かかとを失くして 三人関係 文字移植 (講談社文芸文庫)

かかとを失くして 三人関係 文字移植 (講談社文芸文庫)
あらすじ・内容
群像新人賞受賞作を含む初期中編三作。独特な作風と言語・文化への鋭く繊細な洞察から生まれる多和田ワールドの魅力が横溢する作品集

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かかとを失くして 三人関係 文字移植はこんな本です

かかとを失くして 三人関係 文字移植の感想・レビュー(85)

この作風ははまってしまう。大好きになりそう。社会に対する軽い憤りを感じる。反発?抵抗?理由がありそう。
★16 - コメント(0) - 2016年11月7日

爪先立ちで歩くように言語を吃らせること。
★1 - コメント(0) - 2016年10月25日

「三人関係」のみわかった。「かかとを失くして」はなんだか統合失調症患者の妄想みたいだな、と思った。よく考えると大した話ではない。異国で生きる女の人は大変なのですね。それに比べれば「三人関係」は、まあわかりやすい。本読む人とか文藝愛好家とかには、こういう種類の関心をもつ者も多いだろう。その好奇心が満たされたら、という話で、しかし彼らの願いが彼らの思い描く形で成就することはたぶんない。
- コメント(0) - 2016年2月12日

「かかとを失して」とても不穏でぞわぞわと落ち着かない偽装結婚の話。外国に住み言葉はわかってもその国の人々の常識、アイデンティティの欠如で疎外感を感じる感覚が著されている。「三人関係」語る話に飲み込まれ囚われて行く、これも負の感情を刺激される話。「文字移植」作者と共に物語を体験して獲得していく翻訳作業の行程を進んでいるよう。3作とも不思議な現実と夢や妄想が同じ濃度で混じりあっていて不安定な気分になる。
★15 - コメント(0) - 2016年1月7日

夫との生活、不気味でそらぞらしくて他人行儀で居心地が悪くて奇妙でどこかおかしい異様な空間を、「かかとをなくす」と表題したのが面白い
- コメント(0) - 2015年8月2日

『かかとを失くして』/薄暗い明かりのなかのシュールレアリスティックな夢を見ているかのような小説世界。どこからやってきたのか、どこへ到着したのか、何もわからないまま物語は始まり、そして突如終わる。習作のような長さでありながら、完成した世界観が提示されていることに作者の深い才能を感じる。多和田文学の列車にのって読者はゴトゴトと揺さぶられながら「こちら側」から「あちら側」へと越境していく。
★3 - コメント(0) - 2015年7月28日

お気に入りの小さな図書館に通い少しずつ読んだ。どこか遠い異国の見知らぬ路地を歩いている気がしてならなかった。独特のリズムと句読点につい気をとられていると何かを見失い、足元すくわれそうで油断ならない。主人公たちは何かを知りたくて見たくて、好奇心と怖いもの見たさに一人で葛藤するけれど、超えてはいけない、けれどその先に心地よい何かが待つ境界線を前に、それを超えてしまう誘惑に震えてしまう。ずっと探していたものがそこにある確信とともに。読後は官能的な夢を見てハッと熟睡から覚めたような、心地よくて少し後ろめたい放心。
★118 - コメント(1) - 2015年6月5日

おもしろい。三篇を一読してただちにわかるのは、作者が言葉の視覚的なしかけを狙っているということ。なかでも句読点にかなりの執着を見せているようです。あれはどこそこに打つものだという明確な定義が私たちにはありませんが、まあここらで読点を打っておけば目に優しくて見やすいだろうと、あるいはこの辺で切るかな(句点にする)と、だいたいの目安を各々ながらもっています。しかし本作品集では、もちろん明らかな企みの下にこれがいじられ、<読む>行為自体に影響を及ぼしているのです。解説も詳しく、一冊の本としての出来がすばらしい。
★7 - コメント(0) - 2015年3月4日

裏表紙のあらすじを読んで面白そうだと思ったのだけど、私には難しかった。ぐすん。三編に共通する不安定な感覚は癖になりそうな気もするけれど。それが強く出ているのが題名からも窺える『かかとを失くして』続く『三人関係』は最後まで読んで、二人ではあなたと私がどちらかよく分からなくなってしまうかもしれないが、そうならないためにもう一人必要なのかと思ったり。最後の『文字移植』が一番面白かった。バラバラの文字のせいでわたしまでバラバラになっていくような。おまけにわたしはひとりきり。
★4 - コメント(2) - 2015年3月2日

「根底」や「ルーツ」や「母国」や「オリジナル」や「性別」など、「地に足のついた人」ならば当然持っているとされるもの、信ずるに足るもの。いずれもどこかぎこちない語り手たちによってそういった概念が次々と「異化」されていく小気味よい中編集。とはいえ、小気味よいだけではない手強さがもちろんある。近々読み直したい。
★1 - コメント(0) - 2015年1月18日

H
言葉にあやつられないように言葉をこちらからあやつろうとして、でも完全にはのがれられないもどかしさと恍惚。現象はほどけていって、わたしを思わない方向に、思っている方向に、連れ去っていく。多和田さんの小説はいつも、両義性のあいだを、いったりきたりしている。
★3 - コメント(0) - 2015年1月10日

すごくおもしろかった。異国を爪先で歩くように生活するのだけれど、結婚相手の夫とは一度も会えずに気配と共に生活する。変更前は『偽装結婚』というタイトルだったらしい。多和田さんの筆力と独創性が素晴らしかった。
★6 - コメント(0) - 2014年12月30日

これは、ちょっと感想書くのに困りました。多和田さんの別の作品をもう少し読んでから、書こうと思います。
★1 - コメント(0) - 2014年11月20日

これは表現をする小説ではないとおもった。しかし小説が表現をするもの、というわけではない気がする。明らかに、とんでもない書き手だな、ということが読んですぐにわかる。労働者としての読書/歩くこと――多和田葉子「かかとを失くして」 - カプリスのかたちをしたアラベスク http://machahiko1205.hatenablog.com/entry/2014/10/26/222102
★2 - コメント(0) - 2014年10月27日

作者の言うところの「かかとのない文章」が独特で惹き込まれた。三篇ともよかったけど、特に『文字移植』が面白かった。
- コメント(0) - 2014年8月5日

どこでもない奇妙な場所の中で人物たちはそれぞれ奇妙に立ち回る。それは偶然というより必然。旅について解説では触れられているが、移動してその先で生きていく人間の直面する事態を詳細に切り取って、これはかなり俯瞰的な社会や個人のはたらきを象徴しているものになっている気がする。「文字移植」は少し難解。「三人関係は」スリリング、「かかとを失くして」が一番好き。どれもに通底するのは、作者のユーモア。
★2 - コメント(0) - 2014年7月31日

どれも面白かったんですが、個人的には「三人関係」が一番好きですかね。まだまだ読んでいない作品が沢山あって、ワクワクします!
★1 - コメント(0) - 2014年6月23日

なんだか落ち着かない、借り物暮らしのような「かかとを失くして」良かった。かかとを失くして、三人関係、文字移植。この本の装丁時代が「文字移植」の一部のよう。多和田作品、少々難しや・・なんですけど、好きです。
★18 - コメント(0) - 2014年6月5日

三角関係ではなく「三人関係」。物語がどう駆動してゆくのか、実験性の高い手法で記述している。「私」のもつ三人関係、「私」の勤める会社でアルバイトをしている学生の抱える三人関係。その学生と、作家と画家の夫婦をめぐる三人関係の虚構性の中にのめり込んでゆく「私」。境界線上にある人間の危うさをこの作家はよく描く。書類結婚をして母国から異国へと移り住んできた主人公の、夫とは全く関わらない不可思議な生活を描く「かかとを失くして」。カナリヤ諸島に入って翻訳の仕事を進める主人公の幻想的な危機意識が奔出する「文字移植」。
★1 - コメント(0) - 2014年5月31日

解説なんてなくしてしまえばよいのにと思う。こんなものはごみだ付録としても最悪だ、と苛立っていると、自分が誰かの怒りをなぞっていて、本当にそんなことに怒っているのかどうなのか不安になってくる。解説としてなにも解説していないから私は不満なのだろうか、言葉が云々、言語の形云々、そんなものはすべて虚でしかないのだ、金持ちの遊戯でしかないのだ、そしてそれが解説として打ち出されることに腹を立てているのか、多和田葉子の能面を疑っているのか。幻想だと認めてしまったらとても生きていけない、いつになく不穏さが残る。
★3 - コメント(0) - 2014年5月28日

むむむ。久々のわけわからない系。じっとりまとわりつく感覚。汗ばんでいやなにおいがする感覚。メタモルフォーゼとか身体損傷は(それがなにかの暗喩にしても)苦手だ。
★3 - コメント(0) - 2014年4月29日

いちばん大変そうに思えた「文字移植」に結果いちばんのめり込んだ。私も翻訳をするべきかもしれない、と翻訳という言葉に「言語」の翻訳ということは全く結びつけずに繰り返しぼんやり思い、後から、あ、そうか、それが「移植」ってことか、と気付く。三篇とも、始めはざらざらとして地味な色合いに見えたのに、読むうちにオナモミかセンダングサのような弾力のある鉤爪にしっかり引っ掛けられた気になってくる。どうしたことか。
★36 - コメント(1) - 2014年4月24日

現代文学の症状のひとつ、『多和田』型文体の誕生である。ワンセンテンスが黒魔術の詠唱のように長い。終わりを繰り延べるこの文体を本人は「かかとのない小説」と呼んでいる。彼女のようにドイツ語を日本語へ変換する作業を通じて外国語の独特なリズムを体得した小説家においては美徳だが、近年の小説に多いワンセンテンスの乱暴に長いだけの小説は読むに堪えない。さて、この「かかとを失くした文体」は「1文で出来た小説を書きたかった」という芥川賞受賞作『犬婿入り』へと発展し大きな花火を上げている。彼女を読む上でまず押さえたい一冊。
★2 - コメント(0) - 2014年4月21日

何処の国の話しなのか?とても幻想的な世界でした。ハラハラする場面もあり落ち着いて読むことが出来ない作品でしたが最近読んだなかではかなり印象がのこりました。他の作品も読もうと思います。図書館にて群像のアーカイブにてかかとを失くしてのみを読む。
★1 - コメント(0) - 2014年3月30日

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