日本海軍と政治 (講談社現代新書)

日本海軍と政治 (講談社現代新書)
あらすじ・内容
海軍の太平洋戦争への責任は陸軍に比して軽かったのか? 明治憲法下において政府・議会と並ぶ国家の主柱であったにもかかわらず、その責任を十分に果たすことのできなかった海軍の「政治責任」を、「不作為の罪」をキーワードに検証する。これまで顧みられることの少なかった「海軍と政治」の問題をはじめて正面から問う問題の書。

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日本海軍と政治はこんな本です

日本海軍と政治の感想・レビュー(79)

憲法改正による国防軍創設には賛成の立場だ。しかし、政治と軍事の棲み分けが難しいために、海軍が知らず知らずに政治に影響を及ぼしていたとなると、慎重にやらねばならないとも思う。戦後長い事、軍事関係が忌まわしい事のように扱われてきた日本でいきなり国軍を復活させても、政治家や世間が軍をコントロール出来ないか生かせないかだな、と。故阿川弘之氏が伝記を書いている米内光政の罪の重さにも愕然。日中戦争を拡大させた責任者の一人でもあったとは。山本五十六、米内光政、井上成美については批判する本も読みたい。
★1 - コメント(1) - 2016年7月23日

海軍は伝統的に政治に対しては消極的であった、ただし予算獲得には積極的であった。という前提に立ちすぎている。あまり厳密に分析された内容ではないと思うが海軍について知らないので新鮮ではあった。
- コメント(0) - 2016年2月17日

「軍人は政治に関わらず」を信条としていた海軍。だが、海軍が主観的には「管掌範囲」(役割分担)内の事のみを処理しているつもりが、実は知らず知らずのうちに政治決定に大きな影響を及ぼしていたという著者の指摘は眼から鱗だった。そして「軍人は政治に関わらず」という棲み分け意識と「管掌範囲」を重視する官僚的意識ゆえに、海軍に政治的決定を牽引する役割が期待された局面(太平洋戦争の開戦・終戦時など)においても、海軍は自らの任務の殻に閉じこもり、大きな混乱を招いたと指摘する。政治と軍事の関係について考えさせられる一冊。
★9 - コメント(1) - 2016年1月18日

かなり抽象的なテーマで、おまけに海軍の動きもあまりはっきりしたものでなく分かり難い。政治との距離を置こうとしたことで、専門分野への引きこもりをおこし適切な関与を怠った感じか。
★5 - コメント(0) - 2015年11月8日

先月、陸軍についての本を読んだので今回は海軍を。海軍は陸軍ほど政治に関わったイメージが無いが、それは徴兵制と志願制の違い、人中心と軍艦中心の違いなど色々な要因があるらしい。初期議会における予算を巡るやり取り、加藤友三郎の政党内閣との協調、軍縮を巡る議論、そして開戦と終戦など、時代にそって海軍と政治の関係を記述している。政治と軍事は対立するものではなく、隣接し、頑なに政治に関わらないとそれはそれで問題が生じるのだと思った。
★3 - コメント(0) - 2015年10月6日

20150902ー20150920
- コメント(0) - 2015年9月20日

以前海軍はアホな陸軍に巻き込まれたという話を聞いたのを思い出した。これを読んでスマートな海軍が顕在だったということがわかった。何故海軍が陸軍より政治的介入をしなかったのか、それは艦を動かすために物理学や数学が必要で政治に関する興味が陸軍より低かったということにも納得できた。陸軍と海軍は別組織で全くもって管轄がわかれていたということを知り益々陸軍の政治的介入に歯止めをかけにくい組織体制だったこともわかった。海軍は海軍なりの戦争の仕方、考えそれが知れてよかったと思った。陸軍のもあったらぜひよみたいなと思った。
★44 - コメント(0) - 2015年9月14日

これまでの海軍のイメージや、海軍軍人たち(特に米内)のイメージが大きく変わった。「管掌範囲認識」という言葉をキーに、戦前~終戦に至るまでの海軍の政治とのかかわりを説明していく。特に、第2次上海事変における米内の考えや姿勢は、うまく説明できていると感じた。
★1 - コメント(0) - 2015年8月9日

「政治介入に消極的」とされた帝国海軍の実態について生成から消滅まで、丁寧に書き起こした力作。
★1 - コメント(0) - 2015年7月10日

個別組織のレゾンデートルを護るために、優秀な官僚機構が自己最適を目指したとき。自己最適の重なりが科学反応を起こす。それが歴史とはいえ、まるで、自分の会社と同じ。 善玉でも、悪玉でもなく、冷静な歴史家の目で捉えられた意見が心地よい。読みやすく、他の著作も読んでみたい。
★2 - コメント(0) - 2015年7月5日

日本海軍の善玉論があり、悪玉論があります。著者はそれらを感情論として切り捨てたのち、日本海軍は政治にどう介入したのか、あるいはどう政治に対し超然としようとしていたかを描いています。海軍軍人はその教育体制からして理系を志向する人々であり、そしてそれ故に官僚的な性格を持っていた、という結論の過程は斬新であり、興味深い。そういう考え方で海軍という組織の成り立ち、推移を見ると、腑に落ちるところがあり、面白い。やはりいろいろな書物を読んでみるものだねえ。
★7 - コメント(1) - 2015年6月26日

日本海軍と政治との関わりを創建時から通史的・概略的に記述しつつ、近代官僚制組織の一つの現れとして分析。日本海軍が、軍事的専門性の殻に閉じこもっているつもりで、陰に陽に政治に関わることとなり、図らずも政治的混乱を演出してきた様子が描かれる。加藤友三郎はやはり気になる軍人政治家だった。平沼騏一郎の暗躍も割と面白かった。
★3 - コメント(0) - 2015年6月24日

評価:★★★★ 勝海舟らによる海軍省の創設から太平洋戦争敗戦までの海軍と政治の関係の通史。「軍人は政治に関わらず」の精神を掲げるも、政治には消極的だった海軍。にもかかわらず、国防の専門家としての自負と職務遂行のための責任感の強さから予算獲得に奔走する。そこに建艦競争など軍拡という時代背景が重なったために、政治に消極的でありながら、主要な政治主体になってしまったという皮肉を明らかにしている。
★6 - コメント(0) - 2015年6月23日

組織をファンクションとして捉え、マクロで考えるとととても納得できる論調でした。そのファンクションである軍事を技術、政治を営業と置き換えると私の職場にも当てはまるようです。 しかしながら組織の構成要素である個人のレベルにまで落とした場合は果たしてそうなのかなあと疑問に思いながら読んでいました。 マクロとミクロで見方が変わる。物理学の世界と同じなんだなあと眼から鱗でした。
★1 - コメント(0) - 2015年6月19日

日本海軍の成立経緯、志向と時代と時代の関係から海軍の政治に対する影響からの視点を提示している。組織の立ち位置は政治を避けようとしても政治に影響を及ぼすというのは参考になる。
★1 - コメント(0) - 2015年6月18日

太平洋戦争時の「軍部」というと、確かに陸軍ばかりが語られて海軍に注目が向けられることは比較的少ない。日本海軍という組織の風土、性格を建軍当初まで遡り辿っていく。海軍はその性質上理数系が多く、陸軍に比べると政治的能力に長けた者が少なかった、というのは自分には無い視点だった。また、陸軍への対抗意識を持ち陸軍の提案に逐一修正を入れていくことは、決して陸軍へのブレーキにはならず、結果的に陸軍への追従となっていたという指摘もうなずけた。
★2 - コメント(0) - 2015年6月17日

読みたかった本。軍事と政治は境界線が曖昧で関係が非常に濃い。しかし、陸軍と比べ政治では劣っていた。そして、対立しつつも修正案をだし、追従しているとの指摘は良く理解できた。海軍は国防のための政治活動が主であり、深く介入しなかったが、それが政治に大きな影響を与える結果になっていた。新しい視点で勉強できた。
★8 - コメント(0) - 2015年6月11日

「海軍あって国家なし」と言われる理由が理解できる。「省益あって国益なし」と言われる現代の中央官庁と基本的思考は同じ。官僚は自分が属する組織の最大利益を求める。組織目標を達成することが、国のためになると固く信じている。そのためには、優秀な人材と目的達成に必要な予算獲得を組織の最大命題とする。個別組織の最大利益追求は組織間の衝突を呼ぶ。昭和初期まではその調整を維新の元勲や重臣たちが担っていたが、彼らの没後は調整者が不在となった。海軍は無意識のうちに組織目標のために政治介入したり、距離を置いたりしていただけ。
★4 - コメント(0) - 2015年5月21日

政治に消極的だった海軍が、自らの管轄エリアへの専門性の自負と責任感、更には対外危機による管轄エリアの拡大によって海軍の自意識とは逆にずるずると政治に足を突っ込んでいく、というまさに逆説的としか言いようのない事態を描き出す。最新鋭の機械を動かすために物理学をはじめとする理数系科目をみんなやらされることによる合理性重視と政治への弱さが原因と著者は分析するが、これは法律分野ばかりやってきて硬直化する官僚や司法など現代でも同じことが起きていないかと言える恐ろしい問題である。
★5 - コメント(0) - 2015年5月18日

それはダメだってほんとはわかってたのに、言わなかった、言えなかった、言うべきだった、ため息。内容はとてもわかりやすかった。
- コメント(0) - 2015年5月16日

政治工作に消極的だったと言われる日本海軍だが彼らの行動原理を管轄範囲に関しては主張を押し通すものだとして日本海軍の歴史を振り返っている。政治への関わり方は陸軍も海軍も一長一短で統一的な方針を示さなかったのが一番の問題だったのではなかろうか。
★2 - コメント(0) - 2015年5月13日

軍人は政治に関わらないことを基本としていた日本海軍は、しかし、その専門領域への執着の為に、結果として昭和期日本の重大局面へ影響を与えることとなったというのが、この本の趣旨です。 専門職域への執着等の面を見てみると、日本海軍もやはり、日本陸軍とは異なる形の官僚組織であったと感じます。
★3 - コメント(0) - 2015年4月11日

明治初期には海陸軍、その後内乱対応により、陸海軍になった海軍の歴史が詳しく書かれています。陸軍との対比が面白いです。出身藩 薩摩海 長州陸 手本 イギリス海 ドイツ陸 気質 数学物理基礎学問海 強い精神主義陸 。 1890年代陸軍佐官の四分の一が山口、海軍佐官の大半は鹿児島出身だったとのこと。その後昭和戦前期には、出身藩ではなくハンモックナンバ-が出世に影響されより官僚的になっていったそうです。海軍の政治への関与や世界情勢に影響されていく流れなど興味深く読むことができました。
★1 - コメント(0) - 2015年4月4日

著者の言いたいことはよく理解できた。ただ、その一点にこだわりすぎている気がして、読んでいて広がりを感じなかったことが残念だ。旧日本海軍の通史として読むにはちょうどいいかも。
★13 - コメント(0) - 2015年3月17日

TM
人間自体が戦力である陸軍は徴兵が重要だ。そのため原資となる国民世論の動向は彼らにとって重要でありそれが陸軍の政治力を強化した一因ともなる。海軍は違う。戦艦を動かさなければならない。それには高度な専門知識が必要でその習得にも時間がかかり、それが機能別で合理的な集団組織を生み出す要因に。さらには戦艦には金がかかる。海軍にとっては世論の動向よりも予算の分配の方が気がかかる。このように見える景色の違う陸海軍が日本をどうしようとし、どう戦争をはじめ、またそれらを決定した両者の思考形式の違いとは何かを論じる良書。
★14 - コメント(0) - 2015年3月15日

所謂「海軍の良識」などについて。
★4 - コメント(0) - 2015年3月11日

善玉悪玉論を超えて日本海軍の政治責任について検証することを通じて「今」に活きるきっかけをつくろうとしている。
★4 - コメント(0) - 2015年3月10日

「私は海軍研究をしてますが、軍艦は良く知りません」というスタンスが面白い。一方で政治学からの視点は非常に鋭く、「海軍軍人の気質」や「政党政治対するスタンス」「侵官の害」についての考察は秀逸だった。日本海軍組織に対するイメージを固めることができた本当に有意義な本だと思う。しかし作者さんは加藤友三郎が好きだなぁ。
★4 - コメント(1) - 2015年2月24日

ニッポンのエリート組織としての海軍。
★2 - コメント(0) - 2015年2月22日

帯にあるように「海軍は善玉だったのか?」という言葉に対する一つの答え。陸軍との対比において、初期は劣勢に置かれつつ、徐々に政治に微妙に容喙しながら盛り返していく感じは、いかにも政治ではなく、役人というか、今の現代日本でもありそうな光景。
★3 - コメント(1) - 2015年2月11日

列強に伍するのに強力な海軍が要るのは自明だが、明治初期は叛乱鎮圧のため陸軍の整備が急務。海軍予算は陸軍の半分とされ、1945年までつづく恨みをのこした。しかし政情が安定しても海軍は人員が不足しており(およそ陸軍の1/5)、政治力のある陸軍に追随し、おこぼれにあづかることが多かった。両軍は対立する様でしてなかったらしい。なお自衛隊の前身「警察予備隊」も治安維持が主目的であり、国民を信用できず軍事力で威嚇するのは日本政府の習い性の様だ。
★3 - コメント(0) - 2015年2月5日

「管掌範囲認識」という概念により、政治不介入を是とし、自らの軍事的要求の貫徹を目指した結果、いかに海軍が政局に影響を与えたかを実証している。帝国憲法下では権力が分立(いわゆる三権でなく、統治と陸海軍の統帥など)しており、それを政治的大局から制御する制度がなかった(天皇は立憲主義を意識してその役を避ける傾向にあった)ため、いわゆる合成の誤謬のような状態になったこと、また自己の領域には絶対の自信と責任を持つ一方、他の領域には口を出さないという官僚主義が問題化したとする。今の政治状況に対しても教訓が多い。
★4 - コメント(0) - 2015年2月1日

旧憲法の欠陥は天皇が唯一絶対の存在で、内閣は輔弼し、軍部は輔翼という形で統帥権を行使する。内閣内でも首相が閣僚の任免権がなく、軍部内でも軍政機関(海軍省、陸軍省)と軍令機関(参謀本部、軍令部)の齟齬が起きる。陸軍より海軍は蹉跌が少なかったとはいえ、機構の欠陥が最後まで尾を引く。陸軍に統制派と皇道派があったように、海軍内にも条約派と艦隊派が存在し、自分らの権益のため政党と結んで予算確保で策動するし、自分の担当、専門分野に立て籠もることもできる。相互のチェックが働かない組織の脆さ。日本株式会社の母型かも。
★21 - コメント(0) - 2015年2月1日

日本海軍の特徴やその行為が近代日本にどのような影響を与えたのか、そして、日本海軍はなぜそのような特徴を持ち、そうした行動をとったのかを明らかにして、現代社会にも有用となるような教訓を、海軍をめぐる歴史の中から取り出していくことを目的とした本である。
★1 - コメント(0) - 2015年1月24日

筆者の『海軍将校たちの太平洋戦争』が良かったので買う。海軍将校があくまで軍人であり同時に官僚であることからくる行動、意識から、彼らの戦争への荷担を述べる。新鮮な切り口だろう。他に平沼騏一郎の政権構想、広田内閣の総辞職の真相、伏見宮の悔悟など知らなかった歴史的事実を知ることができた。
★1 - コメント(0) - 2015年1月21日

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