形式:文庫
出版社:KADOKAWA
太宰治の『晩年』を奪うため、美しき女店主に危害を加えた青年。ビブリア古書堂の二人の前に、彼が再び現れる。今度は依頼者として。違う『晩年』を捜しているという奇妙な依頼。署名ではないのに、太宰自筆と分かる珍しい書きこみがあるらしい。本を追ううちに、二人は驚くべき事実に辿り着く。四十七年前にあった太宰の稀覯本を巡る盗難事件。それには二人の祖父母が関わっていたのだ。過去と現在、まるで再現されるかのような奇妙な巡り合わせに、薄気味悪さを感じる二人。それは偶然か必然か? 深い謎の先にある真実とは?
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mugさん、栞子さんシリーズあと一冊です😄
buraさんもですねっ😆
今回の栞子さんの名言。「きゅ、急ですみません…我慢、してた、んですけど」吐息混じりで耳元に囁かれる〜すごい一言だなあ。
【備忘録】お前はきりょうがわるいから、愛嬌だけでもよくなさい。お前はからだが弱いから、心だけでもよくなさい。お前は嘘がうまいから、行いだけでもよくなさい。 @太宰治『晩年』
いつも五浦君と君付けにしていましたが、字数制限の為削らせてもらいました。ごめん、五浦君。
稀覯本の盗難をきっかけに壊れてしまった、大学教授と弟子的文学青年トリオの仲。その関係が、50年近くも経ってから、事件の真実が明らかになったことにより、まがりなりにも修復されたのは、本当によかった。既に3人のうち2人は、この世を去ってしまっていたとしても。田中・祖父と主人公の祖父は、大輔くんの祖母を守るために、あの時点では真実を明らかにしなかったのか……。それはまぁ、確かに。そういう秘密を守ることは、大事かもしれない。だが、そのために教授と弟子たちの仲、あの3人の仲が壊れてしまったのは、やるせない。
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