新しい人よ眼ざめよ (講談社文庫)

新しい人よ眼ざめよ (講談社文庫)
326ページ
347登録

新しい人よ眼ざめよはこんな本です

新しい人よ眼ざめよの感想・レビュー(190)

ymd
(おぼえがき)ギリシア叙事詩の同窓会で、先輩から教わったもの。ブレイクはわりと好きだったし喜々として読み始めたんですけど、むずかしい……。再読したいなー。
★1 - コメント(0) - 3月4日

「赤んぼうは揺籠のなかで殺したほうがいい。まだ動きはじめない欲望を育てあげてしまうことになるよりも」……かつて絶望と呪詛を込めて誤読したウィリアム・ブレイクの詩句は、二十年の歳月を経て鮮やかに塗り替えられた。障害児を持つことから生じた他者の執拗な嫌がらせ、懇意にしていた学生運動家によるイーヨーの誘拐事件、そしてイーヨーの「あなたは悪い人です!どうして笑っているのか?もう話すことはできない!ぜんぜん、なんにもできません!」……イーヨーを通じて救いへ、ブレイクを通じて神へ。無垢な魂によって私の心は清められた。
★19 - コメント(3) - 2016年11月17日

濃霧のような日本語。
★2 - コメント(0) - 2016年10月31日

KEI
ウィリアム ブレイクの詩から喚起される想いと、障害を持った息子 イーヨーとの生活を著してある。特にブレイクなどの引用や解説は難解だった。調べながら、何とか読んだ。相模原の事件に衝撃を受けているので、イーヨーの生まれた時の医師の言葉、その後の誘拐もどきの事件を著者がどの様に乗り越えていったのかに注目した。「イマジネーションは人の存在の実体である。」イーヨーはしっかり想像し、著者の支えとなり、要保護者では無く、幼児からの渾名イーヨーも不要となったのだ。続く
★27 - コメント(5) - 2016年9月7日

個人的な体験、万延元年のフットボール、洪水は我が魂に及びに登場する生まれつきの障害をもつ子供のことが、本作では作者の実生活の中で語られていきます。誘拐を試みる信じられないほど利己的な若者などが登場しますが、親の心配を察しているイーヨーの言葉と暖かい心の妹弟にほっとします。
★8 - コメント(0) - 2016年5月16日

長い……したがってぜんぶ読んでません。著者に申し訳ない。半分くらいまでの感想を。自伝なのか物語なのかよく分からないストーリーは、おそろしい程引き込まれ、時間が経つのも忘れるくらい。だが繰り返すように長いので割と道はしんどい笑 ウイリアム・ブレイクの名が頻繁に強調され、ブレイクの詩を内的に読み込んでいくことで、「僕」と長男とをめぐる微笑ましく繊細な親子関係を描く。非常に内省的でありつつ、どこか爽やかな所があるのが不思議な文章です。
★11 - コメント(0) - 2016年3月31日

自分が出会うべき詩にまさに出会うと、その詩は実体として紙から浮き出、理性を通過せず内側に直接届き、それによって激しく燃え上がるように励まされる、というふうに感じられることがある。この一連の短編小説集では、理解しようとしても及ばぬ部分のある詩の意味が、ある経験を通して初めて明確に提示される、さらにそれによって経験の意味が明かされ、同時に前に進むエネルギーを得る、その過程を描いた、まったく小説らしい小説という風に読んだ。私小説的だけど詩と体験の結びつけとか詩を理解するまでの物語の展開とか、舌を巻くしかない。
★13 - コメント(3) - 2016年3月17日

再読 なんか、本当にイーヨーが大江健三郎に生まれてきて良かったなあとしみじみ思う
★3 - コメント(0) - 2016年2月19日

障害を持つ長男との共生と、ウィリアム・ブレイクの詩を読むことで喚起される思いを並行させた一連の短編集。死生観の考察には枚挙にいとまがないほど種々に臆説が飛び交うが、”M”事件への認識には大江の「教育する人間」としての見解が如実に表れている。件の檄が真に評価されるべき要所は、「生首」の持つ奇怪な負の影響力ではなく、行動に至るまでの純潔さであってほしいのだが、脳に障害を持つ子どもの未来を擁護する気持ちには心打たれた。
★7 - コメント(0) - 2016年1月30日

とても、難しかった。なんとか噛り付いて読んだ。障害を持つ息子と向き合って生きようとする父親の私小説。父親も一種の精神病を患っているように見える。繰り返し突きつけられるテーマの重たさ。周囲の視線。引用される詩の数々…。これらを受けた時、自分はどうするだろう。まるで想像がつかない。
★3 - コメント(0) - 2015年12月7日

その時々の出来事や誰かが放った言葉の解釈解釈解釈。主人公(筆者)の中を渦巻く思考や言葉。あからさまには描かれてないけど吹き出てる感情、特に憤り。難解なのはともかく。付いていけるエネルギーが私には無いのだな。濃ゆさに当てられて読後ぐったりしてしまいました。初大江本。ブレイクに惹かれて読んでみました
★5 - コメント(0) - 2015年9月7日

求道者の文学という感じですね。若い頃の作品には難解ながらも読ませるものがあったが、ついていくには努力が必要だ。怠け者には向いていない。
★3 - コメント(0) - 2015年8月14日

マルカム・ラウリーの小説やウィリアム・ブレイクの詩を材料にしながら、光さんとの共生の進みゆきを描いた小説。新しい人とは、聖書の中に出てくる愛と憎しみ、喜びと悲しみなどの対立するものを自らの犠牲において一つにしてゆくことのできる人のことを指している。私たちの文明は、大江さんが構想するような新しい人を生み出すことができるのだろうか。0,1%の超富裕層と貧困層の対立を一つにして新しい御国を指し示す人が現れるのだろうか?
★10 - コメント(0) - 2015年6月14日

自分に障害を持つ息子がいたとして、こんなに誠実な生き方ができるだろうかと考えた。偶然だけどアルジャノーンに続けて2冊連続で障害者に関する本を読んだ。
★5 - コメント(0) - 2015年6月10日

障害を持つ息子イーヨーとの共生を描いた私小説。主人公の父親はイーヨーにとっての水先案内人だ。彼はイーヨーが通る道をつくろうと思考を巡らす。それに手を貸してくれるブレイクの詩や神話たちは杖のようなものかもしれない。外からイーヨーをみる世間の目はシビアで冷たいものだ。自分はどうかと考えると胸が苦しかった。主人公が祈りを捧げ現実から逃げるのではなく、常に思考し前を向く姿には胸を打たれた。また、この小説にはユーモアがある。イーヨーが話すダジャレにはくすくす笑ったし、ですます調で話す彼の言葉は愛くるしい。つづく
★10 - コメント(1) - 2015年5月11日

久々の大江作品。私小説を読み慣れてないからかあまりにも赤裸々な日常の告白に戸惑った。内容もまだ理解しきれなかった部分がたくさんあるけど、それでも次々に繰り出されるこの作家独特のイメージを随所で楽しむことが出来た。やはりこの人はすごいというのが今回持った感想。その思想や言動がとやかく言われるようだけれど何はともあれ作品自体は本当に素晴らしいと思う。
★8 - コメント(0) - 2015年4月20日

息子に向けて書かれた定義集とのこと。障害を持つ家族の生活を描いたものと考えるとすっきりする。作曲を行う息子の言葉と、作者の読むブレイクの詩句のかけあいが良い。芸術づくしの感がありました。
★2 - コメント(0) - 2015年1月1日

祝祭。 己が視るヴィジョンとして聳え立つものを通過した先の彼方にある、感動。 一編毎の締めくくりの余韻が、「ああ、そういうものなのか」と混沌を断ち切る力強さがある中、最後の「新しい人よ眼ざめよ」では更に、読んでいる者へも救い--恩寵がもたらされているように感じる。イーヨーの弟がイーヨーへ投げかける言葉の優しさと心強さ、そこから家族が包まれる暖かさに、勇気を得る。素晴らしい。
★4 - コメント(0) - 2014年12月21日

いままで読んだ大江作品のなかでいちばん腑に落ちるものがあった。障害を持つ長男イーヨーの話と、ウィリアム・ブレイクの詩、反核をめぐるヨーロッパ旅行を織り交ぜながら展開する。私小説でありながら、より広い世界を提示し、知的興奮を味わえるのは、この作家唯一無二のものである。
★8 - コメント(0) - 2014年12月18日

最後まで読み終って、題名が自分の中にストンとおちた。定義とは自分が読んだ言葉と実体験を結びつけることかもしれない。経験を積むため人は出会い、感情を抱く。圧倒的に経験が少ない状態では、私たちは何かを定義はすることさえままならない。先人の言葉が今を生きる人にヒントを与え、助けてくれる実例を見た気分。あらゆる体験、感情を経て新しく生まれ変わる感覚は、本を読んで新しい世界を知ることの延長にある気がする。自己内に存在しない言葉は、経験と結びつけることもできない。最後に感じた恥を忘れずに、言葉を取り込んでいきたい。
★6 - コメント(0) - 2014年11月27日

障害を持つ息子のために,親の死後も生きる手がかりとなるような「定義集」を作ろうと考える小説家。「死」の定義,息子との共生,作家としての課題などを,イギリスの詩人ブレイクの詩を読みながら模索する短編集。障害のある息子と真摯に向き合う姿には本当に胸を打たれる。また戦後の混乱期を生きる小説家として,いろいろな批判にさらされてきたというエピソードも心に残った。ブレイクの詩に関わる観念的な部分は本当に難しくて分からないことも多いが,ブレイクの世界と主人公と息子の生活が,驚くほど共鳴する部分は,印象的で,余韻が残る。
★28 - コメント(1) - 2014年10月15日

障害を持つ息子のために、彼の生きる世界を定義しようとする父親。なされることはとても難しい。おそらく今もまだ。けれど、一番最後の「新しい人よ眼ざめよ」と名付けられた章、これが“光”でなくてなんだろうと思う。これは著者の(作者の、でなくあえて著者といいたい)祈りだ。『草子ブックガイド』をもう一度読み返したい。
★3 - コメント(0) - 2014年8月19日

「労役しなければならず~」という詩の誤読が良かった。労役すること、悲しむこと、学ぶこと、忘れること。それらは生きている以上避けられない。しかし暗い谷=新たなステージや舞台へと向かう上で欠かせないのだという、自分なりのこの詩の解釈が得られた。こうした誤読も含めた詩の解釈により、心の安寧を求める、作者の姿勢が伺えた。「救いの大江」は苦手だったし、これもやたら長いウンチクみたいのが続く時もあるのだけど、これは好き。
★4 - コメント(0) - 2014年7月20日

何度も回想が入るので時間軸は一様ではないが、イーヨーと呼ばれる大江氏の長男が19歳の時の物語である。障碍を持った彼との共生には物理的にも、またそれにも増して精神的にも、煩悶が付き纏い、同時にそれは常に死と生の問題を突きつけて来る。それだけに、作家にとっても、また私たち読者にとっても音楽劇『ガリヴァー』上演のシーンは、胸がつまるとともに暖かい共感と共生感に包まれる瞬間だ。小説の全編にブレイクの詩が流れるが、これはあくまでも個的で特殊な体験と、これもまた特殊な詩とが交錯することで普遍へと昇華させる希求だろう。
★119 - コメント(1) - 2014年1月3日

小説なのかなとおもって手に取ったのだけれど、大江健三郎というひとにとって、小説と日常記(思考記録)のようなもの、はゆるやかに続いているものなのかも知れない。まだ、数冊しか読んでいないからわからないけれど…。端々に引用というか暗唱のごとく一体になっているブレイクのことばが魅力的で、身の程知らずにもブレイクを手にとってみたくなってしまったくらいだ。
★1 - コメント(0) - 2013年12月11日

ブレイクの詩を導き手に描かれるイーヨとの共生は、従来の土俗的なイメージとは違って、ある種神聖なものとして目に映る。当初、ブレイクの詩が大江やイーヨたちに救いの手を差しのべるものと考えていたのが、いい意味でその予想は裏切られた。太字で記されるイーヨの声はまるでブレイクの詩への返歌のようで、大江を、そして私たち読者を慰め、鼓舞する。最後、イーヨ、いや光が寄宿舎に入ることを高らかに宣言するが、それはまさに閉塞した世界を自分の力で開こう、と新しい人が眼ざめた瞬間なのだと思う。
★8 - コメント(1) - 2013年9月7日

s_i
再読したい。ゆらぎを生み出すような変換装置のイーヨーにしてもそうだし、サービス精神が強いのにやってることがむちゃくちゃな感じで、よくこんなことできると思った。静かな生活を通してより複雑化するだろうし。
★3 - コメント(0) - 2013年7月4日

「落ちる、落ちる、叫びながら」が一番好き。イーヨーが溺れかける場面の緊迫した描写、朱牟田さんの手助け、最後のイーヨーの「ぼくはもう泳ごうと思います!」という無邪気で凛々しい言葉。「破れたガラスの隙間から、青年らのだみ声が、腹の底に響くほどの声で唱和していた。(スペイン語の羅列)つまりは、子供、少年、プール、困難な、病気の、そして、危険な、溺れる、などと倣っている限りのスペイン語の単語を叫んでいるのだ。僕は自分でも卑しくなるほどのノロノロした動作でふりかえり、イーヨーがベンチに座っていないのに気付いた。
★3 - コメント(3) - 2013年3月25日

que
20年ぶりくらいに再読。『蚤の幽霊』冒頭に出てくるアメリカの女子学生は『現代日本のアニメ』著者のスーザン・J・ネイピアさんらしい。
★1 - コメント(0) - 2013年3月7日

この中では一番好きというわけではないが、「鎖につながれたる魂をして」が異質であり興味深い。異質というのは宇波と稲田のような明らかな「他者」が小説に登場しているからだが、そのような他者に立ち向かうイーヨーの姿は深い感動を起こさせる。それはこの連作を読み進める中で「僕」の視点に寄り添ってイーヨーの成長を見守ってきたからかもしれない。
★2 - コメント(0) - 2012年11月14日

ブレイクの詩を参照しながら息子イーヨーとの生活を描いた作品。はっきり言って難しい。ただ考えさせられた点として定義とは何だろうかということ。「足」を巡る大江と息子イーヨーのエピソードは言葉による定義のみが定義ではないと教えてくれる。また、ブレイクの詩と無垢の心を持ちこたえているイーヨーの言動が連動しており、どことなく神秘的な雰囲気が漂う。そんなイーヨーの世界観は理性に縛り付けられた私達に新しい視点を提供してくれる。
★4 - コメント(0) - 2012年8月31日

すごく久しぶりに読んだ。この短編集は好きだ。ほんとは宙返りを読み返したいけど時間がとれない。大江健三郎にはぜひ長生きして言葉を発信し続けてほしい。
★4 - コメント(0) - 2012年8月6日

☆☆☆
- コメント(0) - 2012年5月5日

まるで大江さんの所に、ホームステイしながら光さんの成長を見守っているような感覚で読めた。ブレイクの詩とシンクロするような出来事の数々から導出される啓示にも似た閃き。実に不思議な感覚である。新しい人と古の人の共生の可能性を見た。イーヨーのユーモアには思わず笑わせられた。
★3 - コメント(0) - 2012年2月19日

ウィリアム・ブレイクの詩に関する所とかはよくわからなかったのですが、内容自体はよく楽しめました。作者と氏の子どもが過ごす日々を、物語として純粋に楽しめる反面、作者の苦渋(こんな一言では換言できないんだろうな)もしんしんと胸に迫ってきます
★1 - コメント(0) - 2011年11月23日

ブレイクの予言詩とそれに付随するかのような現実のエピソードを集めた私小説。 非常に難解だが、大江の文学を理解するための下地がここにある気がする。
★1 - コメント(0) - 2011年8月24日

ブレイクの詩の解釈などはなかなかに難しいものであったが、面白かった。父親目線で語られる大江氏の文章はなかなか新鮮だった。「新しい世代への期待」がこの小説の主題であろう。それはラストで、筆者が障害を持つ息子、"イーヨー"を本名である「光」と表記したことに端的に表されている。
★3 - コメント(0) - 2010年12月30日

やはり障害のある息子を持つ父親の内的な葛藤と家族との対話の物語といってよいのか。 こうした小説は分析的に読むことはできず、自分たちとの相似点を通して静かな想像へと降りていく。 感動とは違う、世界の複雑さを体験する、現実という物語。
★2 - コメント(0) - 2010年8月28日

新しい人よ眼ざめよの 評価:68 感想・レビュー:46
ログイン新規登録(無料)