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ジャージの二人 (集英社文庫)

感想・レビュー
379

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mayu
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HOBO選書。仕事も、夫婦関係もうまくいかない僕と父が別荘で過ごす夏。特別な何かが起こるわけじゃなく、ただ日々を送っている。妻が浮気してその相手とも破局。別れるとも決断はできず、許せない気持ちも消えない。苦しさを抱えつつも妻との不仲は言い出せなかったり、慣れない自炊に戸惑ってみたり。前半は二人で、後半は三人で。ふたつの夏を越えるうちに、少しずつ僕の気持ちが変わっていくのが見える。急いで結論を出そうとせず、あるがままにフラットな視点で。お互いに踏み込みすぎずに。こういう距離感やバランスが良いと思う。
0255文字
飼い猫の名はサチコ
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ネタバレ佐野洋子をモデルにした女性(遠山さん)が登場することに興味を持ち読了。2003年刊行の本作は、当時の生活用品や生活様式が細かく描かれ、作品の面白さに加えて、20年前のタイムカプセルを開けるような感覚が味わえた。携帯メール、電話線でつなぐネット、レンタルビデオ屋、コンビニでの立ち読み、東京の猛暑は34度あたりが最高気温etc.。隔世の感。山荘のある北軽井沢に立つリゾートホテルの展望用エレベーターに乗った際の、「子供のころに海外旅行のおみやげでもらったボールペンがこんな風だった」という描写が印象に残った。
0255文字
ユカ
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日常から離れてみることって効果的かも。 普通はそういうことにお金がかかるから難しいんだけども。
0255文字
ももしびっく
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仕事もぱっとせず、家族(主に妻)とうまくいっていない父と息子の男2人(と大型犬1匹)が、古ぼけてジメジメした別荘でダラダラと夏を過ごす…ただそれだけ。(タイトル通り…)だけど、そのありのままが絶妙だ。妻との不仲を打ち明けることを“なんとなく躊躇する”感じとか、慣れない自炊に倦む様子とか、躾られていない犬の天真爛漫さとか。ムダにリアル(褒め言葉)。さすが長嶋有。でもよそで大っぴらに大恋愛した女性は、子どももいない家庭には戻らないと思う。そしてそれでめでたし、な気がする。
ももしびっく

ミカママに長嶋さんのイメージなかった…ちょっと意外(笑) どの本も良作よね(´∀`*)

01/29 23:53
ミカママ

一時期まとめて読んだんだけどね。これ、映画も原作ののほほん感出ててよかった☺️

01/29 23:55
3件のコメントを全て見る
0255文字
こうすけ
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互いに結婚生活につまずいている父と息子。お古のジャージを着ながら山荘で過ごす、ひと夏のお話。特に大きな事件が起きるわけではなく、いい意味でだらだらと日が過ぎていく。別荘と聞いてイメージするような優雅な生活じゃないが、そのあたりの描写がとてもよい。最初は読もうか迷ったけど、併録の『ジャージの三人』も含めてひとつの完成した物語になっていました。やはりいいですね、長嶋有。
0255文字
crnbooks
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日常と離れた山荘で日常を振り返る主人公の言葉から、妻に対する感情が少しずつ見えていく。他人に対しても自身の感情に対しても視線がフラットで、すっきりと綴られていらから読み進めるのが気持ち良い。
0255文字
pino
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特徴的な視点なのに読ませようとする我執を感じず、人もものもどれに対してもとりわけすきになったりキライになったりもせず、ちょうどいい距離感のままで読み進められた。決して遠い所にいるわけではないけど今世では交わることのない誰かの中身、ほんの一部を覗けるような小説でよかった。絶妙な感覚の違いとか、ちょっと垣間見えるのが面白い。
0255文字
Hirune
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なんか、めちゃくちゃ良かった。別荘地の情景が浮かび、主人公になって父親やミロや近所のマダムを見ている感じがする。妻の自由な感じも好きだ〜。毎年じゃなくていいから、夏になったら別荘でダラダラしてウジウジ考えていてほしい。
0255文字
kankoto
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北軽井沢の別荘で(年季の入った)過ごす父子の会話だけれどもう、この、いちいちツボを突いてくる感じ、大島弓子だったり、今川焼きだったり、どんどん増えていく貰い物のトマトだったり、そんな何気なく捉えてる様々なもの何長嶋有さんの作品で出会うとひゅーっと浮かび上がってそうだ、そうなのよと思ってしまう。 息子である僕はよその男の人と恋愛中の妻がいる。そして夫婦の間柄は破綻しかかっている。 悲しみであり、嫉妬心であり、胸を張って締め付けてくる苦しみだ。ふた夏を過ごすうちに彼の気持ちの移り変わりが描かれている。
kankoto

久々に読んでみて、けれどこの物語に漂う寛容さと言うかいい意味でののどやかな感じ脱力した感じ、時代の中の余分な空間のある感じ、ここ数年で全く無くなってしまったなと思ってしまった。社会の状況にもよるもの、そうではなくて自分の中に気持ちの余裕と言うものが無くなってしまったのかもしれないが。 あらためて、好きな作家の作品を再読することの幸せを感じる。 父の口癖 「なんかこう 」 「せば 」

02/24 10:54
0255文字
ことり
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北軽井沢の山荘の涼し気な空気の中で、僕と父と犬のミロで何をするでもなく過ごす。スローな雰囲気がいい。でも僕の心情は複雑だ。妻が浮気をして更に浮気相手と破局。家の中に二人のフラれた人間がいるという状況。それでも一緒に暮らせるって恋愛感情を超えたところでつながっている夫婦の縁を感じて、これはもう人間愛の域じゃないかとも思ったけど、”僕”としては、そんなに簡単に許せるものではないんだな。作詞家の遠山さんの存在が軽井沢の別荘地に住んでいる人の感じを出していた。夏に読みたい一冊。
0255文字
nekoさん
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初読みの作者さん。「二人」と「三人」の連作。避暑地での親子のやりとり。淡々とした筆致。「二人」だけ読んだら何のこっちゃ。両方読んで、何となく。嫁に浮気された亭主の葛藤の話だったの。読後感うすめ。
0255文字
どらいち
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なにげない日常を過ごしていくうちに、妻への心情を自覚していく「僕」。 「僕」の最後の心情わかるなあ。 現実でもそうだよなって強く思う。実は気持ちでは整理されているのに、頭が理解していないというのか、そんな感じ。 長嶋さんの作品はこういうところが醍醐味かなと。それと、妙に登場人物の後日譚が気になるんです。物語が終わっても、彼らの人生は続いていくわけで。何もかも書いてあると、味気ないもんね。
0255文字
ぴんくももんが
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こういう、その家族ならではのこだわりっておもしろいなと思う。
0255文字
Inzaghico (Etsuko Oshita)
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アンチスローな日々とあるが、やはりスローだ。濃淡も高低もほとんどなく、穏やかな日々。それぞれ内面に抱えているものはあれど、能動的に動くこともなく、どうするでもなく時の流れに身を任せている。いいなあ、こういう姿勢。抗ってもどうしようもないことはあるものね。携帯電話のアンテナが立つ場所のエピソードは、誰のものでもちょっとワクワク楽しくなる。同時収録されている「ジャージの一人」は「二人」の後日譚で、息子と妻の関係が展開してゆく。そして、「ジャージの一人」が入っている『祝福』も注文してしまった。
0255文字
ナポジ
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単行本の表紙は大島弓子で文庫が安野モヨコ、ある意味贅沢だなー。でも中身はどちらに色付けされることもなく、この何も起きなさ加減が一周回って新しいというかあらまほしいというか。父息子ともの棚上げ具合がいい。
0255文字
YYY
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★★★★★
0255文字
sekimmer
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視点?視線?が本当に好き。〈山荘にくる虫/一年のうち十一ヶ月は、ここは彼らの場所だ。だから、どの虫もやってくるというより、通っていくという風だ。〉
0255文字
🍫🐦SYMK🦉📚
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昔映画見たなーと原作読む。冬だし寒いし暗いしろくなことないし、と後ろ向きになっていた気持ちがすごく楽になった。薪を切るときの50センチの話と、ジャイアントカプリコのとこが好き。長嶋有もっと読んでみたい。
🍫🐦SYMK🦉📚

1220冊目。

01/23 17:23
0255文字
アンギラサリー
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ネタバレ初長嶋さん。表題作より続編(?)の「ジャージの三人」の方が良かったかな。妻が、娘が加わって☺️ レタス畑の真ん中で怪しい行動をする女子高生が出てきて、(お!ミステリー要素もありか⁉︎)と思ったがそうでもなかった。全体を通して淡々としてて、悪くはなかったが これと言って良かった!という点も無し🤔湿った布団は嫌だな〜ミロ🐕は可愛い
0255文字
Maki
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食料を買い込んで一日中部屋着で家がまるごと洗車機に入ったような日に選んで正解の一冊だった。ジャージの登場人物と共にダラダラと過ごし必要最低限の生活だけする。それでも時々、心の中に考えたくないのに考えてしまうようなことがスッと忍び込んでくるけれど、だからって深く考え込むでもないし、ひとに悩みを話したりしないし、何も決めずに先延ばし、ただ時間だけが過ぎてく。“圏外”で。性急に答えを求めずありのままを受け入れるって大事だなぁ~。学校教育ではそんなこと教えてくれない。いや、そんなことより単純に最高に面白かった!
ポテチ

なるほど、圏外はそういう意味を示していたのですね!映画でも畑の中で電波探すシーンが印象的なんですよ。まったりしていていいですよね~

08/11 23:14
Maki

ぽてちさん、そういう意味なのかどうかはわかりませんけど、無くもないでしょ?(笑)映画も評判いいですね、見てみます😊

08/12 09:23
0255文字
さ
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避暑したい
0255文字
19720624
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ネタバレ軽井沢の別荘で過ごす夏休み。いかにも楽しそうで何かワクワクすることが起こりそうなんだけど、何にも起こらない。そろそろかな、と思ってもやっぱり何も起きない。そうこうしてるうちに物語は終わった。実際のところ日常生活ってこういうものなんだろうな。小説に何か主題や意味を求めなくても良いって事か。そう思って読み終わったら解説に同じような事が書いてあってビックリ。
0255文字
アルニカ
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なんにも起こらないし、すごく魅力的な人が登場するわけでもない普通の日常、ちゃんとしてなくてうだうだしてる毎日なのになんだか心地良い。1日のうちの数分でも、長い人生のうちの数年でも こういう時間が必要だと思っている人にこの本は楽しいと感じるだろう。「充実」は必要なもの。
0255文字
言言
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長嶋さんの文体が好きすぎて、読んでいるだけで幸せな気持ちになります。 父と息子、父と娘、子と子、夫と嫁。ここに出てくる人たちはサザエさんに出てくるようなわかりやすい関係ではないけれど、それぞれが尊重し、きちんとお互いのことを気にかけてるのがとても好きでした。
0255文字
鹿乃子
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ゆるくて静かなのに少し切なくなるような。「二人」の方が好きなので、「三人」は少し蛇足に感じてしまった。良い雰囲気なんだけどね。
0255文字
コトラ
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ゆるっとした雰囲気の本が読みたくてセレクト。たまにしか会わない父親と二人、北軽井沢の山荘で夏の終わりを過ごす。焚き木を割ったり、買い出ししたり、犬の散歩をしたり。小説を書こうと思っていたのに少しも進まず、たらっと過ごす30男。自分以外の男を愛する妻を思い、嫉妬したりイラついたり。でも激しく憤ってるわけではない。こんな日々を自分もかつて体験したような、いや、今まさにこんな毎日を過ごしているような不思議な気持ちになった。翌年の夏を描いた「ジャージの三人」も収録。微妙に変化しているのが少し沁みる。
0255文字
ペンギン
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長嶋有の初期作品。夏に訪れた避暑地での父と息子(後半はそれに女性も加わる)のこれといって何もない日々の出来事は、本当に何もない。読んでいてハッとさせられるような事件もなく、ただただ日常が描かれている。でも、なんかこのゆるい感じを描くのはいかにも00年代初期の作品らしい。
0255文字
かなっち
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夏の別荘での親子+嫁+娘の話だけどシンプルでそれはそれでよかったです。派手な展開もなく至って普通でした。
0255文字
ルビ子
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この人の本は2冊目。だるいような、ゆるいような、気楽なような暗いような。家族のような家族じゃないような。とても現実的な、スカッとしなさ。けっこう好き。
0255文字
熊ぐらたん
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ジャージの三人
0255文字
ぽち
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たぶんほぼ未読だった長嶋有さん、自覚的な現代文学の書き手というイメージでしたがこの作品はけっこうリラックスしてゆるく書いたのかな?という印象。アンチ・スローライフと謳っていますが、軽井沢の別宅に来てまで都会での人間関係いざこざから離れられないさまをそう表現したんだろうか、そんな五十を過ぎた父とアラサー息子(併録作には腹違いの妹とも)の避暑でも、毎日苦悶するように生活している我が身からはやっぱり別天地、目眩がするほど羨ましいフーテンたちなのだった。
ぽち

柴崎友香さんの解説がよいです。単行本派のわたしですが、文庫は解説がついてていいな。ボーナストラックみたいで。

07/05 10:25
0255文字
博多のマコちん
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何事も起こらない北軽井沢での別荘で父と過ごす日々。何を言いたいのだろうとか、何かを感じなければなどとは思わせない筆致。いつもながらのこの作者の世界だが、一層この作品では平坦な綴りが続く。それでいて、時々漠然と今の幸せを感じさせるような雰囲気。これだから長嶋有の作品は止められない。
0255文字
しんたろう
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全部読んで、解説も読んだ。難しい。
0255文字
やっちゃん
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父の夏恒例・北軽井沢山荘避暑に付いて行った僕(小説家志望)。僕の妻には他に好きな人がいるという。父の3人目の妻との関係も微妙らしい。なのに二人とも危機感が薄く何となく剽軽。親子で胸に和小学校の名札が貼ったままの古着のジャージを着ている。和小学校…たしかに何て読むのやら笑。名作を読んだ後に何を読んだらいいか悩んだ末に手にした1冊。カイアロスを癒してくれた緩い二人に感謝。どこがどんな風に良いのか適当な誉め言葉が浮かばないが中嶋さんは間違いなく魅力的な作家だと確信させてくれた解説の柴崎友香さん!柴崎さんに感謝。
0255文字
つらら
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あれあれ、こんなに陰鬱な小説だったっけ。と感じたのは「ねたあとに」を再々…読した直後に続けて読んだからか。何も起こらない?いやいや大ごとですとも。陳腐な言い方しか思いつかないけどこれ、人生の一大事の真っただ中の主人公の気持ちの軌跡をずーっと追った話だ。それを大袈裟なメロドラマにならずに書くのが著者のすごいところ。それにしてもご近所の「遠山さん」は魅力的。こんなカッコいい人物も描けるんだね。
0255文字
夜長月🌙@読書会10周年
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「ジャージの二人」と「ジャージの三人」の2編が入っています。「ジャージの三人」の方がおもしろかったのですが「ジャージの二人」があってこその作品です。主人公と妻の関係はとても微妙です。上司と不倫をしている妻。責められるべきは妻のはずでなぜか許してあげたくなります。全然、深刻でなくゆるゆるモードの物語のせいでしょうか。心がゆったりする作品でした。
夜長月🌙@読書会10周年

登場人物がみんなジャージというユルさが作品感を象徴してます。

04/26 21:03
夜長月🌙@読書会10周年

黒猫と杓子さん、おすすめありがとうございます。レンタルのための外出も自粛中ですがいつの日か見てみたいと思います。

04/27 11:05
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ゆりあす62
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ネタバレ★★★★☆ 「"何小"にする?」父と息子の北軽井沢の山荘に着いてのやり取り。小豆色に『桶谷小学校』の刺繍入のジャージを着る息子、紺に『和小学校』の刺繍入のジャージを着る父。息子は結婚しているし、父も「三度目」の結婚をしている立派な大人。父の飼ってる犬のミロも一緒。息子も父も結婚に悩みを抱えつつ避暑地の生活をおくる。下界の暑さに比べて涼しい避暑地の生活は快適だが、その中でいくら考えても妻との間を埋められない息子。妻が別の男を好きだと分かっても別れることも、引き留めることも出来ず大切な決断の時も逃してしまう。
0255文字
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