夕子ちゃんの近道 (講談社文庫)

夕子ちゃんの近道 (講談社文庫)
あらすじ・内容
第1回大江健三郎賞受賞作、ついに文庫化。フラココ屋というアンティーク屋の2階に居候暮らしを始めた「僕」。店長、常連さん、店長の孫たちなど彼を取り巻く人々と時間の流れを丹念に描く。連作短編集。

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夕子ちゃんの近道の感想・レビュー(595)

凄いなあ。ずっと読んでいられる。ほんとうに凄い。長嶋有の『夕子ちゃんの近道』である。この小説は、鮮やかに、豊かな人間の生活(金銭的な意味でなく)を切り取っている。生きている間、人間はいろんなことをするわけだが、では、していることを注意深く見ていてその人の「生きる癖」と言うべきようなものを見つけたことはないだろうか。これを見つけた瞬間、僕はとたんにその人のことが愛らしくなってしまう。長嶋有はそんな、人の貴重な瞬間を文字にしてしまうのが、たまらなくうまい。だからそんな貴重な愛の瞬間がこの小説には満ちている。
★8 - コメント(0) - 3月17日

mic
「君は、この僕が畏れ敬う数少ない人なんだから、どんなときも泣いたりしないでよ。」 この一文に強烈に惹かれた。古道具屋「フラココ屋」でバイトする根無し草の僕、謎多き店長、常連の気ままなアラサー女性・瑞枝さん、 近所の美大生・朝子さんとその妹・夕子ちゃん。フラココ屋を接点として集まる、年齢も境遇も異なる男女の群像劇。 思わず書き留めたくなる独特な表現、会話と地の文が一体になった文体が美しい。明確な目的はない、だけどちょっとした悩みや感動や変化を重ねながら、終わりない旅のように続く生活が表現されている小説。
★3 - コメント(0) - 2月7日

フラココ屋というアンティークショップの2階に住み、店番を任された「僕」と大家さんや近所の人たちとの何気ない日常。何が起こる、というわけでもないけど不思議な雰囲気の中で日常が描かれ、独特の感性がある小説。
★5 - コメント(0) - 2016年12月17日

今月は気持ちが全く読書に向かわなかったな。この作品も二週間余りかかってしまった。何だか不思議なムード漂うお話だけど、このボンヤリとした感覚は一体なんなんだろう?流石、大江健三郎賞たる所以なのか^_^
★49 - コメント(0) - 2016年11月28日

どこにでもあるような普通の日々なのだけれど、ここにしかない日々が丁寧に書かれている。瑞枝さんがストーブ持ってきてくれた時に、抱きしめたくなった主人公の気持ちがわかり過ぎた。フラココ屋の周辺の人々の距離感とか空気感が心地よかった。いつまでも読んでいたかった。
★2 - コメント(0) - 2016年10月15日

何か事件が起こるわけでもなく、登場人物の特徴もイマイチ掴めなくて、中盤までは退屈だったけど、徐々に全てに愛着が湧いてきた。大江健三郎さんの解説を読むと更に印象に残る本になります。
★14 - コメント(0) - 2016年9月19日

「フラココ屋」という骨董屋で居候しながらバイトする主人公と店長、大家さんと孫娘の朝子さんと夕子ちゃん、何も買わないけど常連の瑞枝さんら、ちょっと風変わりな人たちの日常がゆるやかに描かれている。最後まで素性が明かされない主人公を始めちょっとミステリアスでもあり、何より互いの距離感が良い。この人たちの中で暮らしてみたいと思えるような心地よい作品。
★37 - コメント(1) - 2016年9月1日

仕事先で店長に良くしてもらえるとありがたいですね。それにお客さんとも親身になって、友達みたいになって、お互いに心配し合ったりしながら毎日過ごせていく。場所が変わっても同じ顔ぶれで前にいた場所と同じように毎日過ごせるのっていいなって思います。
★1 - コメント(0) - 2016年8月17日

著者初読み。骨董屋2階の倉庫のような6畳ひとまに居候しながら手伝う僕。年齢も名前も最後まで明かされないのですが、そんなものどうでもいいような世界が広がっていました。買う訳でもないのに入り浸る瑞枝さん、大家の2人の孫娘。これは店長の大雑把な性格と僕の執着しない性格によるのでしょうか。このお互いとの距離感が微妙な適度で居心地良いのです。瑞枝さんになりかわって、ここに居たくなります。瑞枝さんがスクーターで事故って、真夜中に電話をかけてきた場面では、ツアー旅行前に旅行社に出す「万一の時の連絡先」を思い出しました。
★60 - コメント(0) - 2016年7月17日

とても静かに時間が流れている。でも、どこか主人公の緊張と自分の人生を俯瞰している雰囲気がする。登場人物ひとりひとりの言葉や仕草が丁寧描かれていて落ち着いた気持ちで読む事が出来た。姉妹と徐々に打ち解けていくところや、まれに主人公の熱を感じる言葉が好きでした。文体も静かなのに何故か引き込まれる。出会えて良かったと思う本だった。
★3 - コメント(0) - 2016年6月23日

丁寧だなあ……と感服しました。緻密です。それでいて重くない(けど軽くもない)。鮮やか(なのに、鈍色でもある)。ふしぎです。ヘタウマと大江健三郎が評していたのは非常にしっくりきました。しかし、どなたかもレビューで書いてましたが、たっぷり推敲されていそう。丹念です。かぎかっこの独特な使い方に途中からハマりました。書き下ろした「パリの全員」は、余計だという見方も多いでしょうが、わたしは在ってよかった気がします。主人公がいいですねー。たいへん好ましい男子です。よい一冊でした。
★5 - コメント(0) - 2016年6月9日

骨董品屋フラココの二階に暮しながら働く僕とご近所さんの日常生活。みんなほんのちょっぴりもつ影、苦悩はあるけども深入りしない感じがほっこりする。
★3 - コメント(0) - 2016年6月5日

やはり、過ぎていく日々が淡々と描かれるのだが、その描写の対象、仕方が長嶋さんらしい。そして、登場人物たちの考え方が読んでて楽しい。主人公は一体何者なのか。想像させられる。最終章は蛇足だと感じた。
★1 - コメント(0) - 2016年5月25日

古道具屋フラココ屋と、ちょっと変わったご近所さんたちの人間模様を描く。たんたんとした独特な文体。けれど繊細な描写、遠回しな表現が、私の想像力をかきたてる。主人公の氏素性も明かされず、思わせ振り…むむぅ気になる。その辺りは解説を読めば納得できるかも。作者さんが男性だというのにはびっくり。
★27 - コメント(0) - 2016年4月21日

感想を読んで気になった作品、初読みの作家さん。さくさくと♪不思議な空気でした、何も読み取れなかったけど(^^;読み終わってホッコリしてます。
★26 - コメント(0) - 2016年4月7日

おお、nice work です。さすが。
★79 - コメント(0) - 2016年3月25日

骨董品を取り扱うフラココ屋。その店の2階に居候している主人公。店長。近くに住むイラストレーターの女性。フラココ屋の大家一家。人が交わると現れる何気ない会話、ベランダに見える洗濯物や鉄階段を上っていく足音、生活感。この小説、文字で作られた世界の物を肌で感じたような心地になりました。著者のお世話にも高いとは言えない文章力で。私はフラココ屋に取り込まれました。最終章、パリの全員は余計でしたね。
★3 - コメント(0) - 2016年3月17日

やわらかい空気の短編連作集。時々ゆるりゆるり波立つ、ほんのすこしだけ変わった日常が描かれている。やさしいのだけど手応えもゆるいというか、一体なんの話だったかなあという感じ。結構暴発するような文章だったり癖のある話だったりがすきなので、すこし苦手なテイストでした。大江さんの解説にはなるほど。
★3 - コメント(0) - 2016年1月11日

極めて個人的なお気に入り度合い:★★★★☆4点
★1 - コメント(0) - 2015年12月23日

最近、古道具屋とか古本屋等を舞台にした物語に何故だか癒される……。西洋アンティーク専門店「フラココ屋」のバイト君と、その周りの人達の物語。「西洋」という割りに和箪笥や鏡台も置いてある、何でもありの古道具屋。バイト君はそこの2階に無料で住み、店番をする日々を送っている。このバイト君といい、店長、店の大家一家、買う気もないのに集まる常連客といった皆の、ゆるゆると好き勝手に生きている様が読んでいて心地良かった。古くからのある物に囲まれていると、思考や行動、時間の流れが自然とゆるくなるみたいだ。
★43 - コメント(0) - 2015年11月29日

も、何度目やらわからんが、やっぱりこの話がすきやなと思う。
★4 - コメント(0) - 2015年11月28日

骨董屋であるフラココ屋の2階に居候している僕、のまわりの、ごく近しい人たちの群像劇とでもいうのでしょうか。長嶋さんの小説の登場人物はほんとうに魅力的というか、愛すべきというような人がおおく、そういった人たちのなんてことのない日常が描かれているだけで、その視点や考え方がとてもいい。大江健三郎賞受賞とのことだが、選者である大江健三郎自らによる解説も収録されておりお得でした。
★12 - コメント(0) - 2015年10月13日

第1回大江健三郎賞受賞作品。フラココって音の響きがいいですね。“フラっとココに来た”僕を中心に周りの人の暮らしが淡々と描かれていて、でも実はそれぞれが思い切り丁寧に生きている姿がすごくドラマチックな物語でした。読後感が清々しい本でした。
★5 - コメント(0) - 2015年10月7日

骨董屋・フラココ屋の店長、店の2階に住むアルバイトの主人公、大家さんと孫2人、ご近所の瑞枝さん、フランス人のフランソワーズ。彼らの何の変哲もない日常が、ゆるりと描かれている連作短編集。単純にだらだらとしたゆるさではなくて、その中にも些細な幸せが垣間見える。読んでいる間、時間の経過までもがゆっくりになった。お互いが近すぎず遠すぎず、距離感が絶妙。簡単に切り捨てることもできそうだけれども、少しずつ繋がっていて安心できる。リアリティに溢れている訳でもないのに、どこかで彼らが本当に暮らしていそうな、そんな物語。
★20 - コメント(0) - 2015年10月1日

まったりとした感が好きです。主人公を含めた登場人物のキャラクターがたっていて面白いです。短編集ですが、話につながりがありどこにでもありそうな日常を長嶋さんの感性で描いています。特徴として登場人物の背景などが語られていない不思議な小説で、何か特別なことがあるわけでもなく読んでいてポカポカした雰囲気が味わえます。この物語はどこまで続くのか、終わりはあるのかなと思いました。ラストの方では、登場人物たちとつながりができたような気がして別れがさびしかったです。それくらいこの小説にでてくる人達には親近感が持てました。
★16 - コメント(0) - 2015年9月27日

フラココ屋で働く『僕』を取り巻く人たちの連作短編集。凄い事件は起きません。ただただ、ゆるゆると時間経過。
★10 - コメント(0) - 2015年9月1日

日常の些細な感情をきちんと言葉にしておきたいなぁ。作者は、それが癖なのかな。とても上手な小説を書く人だと思った。きっちり、かっちりくみあわさる。優しくおおらかに。
★5 - コメント(0) - 2015年8月31日

この世界にのみこまれて、たまに、帰ってこられなくなる気がして怖くなった。長嶋有の紡ぐ言葉の世界。
★4 - コメント(0) - 2015年7月27日

長嶋有の作品って大きな事件もなく淡々と日常が進むから感想書きづらいけど何か好きなんだよね。
★5 - コメント(0) - 2015年6月29日

だらだら系、好き。
★2 - コメント(0) - 2015年6月25日

久しぶりに読み返したけれど、やはりこの小説が大好きだと思った。前に読んだ時もそうだったけれど一番印象に残っているのは夜の横断歩道を瑞枝さんが灯油の入った石油ストーブを持って歩いているシーン。胸がキュッとなるシーンだ。キュンとじゃなくキュッと。この物語がもっとずっと続けばいいのにと思う。そんな小説。
★5 - コメント(0) - 2015年5月2日

いかにもさりげない書きぶりだが、淡々と過ぎる日常の中に宝石を見つけるような繊細な文章。大江健三郎氏の解説の言葉を一部借りれば、「小説を、文章を、アイデンティティーを、それぞれ個性的な仕方で破壊することをめざす若い人の、野心にみちた動機づけとはことなっている」「『ヘタウマ』のてだれ」。「めいめいが勝手に、めいめいの勝手を生き」充足し、主人公が最後は誰にも声をかけず出ていこうとする、ネガティブでなく、実直で豊かな世界。
★7 - コメント(0) - 2015年3月14日

丁寧に紡がれた日常。ただよう学びやのカワカミさんの講義で出てきた“フラココ屋”が頭から離れなくて、いつか読みたいと記憶していた作品。フラココ屋、という骨董屋さんは名前からして非日常的なものだけど、お店に出入りする人たちの日常は日常然としている。なんてことない会話や、主人公の語りから、微妙な心の揺れが感じ取れて、なんて繊細な人たちなのだろうと思った。「そんなことしてどうするのって問いかけてくる世界から、はみ出したいんだよ」は今のわたしにぐっときました。
★22 - コメント(2) - 2015年3月11日

捨ててしまうこともできる、シガラミのない他人との関係は愛おしくてちょこっと苦い。淡々と過ぎていく言葉の中でふと琴線に触れてため息が出るような部分も。実はこれって本当の意味では「骨太」と言える一冊ではないかしら・・と思う。登場人物それぞれの表現の曖昧さが、読者の脳裏に現れる形がすべて。「僕」。
★12 - コメント(0) - 2015年2月27日

長嶋有作品を読むのは3冊目でした。大江健三郎さんの解説に納得。細かい丁寧な描写、表現がなぜか心地良く、時に胸にキュッとくる感じがたまりませんでした。
★7 - コメント(0) - 2015年2月16日

ぼくとフラココ屋に関わる人たちの平凡な日常。空を掴んだかのようなふわっと感。見逃せないポイントがありそうで丁寧に読んだ。そういう読み方に仕向けられているようで自然なようで、なんだか狐につままれたような、でも不思議と心地よく、読者の自分も居心地が良い。そんな不思議なユートピア、フラココ屋。
★15 - コメント(0) - 2014年11月21日

ふわふわほわほわした、フラココ屋を中心としたただの日常。「めいめいが勝手に、めいめいの勝手を生きている。」
★7 - コメント(0) - 2014年11月10日

最近なにかと読んでいる作家だが、このいつもの文体に慣れてしまったのか、自分にとって共感できなかったのか分からないが本に入り込めないまま読了した。 ただ作者のさらっと書いたようにみせて実は練ってるな~と感じさせられる所が多くて本当にすごいと思う。 最後にとった主人公の気持ちはとても分かる。居場所を手にしてしまったらそこから逃れたくなってしまうよね笑
★5 - コメント(0) - 2014年11月3日

夕子ちゃんの近道の 評価:78 感想・レビュー:171
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