ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち

ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち
あらすじ・内容
 戦後の約20年間、台湾において旧大日本帝国軍人による大規模かつ組織的な軍事支援がおこなわれていました。密航して台湾に渡り、蒋介石の軍事顧問となった彼らは「白団」と呼ばれました。その名はリーダーを務めた元陸軍少将・富田直亮が「白鴻亮」という中国名を名乗っていたことに由来します。
 しかし、よく考えてみれば旧敵たる蒋介石を、どうして日本人たちがさまざまな危険を冒して海を渡って助けなければならなかったのでしょうか? 逆に、どうして日本の旧軍人たちに助けを乞いたいと蒋介石は考え、実行に移したのでしょうか? 蒋介石のいわゆる「以徳報怨」演説と敗戦国日本への寛大な政策への恩義、反共というイデオロギーでの一致、日本人の勤勉さへの蒋介石の畏敬の念……。さまざまな要素が絡まりあって史上例を見ない不思議な軍事顧問団が形成されていったのです。ただ、そこには当然、それぞれの思惑、建前と本音が存在しました。本書は足かけ七年を費やしてアメリカ、台湾、日本に散在する未公開資料を渉猟し、関係者を取材した記録です。蒋介石という政治家の実像と白団の等身大の姿が、いまはじめて浮かび上がってきます。

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ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たちの感想・レビュー(34)

戦後、台湾に渡り蒋介石国民党の軍事顧問団として、秘密裏に軍人教育等に従事した旧日本軍人で組織された白団の活動を通して、日台中の歴史を見つめ直す意欲作。単に白団の果たした役割を美談的に描くのではなく、組織内の人間関係の対立、金銭面の値上げ要求や、白団が台湾社会に及ぼした負の側面等も含め多角的な視点から考察がなされている。又、個人的に台湾へ渡った根本博の金門戦役での貢献度合いに疑問符を投げかける点も興味深い。しかし何と言っても蒋介石と日本との深い結び付きが改めて印象に残った。 
★12 - コメント(0) - 2016年7月7日

存在をどこかで読んだ「白団」の活動を資料に基づいて詳述。蒋介石の人となりから始まる冒頭はやや冗漫に感じてしまったが、読み進むうちにそこが生きてきて、著者の周到な構成力に感服。蒋介石の「以徳報怨」演説は有名でも、その恩義を感じた日本軍人が蒋介石・国府軍に協力するという単純な図式だけでは、「白団」活動が20年近くも続いたことを納得できなかった。守るべき国を失い期待されざる者になった旧軍高級将校にっとって、終戦詔勅で戦争は終わらなかったのだと教えられた。一級の史料だった。
★3 - コメント(0) - 2015年11月7日

興味深かったのは以下の三点。第一に蒋介石が「白団」を正当化するために、孫文の「大アジア主義」を根拠に対日連携を掲げたこと。これは国府軍内部は無論のこと、白団の旧日本軍人、特に「支那通」軍人たちにも受けが良かったのかなと想像した。第二に、白団の一員である戸梶金次郎の日記。白団軍人の心の動きと暮らしぶりは読み応えあり。第三に白団が国府軍の再建と動員体制の構築に大きく関与したという指摘。本書は、膨大な史料と足で稼いだ取材成果を元に手堅く書き上げられており、文章も読みやすかった。良書!
★2 - コメント(1) - 2015年10月18日

[異形の残響]日本と中国の関係を中途半端に大きな枠や言葉で括ると、必ず見落とされるものがあるということを痛感する作品。不勉強にして「白団」の存在を知らなかったのですが、その影響力の大きさや長期間に及ぶ活動に驚かされるばかりでした。記者を勤め上げられた野嶋氏だけに、丁寧かつつぶさに「白団」の活動を浮かび上がらせていく記述には静かな興奮を覚えました。
★1 - コメント(0) - 2015年7月8日

戦後台湾に渡った旧日本帝国軍人たち、「白団」の活動を追った一冊。彼らは、「清朝、日本、蒋介石の国民党と、わずか百年のあいだに三つの「外来政権」に統治されてきた」台湾という場所の歴史的な複雑さを背景に、朝鮮戦争と当時の政治・社会に巻き込まれた人々であり、終わらなかった戦後を生きた人々でもある。戦前・戦後はけして分断されたものではなく、連続性を持つものであったことがわかる。同時に終戦後すぐに「以徳報怨」演説をおこない、かつての敵である日本の助けをもとめたのかなど、証言と資料から蔣介石の行動の真意も探る。
★11 - コメント(0) - 2015年7月4日

台北の誠品書店で平積みになっていた。軍事で解決は過去のことと考えがちな日本より、台湾での蒋介石の評価(西側として繁栄維持)は切実な話題だろう。民進党政権になり危険を感じた遺族が米大学に蒋介石日記を寄託したというタイミングも著者に幸いしたし、関係者にインタビューや残された日記も分析して日本人ならではのドキュメント。大陸では最も知られる戦犯の筆頭となるべき岡村寧次が政治的判断で「無罪」になりその尽力で日本軍人が金門島防衛から始まって軍事戦略の基礎から講習、「昨日の敵は今日の臣下」蒋介石はいい気分だったろう。
★3 - コメント(0) - 2015年5月17日

初めて「白団」の本を読んだ。珍しい史料で蒋介石と日本の絆を紹介するし、白団成員の情景を述べた。素晴らしい作品と思う。(^^)
★3 - コメント(1) - 2015年1月18日

蒋介石を軸にして白団を描いた本。日本留学や抗日戦といった複雑な日本との蒋介石の関わり(大アジア主義とか)から描いている。大陸で戦った日本軍軍人に高級将校教育をやらせるという発想は感嘆ものである。ここら辺の「未来志向」は韓国と正反対で面白い。台湾の国防大に資料がかなり残っているらしいが未整理の様で、今後の研究が望まれる。あと白団への米政府の対応(何しろ米国にとっては邪魔この上ない)をもっと描いて欲しかった。
★3 - コメント(1) - 2015年1月6日

台湾へ敗退した蒋介石国民党軍の近代化のため、日本の旧軍人が非公式に渡台し、20年もの間軍事顧問として活動した「白団」の実像に迫る。安直に「親日」とラベリングされがちな台湾で日本軍人が義の為に協力したというと、いかにも安直な美談として捉えられそうだが、著者がそうした幻想や願望とは極力距離を置いて、一次資料を精査している点が小気味よい。戦後の公職追放や軍人への風当たりが、高級士官らの知識経験を無駄にし、自尊心を損ない、糊口をしのぐことさえ苦労させたことが、渡台の原動力となったという推測は大いに共感できる。
★2 - コメント(0) - 2014年8月16日

「以徳報怨」に頼りすぎな気もするが、ジャーナリストの書いた本としてはこれでよいのでしょう。歴史家による本を待ちたい。
★1 - コメント(0) - 2014年7月13日

ジャーナリストである著者は、これまで知られてこなかった新資料や証言を得て、なぜ蒋介石が敵国であり敗戦国の日本に軍事顧問を要請し、かれら白団もなぜ20年も台湾にとどまったのかという疑問を明らかにする。研究者や在野の歴史家をも瞠目させるほど歴史的価値の高い資料の発見がなされているが、そうではない一般読者の身としては、最高の素材を最高の料理人が調理して饗されたとは正直感じられず、物足りなさを覚えた。「最後の部隊」という意味のタイトルから受ける悲壮感よりは、「最初の天下り部隊」とも呼ぶべき安穏さを感じてしまった。
- コメント(1) - 2014年7月8日

台湾に旧軍関係の史料がまとめて残っているのには驚いた。
- コメント(0) - 2014年6月24日

「蔣介石日記」をはじめ、台湾・アメリカ・日本に散在する膨大な資料を渉猟。関係者への緻密な取材から、政治家・蔣介石の人間像と日本人軍事顧問団「白団」の活動の実態を明らかにする。『G2』掲載を大幅に加筆し単行本化。
★3 - コメント(1) - 2014年6月16日

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