鬼火・底のぬけた柄杓 (講談社文芸文庫)

鬼火・底のぬけた柄杓 (講談社文芸文庫)
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鬼火・底のぬけた柄杓の感想・レビュー(42)

吉屋信子の入門書としては適当ではない非少女小説+俳人論をまとめた短編集。俳人論は対象と存命の方がやたらと聖人のように描かれていたように思う。
- コメント(0) - 2016年11月24日

吉屋信子の文章はまるで清らかな水の様に私の心に流れ、染み渡るように思えます。貧困と病に苦しみながらも歌を読み続けた俳人、才気煥発からの没落俳人...俳句にはその人の人生が等身大に染み出て、その人が生きた汗と涙と膿とが結晶してできるかと思わされました。童貞女昇天や鬼火は恐ろしさと文章の美しさでぞくぞくするような臨場感がありましたね。
- コメント(0) - 2016年8月24日

短編+俳人評論集です。印象に残ったのは一本目の「童貞女(びるぜん)昇天」。山奥の誰も寄り付かなくなった修道院で、犬と暮らす修道女の孤独な生活を描いた作品なのですが、表現一つ一つが美しい。単調な日常を描いているはずなのにもかかわらず、引き込まれるように読めました。タイトルにもなっている「鬼火」も、10ページ程度の掌編でありながら、視覚に焼き付けてくるようなラストシーンが印象的でした。
★3 - コメント(0) - 2015年10月30日

前半は怪奇幻想もの。後半は明治〜昭和にかけての、俳人3人の伝記。怪奇幻想ものはちくま文庫版と2篇ダブり。この辺は、後発のちくま文庫版の方で、ダブリをなくして欲しかった。 作品のレベルは相変わらず高い。中でも表題作の、鬼気迫るエンディングは見事。 俳人伝記の方も、単なる伝記でなく、作者の感性が強く打ち出されたものになっていて面白い。後はもう少し安ければいうこと無いんだが、260頁で1300円(税抜)は高すぎます>講談社さん
- コメント(0) - 2015年6月24日

少女小説の吉屋先生のイメージが強かったのですが、全く違う側面を知ることが出来ました。俳句に関する深い造詣、歴史や美術にも詳しく、興味深く読みました。でも、やはり童貞女昇天は一番好きです。「古き色硝子の破れた窓から月光がゆがめられて、薄い葛湯の如く流れて入って彼女の背にとろりとかかった。」なんて表現は鳥肌ものです。
★1 - コメント(0) - 2015年1月12日

短編小説7編、俳人伝3編。図書館本。 52
- コメント(0) - 2014年9月2日

全体の雰囲気が本当に気に入った。幻想的で蠱惑的、こういうの結構好きです。初めて吉屋信子の作品を読んだが、こんなに面白いものだったのですね。特に女性の描き方がいい、美と狂気と孤独と寂しさの全てが、こう絶妙なバランスで溶け合ってますね。「童貞女昇天」で火の中に、「もう一人の私」で海の中に、それぞれ入っていく場面に惹きつけられた。吉屋信子の少女小説(という括りでいいのか不安だが)、他にも読んでみたくなった。
★19 - コメント(0) - 2014年6月1日

記念すべき500冊めにふさわしい秀作だった。しっとり心の奥に染み渡る物悲しい女たちの物語。文豪怪談シリーズで既読のものもあったが、もう一度読まずにはいられない作品ばかりだ。一番心に残った作品は、「童貞女(びるぜん)昇天」。子供の頃から特殊な環境で育ったため、神に仕えることしか生きる目的を知らない主人公。読者にとって悲惨な結末も、彼女には天国への幸せな最後だったのかもしれない。宗教って何なんだろうと考えさせられました。「花物語」や「徳川の夫人たち」以外の、文豪吉屋信子をもっと多くの人に読んでもらいたい。
★21 - コメント(2) - 2013年6月17日

中学か高校の頃に読んだ短編「鬼火」の強い印象が残っていて、もう一度読みたいと思って探し出したのが本書。瓦斯集金人の男が発した男にとっては何気ない一言が、女をどんなに絶望させ、事態をどのように導いたか判明した最後の場面が視覚的に印象的で、女の思いが”鬼火”に託され、読者に訴えかけてくるようである。本書後半の俳人伝「底のぬけた柄杓」は、作者が興味を持った俳人の伝記を記すべく、資料を求めて活動するひたむきな姿勢に、作者の誠実さが伺えて読み応えがあった。
- コメント(0) - 2013年6月15日

隠れキリシタンものの変型である「童貞女(びるぜん)昇天」、女マッサージ師の不思議混じりの身の上話が物悲しい「鶴」が気に入りました。
★1 - コメント(0) - 2013年1月7日

瓦斯の集金係の言動に腹を立てつつも女性の最期が凄まじい「鬼火」は物悲しいです。ちくま文庫の文豪怪談シリーズで読んだ作品も多かったのですがやはり、物悲しくも純粋な印象です。「童女昇天」は神父の勝手な支配意識によって一人でシスターになってしまった少女が逃げてきた遊女の裸体の美しさに聖マリアからの導きを待っていたという場面が真摯で痛々しいです。尾崎放哉などの歌人の人生と歌に焦点を当てた作品も作者の歌への優しさが満ちていました。
★13 - コメント(0) - 2012年4月12日

少女小説から踏み出して、幻想的、あるいは怪奇的な作品集。尾崎放哉を扱った「底のぬけた柄杓」、幻想的な「鬼火」がよい味。
- コメント(0) - 2010年1月9日

★★★★☆
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