形式:ライトノベル
出版社:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
「大丈夫。助けはきっと来るよ」見渡す限りの水平線(ホライゾン)。浮き輪もなしで波間に漂う少女・アキと、もう一人。疲労は、限界だった。『溺死』という不吉な二文字が、脳裏をよぎる。「……来ないと、思います」波間にぽつんとたゆたう二人。海と空。二色の青しか存在しない現代(アフター)で、漂流者を助ける者は漂流者自身しかいない。「大丈夫。絶対助かるよ」「助かりません」二人の周囲には、海面から太いケーブルが脱出を遮るように突き出し、漏電によって稲妻のように輝いていた。ケーブルの上には、獲物の命が尽きるのを待つ猛禽の眼もあった。少女が悟ったように、微笑みながら言った。「助けは『絶対に』来ないんです。ここは……セントゥリア海峡ですから」絶望的な状況の中で――二人の「生きるための戦い」が、始まる。
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