白の迷路 (集英社文庫)

白の迷路はこんな本です

白の迷路の感想・レビュー(112)

ああ、北欧ノワール! 戦争犯罪だった前作のテーマから一歩進んで、移民排斥運動がテーマになっている。重苦しい。前作までの善良さが消えた。雪が白くない。灰色だ。主人公のカリは「正しい」ことをするために、非合法活動するが、金持ちがより金持ちになるためだけに利用される。そんな中、移民を推し進めていた大臣がなにものかによって殺される。黒人が白人を殺し、白人が黒人に報復する。この作品が書かれた次の年にパリ襲撃事件が起こった。その背景が、創作とはいえ生の声で聴けた気がする。
★5 - コメント(0) - 2016年12月3日

ジェイムズ・トンプソンの『白の迷路』を読了。これまでの2作も北欧らしい暗さがあったものの、この3作目は主人公が超法規的な職務に(自発的ではないものの)就いたことに伴ってか、J・エルロイのような暗黒ものへと変貌を遂げたという印象。作者の急逝が惜しまれる。
★5 - コメント(0) - 2016年10月6日

どうしたのかと思うほどのカリの変化になかなか読み進めず、時間がかかってしまった。あとがきを読むと作者の気持ちがこうさせたとわかる。今、世界中におこっている排他的な変化が起こす事態にいろいろと考えさせられる本でした。
★2 - コメント(0) - 2016年6月15日

前作までとは、ガラッと変わって無法者になってしまった。カリ、感情をなくして、いったいどうなると思いました。登場人物のキャラクターもしっかり出て来てとても楽しめました。続けて、遺作になってしまった「血の極点」に入ります。
★2 - コメント(0) - 2016年5月26日

再読の第3弾。前作からの変わりように驚く。前2作の人種間の差別問題は変わらずあるけれど、主人公の造形、警察内での立ち位置の変化は他の作品かと思う程の変わりよう。フィンランドの闇に、犯罪を犯し立ち向かうその姿の緊迫感がすごい。だけどその中にあって悩むカリ。事件も大きく深いものになっていてどうなっていくのか。
★3 - コメント(0) - 2016年3月2日

ミステリからどんどんノワールに振られていき、ますます闇深くなる本書。寧ろそれを楽しんでおる私のような人間には大好物でございます。北欧メタル、とりわけブラックメタルを嗜む方々には、昨今の拒絶と排除でニュースを賑わす北欧の姿にそれほど違和感を感じないかと思いますが、世間様の北欧こそ国として素晴らしい、お手本とせよ!感は相変わらず。しかし残念なのは、作者が亡くなられたという事実でございますなぁ。合掌。
★1 - コメント(0) - 2016年2月11日

★★★★☆
- コメント(0) - 2016年2月6日

カリのケイトに対する気持ちが前作より明らかに冷めている。それは、作者のフィンランドに対する諦念の表れだろうか。最初に出てくるレイシスムの描写がいやに生々しい。北欧は、積極的に難民を受け入れ、黒人の数も意外と多い。それを受け入れる度量を示しながらも、心の一部では決して認めてはいない。ひいては、外国人全体に対する冷たさ(アメリカの作者に対しても)を感じていたものだと思うが、フィンランドにおける差別感情の爆発がついに表面に出てきた時期に、これを書いたのだろう。描かれた犯罪そのものよりも、それを強く感じた。
★114 - コメント(3) - 2016年1月18日

ウ~ン、読み終わってみると、シリーズのカラーは顕在だったような気がした。カリの感情の喪失さを、私はあまり感じなかった為かも。カリの周囲が賑やかになったので、カリが色々敏感に感じなくなった分、周囲の人物の色が鮮やかになった気がした。ちょっと海外ドラマ『Breaking Bad』に似ている気がしたが(多分私だけ)相変わらず事件と同時に、社会の様子が描かれているのが嬉しい。今回は差別の問題。いやいや・・・2016年1月現在の欧州そのまんま、だよって思ったが、それは間違い。ず~っとこういう感じだったんだよ、と実感
★2 - コメント(0) - 2016年1月16日

フィンランドで麻薬、人身売買などの犯罪組織に、超法規的に捜査するヴァーラ警部。フィンランドの政治家、警察、犯罪組織の固い固いつながりなど、意欲的な作品だが、こんなにたくさんの武器がなぜ必要か、というくらい、ものすごい性能の武器が出てくる出てくる。武器マニアが読んだらさぞかし面白いだろう。自分はそこはとばして読んだけど。それに後書きまで書いているトンプソン氏は不慮の事故で亡くなったそうだが、どういう事故だったのだろう。調べてみても調べ方が悪いのかわからなかった。英語も読めないしね。まだ若いのに残念である。
★27 - コメント(2) - 2015年11月29日

ん~。話しが、スパイ物の様に感じた。この観点でみればまあまあなかな。初期の頃の刑事ものの方が、カリには正直あっていると思う。まぁ、それよりも移民に関する社会的な問題の方が、色々と考えさせられた。生活様式や特に宗教が異なる人との生活を供にしなければと思うと、確かに様々な問題が生じると思う。相手が、こちらに合わせる保証はないからね。作者のあと書きを読んでみると、フィンランドって福祉国家のイメージがあるけど、国内では人種差別問題も結構あるという事ですよね。
★5 - コメント(0) - 2015年9月27日

これまでの2作と全然違う感じになった。捜査が少なくなってて、警察小説じゃなくなったような。この後の展開がどうなるんやろなー。人種差別がテーマやけど、EUに難民が増えて受け入れ進んでる現実と合わせて考えられた。まー、実際あんまり受け入れしても問題がいずれ起こってくると思うんやけど。
★2 - コメント(0) - 2015年9月21日

ルースルンド&ヘルストレム/ヘレンハルメ美穂「BOX21}の後に読んだため、不思議な暗号に気づく。出だし、同じ事件をスウェーデンとフィンランドの両方から、書いている。バルト三国からの売春目的の人身売買事件。ヘルシンキが、ヨーロッパへの通過点になっていて、その数、年間数十万人規模だという。そして、麻薬がらみのギャング団の抗争、さらに、人種差別犯罪と世界で一番住みやすい国というイメージをひっくり返してくれる。「BOX21」に輪をかけて後味悪し。
★3 - コメント(0) - 2015年8月1日

読んでいて辛かった…。今までは、ダークな世界の中に善良なカリと妻との愛情が清涼剤になり読み進められたけれども、今回のこれは、私はケイトの視点でカリを見てしまったよ。なんてノアールなんだ…。いくら感情がフラットになったからと言って、ここまでやるか、とおぞましさを感じた。良い人が全く出てこず、しかも人種の問題も提起されていて、気分悪さ目いっぱいで読みましたよ。早く読み終わりたいがためにイッキ読みした。こんなに自分のことしか考えていない人たちで構成された国ってありえるのかね?クラクラしながら吐き気を催した読書。
★5 - コメント(0) - 2015年7月13日

これは、かなり時間がかかってしまった。間違えて『凍氷』を読まずにこれを読んだため、人間関係の把握がしずらかったというのもあるけれど、それ以上に作品のリズム感があまりにも淡々としていたせい。出来事そのものは大事件が続いているのに、それがまったく心を掻き立てない。脳腫瘍の手術で感情がフラットになったカリの心境に近い?だとしたら、作者、訳者の力!最後の作品となった次作の翻訳が待たれます。こな気持ちのまま、シリーズが終わってしまうのはあまりにも悲しすぎる…
★2 - コメント(0) - 2015年7月11日

うわあ。すごく凄惨な事件の連続なのになんでしょうこの清涼感。シリーズ三作の中で一番読み応えあるかも。濃厚なのにサッパリ。でも旨味とコクがある。バルサミコ酢?
★12 - コメント(0) - 2015年6月24日

ますますフィンランドに行きたくなくなる第三作。相変わらず淡々とした描写なのですげーこと起こってるのに妙に温度が低く、それでもひどい状況になっているのがわかる。とりあえずカリにはもうちょっと考えて動いてほしい。家族を捜査に連れて行っちゃアカン。見通し明るかったのはスウィートネスくらいか…。つら!何より作者の急逝により第五作以降が読めない可能性が高いのがつらい。四作目は日本できちんと出るといいな。
★5 - コメント(0) - 2015年6月21日

前作までがとても良かったので購入。…何とも……なぁ…
★1 - コメント(0) - 2015年6月11日

北欧ノワール!?3作目は一気にダークな展開に。今後カリ・ヴァーラは警察組織に残るのか?夫婦関係は? 次回作以降どうするつもりなんだろう。ただし、作者の急死によりあと1作しか読めないとは。日本での発売はいつになるんだろう・・・。
★3 - コメント(0) - 2015年5月9日

三冊目にしてちょっとどうなんだろ…という展開、シリーズものにしては珍しい気がする。すっかり警察組織から離れて非合法活動に勤しむ主人公にあまり肩入れできず。あと危ない職場に奥さんと赤ちゃん連れてっちゃダメです。
★6 - コメント(0) - 2015年5月3日

まったくテイストが変わって驚きました!これがノワールってやつか…このシリーズ読んでると北欧って病んでる…と思っちゃうんだけど実際どうなんだろう。
★4 - コメント(0) - 2015年4月29日

この極寒極北ノワールを、主人公の人柄にすがって読んでた読者の数は決して少なくないと思う。そして私を含めそういう読者は少なからずドン引いたと思う(笑)だからこそ続きをもう読めないことが本当に惜しまれる。ただ心底「あっち側」の人になったのではなく、それを「だまされた」という(幼稚で粗暴な人格なりの)怒りとして抱いていたあたりはよかった。その分ケイトの描写に行き当たりばったり感が強い。終盤での夫婦崩壊に到るくだりは説得力あるけど、あんなプレゼント本気で喜ぶくだりとかね…
★5 - コメント(0) - 2015年4月20日

フィンランド警察カリ・ヴァーラ警部シリーズ第3弾。警察小説がすごい展開になってしまった。人種差別を中心に、北欧の暗部が描かれる。仲間も家族も、カリ自身もぼろぼろになって、これからどう進むのか……、続編が読めないことが悲しい。
★2 - コメント(0) - 2015年4月5日

シリーズ3作目。舞台はムーミンの国フィンランド。3作目ともなると、馴染みのキャラクターと会えるのが楽しみなもの。男臭くてそれでいて妻に愛溢れる主人公カリの活躍を楽しみにしていた。カリがずっと悩ませられていた頭痛の正体は脳腫瘍。今回は治療とリハビリ、新しい組織での活動。カリの人格その他諸々私の好みとかけ離れてしまったのが残念。
★8 - コメント(0) - 2015年4月1日

私生活と任務がごちゃ混ぜになっているような印象が強く、捜査部分が頭に入ってこなかった。「カリの“リハビリ日記”」
★5 - コメント(0) - 2015年3月22日

 すごいすごい。北欧ヘルシンキを舞台にした暗黒小説が、三作目でテーマを一気に深化させて極北に到達しちゃったよ。メインキャラクター、カリ・ヴァーラの部下でけっして酔っ払わない粗暴な大男スィートネスや、フランス傭兵部隊出身の諜報員アドリアン・モローなど、脇を固める人物の造型も素晴らしい。文庫でわずか四〇〇ページ弱とは思えないほど濃密な展開で、読後感も深い余韻が残る。極右の擡頭と人種差別犯罪を描いた小説という意味では、もっと今の日本で読まれていいようにも思う。
- コメント(0) - 2015年3月21日

カリヴァーラ警部がより政府の中枢に近づいた今作.このシリーズ特有の陰鬱としたダークな雰囲気が好きです.変化し続けるカリと周囲の関係からラストの展開まで物語の完成度が非常に高いと感じます.今回では警察小説としてはもちろんフィンランドの持つ問題点を描いています.政党名などは架空のものかと思いましたが本当に存在するもので驚き,作者の作家としての矜持を感じました.作者が無くなってしまったことは本当に残念ですが,第4作目が翻訳されることを楽しみに待ちたいと思います.
★3 - コメント(0) - 2015年3月12日

★★★☆☆
★1 - コメント(0) - 2015年3月11日

前2作とのあまりの違いに戸惑いつつ読了。 評価は出るかもしれない4作目を読んでから。 本作単独だと、自分にはキツすぎる…。
★5 - コメント(0) - 2015年3月10日

2015.02.23-03.03:読み始める前に「この作者って何年生まれだっけ?」と思い、プロフィールを眺めたところ、「2014年8月死去」の文字が!!衝撃。読む前から。気を取り直して読み始めたら、これが重くて暗い内容。副題は“ダーク・サイドに落ちたカリ”か。経済的格差、麻薬密売、人身売買、人種差別、反移民主義、腐敗した政治家・・・フィンランドの暗部が重層的に描かれていて誰も彼も救いようがない程悲痛な生き様。最後に著者が、フィンランドの現実をもっと世界は知ったほうがいい、と書いていて印象に残りました。
★9 - コメント(1) - 2015年3月3日

前2作の警察小説から一転したノワール、手術により感情を無くしたカリ・ヴァーラの視点で陰惨な事件が淡々と語られるフィンランドの暗部、救いもなく後味は悪いのに続きは気になる読後感ではあるものの・・作者の思いが強すぎてかなり強引な筋立てのような気がします。次作以降にこの作品の意味も明らかになるはずだったのでしょうが、作者急逝は誠に残念です。
★17 - コメント(0) - 2015年2月28日

皆さんが書いてるように前作二つとがらっと違うのでびっくり。フィンランドの国の腐敗が描かれていて、主人公のカリさんがダークになっててなぜか重い内容でしたね。私的には前作二つの路線が好きだったのでこれは読みづらかったです。
★10 - コメント(0) - 2015年2月22日

前2作とは違ったが、これはこれで面白かった。 続きが読みたい。
★1 - コメント(0) - 2015年2月18日

事故で亡くなったのに本当に残念ですが、次回作を楽しみにしています。
★7 - コメント(0) - 2015年2月11日

前2作とまったく違った作風になっていた。主人公のカリまで病気の影響とはいえ別人で。なんだかなあ。前作まで面白かったから、ちょっと・・・いやかなりがっかり感があるんだけど。次作ではどうなるんだろう。作者が亡くなってしまったから、今後どうなっていくのか、どうしたかったのか追えないのが残念。
★8 - コメント(0) - 2015年2月7日

読み難かったですよ、前作よりも…。昨年に、この著者は亡くなったそうですね、もう1冊だけ出版されているそうです。 著者はフィンランドの「人種差別」に対して、相当の憤りを持って書いているのかもしれません、以前からあるかと思うのですが、格差の拡大で、その責任を「部外者」に求めるという、安直な考えがこの国でも広まっているのを見ると、身につまされますね
★4 - コメント(0) - 2015年2月3日

正直驚いた。前2作と全く様相が違う。まさに、北欧ノワールへと昇華を遂げている。フィンランドにおける人種差別と政治腐敗を中心に、カリ・ヴァーラを始めレギュラーキャラクターが闇の世界に翻弄されていく。前2作では「正義」を全面に押し立てて、凄惨な事件の解決に努めているが、本作は「正義」の名だけでは処理しきれない何かが蠢いている。表面上の「正義」を貫けば、深層的な「腐敗」を助けることになり、「腐敗」を除去しようとすれば、「正義」が成り立たない。暴力と麻薬と政治、どこか60年台~70年台のアメリカを見ているようだ。
★16 - コメント(1) - 2015年1月25日

物語の中で語られるフィンランドの現状が日本と重なって見える。ジェイムズエルロイのような物語。後一作しか読めないのが非常に残念
★2 - コメント(0) - 2015年1月25日

前作のラストでは色々と丸く収まりそうな気配を感じさせながら、今回はカリがダークサイドヘ堕ちてしまう。まだまだ続きそうなこのシリーズも作者の急逝によって断ち切られてしまったのが残念。
★14 - コメント(0) - 2015年1月24日

白の迷路の 評価:90 感想・レビュー:46
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