても繊細な、光の粒がきらきら舞う、ガラスのレースの世界が映る。今まであまり触れたことのない描写がそうさせるのかもしれない。物憂げなのにその感じが嫌じゃなく、清らかささえ感じさせる。もしこんな喪失感や虚無感が訪れる時はもう一度読んでみたい。今は分からない何かが掴めそうな気がする。
吉本ばななさん、初。情景や心情を表す言葉の選び方、文章の柔らかさ、すごく好きだった。「愛されて育ったのに、いつも淋しかった」この言葉がすごく胸に刺さった。それぞれが、それぞれの生き方をして、それぞれの辛さを乗り越えて、そして、強くなれるのだろう。
吉本ばななの本は,表現が命のような気がして,一字一句見逃せない.だから読むのに疲れるんだけど,好きだ.どん底のもやもやとした暗い闇と柔らかい光を表現しているなと思った.
久しぶりに読み返した。何度読んでも素晴らしい作品だ。きっと、100年後には古典として愛される作品になっていると思う。
それにしても、作中に出てくるカツ丼がとっても美味しそう!こんな美味しそうなやつを食べてみたいなぁ。
学校の授業で取り扱うので読みました、あたたかい話でした。意外にも登場人物に歳が近いことにも好感が持てたし、雄一の人柄がよく伝わってきました。家族という枠が血の繋がりだけではないと感じることができました。
(図書館本)吉本ばななさんの小説は初めて。あまりの面白さにビックリした。読みやすい文章なのだけど、軽くはなくて、軸が一本通ったどっしり安定感のある文章に思えた。読ませる文章だと思った。『死』をテーマにしているけど、読み終えた後はとても温かい気持ちになれた。やっぱり独自で『死』を捉えている作家は強いと思う。すごく良かった。
この作品は賛否両論ある作品だとは思うが、この作品の書かれた時代背景を考えると作品内で語られる「キッチン」は実在するキッチンではないように思われる。当たり前のようだがタイトルになるような極めて重要なキーワードであるのだろう。「キッチン」をメタファーとしてみかげという主人公の生きる有り様が描かれている。みかげが現実と向き合えなかったときには「キッチン」は理想の場所として現れるが、みかげが成長しその自身の人生を受け入れることができたとき、「キッチン」はその姿を大きく変える。多くの人に読んでもらいたい名作。
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キッチンの
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