神の道化師・媒妁人 (講談社文芸文庫)

神の道化師・媒妁人 (講談社文芸文庫)
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神の道化師・媒妁人の感想・レビュー(37)

家出、投獄、電鉄会社、実際の体験がベースにあるので描写がリアル。そこに起こる出来事と人間をドタバタとひやりとするブラックユーモアで描く。キリスト教に入信後の作品で、背景には信仰が色濃く感じられるが、表面上はわからず、そんなこと意識しなくても面白い。パウロの否認を連想させる「神の道化師」は、読後しばらくしてジワジワと心に沁みる。「媒酌人」として徒労感を覚える主人公はまさにイエスその人。実体のない女からの返事を待つ「カラチの女」の最後のセリフには思わず笑い共感した。丁寧な解説が助かった。他の作品も読みたい。
★2 - コメント(2) - 2016年5月4日

ふッと始まりふつりと終わる物語の滑稽な哀しみよ。
★11 - コメント(0) - 2016年3月3日

『神の道化師』には並々ならぬ死への恐怖が感じ取れた。もちろん、フィクションではあるけれど、主人公が王城に生活を求めて、善やんを捨てて生きていく様は、そうせざるを得ないほどの貧困と現実を突きつけられた、幼少気の椎名麟三がちらついて仕方がなかった。善やんが悪い、それは生にしがみつくことのできない腐肉だから、いや、それは逆に「愛情」を知らない主人公だからこそ発した複雑な心境なのか、もうこの自己対話的読書感想にほとほと疲れた。
- コメント(0) - 2016年1月29日

<真実のユーモアというものは、人間の知性や悟性が、破滅するところから生れて来るのだ…>―その実践としての短篇.極限状態で,自己を突き放して見ることで生れるユーモア,というのは私小説の真髄にも一脈通ずるものがあるのではないだろうか.情況の過酷さと描写のリアリティの点から,「神の道化師」と「紙縒りの紐」を推す.
★23 - コメント(0) - 2014年8月24日

無力感、脱力感をひしひし感じる短編集だった。表題作、『神の道化師』は生きていく罪深さと滑稽さが鼻に来る。汚れや、悪臭を感じる作品。『媒酌人』は現代にもよくある餌付けさんたちみたいな感じで苛々したけど、責任だとか文化人らしさだとかに縛られた哀愁が憐れじみてる。
★1 - コメント(0) - 2014年2月15日

「しかしそのほかに、ごたごたした、消費物資のなかに入るのかどうかも判らない、得体の知れないものが散乱していたようだった。彼は考えた。人間というものは、得体の知れないものを、得体の知れない方法で消費するのかもしれない。彼は長い間、何かに迷っていた。どう考えても人間も物資の一つにちがいなかった。」
★1 - コメント(0) - 2012年9月11日

太宰治の次に自殺するのは彼だと言われながらキリスト教に入信し生を全うする。入信後の短編集。「道化の神」が自伝的要素が強く引き込まれる。
- コメント(0) - 2011年8月29日

どれも面白かったんだけど、「媒酌人」と「ある不幸な報告書」が特に好き。もっと読みたいなあ。もっと文庫出ればいいのになあ。
★2 - コメント(0) - 2010年4月25日

「媒酌人」がとにかく面白かった、ものすごく図々しい奴が勝手に家に入り込んで、我がまま勝手に振る舞い、やがて家の主人の立場を追い落としてしまう、というプロットは何かカフカっぽい。貧乏臭さとカフカ的不条理が結びついた抱腹絶倒の世界。
★3 - コメント(0) - 2010年4月6日

重き流れの中に、美しい女に比べると重苦しさのトーンが低く、ともすれば濃度が足りない気がします。だけど解説にもあるようにユーモア小説なのだと、ユーモアとはフロイト曰く超自我が苦境な時に「なんでもないんだよ」という励ましだそうです。苦しい中で生きていくことは道義的だと聞きました。過酷を強いる現代にはうってつけではないでしょうか。
★1 - コメント(0) - --/--

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