新装版 わたしが・棄てた・女 (講談社文庫)

新装版 わたしが・棄てた・女 (講談社文庫)
あらすじ・内容
大学生の吉岡が二度目のデイトで体を奪ってゴミのように棄てたミツは、無知な田舎娘だった。その後、吉岡は社長令嬢との結婚を決め、孤独で貧乏な生活に耐えながら彼からの連絡を待ち続けるミツは冷酷な運命に弄ばれていく。たった一人の女の生き方が読む人すべてに本物の愛を問いかける遠藤文学の傑作。(講談社文庫)

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新装版 わたしが・棄てた・女はこんな本です

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新装版 わたしが・棄てた・女の感想・レビュー(276)

さらっと読める内容ですが彼の文学のエッセンスはしっかりと効いてると思います。当時の世界がありありと想像できる生々しい描写にも引き込まれました。
★1 - コメント(0) - 2月16日

ある種の恋愛に悩む女の子たちに手渡したい本No.1かも…彼の行動の意図を考えるのは無意味!これが本音だよ!と、なかなか面と向かっては出来ないアドバイス代わりになりそうだと思ってしまうくらい、A面とB面を使い分ける大学生の主人公の男心があますところなく描き尽くされています。ミツに心の平安を見出せる場所が用意されていたのがせめてもの救いか。遠藤周作の本の中では世俗的。続きが気になりあっという間に読んでしまった。新宿の「どん底」が出てきます。行ったことはありません…読んでいるだけでタバコの煙を感じるようでした。
★14 - コメント(0) - 2月7日

愛に満ちた人、みっちゃんの言動が心の琴線に触れました。タイトルからしたら救いようのないひどい話なのかと危惧しましたが、それほどでもなく、暖かいエピソードに重点が置かれていたのでホッとしました。愛に満ちた行為を自然に出来てしまうみっちゃん。でも、その素顔は俗っぽい流行歌を歌ったり、無教養であったりします。大切なものって目に見えないし、こういう普通のみっちゃんみたいな人の中に心の綺麗な人がいるような気がします。
★2 - コメント(0) - 1月25日

なぜだか心のど真ん中にドカンくる衝撃があった。一夜の男の性欲に犯され、愛し、棄てられ、それでも信じて、それでも愛して、、、それが彼女の生き方で、その生き様に涙する。男と女の情の物語だけでなく、「ハンセン病」という題材を絡め描かれる物語。それは彼女にとって愛することへの妨げとはならず、それでも彼女は愛す。神の存在だけは信じないまま。彼女は聖女だ。なんて罪深き物語なんだろう。
★22 - コメント(0) - 1月20日

実に久しぶりの遠藤氏との再会だった。途中までは単なるミーハー的な小説かと思って読んでいたが後半になって「ハンセン病」の言葉が現れ、これはやっぱり遠藤文学の本筋だと思った。それは「愛」に生きる人間の物語。困っている人、苦しんでいる人、不幸な人を見ると捨ててはおけない心こそ真の「愛」であり、その「愛」はやがて「神」へと行きつく道程だった。富士の裾野の隔離病棟でライ病患者のお世話をしながら交通事故でその短い生涯を閉じた森田ミツはカトリックの洗礼を受けながら息を引き取った。遠藤文学、いま少し読んでみよう。
★19 - コメント(0) - 1月12日

最高すぎ。一生忘れない
★3 - コメント(0) - 1月12日

再読。1964年作品。ミツは田舎出身で無教養で美人にはほど遠いミイハーな娘だけれど、間違いなく聖女だと感じました。お人好し過ぎて不器用なので損もしますが、彼女には自然に愛の行いが出来てしまいます。吉岡のような酷い男は当時は珍しくなかったと思います。その吉岡の心にしっかりと根を下ろしたミツの愛の行為は、読み手のなかでどこまでも崇高なものになることでしょう。
★88 - コメント(0) - 2016年12月16日

僕も「ぼくらの人生をたった一度でも横切るものは、そこに消すことのできぬ痕跡を残す」に感銘を受けた。痕跡って機微や奇跡のことだと思うけど、ただその時はほんとわからなくて後になってわかるもの。そこに神の存在があるならいいなぁと。
★1 - コメント(0) - 2016年12月6日

あらすじを読んで、胸糞悪くなることを危惧したが、さほどでもなかった。なんだろうなぁ、ミツのあの感じ。ひたすら善人てわけでもない。ハンセン病患者に対しての「私はあの人らとは違う」発言からもわかるけど。お人よしすぎたり無知すぎて、イラつくこともあるんだよ、吉岡のように。マリ子の現代的な魅力とあまりに対照的。ただ、吉岡がミツを忘れられないのも分かる。懸命に生きて自分のできることをしようとする、あの一途さがそうさせるのか。
★3 - コメント(0) - 2016年10月21日

ミツへの感情は、吉岡の心の奥深く、呪縛のようにいつまでも在り続け、ふとした時に幾度も出てくることでしょう。遠藤周作による上質な文学をひしひしと堪能でき、後引く深さが残りました。
★29 - コメント(0) - 2016年10月14日

そうは言ったって、そうは生きられないよ。だからこそ、尊い。という話。ミツが流れて辿り着くのが深い河なんだろう。そして吉岡さんも。
★2 - コメント(0) - 2016年9月24日

すでに失われつつある価値観を前提に描かれている世界。いづれこれは読めない物語になるのか、それともその価値観を伝える物語になるのか。
★2 - コメント(0) - 2016年8月30日

みっちゃんのこと、たぶん忘れない。いや、忘れられない、と思った。
★1 - コメント(0) - 2016年7月23日

途中から夢中 寂しい人生にも意味はある?
★1 - コメント(0) - 2016年7月12日

この本を読むきっかけとなったのは"月と六ペンス"。その本に出てきたハンセン病について調べていたところ、自分の生まれ育った土地にハンセン病患者のための施設があることがわかった。その施設には生涯を患者の救済に捧げた"井深八重"という女性がいた。この本に出てくる"森田ミツ"のモデルとなった女性だ。そこからこの本を読まなくてはならないという使命感に駆られた。読んでみると深く心に訴えてくるものがあり、森田ミツの言動にはただただ心を打たれるばかり。彼女が最後に過ごした土地の描写は鮮明に再生できる。神とは何か。良い本。
- コメント(0) - 2016年6月24日

通俗的でモリモリと読ませる。「沈黙」が硬ならば本作は軟か。吉岡が特に非道い男とは思わない。ではミツが聖女なのかというとそれは男ならではの感傷で、私にはただそうとしか生きられなかった女として映る。本作を“恋”の棚に置いた神楽坂の書店、かもめブックスのセンスに唸る。
★49 - コメント(4) - 2016年6月12日

ずーっと曇天のようなどんよりしたお話。吉岡のやったことは、確かにそんなに罪深くないけど、ミツが純粋すぎるあまりに重たいものになってしまった。もう少し吉岡の苦悩が描かれていたら面白かったかも?でも敢えて記述せずに考えさせるお話なのかも。
★17 - コメント(0) - 2016年4月26日

タイトルから男女のドロドロとした物語を想像していた。愚鈍な女性森田ミツと吉岡がどんな思惑で接点を持ち始めるのか、ドキドキしながら読み進んだが、ミツのあっけない死で物語は終わりを迎える。ミツの生き方に共感を得られないものの、ハンセン病の施設の修道女には手本のような生き方として描かれている。 まだまだ読み込みが足りないのかな…。 遠藤周作作品 難しい(・_・;)
★1 - コメント(0) - 2016年2月1日

悲しいかな、人は生まれながらにして、持って生れて来る人と、持たないで生まれて来る人がいることは事実である。でも、幸福は、持っている人のところに多く注がれるわけではない。何かをかき集めてしがみついて生きるより、すべてを分け与えて生きる方が、幸福なのかもしれない。ときどき、こういう本を読むのは、生きる糧になりますね。
★6 - コメント(0) - 2016年1月4日

とても考えされせられる内容でした。森田ミツの純粋さと周りの人への尽くす想い、吉岡努の男としての自分本位のものの考え方、そして三浦マリ子をはじめ二人を取り巻く人々がどこかで繋がっているという現実の世界でもあり得ることを表現された遠藤周作さんの世界を堪能しました。また、どこかでお互いに気にしている揺れ動いている様子がその時々での二人の状況によって変わっていて、無意識に自分に置き換えて考えてしまいました。遠藤周作さんは非常に有名な方でありながら、今回のどやさん(山田一夫さん)にご紹介頂き初めて読ませて頂きました
★3 - コメント(0) - 2015年12月19日

なんだろうな~あまり難しく愛だの神だの考えずに、単純に素直に読むのがよいような気がしました。そうすると、さわやかな読後感が味わえるような。
★1 - コメント(0) - 2015年10月30日

あまり好きでない作品です。吉岡の勝手さも男ならとわからなくもないですがどうしても嫌悪感が先にきてしまいます。ミツも最後まで読んでよくわからない。
★4 - コメント(0) - 2015年10月6日

9/9読了。読後まず、だからなに?と感じた。
- コメント(0) - 2015年9月9日

途切れとぎれに読んでしまったからか…?遠藤周作は大好きなのに、この作品はあまり…。吉岡もミツも好きになれず、何故か嫌悪感の残る作品でした。
★1 - コメント(0) - 2015年9月5日

再読。これが「軽小説」とされていた時代とは…。「悲しみがもたらされても、その悲しみでつながることが出来る世界がある」「他人の悲しみを自分の悲しみに結び付けることが大事なのだよ」の言葉は非常に胸に刺さる。泣いてしまった。つらいことがあってもそのつらさからまたつながることができる世界があるという言葉は、肺病治療のため何度も入退院を繰り返した遠藤氏ならではの言葉である。心響く。
★7 - コメント(0) - 2015年9月2日

作中にもあるように、吉岡のような男はくさるほどいるだろう。それに対してミツは、私たちの及ばぬ崇高な部分を歩む人であって、出会った感動といったらヘレンやメラニーに勝るとも劣らない。 究極の愛の物語とはよく言ったものだ。
★7 - コメント(0) - 2015年8月28日

絶望の底で孤独に打ちひしがれている時、神が救ってくれると信じる事が信仰なのでは無く、神と共に苦しんでいるのだと、苦しみの連帯感を持つ事が信仰である。それは同情や憐憫などではない、自然な行為で、それを本能で出来たのがミツだった。それなのに無垢で愚鈍な彼女が愛した吉岡は軽い気持ちで彼女の軀と心を奪ってゴミのように棄ててしまう。そして彼女の愛を本当の意味で知った時、最後に言う「ぼくは今あの女を聖女だと思っている…」と。愛と信仰の本当の意味が何と無くわかった気がした。
★27 - コメント(0) - 2015年8月27日

高校時代ぶりに再読。当時、ハンセン病を知りたいと思う切っ掛けとなった一冊、且つ、ミツの様に在らねばならないのか?と深く自問自答した記憶が甦る。はたして・・・ミツの様に生きる事は叶わないまでも、人のために尽くす職業には就けたわけなので、聖女の心をもって人と接したい。ミツは吉岡という存在があっただけで幸せだったと思う。ずっと好きでいられる、大切な大事な存在があるというだけで、女は充分、幸せに生きられるものだと思う。だけどそんな事、吉岡は知らなくてもいいのでしょうね。愛の重さを背負って生きればいいのでしょうね。
★7 - コメント(0) - 2015年8月9日

ハンセン病という病を持ち出さずとも,ミツの美しい献身さは描けただろうに。 1つの問題提起だったのか,経験から来るものだったのか。
- コメント(0) - 2015年8月8日

Kei
愚鈍で純粋なミツの身体を弄び、ものともせずに棄てた吉岡。吉岡のような男は現代にもはいて捨てるほどいるだろう。弄ばれて棄てられるミツのような女も然り。馬鹿だなあと思いこそすれどそれ以上に感情移入はできなかった。それでも、ミツの崇高とすら呼べる心には胸を打たれる。いやに生々しい心理描写も、作品の雰囲気にぴったりで素敵だ。暗いけれど最後には読んでよかったと思える、心に残る作品。
★1 - コメント(0) - 2015年7月13日

「ノルウェイの森」を思い浮かべた。お洒落度はゼロだけど。構造が矢鱈似ている。そして、ベルイマン的神の不在。ベルイマンより悟っているのはやはり日本人だからとしか言いようが無い。面白かったが、わかり易過ぎる話ではある。実はミツもただ献身という形で欲を満たそうとしているのだ、という事を作者が気付いていればもっと深みが増すのだが、それを求めるならグレアム・グリーンを読まねばなるまい。ただ、人物がひたすら凡庸で悪は小さく、遍く現れる善の姿に、優しさと性善説があり、財布を落としても戻ってくる国ならではの良さがある。
★1 - コメント(2) - 2015年6月16日

もっと低俗なお話かと思って読みだしたが、予想外に感激を受けた。凡庸なミツに、聖人の姿をみた。
★6 - コメント(0) - 2015年6月10日

 ユーモア軽妙な筆致の長編。哀愁が漂う終盤では目頭が熱くなった。物語は、終戦三年後から始まる。主人公《ボク》は、学友・長島繁男と神田の汚い6畳で下宿生活。貧乏なボクはアルバイトに精を出す。そんな折、純真無垢な女・みつと出会う。ボクは情欲を、みつはボクに愛を求めた。その目的が叶うとボクは、みつは聖女だと思いながらも棄ててしまう。そして、勤め先社長令嬢と結婚。みつが孤独と貧乏に耐えながらも、一途にボクからの連絡を待っていることを知る・・。自己欲に走った男と、ひたすら愛を貫く女を、遠藤周作は見事に描き上げた。
★49 - コメント(13) - 2015年6月6日

あんなに欲しがっていたカーディガンを買うのをやめてまで…どうしてミツはここまで他人に寄り添えるのだろうと不思議でならなかった。自分の悲しみを他人の悲しみに結び合わすことを実践した生き方だったのだろうけど。修道女からの手紙のお陰で、吉岡にはミツの生き様がまざまざと見せつけられたようで、それがせめてもの救い。
★3 - コメント(0) - 2015年5月7日

ミツの姿に何度も泣きそうになった。愛を実践するミツ。ミツを弄んでゴミのように棄てた吉岡。両者に言い分はあるだろう。しかし吉岡が言うように、一度関わった人間との間には消すことのできない痕跡が残るのだ。「さいなら、吉岡さん。」ミツの愛。世の男性が皆吉岡のようであるとは、私は思いたくない。
★9 - コメント(0) - 2015年5月1日

遠藤作品は読むたびに人間のちっぽけさ、自分の狭隘さに気づかされる。ミツの貴い生き様は痛々しさまで感じた。自分が吉岡だとしたら、この小説のままの生き方を選択していたと思う。ある意味「平凡な」吉岡との対比で、人間のあるべき姿を考えさせられた。
★11 - コメント(0) - 2014年12月15日

確かに彼女は聖女だ
★1 - コメント(0) - 2014年11月30日

新装版 わたしが・棄てた・女の 評価:66 感想・レビュー:76
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