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ミュージック・ブレス・ユー!! (角川文庫 つ 11-1)

感想・レビュー
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zoumurasan
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ネタバレ音楽好きな高三の女の子がバンド解散してから学校卒業するまで。とっ散らかってて自分を上手くコントロール出来ない感じがわかるところもある。期待する事に疲れたのかもだけど、もう少し親は期待してあげて欲しいなーて思った。音楽がすごい好きだけど自分の気持ちに鈍感で人に影響されやすくてそれが良くも悪くも行動するきっかけになっていると感じた。本人は本人でそのうち自分の道を見つけるのかもなぁ。自分がすごくやりたい事見つかると良いね。
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ばう
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★★★将来のことより音楽のことを考える方が大事なアザミの高校3年の毎日が描かれている。勉強は苦手、組んでいるバンドは消滅、歯は矯正中、何も華やかなところなんて無い。進路も全然決まらない。側から見るとグダグダな毎日だけれど彼女なりにいっぱい考えて周りに気も使って一生懸命生きてる感じが何だか良いなぁ。同級生のチユキもナツメもトノムラも心が真っ直ぐな感じで魅力的。アザミは迷いながら脇道に逸れながら、それでも真っ直ぐ歩いて行ける気がする。ラスト2行が大好き。
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やっちゃん
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「なんであたしはこんなに自分のことがわからんのやろう」 どちらかというと女性向きあったがところどころ忘れかけてたモヤモヤする学生時代の感情が蘇ってくる、特に受験のところは懐かしかった。トノムラが昔の自分と被るわあ。
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リュウジ
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★4自分自身のことがわからないのに、先の先のことなんてわかるはずない――。描かれたのは長い人生のうち、いちばん自由でいちばん無責任でいられた高校時代の最後の1年間の出来事。音楽を聴くことが毎日を生きる理由だった女の子が抱え込んでいたのは、自信のなさと甘えと劣等感と不安と生きるもどかしさ。そして否応なしにやってくる高校卒業は同時に無責任からの卒業。遠い昔、自分も経験したあの頃のあの感じが小説にありました。思い出すことはできても、二度と戻れないんだけどね。主人公の同級生たちもそうして次の自分へと進んでいった。
リュウジ

追記>この小説、読み始めはバンドの話だったので、アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」的な高校生バンドのやつか!と思ったら、あ、高校生活の話だ…となったので何十回と見た映画「リンダ・リンダ・リンダ」の「あの空気感や~」と思って読んでいたら小説のラストに近づくと現れる、お祭りのあとのような寂しさと未来への不安と希望。これは「青春デンデケデケデケ」のラストか。いや「アメリカングラフィティ」のラストもこんな感じだったな…と一人で悦に入ってましたw

10/23 19:57
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よしぱん
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★3 音楽大好きな女子高生の青春物語・・とはいえバンド活動やるわけでもなく、本人の恋愛も特になく、決してキラキラなアオハルではない。けど、それがリアルでよいね。事件といえば文化祭で失礼な男子をボコったり、友人の恋愛に巻き込まれたり、進路に悩んだり、あとは歯列矯正。「私は人と同じようにうまくできない」と自覚しつつも音楽を聴くことに全てをかける姿、そして他人のために怒れるその心、きっと社会に出てから花開くんじゃないかなー。
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そる
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音楽をやる人、と言うよりは音楽を聴くことで何とか自分を保ってきた、というタイプの「私は人よりできない」を自覚してる女子高生の奮闘記的お話。好きなもの(音楽)にハマることで、それを心の拠り所にして生きている。私も似たところがあるので共感。思考の描写がすごくて、こんな細かいことまで思うなんてかなり人に気を使ってる、私も常識あんまないから見習わなきゃ、って思った。「アザミは、自分が人を疲れさせることを知っていたし、けれどどうにもそれを止めることができないこともわかっていたから、チユキにはとても感謝していた。」
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sue
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何気ない日常を切り取る津村さんの本。 何気なく考えている・感じていることを文言にすることって難しいことと思うけど、津村さんは何気なくしてくれる。 これはアザミの日記のようなもの。
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りっちゅん
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野間文芸新人賞作品。おもしろい。
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77゜3
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音楽とそれから矯正器具(ブレース)が彩る高校生活
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空の落下地点。
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荻上が何で優遇されるかというと、労働要員だから。音楽に詳しい女性と違って。トノムラ、モチヅキ、ナツメ辺りが聖人として登場してる。自らの性的魅力の無さを否定されて、好意が攻撃に転じることもない。しかし聖人は戦わないのだ。ナツメの、はみ出せなさをチユキとアザミが担ってる。アヤカちゃんは、聖人と戦士の間にいる。痴漢には強くいけないけど、同性にはいける。性格が悪いんじゃない、正当な抗議姿勢の有無をチユキも試した。体育会系に強くいけない自分と似た部分を探した。荻上も男性社会の中では立場が弱い。優遇は勝手にされてる。
空の落下地点。

抗議にも階級がある、という話です。同レベルの相手にしか抗議しないのは悪いことではありません。荻上がやっているのは弱い者いじめです。アザミは、階級を飛び越えて行ける命知らずです。誰もがアザミのように生きられるわけではなく、この小説はその必要を押しつけるものではありません。楽しみの為ではなく、人を想う為に生きる。本能を青春の向こう側に置き去りにして、アザミは進む。初めて、何となくを超越した。励ましたい、は偽善でしょうか。新しい被評価の土俵に彼女は上がる。2008年の単行本を震災らへんに加筆、単行本と比べてぇ。

01/30 20:55
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ふきこ
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「自分は常に最低だった」というアザミちゃん。でもそれは"世間体ランキング”の話であってアホでいいやつで自分を俯瞰してみられるのは賢いからだし。特に秀逸なのは罵り力!補習も受けずにテストも白紙だったのに進級した柔道部のオギウエに「白紙デブ」って…的確すぎる…普段、キッ!と思っても見過ごすしかない輩をチユキとアザミが成敗してくれてすっきりした。アザミとトノムラが聴く音楽のどれも知らなかったので聴いてみた。どのバンドもすごくよかった。ホント音楽は恩寵だねぇ♪
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Shoko
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ネタバレアザミは自分に呆れている。小さな頃にアザミをダメな奴認定する教師に出会い、自らもやがて、他のみんなとは少しズレたところがあるのでは?と感じ、「自分は常に最低だった」と思っている。そして、音楽。「音楽について考えることは自分のことを考えるより大事やと思う」トノムラがアザミの言葉を肯定して返した言葉は、まさにアザミの心を表していた。でも!アザミにはかけがえのない友達がいて、没入できる音楽があって、他者のことを心から思いやって行動できて、自分では冴えないと思っているみたいだけど、めちゃくちゃキラキラしてる!
Shoko

→自分のことが分からないって、本当はみんな同じ。ゆっくり、じっくりで良いし、迷うのも当たり前。両親の「好きにし」は諦めとか、期待してないとかじゃない。生まれてきて、ここまで育ってくれただけで万々歳の気持ちの表れだろう。面白かった!

10/18 15:31
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ししょ
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いろんなタイプの高校生それぞれが絡まり合ってそれなりに傷ついたり回復したりしていく様子が淡々と、時々ドラマチックに描かれている。登場人物の人数が多いにも関わらず、さまざまな側面で彼、彼女らを接続させて主人公のアザミを取り巻く世界が一体となって物語が進んでいくので人物相関図を書きたくなる。チユキの存在がとても魅力的で要所要所で起こす事件には衝撃と爽快さがあり、飽きずに読み続けられた。高校三年生とは思えないほど受験のあたりの時間の流れが穏やかで、こういう高校生もそれはそれでありなのかと思わされた。
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修一朗
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引き続き津村記久子さん初期作品を。これもよかった。切り取った時期は進路が定まらない高3,「君は永遠にそいつらより若い」の高校生版だ。で社会人版が「ポトスライムの舟」になるのだろう。音楽に依存して音楽で自分の周りを埋めることで生きているアザミを津村さんの分身と思って読む。これでもかっていうアメリカのパンクロックが出てくる。このレビューはBlink182を聴きながら。自分のためだけの評価ノートとか,息を吸うように音楽を聴いてなんとか生きているアザミ。全肯定してくれる両親や理解者のチユキがいてくれて幸せ者だ。
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kino06
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今頃やっと読めた。隅々に津村さんらしさがあって面白かった。高三のパンクロック好きな女の子アザミの日々を描く。キラキラでも胸キュンでもないけど、リアルな青春の日々。自分の将来をなかなか決められず、友達や進路指導の先生にお世話になりながらいつの間にか時は過ぎていく。周りに流されて焦らなくてもいいんだな、と思った。好きなものをとことん好きでいればいいし、いつか見えてくるものもあるだろう。チユキの危なっかしい正義感が好き。私もそういうことしたい(笑)
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シュロ
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青春。自分が何者か何者になるのかわかってくるようなわからないような、わかりたいようなわかりたくないような年頃だよなあと。チユキがカッコいい
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masa
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「最近の音楽は」なんて言うなよ。サブスクでしか聴けない新しいバンドにも魂は受け継がれている。「昔はよく音楽聴いた」とか過去形かよ。僕はずっと今でも聴いている。毎日120分テープと単3電池が一番安い中古のCDショップを覗いていたあの頃の僕に伝えたい。サニーデイ・サービスが再結成して嘘みたいに疾走感あるロックナンバーを次々発表する日が来ると。みんな音楽をファッションとして通り抜けてしまうことに傷つかなくていいと。ずっとそのまま好きを貫いて生きていけと。曲をちょうど聴き終わるように回り道していた頃と変わらずに。
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たぬ
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☆4 津村記久子さん続けて。音楽一辺倒じゃないのが良かった。高校生活、受験、将来のこと、バンド活動…アザミにとって音楽を聴くことはとびきりの精神安定剤なんだろうと思う。歯列矯正ではめるゴムの色がカラフルなのがいい。「文化祭で着ぐるみ着て他校の男をボコる」「テイラー・スウィフトの彼氏事情に落ち込む同級生男子」「好みのタイプは松尾伴内似の外人」等のエピソードが楽しい。
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こけこ
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主人公のアザミも、親友チユキもまっすぐでいい子だな。他人の為に怒り、行動する。大人になっても忘れないで欲しいと思った。高校時代のけだるさや不自由さ。でも、守られているような安心感を思い出した。
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コモヒ
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ネタバレ高三小説だ、青春じゃない、部活もバイトもない、恋愛もない(他人の恋愛に多少は巻き込まれるけど)、行事も地味で、本当に良いな、本当のことだけが書かれている、軸になってるのは歯列矯正と、受験・進路と、タイトルの通り音楽、音楽を聴いている間だけ息ができる、しかしその依存度も少しずつ下がって行く、時間がちゃんと流れていて、基本的に時系列で、全くキラキラしていなくて、本当に素晴らしい小説だ、アザミは自分のことを馬鹿だ馬鹿だというけど、全く頭が悪いということはないと思う、東京弁先生も本当に良かった、教師に向いている
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kitmu
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パンク好きなので嬉しかった
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めりっく
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人生の中で期限付きの選択と決断を迫られる場面は次第に増えていくけれど、それがどこか他人事に思えて未だ腰が据わらない。「なんであたしはこんなに自分のことがわからんのやろう」。アザミの心情が判りすぎて息苦しくなる。愈々お尻に火がついても焦るばかりで身は入らずこの期に及んで決断を先延ばししてしまう。彼女は無意識裡に大人になることに抗う。ずっと馬鹿みたいに音楽に現を抜かしていたい。それでも友らとの関係の中で気付かぬ間にごく自然にそこから踏み出そうともしている。人生最初の岐路に立つ今、彼女は何かを得て、何かを失う。
めりっく

生涯ベスト本の一つ。再…読。10/10

02/16 18:22
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藤宮はな
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音楽の存在で生き延びられる人間の事を良く分かってらっしゃる。変に恋愛沙汰にならない所が個人的にはホッとしたし、読みたい類の青春小説だった。筋金入りなのは、アメリカのパンク好きでUKロック好きが少し選民思想入ってるとアザミが思ってる所。ハードコアパンクが平気で出て来るのに、ポップスも一緒に貶めるでもなく出て来るのもいい。他者と共存する為に、対人スキルがなくてもそれらしい会話で乗り切り学生も相手を探りながらという真理。会話の「らしさ」が息してる人間って感じする。言葉に困難を抱えてると伝えるのも難しい現実。
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tom
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津村さんが書く小説をランダムに読み進めていて、たぶん、この本が最後の一冊。この本を読み終えて思ったのは、「存在の耐えられない居場所のなさ」ということ。若者の皆さんの一部にとっては、こういう居心地の悪さは付きまとうものなのかもしれないと思う。でも、主人公の両親は、娘が「生きてるだけで、まるもうけ」と思ってる。そこのところを彼女が分かったら、ちょっとだけ安心できるのになと思ったのでした。でも、津村さん、こういう物語を書く彼女、何者なんだろう。新作を読みたい。
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hr
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ネタバレ都市の高校生の音楽の嗜み方への羨望が先に来た。地方と比べて幅が広過ぎて、ずるい。ショップに行き好きなミュージシャンの棚を(持ってるのに、新譜が出てないことを知っているのに)見てしまうところに共感。こんな生活を高校のうちから実現できると、未来のために時間を使う必要を感じないだろうな。アザミとチユキが怒りを消化して行動するところがスカッとする。東京弁先生に和んだりもした。世の中の喫煙習慣がスタンダードだった頃、喫煙を理由に仕事を中座する人達のように、僕も音楽を聴くために仕事の席を外したかったことを思い出した。
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keigo
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分には何もないと感じている高校生のアザミ。音楽との向き合い方だけは普通の人と違う。それも自分では特別なことと思っていない。主人公の独特の視点は訳あり。それも含めて共感できる話だった。俺も若い頃タワレコの店員になろうと思ってたもんな😆
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たか
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★★☆☆☆もうちょっと音楽音楽した話かと思ってたのでちょっと肩透かし。高校の時くらいに通ったバンド名がぽろぽろ出てきて懐かしかった。
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kera1019
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好きな音楽と心地よい文章がたくさん出てきて楽しく読めました。話の進むスピードもちょうどいい感じであっという間に読み終わり。津村さんの本を読んでる時間は本当に幸せ。
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奏市
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ネタバレ再読。アザミが悩み・葛藤しながらめちゃくちゃ成長していく。他人の事をほっとけない天然の優しさはそのままに。正しい事が時に人を傷つけるのをこの本でも認識させられた。「無責任な同意だった。それでもしないよりはましだとアザミは思った。それは人のことだからわからないね、なんて正確なことを言ってなんになるのだろう。そんなものは、言い当てるという行為にまつわる自己満足に過ぎない」忘れてたけどチユキとブロック・パーティー好きが共通してて嬉しい。「松尾伴内に似た外人」って誰と思ってたらジェラードだった。似てないと思うが。
0255文字
ぽーろ
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34
0255文字
ちゃすくん
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器用にこなせなかった人間の努力を言語化することは、わざわざ言葉にしないであろうことを浮かびあがらせ、新鮮さを感じさせるとともに切実さまで帯びるんだなあ、などと思いながら読み始める。「否定されるために発言する人というのはあまりいない。」ということをとりたてて言ってしまうのだ。そんなアザミも、自分から譲歩や斟酌をアウトプットしなきゃいけない他者であるトノムラとの関わりなどを機に成長(?)していく。これは小説の本筋とは関係ないけど、最近、アザミでいう音楽のような人それぞれの“信仰”を、世界と関わらせるという
ちゃすくん

続き→苦しみの逃がし方を思いついた。信仰の対象を大衆、世界にまで拡大させるということなのだが、果たして、これはもう世の中で器用に生きている人間がもう既に実践していることなのだろうか。それとも、これもアザミと同じようにわざわざとりたてて言うことでもないのになぁ、といった感想を聞く人が聞けば持たれるだろうか。

09/17 00:01
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ナオ
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ずっと読みたかった本。読む前はバンドの話かと思ってたけど、音楽好きな主人公だった。バンドはやってたけど。主人公の友達のチユキの、 一概に正義感とは言い切れない感じの、行動力が好きだなと思う。 今まで読んでた津村作品には、肉親や友達、恋人に主人公を蝕む人が出てくるけど、無意識の悪意の塊みたいな人がいても、そこまで身内では無いので、心乱されずに読めた。 青春小説でも津村さんだなーとしみじみ。この本が私の元に来てくれて嬉しい。
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EOEO
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いやー、これは刺さった。アザミは大学生の頃の私そのものだわ(笑)と言っても、私は見た目が派手だったわけでもなく、背が高いわけでもないけれど。もう毎日音楽のことしか考えてなくて、CDばっかり買って聴いて、音楽っていう支えが無いと生きていける気がしなくて。アザミの好みとドンピシャってわけじゃないけど、アメリカンロックが大好きで。友達とCDの感想文交換して語り合ったり、ライブに行ったり。いまだにその頃のCDは聴くけど、音楽への情熱は歳と共に衰えて、普通のおばさんですが(笑)アザミはどう歳をとるのだろうか。
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抹茶カステラ
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ネタバレ津村記久子さんの書く女子高生。主人公オケタニアザミの高校生活は普通っぽいようで個々のイベントを見ると結構色々な事が起きている。私は自分では凄く地味な高校生活を送っていたと思っているけど、実は結構色々な事が起きていたのかも。でもまぁこのアザミはなかなか風変わりな個性的な子ではあるが。でも「好きにし」と見守ってくれる両親や受け入れてくれるちょっと過激な親友チユキがいる。ナツメさんも好きだな。それだけでいいよねと思った。なんだかんだ生きていける子だとも思うし。やっぱり津村記久子さんの小説は読んでて落ち着く。
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ぽんつく(まんじゅう)
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どちらかといえば青春小説は苦手なのだけれど、一気読みだった。キラキラしない人物をこれほどまでに輝かせる、津村記久子の筆致よ。高3のオケタニアザミはひたすらアメリカのパンクロックを聴くことが好きで、将来の展望もなく、自分をダメなやつだと感じている。でも好きなものがあるってすごいことだし、そのために英語で海外の子とやり取りしてしまう勢いもある。自分のことはよくわかっているし、周りに思われているよりも空気が読める。多動性のところはちょっと違うけれど、デビュー作「君は永遠にそいつらより若い」の主人公を髣髴とした。
ぽんつく(まんじゅう)

できないことや苦手なことは多いけれど、アザミは自分で自分の人生を「なんとかできる」人なんだろうな、と思う。それは彼女の特性を知ったうえで、彼女の好きなように生きることを肯定する(本人には突き放されている、興味がないのではと思われているふしもあるが)両親や、欠点丸ごと彼女を大事にしてくれる親友のおかげだろう。大丈夫、距離が離れても、心が離れてしまっても、誰かと楽しく過ごした思い出はそれだけで活力になるから。音楽のように。

07/05 19:58
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De PalmaX
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自分も高校生活が先行不明だったし、進路のことを考えるのがとにかく嫌な人間で、毎日映画ばかり観ていた。だから、アザミが他人のようには思えなかった。自尊心がプチプチと潰されるようなささくれだった日々だけど、チユキのような良い友人やアニーやトノムラのような自分を相対化できる存在や距離を置いて見守ってくれる大人が身近にいて、アザミは幸せ者だと心から思う(でも、周りが優しいからこそ自分の惨めさが辛い時もある…)。そして"恩寵"という言葉も他人事に感じられない。本当にそれは、何かの間違いで自分に授けられたのだと思う。
0255文字
真理そら
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タイトルとカバーイラストが内容そのままという雰囲気の物語。パンクロック好きでバンドではベース担当の女子高生・アザミの視点で描かれる日常は一貫性がないように見えるのに登場人物のキャラがくっきりと浮かんでくる。横のつながりが無い(ように見える)人間関係や突然湧き上がる(ように見える)若者独特の正義感がバラっと撒き散らされたかのような描き方が妙にリアルな高校時代の雰囲気を伝える。爽やかさも熱さもない青春小説なのに懐かしい想いで読み終えた。
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ts0818
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主人公のオケタニアザミが音楽に依存してしまうのは分かる気がする。自分の好きなことには集中できるけど、それ以外のことに集中し辛いのは「注意欠陥・多動性障害(ADHD:Attention-deficit/hyperactivity disorder)」の特徴だけど、アザミはそんな人物として描かれてるように思う。幼い頃のアザミに対し母親が悩んでる描写もあったけど、アザミの母親はありのままのアザミを受け入れた。アザミも自身が人と同じ様にできないことを自覚している。ブリンク 182が久々に聞きたくなった。良いです。
0255文字
けいた
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音楽が大好きな主人公。けれども描かれているのはちょっと風変わりな彼女の思考や性格であったり、彼女に引けを取らない個性豊かな親友やクラスメイトたちとの交友である。恋愛や進路といった大きなイベントもありつつ、あくまで日常の雑多なできごとの中で主人公たちが思ったことや感じたことが素直な言葉で表現されている。おもしろいがやや長いかもしれない。親友を見送るシーンや母親の「好きにしたら」という言葉にこめられた思いなどが読後心に残った。
0255文字
にゃおこ
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タイトルと装丁がジャストミートして手に取りました。 読みはじめ、音楽少女のちょっとトガったお話かと思ったら、発達にバラつきがある主人公視点の青春グラフィティ(懐)でした。ベストエッセイ集で津村さんの文には触れたことありましたが、小説は初読。芥川賞受賞作も未読。他の作品も読んでみたくなりました。。
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