ミノタウロス

ミノタウロス
286ページ
573登録

ミノタウロスはこんな本です

ミノタウロスを読んだ人はこんな本も読んでいます

夜行
5851登録

ミノタウロスの感想・レビュー(375)

成り上がり地主の息子が、財産、身内、他もろもろを奪われ、殺戮と略奪の限りを尽くしながら惰性で生きていく話。こう書くとそんな感じしないけど、かなりカッコ良かった。結局何が言いたかったんだと小首を傾げる読者の顔面にライフルをぶちこむ気迫。若干の光明が射しはじめたのにウルリヒと逃げる展開にして終わらなかったあたり好感が持てる。
★5 - コメント(0) - 2016年2月16日

★★★☆☆ 数年前に本作の評判を聞き挑戦したものの、文体と舞台設定に慣れることが出来ずその時は挫折した。今回は何とか読破したものの、やはり文章は苦手だし、横文字ばかりが並ぶ人名を覚えるのにもほとほと苦労した。その一方で、やはり傑作といわれるだけあるなと思える出来ではあったが、面白かったという感想が馴染む類の物語ではないとも感じた。革命の起きた時代が民衆の立場から描かれるのだが、そこには政治的な問題などは廃され、何か人間の本能的な部分を見せつけられたような生々しさがある。一人称も相俟ってリアルさ満点。
★48 - コメント(0) - 2015年12月30日

世界史に関して無知すぎて、物語を理解するために必要な前提知識ぜんぜん無い状態で読んでた。それでも格好よくて美しくて面白い小説だってことと、ウルリヒがすごい萌えキャラだってことはわかった。
★2 - コメント(0) - 2015年3月8日

革命下の大混乱したウクライナ。地主の息子の無軌道な暮らしが、地所を追い出されて、略奪と殺人一辺倒になっていく様子に身震いした。それでも、少しは人間的な情があったような描写に、結局この人は何だったのか、と思う。荒廃した時代背景がとにかく興味深い。
★4 - コメント(0) - 2015年1月23日

吉川英治文化新人賞受賞ということで読んでみた。まず、女性作家とは思えない文体に驚く。重苦しく、閉鎖的な世界観に今度は日本人が書いているということも忘れさせられる。主人公含め、 目をそらしたくなる人間の醜悪が多方面から迫ってくる。それもあまり罪悪感や自己を振り返る描写もなく。この物語で一番面白いのは、これだけのスケールの人生のなかで、主人公が成長するわけでも堕ちていくわけでもなく、最初から最後まで一貫して、彼の本質が変わらないという救いのなさだと思う。
★5 - コメント(0) - 2015年1月21日

佐藤亜紀は「戦争の法」を知り合いに勧めて貰ってハマったんですが、一気に覚めた作品です。うーん出来がいいんですが、余りに作者の知識のひけらかしに萎えました…ピカレスクとか帝政ロシアのウクライナとか、作品の臨場感はいいんです、もうどうでも!この作家は造れるんだから。個人的には「仏作って魂入れず」な感じが端々から感じでイヤーな読後感でした。関係ないんですがアニメ監督の押井氏の「スカイ・クロラ」を見た後の印象と同じでちょっとイヤーん、この作品の後は一切読んでませんw
★1 - コメント(0) - 2014年9月18日

この臨場感はどこからっっ?!物語自体に興味はわかないのですが、亜紀さんの筆力に脱帽、魅せられたまま読了。まるでその時代、その国で生きた人の日記の様な強烈な匂いがする。この筆力にまた酔いたいです。
★6 - コメント(0) - 2014年7月1日

ミノタウロスというのはギリシャ神話に登場する、迷宮に住む首から上が牛の男ですが、こちらの舞台はウクライナ。社会的背景としての戦争は登場するも、描写されるのは主人公を中心にしたミクロな世界。しかし主人公の無機質的な視点から、戦争や社会の混乱によって治安や秩序が崩壊した後に残る欲望と暴力の跡をこれでもかというほど書き出してある。全てを見下したような主人公ですが、読み進めるとお前が言うなよと思うくらいに主人公もクズな三下なのがわかります。体は人でも頭が獣。ミノタウロスというタイトルがピタリと当てはまる話です。
★13 - コメント(0) - 2014年5月20日

革命前夜のウクライナ地方(タイムリー?)を舞台にした悪漢小説であり、主人公の成長を描いた教養小説のようでもある(古典的な意味でのものを想像されるとまったく異なるが)。主人公の父親はひょんなことから地所を手に入れ、地主となって成り上がる。革命の雰囲気が高まる中、屋敷を焼き討ちされた主人公は、ドイツ人のウルリヒと、のちにフェディコを加えて、乱世を生き抜いていくが……。作者が読書というのはせいぜいが高尚な趣味というに過ぎないというようなことをどこかで述べていたことを思い出す。風変わりな人生を生きた気分になった。
★4 - コメント(0) - 2014年3月9日

戦争モノかと思っていたが、予想に反し悪童日記のようなピカレスクだった。アタマはケモノ、カラダはヒト。主人公よりもウルリヒの方がミノタウロス的かも。ココロかカラダに属するものだとしたら。
★5 - コメント(0) - 2014年2月15日

何か想像してた内容と違ったな。もっと、ノワール色が強いのかと思った。「ライ麦畑でつかまえて」の主人公を想起させる語り部に全く共感も出来なければ、物語にカタルシスも何も感じない中途半端な内容だった。
★8 - コメント(0) - 2014年2月2日

ドストエフスキーで主にロシア人イメージを作り上げてきたせいかロシア人はクズばかりだという先入観がある。
★2 - コメント(0) - 2014年1月7日

ロシア人の古典文学を日本語訳したものと言われても違和感がないほど、ロシア文学。 前半の閉塞感、停滞があるからこそ後半物語が進み始めるとその対比で惹き込まれる。 この物語は、半獣半人の怪物の名を冠するに相応しく人とは何かを問いかけてくる。
★5 - コメント(1) - 2013年11月24日

ロシア革命時期に生きる若者の話。人間の脆さと醜さを、物静かなタッチで描いている作品で、主人公が凍える大地で無感動に日々を送っている世界が、生々しく伝わってくる。ページ数は大した事ないのに、読了後、でっかい石を胸に抱いているような気分にさせられるのは何故だろう??
★12 - コメント(0) - 2013年11月16日

正直、最初の描写は退屈でしたが、読むにつれ引き込まれていきました。主人公が本能のまま生きていく姿が生々しく、あっけない終わり方でもありましたが、読み終えた今でも興奮が収まりません
★3 - コメント(0) - 2013年10月9日

社会という名の秩序が崩壊し檻が壊れてしまえば、たちまち人は人間という名の動物に戻り、開放された獣の群れになり果てる。本能の赴くままに野を駆け回るのはさぞ快いことだろう。自らをそのような獣と自覚した青年が、それでも棄てきれなかった人間の理性ゆえに破滅の道をたどる。滑稽でもあり、たまらなく悲しくもある。人を人たらしめるものとは何か。「獣」と言いながら、人の行いと狂気は野生動物のそれとは明らかに異なる。混迷の世界に放り出され、駆け抜けた青年の物語。うだうだ考える奴は生き残れない、それが世の中というもの。
★5 - コメント(0) - 2013年9月19日

★★☆ はじめての作家さん。最後まで救いがなかった。。ハッピーエンドが好きな自分としては読んでいて暗くなるのが今ひとつはまれず。しかし、語り口が独特なゆえか、最後まで読まなければ、と思わせる魅力は十分にあった。
★3 - コメント(0) - 2013年8月11日

文章が素晴らしく、混乱状態のロシアの地主の息子が翻弄されるさまが手に取るようにかんじられ、最後まで読書に没頭できる出来なのだが、どうも読了後残るものがない。なぜだろうか。主人公が中二病をこじらせてる感じだからか。|図
★5 - コメント(0) - 2013年6月5日

【ミノタウロス】車輪と軍歌はえさほい、えさほいとこの戦車をひきづる。死生観などこの場では無意味だ。作者の文壇批判は実にこの「ある疑惑談」を不謹慎ながらも逆利用引用するという最重要皮肉を込めている一作。芥川賞の幻想性を残念ながらも国文学腐敗と見出したこの作家は従来にルネサンス引用が「蝕」モチーフを既に浴びる程ダンテから導き出していた事実を知っている。太陽/月がイシュタルより伝承されていることも周知でこの文学窃盗論は古代ユダヤ教の神秘主義象徴《メルカバー》をカバ、何とまあレヴィアサンだと定義する知的狡知嘲笑。
★21 - コメント(0) - 2013年5月29日

本書は内戦期のロシアを舞台にしている。 内戦が起こり、それまでの価値観が崩壊する。そして、目先の利益を求めて人々は白軍と赤軍の間を立ち回る。無節操な暴力、荒廃した性。それは、内戦と言う出口のない迷宮に閉じ込められ人間性を失っていく人々の物語となっており、作者はそれをミノタウロスに例えたのだろう。 バルタザールもそうだったが、前世紀の半ばに時代を体験したロシア人作家が物にした傑作といわれれば信じるだろう。むしろ、現代日本人女流作家の作品だと言う方が、ずっと嘘くさい。
★7 - コメント(0) - 2013年5月23日

面白かった。久しぶりに文芸を読む楽しみというか、読み進めるうちに感覚を鋭くされていくようで満足。歴史に残る時間が、一人の人間の目線が届く範囲だけで語られるというかっこいい作品だった。語り手が認めないことなど、描かれていないものがたくさん書かれていて、再読したらまだまだ面白くなりそうで楽しみ。
★5 - コメント(0) - 2013年1月28日

救いようのない物語でした。ロシア革命後のウクライナ地方の時代背景とか何一つわからないまま読み終わりましたが、なんだろ、疲れたw400ページにも満たない本なのに、1000ページぐらい読んだのではないかとゆーくらい。本当だ、他の方々が書かれている通り、これ誰が語ってんの?主人公は最後は死んでないの?どこの場面が感動とか嫌悪とか、不思議とそんな印象は残らないが、久しぶりに心の奥深い部分で感じれる重たい小説でした。こんな本は重宝。
★19 - コメント(0) - 2012年12月21日

2回目。マリーナについては明らかな嘘を吐いているヴァシリ・ペトローヴィチという語り部。不思議なほど強烈な嫌悪と、珍しい視覚的描写とくればもうね。どうして己の死の場面を語れるのか、とか気になるところは色々と。
★4 - コメント(0) - 2012年12月18日

なんのために生きるのか。生きるとは何か。 自分は? と考えてしまった。
★2 - コメント(0) - 2012年11月15日

馬人が畑を耕すファンタジーだと思ったら、人にも獣にもなりきれない少年の話でびっくりした。会話に鍵括弧が使われないので少し読みづらかったが、淡々と話が進んで面白かった。
★4 - コメント(0) - 2012年10月1日

人間の条件って???
★1 - コメント(0) - 2012年9月24日

PSV
ピカレスクロマン、とでもいうべきだろうか。善意だったり誠意だったり、良心の一切がなく、無機質無感動な人物たちが、凍えるような大地を背景に、無慈悲な無意味な生き方をしている、そんな世界観。すごくシニカル、ニヒリズム溢れる文体と、圧倒的表現により、“怪物”の化けの皮を剥いでいく過程は非常にスリリング。ミノタウロスとは、人にも獣にもなれない半端な存在、だそうだが、それ以上に、理性をもたない世界という迷宮を彷徨う存在、そこに閉じ込められた乱暴者、の意味なのかもしれない。  ★★★★☆
★49 - コメント(0) - 2012年9月5日

見かけよりなかなかボリュームがあって、読みごたえがあった。正直固有名詞に戸惑って時間がかかった。
★5 - コメント(0) - 2012年8月17日

ページ数はそんなに多くないのにかなりのボリュームがあったような読後感です。ハッピーエンドにならないことはわかっていてあまり好きなタイプの話ではありませんでしたが、つい最後まで読んでしまう話でした。
★8 - コメント(0) - 2012年8月3日

再読。純化された本質の具現化たる兄が、人間の顔を失った怪物=ミノタウロスを意識して描かれているように、本作は、人間としての表面を喪失し、本能のみで生きる者を描いた作品ではないだろうか。物語後半、ウルリヒ・フェデリコ・語り手の道行きは、ともすれば牧歌的で、幸福感にあふれたものに映る。だが、ではその幸福感の裏にあるものは何なのかと問われると、何もない、明るい空虚さが存在するのみに思えた。人間の最奥部には本能があり、その奥には何も存在しない、本能を晒してしまえば、最早見せるものなど人間には存在しないように。
★6 - コメント(0) - 2012年7月19日

もっとひろがりのある結末かと思って読んでました。新潟弁?がよくわからなかった。
★2 - コメント(0) - 2012年7月11日

主人公がそれほどケダモノとは感じなかった。一地方から見れば、革命もただの混沌でしかない、そんな時代に生きたのが彼の不幸。現代の日本ならば、そこそこの世渡りをして生きていくのだろう。マリーナに対する屈折した恋心が興味深い。
★5 - コメント(0) - 2012年7月6日

286ページですが、600ページくらい読んだ気がするほど濃密な文章。佐藤亜紀さんの本はいつもそうだけど、読み終えてから暫く立ってから、心にズンとくる。
★8 - コメント(0) - 2012年5月27日

ミノタウロスという表題は、主人公が化け物である事を示唆しているのだろうか。しかしその周囲にいる者達も、典型的な略奪者──原始時代から何も変わらない、強姦と殺人が世の中の全て、というような剥き出しの人間ばかりだ。周囲の環境が人格を形成するのであれば、我々とてこのような紛争状態に置かれた時、同じような本来の姿に立ち戻ってしまうだろう。単に運が良かったのでそうなってはいないが、ほんのわずかばかりの油断で、こうなるのだ。私はそれを防ぐ手段を知っているつもりだが、誰もその言葉に耳を傾けないであろうことも知っている。
★6 - コメント(0) - 2012年5月22日

救いの無さと疾走感
★2 - コメント(0) - 2012年4月5日

★★まぁひたすら退屈で苦痛な時間だった。おそらく悪漢(ピカレスク)というか、無法というか、時代や場所にかかわらず、合う人には合うのかもしれないが、この手の類の小説は、少なくとも私には合わない。昔読んだ船戸与一の「砂のクロニクル」を面白いと思うなら、この本は相当面白いのであろう。
★8 - コメント(0) - 2012年3月14日

たいした作家だと思うが、文章が読みにくいというか、場面が次々あっさり展開するため読み返しが多くなり、読むのが、はかどらない。荒野を彷徨しながら、むき出しの暴力の中に好んで生きる主人公も、徹底した悪ではないので、悪や暴力に対するメッセージ性も特にないような。まして白衛軍、赤軍の戦いに巻き込まれた人を描く歴史小説とも言い難く、結局、当時のこの地域の雰囲気を再生することを目的としたマニアックな作品かもしれない。淡々とした書き方は、読み手の情感がわきおこるものはなにもなく、それが狙いだろうか。かなり、しんどい
★6 - コメント(0) - 2012年3月11日

正直、僕の国語力ではこの作品を読み切るのはしんどかったです。ロシア革命前後のウクライナを描いた文学作品で、そういったマイナーな国・時代にスポットを当てたのは面白いし、しかもよくあるヒーローものではなく、この時代を象徴するような混沌とした社会の悪の部分が巧みに描かれています。ただ、冒頭に述べたようにかなり読みにくい作品です。
★4 - コメント(0) - 2011年11月18日

佐藤さんの本ひさびさである。ウクライナの成り上がり地主の息子を描きつつ、というところなのだけれども、ロシア作家とか具体的にはバーベリとかの作品を読んでいたときのような感覚があって、つまりは妙にリアリティに富んだ作品にあいかわらずしあがっていた感じ。飛行機の解放感、躍動感みたいなものはすごいな、と思った。語り手の視点が不思議でもある本だったかも。読みながら、史実なのか、フィクションなのかわからなくなるような感じはある。
★4 - コメント(0) - 2011年10月13日

ミノタウロスの 評価:70 感想・レビュー:106
ログイン新規登録(無料)