形式:ライトノベル
出版社:KADOKAWA
形式:Kindle版ライトノベル
圧倒されるわけでもなく、また無双するわけでもないパワーバランスにはかなり好感が持てた。ただ、タイトルのような異世界の生物との戦いをメインに期待していた人からすれば序盤から中盤にかけての官僚たちの保身を目的とした駆け引きの場面は退屈に感じると思う。そこに抵抗がなければある程度は合うんじゃないだろうか。それにしても生き残った人達は死んでいった人に対して少々冷たすぎないか?と思わなくもないシーンが少しあったのが可哀想だったな(苦笑)
巻末にはこれみよがしに参考文献が5ページも並ぶが、著者はマニアっぽい記号を羅列するだけで面白い小説になると考えたのだろうか。結果としてガチのミリオタを満足させるには程遠く、特にそっち系が好物でもない読者にとっては煩わしく読みにくいばかりの残念な仕上がりに。あとがきの「エンターテインメントを主眼としたものであり、政治的な思想、信念を表明したものではない」という言い訳も白々しい。この人はエンターテインメントを何だと思っているんだ?
そして悪い点も。 前半はこうした自衛隊あるあるで終治するのだが、比べて敵描写がお粗末。 異世界モンスターを次々と並べた挙句、ゾンビもどきとか出して最早ごちゃ混ぜ。兵器の描写もそこまでじゃない(参考文献を見るに兵器関連は重視していないようだった)。 ミリタリーといっても政治関連で戦場では特筆するものはなかったかと。やはり主人公が兵士である戦争ならば、息もつかせぬ空気感が欲しかった。 つまるところアクションを期待してる人には肩すかしを食らうかも知れない。
というか、せっかく立ち上げた新文芸レーベルから出さずに何故、電撃文庫から出したのか首を傾げる内容だ。
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