形式:新書
出版社:講談社
形式:Kindle版
出版社:情報なし
タフな国際競争に常にさらされているためか,製造業で働く方々には,日本の未来をたいそう悲観的に捉える方が多いような気がします。昔の知り合いに素材関係の一流企業の役員の方がいましたが,彼はいつも「この国はもう終わりだぁ!!」って言ってました。もう15年前のことですが,この国は今もなかなか元気です(笑)。彼らの分析や評価は決して間違っておらず,日本の問題点を鋭く見極めているわけですが,それにしてももう少し楽観的になれないものかなぁ・・・と思うことがあります。本書の著者にも,同じような「におい」を感じました。
消費者のニーズをつかむ努力をせず、高品質・高価格の商品を売ろうとしても上手くいくはずがありません。日本企業が分かっていなかったのは、海外の消費者達が自分達の考えている以上に多くの選択肢を持ち得ていたということなのではないかと思います。同じ品質なら安い方を買うのは当然です。
とはいえ、ベトナムにおけるホンダのバイクやインドネシアで販売されている車の天井に設置された送風扇など付加価値を付けることで他社より一歩前へ進もうとする姿は日本企業の今後に期待出来るのではないかと思えてきます。「自分で考えて自分で行動する」。何度も文中に出てくる言葉ですが、大切なのはシンプルで当たり前なことなのだと実感してしまいます。
(続き) 中国製コピーに純正部品をバラ売りしたホンダ。リマン事業で製品寿命のデータを集めるコマツ。 iPhone筐体の削りだしと転造めねじ。基礎技術、新技術は安定安全な日本で開発すべき。自分で考えて自分の責任で行動する。常に世界の中でのポジションを意識して物事を考えることが重要だと感じた。
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