アンダーグラウンド (講談社文庫)

アンダーグラウンド (講談社文庫)
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アンダーグラウンドはこんな本です

アンダーグラウンドの感想・レビュー(2317)

宗教は「恐い」というイメージがあって、オウムについて(またはサリン事件について)これまで意識的に情報を入れないようにしてきた。だからサリン事件が同時多発だったという事すら知らなかった。意外だったのは毒ガスだ、と人々が叫んでもその場に居た人の大部分は、急いだり慌てることなく地下鉄の出口に向かった、という証言。60人近い人の証言を読んで正直恐くなった。「恐さ」の種類は津波や地震に対してのそれに似ている(人智の及ばない領域だと考えてるからかも)。津波や地震と同じく二度と起こらないで欲しいと願うしかない。
★24 - コメント(0) - 3月21日

事件当日、何が起こったのか…という視点から、実際に事件に遭遇した人々に村上春樹がインタビューしたことから生まれた本。事件の真相を解明するためには、「起こした側」に着目するだけでなく、「被害に遭った側」にも着目する必要がある…という考え方には納得。 亡くなられた男性のご遺族の語りを読み、涙が止まらなかった。
★2 - コメント(0) - 3月15日

地下鉄サリン事件のインタビュー集。村上春樹には珍しいドキュメンタリー。一人一人の物語の密度に、読んでいて息苦しくなるけど、それでも最後まで読みきらなければという想いにかられる本でした。
★4 - コメント(0) - 3月11日

同級生のひとりが別の車両から地下鉄サリン事件を目撃しています。手当てが早かったのか、動く見込みのない電車を乗り継いで無理に学校に行くのが面倒になって早々に駅から逃げたのか、何にせよ彼女は無事だった。上九一色村とポアばかりを連呼する当時の報道の意味がわからず、あれって何だったんだ?という長年の素朴な疑問が氷解した。地下鉄サリン事件の本当の姿、型にはまったテレビの報道の奥にある被害者の生身を垣間見た気がします。善と悪に情報を集約するのは危険。被害者にもそれぞれ人生があるということ。暴力について考えてしまう。
★4 - コメント(0) - 3月6日

SU
地下鉄サリン事件被害者インタビュー。一人一人に人生が有る。だから、読むのに凄く時間が掛かりました。
★5 - コメント(0) - 2月24日

地下鉄サリン事件から20年以上経過したいま、改めて読み直してみた。オウム真理教へ世論と視線が集中し「事件」という一括りであった当時、本作で被害者個人を浮かび上がらせた。天災とは全く異なる人災だが理不尽さだけは上回る。人は大望があるとその大義名分をもって殺人を手段とするのか。人は怖い生き物という側面を被害者側からみせている。
★14 - コメント(0) - 2月15日

ある日突然、理不尽な力によって、あるべき日常が奪われる。事件の被害者としてひとくくりにされてしまうけれど、その一人一人に、濃密な確かな重みのある、かけがえのない日常や生きかたがある。それは語られるべきものだし、その語りはきちんと受け止められなければならない。それらを物語として形に残すということに、この本の存在意義があると思う。
★6 - コメント(0) - 2月6日

まだ小さい時に起こった事件だから、サリンとオーム真理教いう名前くらいしか知らなかった。日本の歪んだ社会を垣間見れる作品。こんな事件はありえないと思うが、今の方が周りの人との距離も広くなって、ストレス社会になっているだろうから、もっと変な事件が起きてもおかしくない気もする。
★6 - コメント(0) - 1月29日

オウム真理教の地下鉄サリン事件、被害者インタビュー。 たくさんの被害者の体験談の中で、「こういう事件は起こるだろうと思った。なぜなら自分たちが駅のホームを掃除をしている横で、平気でごみを捨てるひとがいる」という駅員さんの言葉がなぜかとっても重くこころに残りました。
★5 - コメント(0) - 1月29日

仏訳で。狂気のカルト集団VS善良な一般市民というマニ教的二項対立に落とし込まれて、「被害者」の顔が全く見えなかった地下鉄サリン事件。春樹はそのバランスを取るために、一見徒労とも思われる長い長いインタビューの旅を開始する。ここに収められた証言は必ずしも衝撃的なものばかりではない、それは1995年3月20日にあの場に居合わせた、「善良な一般市民」として顔を剥奪されていた人々を、一人ひとり区別し浮かび上がらせる作業だった。「過去の事件」として葬り去りたくなるものを、満州国から続く日本社会の病巣として追求する。
★17 - コメント(0) - 1月21日

ものすごく読み応えのある本。村上春樹の現在の作風・価値観に大きな影響を与えたと思われる、インタビュイーの発言の数々。和田嘉子さんの項は何度読んでも泣きそうになる。発生から22年になるが、まだ麻原は生きているんですよね…。
★2 - コメント(0) - 1月16日

ようやく読み終えた。たくさんの被害者の体験談を重ねることで、当時の混乱ぶりが多方面からうかがい知れた。サリンというのは、ここに描かれているように、衣服どころか犯人たちが犯行に使った傘の先端についた程度の微量でも効果が出るほどの威力に驚いた。もっと沢山の人達がなくなってもおかしくないくらい危険な薬物ということがわかった。血中のコリンエステラーゼが神経系統に重要な役割があって、それがサリンによって激減するということ、呼吸困難、瞳孔が収縮していく症状。あれから20年以上もたったのかと思うと時の流れは随分と早い。
★5 - コメント(0) - 2016年12月22日

題材である、地下鉄サリン事件は、神経ガス兵器を、組織的に、不特定多数を対象にバラまいたテロ行為として、世界中から注目された事件である。今毎日のように、世界中にテロ行為があふれている。自爆的(殉教的)な色彩のものも含め、世界は1995年3月20日を境に、変わってしまった。筆者が丹念なルポの後で、総括したように、原因や責任には、蓋をされてしまった。再発防止や対策も検証もされていない。いつか発生するその暴力に対し、また同じような不利益を被る方々がないように(あるいは、少なくなるように)祈るばかりである。
★2 - コメント(0) - 2016年11月24日

熱心な村上春樹読者では全くない私だが、これまで読んだ春樹の本で最も面白かった。前代未聞の事件を起こした地下鉄サリン実行犯たちの表情は脱色された様に曖昧で、たまたまその日その電車に乗り合わせてしまった幾多の被害者の一人一人の方が綿密に描かれる。巧みなモノローグ文に乗って人々の語る職業のディテール、来し方行く末、個人的習慣(御苑駅で降りて牛乳を買う話が印象的)…皆それぞれユニークなその一切が、新聞紙包から漏れ出したあの液体の引き起こす症状に無造作に束ねられる不条理。史上に残すべき記録文学と言ってよい様に思う。
★8 - コメント(0) - 2016年11月22日

jun
オウム真理教による地下鉄サリン事件のインタビュー集。事件から20年以上経った今読んで見て、「本当にこんな事件が実際に起こったのだろうか」と思ってしまう。確実に事件が風化していっているのだ。事件を起こしたオウム真理教だけでなく、被害を受けた一人一人に人生があり生活があった。マスコミに美化されたものではないものが。このインタビュー集は読んでいて重く辛かった。
★25 - コメント(0) - 2016年10月30日

オウム真理教による地下鉄サリン事件について、事件当時事故車両にいた人、駅員さん、近くを通った方など、なんの理由もなく突然被害に遭われた方々のインタビュー集です。被害者の会などでも文章としてまとめられているとは思いますが、あくまで第三者がまとめた文章として、とても価値の高いものだと感じました。自分が同じ立場になりうる一番近い人の声を知り、事件の大きさに愕然とするとともに、どうすれば同じ事故が起きないのか考えないとならないな、と感じました。
★5 - コメント(0) - 2016年10月22日

一人一人に人生があり、生活があり、物語があった。読むのはただただしんどかった。
★14 - コメント(0) - 2016年10月15日

長い読書になった。文庫で777頁ほぼ2段組。村上春樹による地下鉄サリン事件被害者62名のインタビュー集。契機は村上の小説を読み進めるうち「ねじまき鳥クロニクル」と「スプートニクの恋人」の間に、なにか大きな差異があるように感じたことから。それが何かを探りたかった。年賦では「ねじまき」は1994年~1995年刊、「スプートニク」は1999年刊。そう、答えは確かに本書の中にあったのだ。正直つらく何度も中断したのだが、何度目かで完読したのは、今の仕事に就き、人々の話にただ耳を傾ける事の大切さに気付いたからだろう。
★4 - コメント(0) - 2016年10月8日

地下鉄サリン事件の被害者を中心とする関係者62人に対するインタビュー。被害者については、大体においてはその生い立ちから話が始まり、当日の朝の行動が克明に語られるというような構成になっていて、顔の見えない無数の被害者の一人である以上に、一人の人間の顔が浮かび上がってくるようなインタビューになっていて、それが読んでいて暗澹たる気分を助長する。世界を破壊するという欲望が破壊するのは、現実には世界なんかじゃなくて、一人一人の個別の人生なのだ、ということが強く心に残った。
★11 - コメント(0) - 2016年10月2日

十数年振りに再読。内容はほとんど覚えていなかった。きっかけは「村上春樹インタビュー集」を読んだこと。著者が62人の被害者にインタビューを行っており、文章化を含め、とんでもなく大変な作業だったと思う。語られているサリン事件当日の様子は似た内容なのだが、著者が被害者の個人的な背景をしっかりと聴き取っていることで、事件の事実関係ではなく、その人が理不尽にもたまたま巻き込まれてしまった出来事に対してどう行動し、どのような受け止め方をして、どんな困難を抱えこまなければならなかったかがよく見える。
★14 - コメント(0) - 2016年9月24日

もうやめてくれ、と思った。村上春樹に洗脳される、オウムのように、と。
★10 - コメント(0) - 2016年9月19日

村上さんのところで言及されてたので20年ぶりに再読。自身メトロで長時間過ごす身になってから読むと迫るものがある。全編メトロで読破することに決めた。インタビューイーの生きて来た時の長さとインタビュー当時から流れた時の長さと時の流れの中におけるいくつもの人生について考えさせられた
★2 - コメント(0) - 2016年9月15日

JUN
とても興味深かった。 とても分厚い本だけどスラスラ読める。 この事件から日本は何か変わったのだろうか。 ★★★☆☆
★6 - コメント(0) - 2016年9月13日

地下鉄サリン事件があった当時私はまだ子どもだったのでどんな事件だったか詳しくは知らず、本書を読んで初めて知ったことも多い。途中で読み続けるのが苦しくなったこともあるのだけれど読んで良かった。東京メトロに乗ることもあるし事件のあった時代に生きていたのに知らないままじゃいけなかった。
★8 - コメント(0) - 2016年9月8日

NS
数々の事件に遭った人たちの証言。それら証言に対して同情したり、憤ってみたり、また客観的に眺めたりした。事件を風化させてはならない。後書きにもあるように、オウムは奇形な物語を持って、この社会を破壊してきた。その奇怪な「物語」は笑って済ませられるものではない。しかし一方で、被害に遭った人々はそれぞれの物語があった。見過ごされてはならないのは、オウムにも一片の真理があったのかも知れないが、我々の側にも圧倒的な生活、仕事という真理があったということだ。 
★35 - コメント(0) - 2016年9月1日

今更な感じだけど、やっと読了。かなりのボリュームの本だけど、それを感じさせない一冊。当時の報道ではわからなかった一人一人の言葉は重いと思いました。あの日事件の事を知ったのはかなり時間が経ってからだったし、まだ高校生で事件の重大さを理解していなかったけど、あの事件を風化させてはいけないと思いました。
★15 - コメント(0) - 2016年8月10日

なんかこう、一つの物語があるわけですよ。こういう奴らが、こういうことをして、こうなった、みたいな。その「こういうこと」が糞酷えことで、「こうなった」が凄惨な結果だとしたら、「こういう奴ら」は悪者集団になる。単純なお話ですな。それくらい単純な物語でも、「こういうことをしてはいけません」とか「こういう奴らみたいになってはいけません」的な教訓はあるかもしれない。でもまあそこには当然「こうなった」的酷い目にあった人々もいるわけで。そこを見つめないことには結局「物語」の姿って見えねーんじゃねえの、みたいな話ですよ。
★19 - コメント(3) - 2016年8月10日

地下鉄サリン事件の被害者、遺族、関係者62名に著者がインタビューした内容を掲載した本書。春樹氏の言葉で一人一人の家族構成、仕事、学校、通勤・通学経路、趣味などバックグラウンドが具体的に浮かび上がる。片道一時間から二時間くらいの通勤通学時間の中で複数の鉄道を乗り換え路線を乗り換える。その日も複雑なルーティン通りの人もいれば、たまたまその日に限って別の車両に、早いバスにとルーティンを外し被害に合った人の多いこと。運命は皮肉だ。私たちもそんな運命といつも隣り合わせなんだろう。
★74 - コメント(10) - 2016年8月6日

地下鉄サリン事件の報道とか、ドキュメントとかは、最近じゃオウム真理教とかのカルトの異常性とか、失われた20年の一頁とかの文脈で語られがちだけど、あの瞬間に居合わせた人々の「実存」(この単語がマイブーム中)だけは不動で、なおかつもっともスポットライトを浴びにくいんだよな。多くの証言者が「朝、どういうわけかこういうことが起きていつもと違う列車に載った」と言っていて、それは日常のマグレが事件と強烈に結び付けられて運命的なものに感じられているんだけど、その「運命的な感じ」が、どういうわけか一番色あせない。謎だ。
★14 - コメント(0) - 2016年7月30日

オームが村上を呼び戻したのか、一時帰国のとき麻原の選挙活動を目撃し違和感を覚え、次に遭遇したのが地下鉄サリン事件だった。彼の作家活動の転換期、デタッチメントからコミットメントに舵を切ったのもこの事件がきっかけだ。社会に無関心な青年を描いてきた作風は、社会問題を真正面から題材にすることで変貌する。自分が社会の中で与えられた責務を果たすべき年代に差し掛かった時期でもあり、この作品を書く決意をした。阪神大震災同様、あまりに唐突で理不尽な暴力のせいか、犯人を恨む声は少ないが、彼らの記録は貴重な記録となるはずだ。
★7 - コメント(0) - 2016年7月15日

tom
コメントの書きようがない。悲惨に遭遇してしまった普通の人の普通の生活。
★11 - コメント(0) - 2016年7月12日

具体的な状況が書かれた、一人目のインタビューを読んだだけで、ひどく心にダメージを受けた。全てのインタビューを読んだらどうなってしまうんだろうと思ったけれど、事件の真相を知るために読んだ。
★6 - コメント(0) - 2016年7月2日

数年前に読み始めたものの、途中で積まれていたのを再読。幼い日に見たオウム関連のニュースは不気味な印象として残っていましたが、事件についてはほぼ無知であったと実感。突然"今"という日常、現実を奪われる恐怖。このようなことが起こらない社会を望むのみです。
★7 - コメント(0) - 2016年6月30日

人は何のために生まれて生きているのだろう。それらは分からないし、答えは無いのだということ。分からないし答えは無いけれど、生きていたい。生きてゆくためには、自分のための自分の人生の物語が必要だということ。ということを痛感させてくれる一冊。人が脆いのか社会が脆いのか、”社会が強いせい”なのか、”実は人は強い”のか。社会、そして人生について考えさせられる。
★7 - コメント(0) - 2016年6月26日

★★★★☆
★1 - コメント(0) - 2016年6月21日

地下鉄サリン事件の被害者達の実話。自分も被害に遭う可能性があった事件の為、助かった人達の行動に興味がいった。異臭がしたら、即、その場から離れて、地上に出、サリン解毒の手当てを知っている病院の治療を受けられた人達が、被害が少なく済んだようだ。被害が確認されているのに、なかなか手当てが受けられなかった人達が可哀相だ。警察や、救急車などあてにしないで、自力ででも病院に行く必要がある場合もあるのだなぁ〜。災害の度に学習せずにシステムの整備を問題にされる社会に住んでいるのだと思うと怖い。
★11 - コメント(0) - 2016年6月20日

1995年3月20日月曜日。アンダーグラウンドを襲った悲劇。村上氏が、地下鉄サリン事件の被害者62人に直接インタビューされたノンフィクション。この事件に遭遇していなければ、おそらく問題もなく平穏な暮らしが送れていたはずなのに・・・。とてつもなく理不尽なこの事件をインタビューするには、かなりの気遣いがあっただろう。と同時に、春樹氏の強い誠意を感じた。都合のいい一部だけ切り取って報道するマスコミのあり方をも考えさせられた。人工呼吸器を装着された妹への兄の献身的な介護、事件で夫を亡くした身重の妻の話が特に印象的
★83 - コメント(0) - 2016年6月13日

初版発売時に購入したものの着手できないまま時ばかりが過ぎ、ようやく読了。村上氏のあとがきを読んで、地下鉄サリン事件から受けた衝撃の大きさの理由がようやく腑に落ちた気がした。もし自分があの日、この現場にいたらどういう行動を取っただろうか?自分には遠い存在だと思ったいた特異な宗教団体が、突然いとも簡単に肉薄しうるという恐怖心。被害にあっていたのは私だったかもしれないのだと思うとなお一層、ひとつひとつのインタビュー内容が胸に迫ってくる。あれから21年、それぞれみなさんどうされているのだろうか、と思いをはせる。
★16 - コメント(0) - 2016年5月31日

地下鉄サリン事件の被害者(家族)、関係者60人に村上氏が直接取材したもの。数年前に途中まで読んでいたが、ふと思い出して再び手にとった。特に心に刻まれたのは「明石志津子」さんだ。鼻にチューブが差し込まれ、目は少し開いている。村上さんがお見舞いに黄色い花を飾る。でも彼女にはそれが見えない。少しずつ回復し夢を語った。その夢とは...。ぎゅっと村上さんの手を握る。涙がこぼれてしまった。実際、涙なしでは読めない。それぞれの日常を奪っていった無差別テロ。これを読んでから電車に乗るときの自分の気持ちが変わった。
★42 - コメント(3) - 2016年5月4日

アンダーグラウンドの 評価:56 感想・レビュー:419
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