宿屋めぐり

宿屋めぐり
610ページ
515登録

宿屋めぐりはこんな本です

宿屋めぐりを読んだ人はこんな本も読んでいます

夜行
5896登録

宿屋めぐりの感想・レビュー(321)

「宿屋めぐり」とは魂の彷徨、輪廻。自分は一体何に立脚するものか、ある男の独白を通して描く。思うと、一人称の物語とは奇妙なもので、わたしたちは同一人物によって語られるものと読み進めるけれど、しかしその前提がこの小説では、それこそくにゅくにゅ崩れ去る。これでもかとデフォルメされた描写が、人間の弱さや浅ましさといった真を突く、町田作品の真骨頂も堪能した。疲れた。読んでいて苦しく終始胸の底がじくじくした。主への恐怖心と執着が「正義」に転換する様は身近に恐ろしく、殊に珍太との場面は凄まじい。『告白』と並ぶ大作。
★3 - コメント(0) - 3月8日

独特の文体。常軌を逸した世界観が訳七百頁に渡り描かれる。色々なレビューを見ても特に指摘されていないが、そもそもこの壮大な物語が小説冒頭の男の想像界での出来事であることを見落としてはならない。であれば冒頭の彼と鋤名彦名とが同一人物かどうかは当然保留されるべき。更に小説の末尾の男も冒頭の男と同一でないことは比較して明らか。物語の構造は重層的なのだ。作品世界の自意識は「主」によって描かれたものだとすれば冒頭と末尾の男はそれぞれ「主」によって描かれた「微妙なところが違っている」記憶同士なのだという読みを提案したい
★4 - コメント(1) - 1月25日

ルンの本名はためすものこ。主人公がそこで気づかないのはどういうわけか。読者に先に気づかせるのは意図したものか。記憶はすべて主に書かれたもの。諦めないから主は諦めた者。今はまだわかりませんが、自分の人生と重なるところがたくさんありおもしろかった。
- コメント(0) - 2016年12月8日

もしも聖書の登場人物が一般人だったら。みたいな設定なのかな。答えが分からないけど、おそらく試されてるのだろうと思いながら決断するのは、ものすごく大変な事で、自分の価値基準や、経験で得た答えなんて簡単にぐらついてしまう。しかももし間違えてたら、ものすごい凄惨な罰を受けるんだから、生半可な決断なんて絶対できない。あまり良くない現状を肯定しまうのは、罰への恐怖からか。主人公は、自分の都合良いように考え、簡単に欲望に屈してしまいながらも、それすらも包みこんで、自己を肯定する。ここから僕が得るべき答えはいったい何?
★14 - コメント(1) - 2016年11月10日

ナイスだす。こういう物語が書ける作者は凄い。一神教も多神教もない道徳観と人の業とを抉り出した小説。人は弱い存在なのですねー。
★4 - コメント(0) - 2016年8月22日

N
べらぼうに面白かった、が、最後の方ちょっと解らず。あの世とこの世の嘘と本当。俺僕私自分
★1 - コメント(0) - 2016年6月12日

町田康にしか書けない、独特だけど妙に実感のある、確かに実在する感情の奔流。実は自分は物語のしょっぱい登場人物(モブ)のひとりで、いくら筋書きを訂正しても結局言い訳をごやごやする自己愛にまみれた感じになるのかなぁとぼんやり感じたような感じなかったような。長くて読むのが途中から辛かったけど、ラストシーンでおおっ!となる。宿屋めぐりってそゆことね。台詞の擬音がめっちゃ面白くて笑った。
★19 - コメント(0) - 2016年5月5日

再読。主人公のことを馬鹿だなと思いつつ、この話が自分にとって手放せない物語なのは馬鹿ゆえに社会と仲良くできない自分だからこそなんだろうって、悔しくも思う。
★4 - コメント(0) - 2015年11月26日

町田康ワールドにハマっちゃった(笑)。頭のなかぐるんぐるん饒舌こそ欺瞞をあぶり出す言語からのアプローチなのかも(笑)。
★2 - コメント(0) - 2015年10月27日

再読。やっぱり面白い。面白かった。
★2 - コメント(0) - 2015年8月5日

純小説。小説そのもの。物語の物語性に穢される以前の純粋で詩的なエネルギー。今まさに産み落とされた命、その瞬間の耳を劈く産声。著者の小説は、いつも私にとってそのようなものであり、いつも私は宇宙のインフレーションを思い起こします。描かれているのは人間そのもので、それは煩悩、欲望でしかありません。私利私欲、ならば世界は爛れるしかないのでしょう。残念ですが、それが人間、それが世界です。主人公はそんな世界を永劫回帰します。彼は超人でしょうか? 彼はこんな世界さえ、肯定することができるのでしょうか?
★5 - コメント(0) - 2015年5月26日

長い。が、終盤の畳み掛けが非常に良かった。無害な人間をどつきまわしたくなる衝動、決して満たされない。
★2 - コメント(0) - 2015年3月23日

背骨というのか基礎地というのか、そういうしっかりした土台のようなものがあれば、いくら脱線があっても、粗いところがあっても、小説が破綻することはないのかもしれない、と読んでいて思った。宮藤官九郎監督の映画『真夜中の弥次さん喜多さん』をちょっと思い出した。
★1 - コメント(0) - 2015年2月22日

3ヶ月かかってやっと読了。こんなめちゃくちゃをよく600ページも続けられるものですな。『告白』よりずっと中身がぐちゃぐちゃで話しらしい話ではない。「白いくにゅくにゅ」に包まれて別世界にいくあたりの描写、まったくイメージできなかった。めちゃくちゃながらも、文章の滑稽さに何度も笑わされた。でも内容は終始狂気、グロテスク。最後に突然シリアスで哲学的になり、頭をかき乱され、戦慄。タイトルと表紙に意味にはちゃんと意味があったのね。非常に読みづらかったけど根気強く最後まで読んで良かったと思う。
★3 - コメント(0) - 2014年12月22日

最初の辺りは笑いをこらえるのが大変で楽しくスラスラ読めてたけど、だんだん主人公と一緒にどつぼに嵌って抜けられない状態で最後までなんとかやっとたどりついた感じ。やっぱりちょっと長かったかな?
★1 - コメント(0) - 2014年9月28日

★★★ 「告白」に比べると非常に劣ると思う。氏名・地名など、初出は振り仮名欲しい。ぼくの知能では、すべての暗喩が読み解けなくって、いちいち考え立ち止まるのがもどかしいし。
★1 - コメント(0) - 2014年8月28日

★☆☆☆☆長長長編小説。執筆に7年掛かったそうです。だから、、、?!
- コメント(0) - 2014年8月4日

読了感でいっぱい。正義とは、真正とは、といったことを我が身の窮地においては訴えるくせに、それを脱するとすぐに酒を飲んだり女を買ったりしてしまうクズで愛くるしい彼の言動に心が寄り添う。「どんなにだめな奴でも自分が自分でなくなるのは嫌で、人間というのは驚くほど自分が好きなんだね」ほんとそのとおり。
★3 - コメント(0) - 2014年3月1日

町田節炸裂。610頁にも及ぶ長編を読み終えるのには時間がかかった。相変わらず出て来る主人公は、馬鹿で屑で失敗を他人のせいや周りのせいにして、グダグダと自分を正当化して結局自分の都合のいい方に逃げて最後はいっつもグチャグチャになって、でもそんな姿を見ていると、自分もこういう所あるよなぁと妙に共感してしまうのはさすが町田さん。でたらめであり得ない世界観なのに、人間臭さや現実の世界にも存在しそうな人達の描写が妙にリアルだ。おまえは今、贋の世界に生きているという感覚を持っている。となるとおまえはこの世界であらゆる
★20 - コメント(1) - 2014年1月24日

再読。まずまずハッピーエンドなんじゃない?と思うのは私だけか? 「ピクニックもろくにいけないような人生に何の意味があるのだ。そう思って俺は就職をしなかった。」このただ就職したくないだけじゃんの思考回路がまずいよねー。と思いながらも何気に町田さんの本の中で一番親近感がわく主人公。 後ろめたさや恐怖心からどんどん嘘を重ねてどんどん偽物っぽくなっていく。 「主」は嘘は嫌いだと言われた。でも嘘のない世界ってどうなの? みんなが本音しか言わない街の話を思い出した。(タイトルなんだっけな)
★5 - コメント(0) - 2013年8月29日

ii
★★★★
- コメント(0) - 2013年8月26日

うーん...長かったぁ、610ページかぁ。半分読んで続行か放棄か迷った本は久しぶりだった。いわゆる「股旅物」だが義理人情というものはそこには存在せず、ほとんど総ての登場人物が主人公に害をなす人たちでそれもあってか主人公も性根が腐りかかっているのだけど、唯一絶対神である「主」のある依頼により切れ切れな旅を続ける物語。展開はドラスティックなのかもしれないけど、いつもの感じで溢れ出る思念がハンパない量のため、その部分の描写を読んでると物語の筋を忘れてしまうほど。しかし終わりなき旅に終わりがあって本当に良かった。
★8 - コメント(0) - 2013年8月26日

あらゆる世界で周りの人間に裏切られ続けながらも、ダメ人間ならではの前向きさ、的なもので状況に合わせ合わせで乗り切っていく主人公が良かった。町田さんが表現する言い訳がましい自己正当化が好きなのかな。
★3 - コメント(0) - 2013年8月26日

再読。物語というより文章やらなんやらを楽しむ小説だと個人的には思う。そういった意味ではまさしく文学なのかなとは思うもののそもそも文学がどういったものなのかと説明できるだけのインテリジェンスな頭脳を持っていないし知識もないし知ったかぶりで書くと文学とはなんぞやという問に少しの間違いもない解を出せる人に怒られるので感想は一言にまとめたいと思います。二度目でもとても面白かったです。
★2 - コメント(0) - 2013年7月12日

再読。あれ、こんな話やったっけ。「パンク侍」と混乱している。分厚いのですが、展開もあまりなく、ただ、無意味な地獄めぐりと不毛なモノローグの集大成。文体だけで読ませる。文体小説。
★3 - コメント(0) - 2013年7月6日

6点
- コメント(0) - 2013年1月1日

「主」をただひとつの拠り所に、名を変え一人称を変え態度を変え、時には顔まで変えして、のたくりながら緩慢になだらか坂を転げ落ちていく鋤名彦名。嘘、建前、欺瞞に満ちた世の中で、公明正大、清々しい顔して生きられる人が一体どれだけいるのか分からないが、鋤名彦名の瞞着や自問自答、都合のいい「主」の解釈に、はははと笑いながらも背中をつーと冷や汗が流れるような後ろ暗さを覚える。自分の中にもまた「主」のような規範は存在し、しかもその都度、誤魔化しながら生きている。何故だか無性に理不尽だと叫びたい。責任の所在を追求したい。
★17 - コメント(0) - 2012年11月7日

自己について、他者について、その双方の欺瞞についての迂遠な語りという点ではいつも通りの町田康なのだけど、そこに〈贋の世界〉と〈主〉という要素が加わり、自己他者欺瞞の迂遠な語りに拍車をかけ、目が血走るほどに目の前の世界を凝視しながら非常に示唆的でもあって、そのくせあほでもある。面白い。が、展開にしろ文体にしろいつにも増して冗長で、その挙句に迎える結末に達したとき、なんやねん。なんやねんこの小説。なんやねんこの小説を読んだ俺の時間、ひいては人生。と、思わなくもなかった。
★4 - コメント(0) - 2012年10月7日

このぶっ飛びな展開。町田節全開。 しかし、個人的には告白の方が好みです。
★1 - コメント(0) - 2012年9月19日

解釈がむずかしい。主は神か何かの隠喩なのだろうか。
★1 - コメント(0) - 2012年5月4日

読んだ感想は作者自身が最後に書いてた「なにもかもは良い感じ」に集約されてると思う。全体通してぐにゃぐにゃしてていつの間にか終わってた。
★2 - コメント(0) - 2012年3月20日

同著者の作品『告白』の主人公熊太郎は自分と外界とのズレから抜け出すことが出来ず孤立、そして破滅へ、といういわば一貫して熊太郎は熊太郎であり続けたのにたいして、本書『宿屋めぐり』の主人公鋤名彦名は外界に上手く(?)適応し人格や口調を調整し幾つもの人格を抱えたまま世を切り抜けていくことができた。でもそんな鋤名彦名の最後は熊太郎よりも良かったのかというとそうでもない。彼の魂は永遠に宿屋めぐりを繰り返すよりほかないのである。どこまで読めているのかわからないがとりあえず言えることは、間違いなく面白い、ということ。
★5 - コメント(0) - 2012年1月2日

終わらない夢。繰り返す繰り返す現実。
★2 - コメント(0) - 2011年12月12日

この作者のの本には世界の嘘を糾弾するというか、笑い飛ばすというか、笑い飛ばして糾弾するといった側面があったと思う。そして、この本にもあると思う。しかしこの本にあるのは笑い飛ばして糾弾しようとするよりは諦めであった。猫のように強くは生きられないという諦め。
★2 - コメント(0) - 2011年8月25日

テンポが良くて、ややこしくて、心地良い町田節。自意識過剰な主人公は「告白」と共通するけど、必然的に物語の終着点が決まってる「告白」と違い、終着点が分からぬままあらぬ方向に迷走する「宿屋めぐり」。雑然とした文脈と物語に主人公とともに翻弄されていく。これが「宿屋めぐり」の楽しみ方ではないでしょうか。
★2 - コメント(0) - 2011年6月13日

途中でやめた。
- コメント(0) - 2011年5月6日

『旅のラゴス』に『航路』を足して、聖書のパロディを隠し味に、町田節で味付けしました。って感じの作品。最後の数枚を書くために、500枚以上の壮大な前フリをしちゃうってのが凄い。しかもその文章がぐいぐい読ませる文章だから参ってしまう!
★4 - コメント(0) - 2011年4月27日

開始から数行の時点で設定がふわふわしてて、なんだこれと思ってたが、固まることはなかった。最後と関係してるし面白いからいいわけだけど。何の意味もないという意味があるというのは意味のないことで本当に意味のない面白い物語で物語というものはそもそも意味がなくて
★2 - コメント(0) - 2011年4月17日

主との対話、生きるとは…。
- コメント(0) - 2011年2月18日

宿屋めぐりの 評価:58 感想・レビュー:91
ログイン新規登録(無料)