大統領閣下 (ラテンアメリカの文学 (2))

大統領閣下 2巻の感想・レビュー(26)

『族長の秋』のように独裁者の孤独が描かれているかと思ったんだけど、まだ独裁者は意気軒昂で外向きの力を大いに発揮しており、その内面への描写は多くはない。その力は、乞食から側近まで、少しずつ繋がりをもって次々に登場する人びとを、理不尽な状況に容赦なく追い込んでいくばかり。なかなか辛いですよ。小説から離れて考えたとき、やはり難しいのは無条件的な崇拝者、あるいは個人的受益者としての支持者の存在でなー。独裁者の鎧が脱がされるのはまだ先。訳文でしだいに→したいに→死体に→死体となるところ、すごい。原文はどうなんだろ。
★4 - コメント(0) - 2016年9月20日

闇の帝王のごとく君臨する大統領閣下の無慈悲さは、彼の言葉ではなく事象を以って示される。敵も味方もない、自分しかない。閣下との張り詰めた関係の中に漂うマジックリアリズムの香りがさらに本書に格調を与える。
★3 - コメント(0) - 2016年7月13日

★★★★★ 最高に良かった。銃殺やら独房やらの場面は十二分に重いのだけれど、その一方で、内田吉彦氏による訳文の読みやすさ、リズム感の良さ(原文がそうなのだろうが)も見過ごせない。「けんかするのはよそうじゃないか!」「けんかするのはよしましょうよ!」「しかしわけがわからんね…」「あったりまえのことなのよ! あったりまえ、あったりまえのこと!」「わけわけわけがわからんよ!」「あったりまえ! あったりあったりまえ! あったりあったりあったりまえよ!」(p.49)…ヒップホップというかスクラッチしている。
★3 - コメント(0) - 2015年4月16日

男はむち打ち、女は精神破壊のち再起不能ですぞ、プレジデンテ!ただただ悲惨で読書期間中の寝覚め最悪だが、繰り返される言葉のリズムでまっこと読まされる。「はいパンですよ!パン!パン!」ダンサーズの登場には、ぶったまげたなあ。
- コメント(0) - 2015年2月27日

南米文学での魔術的リアリズムの創造に多大に貢献したと云うミゲル・アンヘル・アストゥリアス。本書は、19世紀前半、グアテマラの大統領、M.E.カブレーラの22年に亘る独裁政治を題材に著された「大統領閣下」と処女作の「グアテマラ伝説集」を収録。第1作品は、独裁政治の暗黒部に焦点を当て、ノンフィクション的なリアリズムで貫かれている。腐敗した政権の悪、横暴さ、理不尽さが生々しく強烈に伝わってきた。第2作品は、インデイオの物語や伝説、古代マヤ等をベースにしていて、まさしく魔術的リアリズムそのもの。
★33 - コメント(2) - 2014年9月2日

ラテン・アメリカ独裁者文学として必ずと言っていいほど名が挙がるのが本書『大統領閣下』である。ガルシア=マルケスの『族長の秋』のように文学的に凝った技法はなく、独裁者の恐怖を前面に描き、荒んだ社会における生き難さ、恐怖に対する慄きを真っ正面から描いている。大袈裟でも虚構でもない、全ては恐らく歴史の中で繰り返されてきたことだろう。アストゥリアスは亡命先で小説を書き続け、本書も脱稿から出版まで十年以上のタイムラグがあったそうだ。魔術的リアリズム云々よりも、こういった背景の方が心に残った一冊である。
★20 - コメント(0) - 2012年11月28日

恐怖の前に毅然としている奴などいない。怯え逃げ狡猾に立ち回る。天使のようなカミラも悪魔のようなアンヘルも。一番描かれてないのは大統領。一番怯えている人間。
★1 - コメント(0) - 2012年11月9日

あまりおもてに現われないが故にかえって存在感を増している、絶対的な権力者としての大統領閣下が不気味だった。魔術的文体で綴られた権力と恋とアイデンティティの物語。
★6 - コメント(0) - 2011年7月5日

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大統領閣下 2巻の 評価:77 感想・レビュー:10
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