ミノタウロス (講談社文庫)

ミノタウロス (講談社文庫)
あらすじ・内容
話題を攫った、ピカレスクロマンの傑作! 舞台はロシア革命直後のウクライナ地方。成り上がり地主の次男坊ヴァシリは、父の死後ドイツ兵らと略奪、殺戮を繰り返す。’07年度吉川英治新人賞受賞作。

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ミノタウロスはこんな本です

ミノタウロスの感想・レビュー(392)

名前、場所がなかなか頭に入らず、ずるずる時間が過ぎていって、さらに頭に入りにくくなる悪循環。ピカレスクロマンって初めて知りました。この淡々と虚無な雰囲気を募らせてく感じ、あんま得意じゃないです。
★5 - コメント(0) - 3月16日

何だこれは!と圧倒される本ではあるが、好きかと訊かれたら好きではないと即答できる本だった。評判が良かったので読んでみたけど、他人に勧められる類の本ではないような…。ロシア帝政崩壊後のウクライナで成り上がり地主の次男坊が、白軍とか赤軍とかと戦ったり、奪ったり、人を殺したり、女をやりまくったりする話。まさにピカレスクロマン。面白いかと言われれば全く面白くはない。しかし凄かった。佐藤亜紀さん初めて読んだけど、もう一作くらい読んだらどっぷりハマっちゃいそうな予感はする。
★29 - コメント(0) - 2月9日

帝政が倒れつつあるロシア。ウクライナ地方のミハイロフカで、成り上がり農場主の次男として生まれたヴァシリ。高い教養を身につけながらも世間を見下し故郷を飛び出した彼は、破壊と暴力を繰り返していく…。 レベル高え!(◎_◎;) なかなか読み進められんかった…。ピカレスク苦手…
★5 - コメント(0) - 2月4日

一気に読んでなんかぐるんぐるんと振り回された感じです。こういう風に生きるしかなかったともいえるしそれを選んだわけだけれどもそうじゃなくてもなんか幸福になれそうな気になれない土地で生きていくというなんかもうどうにでもなあれ☆ってしないとやってけないというか。短い生を思うままに生きる為に出会いも別れも簡単なもので共に過ごす間の時間の濃いことよ。死が身近過ぎて大したものでもなく生きることも同じという。でも人の名前こんがらがった。長い。紛らわしい(笑)翻訳ものだったっけってたまに思っちゃった。
★4 - コメント(0) - 1月21日

惹き込まれて一気によんでしまった。 そして作中の百姓ことばが長岡・栃尾弁なのが妙に間抜けな感じがして面白かった。
★3 - コメント(0) - 1月15日

文体が合わず、苦戦した。
★1 - コメント(0) - 2016年12月22日

舞台は20世紀初頭、革命前後のロシア・ウクライナ地方の内戦。日雇いから地主へと成り上がった父親の家に生まれ、高い教育受けた主人公は内戦の中、家族と全財産を失う。以後無軌道且つ刹那的に殺戮・略奪・強姦と正に獣の様な日々を送る・・・物語は1人称で淡々と語られていく。鉤括弧の無い会話や華麗なレトリックの仄めかし、背景となる事情を最低限しか明かさない。など、とかく慣れてないと読みにくく何度か置いてけぼりをくらった。ページ数は少ないながらも結構疲れた。あと、ラスト5行はちょっと鳥肌がたった。
★10 - コメント(0) - 2016年12月15日

この時代のこの国の状況を知らないので、またカタカナ表記なので場所なのか、名前なのか掴みづらかったです。残虐なことが次から次へと続き、救いがないのが戦争ということなのか。
★3 - コメント(0) - 2016年12月15日

私はこの時代のこの地域の時代背景をよく知らないけれど、主人公の生き様と語りを通してそれらが緻密に描かれていて、引きこまれてしまう。海外文学のような文体は作者のデビュー作もそうだったけど、この時代を描き、この時代の空気をかもし出すのに一躍買っていると思う。血みどろだけど、クズだけど、それを自覚してそういう生き方しかできなかったけど必死に生きていた彼らを嫌いにはなれない。
★2 - コメント(0) - 2016年7月30日

ロマノフ朝に焦点合わせたノンフィクションや、ラスプーチンなどスキャンダラスを扱ったものは数多くあれど地を這って生きることにクロースアップされたものはあまり思い出せない。国も時代も全く違うが、感触的には日本の戦国時代前期やらの秩序崩壊した頃をちょっと連想した。社会規範も人の繋がりも価値を失い、ただ刹那に生きることがなによりも重要な時代。感傷に溺れることなく乾いた文章や、明確な構造を持つ思弁力ある殻のおおきさも得難いタイプの面白さ。最期の突撃のくだりはすこし弱い様な気もするが、たしかな生の残像とも言える。
★23 - コメント(0) - 2016年6月8日

時間をかけてだらだらと読んでしまったがために物語の世界に没入できず。評価の高い小説だけに残念。また機会があれば読んでみよう。
★1 - コメント(0) - 2016年5月30日

主人公ヴァシリの明晰な鬼畜ぶりがなんとも魅力的。すでに幼年にして透徹したまなざしで世の中を見切ったからこそ、彼が選んだのは悪漢として生きること。犯すは殺すは焼くは盗むわでやりたい放題なんだが、巧みな騎手の如く優雅に自身の獣性に跨り、けれど時には振り落とされそうになりながらも、駆けるヴァシリの姿はいかんせん恰好良い。通り一遍の「人間」であることをやめたからこそ露わになる剝き身の生、そこから立ち上がる「人とは何か」という問いの、思想家にはけして手に入らない強度。これを美しいと言わずにはいられないでしょう。
★11 - コメント(0) - 2016年5月16日

冒頭から引き込まれ、途中でやめられなくて寝不足。ロシア革命期のウクライナの地で、容赦ない流れの中、獣のように生き抜いていく主人公。程度はともかく登場人物が悪党揃い、というか悪党でなければ生きられない戦乱、一瞬一瞬の理屈じゃない選択。つらくてこわくて、実に面白かったです。
★36 - コメント(0) - 2016年5月11日

あらゆる面で圧巻のピカレスクロマンだった。ロシア革命後の混乱最中のウクライナ、そしてタイトル「ミノタウロス」の神話を背景に紡ぎ出される物語。幼くして人生に冷めた青年が、暴力を行使し、暴力に犯されながら、人の道を堕ちていく。その姿はもはや巡り巡って美しく感じた。圧倒的エンターテイメント性と海外文学の様な硬質な文体。いやぁ、実に面白かった。
★28 - コメント(0) - 2016年5月10日

想像以上に硬質で重たい文章に圧倒された。ロシア革命直後のウクライナ地方ミハイロフカで、成り上がり地主の次男として生まれたヴァシリの壮絶な物語。ロシア革命という時代背景に馴染みのない地名や名前、さらに歴史についての勉強不足で、中盤までは随分手こずった。繰り返される殺戮、略奪、裏切り..血と暴力にまみれた殺伐とした物語だが、その中でわずかながら顔を見せる友情と冒険に救われる。これがピカレスクロマンというものなのか..。しかしラストの数ぺージは美しささえ感じるほど引き込まれた。
★43 - コメント(2) - 2016年4月20日

ロシア革命直後のウクライナ、農民からの成り上がり地主の次男として生まれたヴァシリは一体、生まれながらの半身半獣の怪物だったのか。戦争で顔を壊せども女中漁りを止めない兄にしかり、早熟な知性を持ちながら略奪と殺人への道へ堕ちていくヴァシリにしかり、怪物というよりは人間にも獣にも成りきれぬ不完全な存在であり、それは多数の国よって分割統治されたウクライナの政情そのものでもある。土地から銃、そして飛行機へと移り変わる力の象徴が20世紀という時代の加速性を描き出し、硬質な文体がその印象を一層増長させている。
★46 - コメント(0) - 2016年4月18日

ちょうど半分くらい過ぎたとき、これからもっと主人公の獣らしさが増し、殺人、略奪、強姦が増えていくのか…と読むのは辞めようかなと迷った。でも結局最後まで読んだのは小説に勢いがあるからだと思う。 主人公は理に立ち回っているようで、欲望は本能のまま。人間でいようと葛藤はするけれど、その思考は浅く、守りたい人もできず弱肉強食の時代に流されていく。 少しずれるけど、サイコパスが存在する意義は、戦争など極限状態で種の保存を目指すためと聞いたことがある。こういう感じなのかな。
★9 - コメント(0) - 2016年4月17日

濃厚すぎて、数冊分の大河小説を読破した気になります。血と汗と精液に満ちた話だし、ロシア文学の邦訳にしか思えない筆致なんですが、伝わるのは熱い衝動なんかではなくて、完璧に作り込まれた芸術品としての冷たく硬質な手応え。だからでしょうか。意志や感情のあり方に拘泥せず、時代のうねりと獣の本能に翻弄されるまま疾走する主人公の生き方には、嫌悪感や痛々しさを越えて、「単純な世界」の美しさを感じました。
★6 - コメント(0) - 2016年4月15日

ライブ感と目まぐるしい展開でどんどん読ませるけど理解が追いつくのに時間がかかり、何度か前に戻って読み直した。 冷めきった視点を持ちながら衝動と本能の赴くままに生きようとする、ほぼ感情移入不可能な主人公ヴァシリ、最悪な意味で運命の女となったマリーナの鮮烈さが頭にこびり付いた。赤毛の痩せた女性を見たら当分彼女を連想しそう。中盤でアイデンティティクライシスを起こす流れすら淡々とした語り口。人間らしく見えたのはウルリヒとの友情だけかな。生き残る為の咄嗟の選択を躊躇わない姿も、タイトルの差し示す通り怪物めいている。
★8 - コメント(0) - 2016年3月26日

ロシア革命?読めるか不安だったが、読めた!ぐいぐい引き込まれた!土地の名前なのか人の名前なのかよくわからなくなったが、勢いで読んでしまった。略奪、報復、献身、全て人間味溢れる。ラストはやっぱりこうなるかぁ。時代が人の運命を大きく左右する。現代でもそうなんだろうな。
★5 - コメント(0) - 2016年3月17日

面白かったです。帝政ロシア崩壊直後のウクライナを舞台に、主人公の荒廃した生き様を描いています。エンターテイメントというより文学に組する内容ですが、テーマや哲学ではなく、むしろ読み心地のグルーヴ感が最大の魅力と言える独特の作品です。スピーディでテンポの良い展開にぐいぐい引っ張られて、良質なミニシアター系バイオレンス映画を見ている感じでした。冷静で達観しながらも、芯の部分では本能のまま生きる主人公のメンタリティは、現代の日本人である自分から見たら非常に鮮烈ですね。歴史の知識がなくとも十分楽しめます。
★7 - コメント(0) - 2016年2月26日

ロシア革命直後のウクライナを描いた作品。架空地方ミハイロフカを舞台にした第一部。十代早々に世の縮尺と己の獣性を察した金満息子ヴァシリは広大ながらも箱庭の如き農地で好き放題していた。しかし、それら全てが顔なしの神性を帯びし兄や大旦那シチェルパートフありきのものであることを知った時、彼の世界は崩壊していく。第二部では世紀末救世主不在の『北斗の拳』の如き、極悪暴力に塗れた圧巻のダーク・ビルグンドゥスロマンが展開される。これほどの情景、激動、虚無を日本の女性作家が描ききったということに対し、純粋に敬服しました。
★5 - コメント(0) - 2016年2月13日

★★★★☆狂犬じみた作家像をいだいていて長らく敬遠していたのだけど、かなりおもしろかった。東欧の頽廃的な時代背景のなかで描かれるロマンのかけらもない物語が真に迫っていて、硬質な文体ともよくマッチしている。連載小説だったためか、プロット自体はけっこういい加減なのだけど、行き当たりばったりな展開は逆に実人生っぽいリアリティがあって、良いように作用していたと思う。突き放したような主人公の視点も、終盤では寄る辺のない自身の立場と陰惨な社会背景が相まって、うまく効果をあげている。救いのないオチが逆に心地よかった。
★6 - コメント(0) - 2016年1月3日

★★☆☆☆2015年58冊目!私の脳にスイスイと入り込んでこなくて、読む手が止まる。何回か読めば景色が変化するかも知れないが、本が無限にありすぎるので、再読する程の余裕なし。
★1 - コメント(0) - 2015年12月13日

「人間を人間の格好にさせておくものが何か、僕は時々考えることがあった。それがなくなれば定かな形もなくなり、器に流し込まれるままに流し込まれた形になり、さらにそこから流れ出して別の形になるのを」
★3 - コメント(0) - 2015年10月31日

「ピカレスク」とは何ぞや。調べもしないまま読む。1章を読み終えた時点で挫折すること5-6回。これは読書熱が高まったときでないと消化できないのか。教養がないからだろうか。悪漢小説。最初は主人公が悪鬼羅刹のごとき暴れ方をするのかと期待。「あれ?主人公は意外に小者!?」そこで“ピカレスク”を調べ、定義を知ることで勘違いに気付く。途中、他の本に手を伸ばそうかと迷いながら、踏みとどまってみる。
★3 - コメント(1) - 2015年10月14日

展開がよめず、たのしく読めました。俺たちに明日はないとか女盗賊プーランを思い起こしました。自分を構成しているものが無くなった先に現れたのは、恐ろしく荒廃したものでしたが、一方で魅力的にその世界の自由も描かれていたと思います。あと、顔のない兄の描き方に惹きこまれました。
★4 - コメント(0) - 2015年9月26日

すいません。ロシア人の名前が覚えられません。愛称が入ると尚更困惑です。盗む・凌辱する・殺すの連続。ビビリの私には「悪漢」というより「外道」に思える所業の数々。読み切るのが辛かった。最後は主人公らしいかなとは思うけど・・。
★3 - コメント(0) - 2015年9月23日

酷く掴み難い距離を保つ語り口。不穏を秘めた冷淡さの中、語られる多くがその輪郭さえ与えられぬその中で、不気味なほど明瞭に響くもの…嫌悪、困惑、憤怒。悪虐に浸かり、退廃を狂奔し、それでも、落ち切ることには未だ不快さを捉えるために、人として振る舞い続ける…成り果てることも、脱することも、突き抜けることもしない、し得ない曖昧さだけが、明瞭なものであるかのよう。それ以上にも、それ以下にもならない、成り得ないまま。死さえどこへも連れ出しはしない…澱んだ閉塞を強烈に示す結末、鮮やかなまでに不愉快で、虚しくて、恐ろしい。
★9 - コメント(0) - 2015年9月16日

購入後2、3年寝かしていたのに、読み始めたら一気読み。特に主人公が一人で生き始めてから。屋敷を失って、追われて、一人で、殺されそうなのに、悲壮感は全く無くて、むしろ自由になって生き生きして。自分の悪行を充分に自覚していて、いっそ清々しい。相棒のウルリヒも、凄く魅力的。頭可笑しいんじゃないかってくらいめちゃくちゃなのに、きれい好きだし。秩序が崩壊して悲惨な世界で、破滅へ向かってまっしぐらなのに、からっとしていて暗くない。もし平和だったら、ヴァシリは有能な地主になって、ウルリヒは凄い飛行機を作っていたかも。
★4 - コメント(0) - 2015年9月4日

佐藤亜紀さん、どうしてもエッセイで苦手意識があったけど、小説はすごかった!久しぶりに気持ちいいくらいの悪漢小説を読みました。ウクライナの歴史を理解していたらもう少し楽しめたのかな。ラストを読み終えたあとは、ずしんと心が重く感じた。
★10 - コメント(0) - 2015年8月26日

純文学、と少し身構えたのだけど、読みやすかった。伊坂氏、桜庭氏のエッセイで絶賛されていた。感想は特にない。自分の身に置き換える気にはならない。登場人物の名前が覚えられなかった。あらすじによると、主人公は「悪の限りを尽くし」ているのだけど、不思議といやーな感じは少なく読めた。
★11 - コメント(0) - 2015年8月16日

これは再読の必要あり。
★1 - コメント(0) - 2015年8月1日

3回目。
- コメント(0) - 2015年7月29日

これは本書に限ってのことなのか、もともとこういう文を書く方なのか。佐藤亜紀さんの小説は初めてで、内容の凄まじさもそうなんですが、まずこの文体に引き込まれました。鉤括弧のない会話文が、どこからどこまでが誰の言葉なのか心情なのかを曖昧にし、悲惨な情景はまるで風景のように淡々と語られ、物騒な会話はもはやユーモラスにすら思える。<ぼくはまだ人間であるかのように扱われ、だから人間であるかのように振る舞った>に対する、最後の一文がとても印象的に思えました。
★38 - コメント(0) - 2015年7月17日

傑作だと思う。小説とわかっていながら実在した感が重く残る。息もつかず読み耽ったラスト5行のせいで、胸がザワついて止まない。カバーイラストも素晴らしい。内側に折れた所(何ていうんだろ?)を開くと再読している心持になる。
★5 - コメント(0) - 2015年6月19日

所々わからない文章表現があったが、小説の世界に引き込まれた
★2 - コメント(0) - 2015年6月17日

この小説の人物たちは生きていると感じました。なぜなら人物たちは画一的な読み方を、私に許さなかったからです。彼らが何故このような言動をしたかという解釈は私たち読者に委ねられているため、読者によって感じる箇所は違うでしょう。しかし、人物たちの言動には意味があることは明白であることが文章からは読み取れます。「この解釈は俺だけにしかできない」という小説は素晴らしいという私の価値観にとても合う作品でした。
★3 - コメント(0) - 2014年12月18日

読み易いような読みにくいような。独特の作品でした。
★1 - コメント(0) - 2014年12月14日

第一次世界大戦からロシア革命の動乱期のウクライナ。父親の世代から地主に成り上がった一族の子、ヴァシリ・ペトローヴィチの一人称で語り進められる転落の物語。その動乱の有様、錯綜する情勢、地主階級の没落、略奪、混乱。そんな中で、年少のヴァシリと同世代のオーストリア軍の脱落兵・ウルリヒとの掛け合いはユーモラス。こういうコンビを作り出すことがこの作家の魅力だと思う。飛行機への偏愛、撃墜王への憧れ、妙な潔癖性、略奪が横行する状況のなかでの奇妙な純愛。人間が人間としてあることが崩壊した荒野を、駆け抜ける怪物たち。
★4 - コメント(0) - 2014年11月14日

ミノタウロスの 評価:82 感想・レビュー:139
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