イヴォンヌの香り

イヴォンヌの香り
あらすじ・内容
欲望、愛撫、視線、肌の香り。溢れるエロティシズム。若く美しい男女が避暑地で繰り広げるひと夏の激しい恋。フランス文学界期待の気鋭作家が描く、二度と帰らない過ぎ去りし官能の日々…。

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イヴォンヌの香りはこんな本です

イヴォンヌの香りの感想・レビュー(60)

何とも言えない気だるい、退廃的な雰囲気。その時代のユダヤ人の心情や世情があらわされているのだろう。 P・ルコントの映画を見てみたい。
★1 - コメント(0) - 2016年12月15日

グレート・ギャツビーを思い出した。会って間もない謎の男ルネ・マントに連れられ、連れのイヴォンヌと束の間のランデブーをすごす「ぼく」ことシュマラ伯爵、出自を偽らねばならぬ者たちの諦念には不思議と絶望はなく、あるのは予期した通りの不穏と離散。ギャツビーのような西武と東海岸のような対比は存在するのに、狂おしいほどの熱望が欠けている。ただ静かに磨耗する他者の姿がそこにはある。
★2 - コメント(0) - 2016年10月23日

雰囲気重視で、フランス映画の構図に似ているのかな、と思った。主要な登場人物は3人。僕(自称伯爵)とイヴォンヌ(自称女優)とマント(自称医者)。結局のところ、彼らは誰だったのだろうか? イヴォンヌとマントの正体をやたら知りたがっている主人公の〈僕〉なんだけれど、実は一番の謎って、この〈僕〉なんだよね。〈僕〉はマントの背後に突拍子もない背景があるんじゃないかと憶測している。でもマントは、ちょっとした政治問題に巻き込まれていただけなんじゃないかな、と。本当に突拍子もない過去があるのは〈僕〉なのかもしれない。
★1 - コメント(0) - 2016年2月10日

読み始めて5冊目のモディアノ作品。日記を読んでいるみたいだった。やっと少しだけこの人の作品の読み方がわかってきた、というより慣れてきたかも。言葉の端々に祖国を持たない語り手の劣等感が垣間見えるのが興味深かった。フランス人やユダヤ人にとってのアルジェリア戦争についての知識が全くないので、理解していれば楽しめたのかな。ベルギー王妃に人々が過剰反応した理由もよくわからない。マントが自分のことを王妃と言い張るので最初は『え、女性だっけ…?』なんて思ってしまった。犬はおりこうさんだった。
★1 - コメント(0) - 2016年2月2日

まずフィッツジェラルドに似てるなあと。最近冬の夢を読んだせいかと思いますが。もちろん細かくみていけば全然ちがうし、話も作風もまさにモディアノといったかんじなのですが、どこかヴェールに包んだような表現と女性との出会い、シェラマ(偽名?)の過去を考えるとオールド・スポーツ…ギャツビーが浮かんでしまいました。まぁ何が言いたいかというと、つまりとても好みの雰囲気だったんです。ストーリーのまとまり方はともかく今まで読んだモディアノ作品のなかで指折りに入ります(全くの私感ですが)。
★5 - コメント(0) - 2015年12月17日

怠惰な恋愛は魅力的だけれど遅かれ早かれ壊れてしまうだけ。イヴォンヌはヴィクトールにとってのみ謎の女であって、彼女自身は流れに身を任せる夢見がちな女の子だったに過ぎない。彼女とずっと一緒にいたマントの存在こそが謎の存在そのもの。彼はヴィクトールの憶測だけで何も明かされないまま自殺してしまう…。このどうしようもない喪失をいとおしむ時モディアノの文体は輝く。この文体の中に於いてこその彼らの存在感。憂鬱症の犬も。彼らはあまりにも若かった。マントの秘密にまで思いが至らないほどに。圧倒的な語りの美、記憶の美だった。
★23 - コメント(2) - 2015年11月10日

再読。やはり最近の作品と違ってモディアノの若さを感じる。最近していなかったがお気に入りを読み返すのはいいものだ。
★2 - コメント(0) - 2015年9月28日

モディアノはいい作家だが、日本語で読むといまいちだと思う。それにこの作品は必ずしもモディアノの最上の作ではない。ただ、雰囲気はある。カポーティを意識していたらしいけど、フィッツジェラルドのギャツビーも入っているのでは(オールド・スポートの語も出てくるし、筋立てや雰囲気も)。モディアノの一番いいのはやはり「暗いブティック通り」だと思うが、フランス語で読んだので、日本語だとどうだろうな。
- コメント(0) - 2015年6月28日

かなり昔に映画は見たことがあったが、本ははじめて。かなりいい。何かに追われるようにして、伯爵を騙りスイスとの国境近くの避暑地に滞在する主人公。「モード」の女神のような不思議な女と、「ベルギー王妃」を自称するやばい兄ちゃんとの陽炎のような日々。彼らは映画の中の住人なのか、この牧神のような人々は。神話は剥がれ、彼らが避暑地に来る富裕層に憧れていた地元のフランス人に過ぎないことが分かる。10数年を経て、人気のなくなった避暑地にて再び生きられる記憶。
★14 - コメント(0) - 2015年3月14日

シュマラが色々と謎のあるマント・イヴォンヌと出会い、楽しいひと時を過ごす。これと言った事件は強いて言うならマントの自殺だが、ほとんど何も起こらず、まるで流れるかのように優雅に日々が過ぎていく。最初こそそれほど期待せずに読み始めたが、魔法にかかったかのごとく、いつの間にやらページを捲る手が止まらなくなっていた。他のモディアノの小説も色々読んでみたら、今は上手く説明出来ない氏の作品の魅力を言語化して語れるようになるのだろうか・・。
★9 - コメント(0) - 2015年1月11日

1960年代、フランス。湖畔のホテルで、徴兵を逃れてきた18歳のぼくが年上の女優イヴォンヌと過ごす甘美なひと夏。ストーリー自体は淡々とし、会話も心理描写もほとんどないのですが、終始優雅な雰囲気の作品でした。イヴォンヌを始め、登場人物達の装い、建物、家具、風景等の描写が詳細で、しかも洒落れている。赤毛に緑色の瞳、細い踵のハイヒールにシャンタン地のドレスを身に纏い、クリーム色のダッジのオープンに乗り微笑むイヴォンヌが美しくエレガンス。
★52 - コメント(0) - 2015年1月4日

アルジェリア戦争というのが我々には想像し難いのだが、フランスの人達には重くのしかかっていたのだろう。小説の舞台は、その時期のサヴォワ地方のアヌシーあたりに置かれ(湖の対岸はスイス)、ある種の緊張と弛緩との狭間に物語が展開する。主要な登場人物は3人だが、彼らは一様にその正体が曖昧である。そもそも語り手の「ぼく」からして、シュマラ伯爵を自称するが、それは明らかな詐称である。イヴォンヌもまた霧に包まれている。医師のマントがまだしもだが、彼もまた謎を秘めている。時間と空間の彼方に浮かぶ茫漠とした味わいの小説だ。
★179 - コメント(3) - 2014年12月20日

ノーベル文学賞受賞ということでさっそく読んでみました。輪郭のはっきりしない話、苦手なものでして…。文学とはこういうものなのかなと。フランスっぽいなと勝手に思ってみたり。なんとなく「ティファニーで朝食を」に憧れるのですが実は良く分からないと思っている感覚と同じでした。もっとたくさんの文学を読んでいけば、その良さが分かってくるのかな。
★1 - コメント(0) - 2014年11月28日

こういうエロさいいわ 映画のエロさとはまた違う
★2 - コメント(0) - 2014年11月16日

その町はすでに死んでしまったのか。それとも睡っているだけなのか。《時間》は河のように流れ続け、《場所》は靄の中に浮かぶ中洲のようだ。「ぼく」の今も過去も靄に包まれている。いったい誰が、なにを思い出しているのだろう。女は靄から突然現れ、靄へと突然消える。語るべきことがあっても、人々は口ごもり、言いよどむ。靄の向こう側のことは口にしてはならないのかもしれない。靄が晴れたとき、過去にとどまっていた人は時間が流れていたことに今さら絶望したかのように振舞う。そして「ぼく」はまた靄へと帰っていく。
★4 - コメント(0) - 2014年11月8日

初読みの作家。今年(2014年)のノーベル文学賞受賞作家である。ある夏の日、避暑に訪れた湖畔の街で僕はイヴォンヌという女性と出会い恋に落ちる。そこから始まる物語。イヴォンヌはある意味で魔性の女であり、僕は彼女に翻弄される。上品な描写でゆっくりと揺蕩うように流れていく時間が、彼らの間に流れていく儚い幻のような関係性を浮かび上がらせる。男女のホロホロと崩れていくような危うく脆い関係に胸苦しさを覚えるような作品であった。
★8 - コメント(0) - 2014年10月25日

リゾート地に集う彼らは少し謎めいていて、気取ったような華やかなでも脆く儚い情景はジャズエイジを連想させられます。不条理にも愛する人がフッと失われてしまう切なさが堪りません。細やかな描写に彩られた叙情的な物語でした。
★4 - コメント(0) - 2014年10月24日

うつろいゆく時の儚さに、なんとか抗いたいという気持ちは誰にでもあるのだろうか。作者が今年のノーベル賞受賞者であり、以前映画化かなにかでタイトルだけ聞いたことがある、という理由で読んだ。現在(12年後)から過去を振り返るという形式、魅力的なヒロイン、最後のパーティ会長オーナーの「幸運を祈っているよ、オールド・スポーツ」というセリフなどからフィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』へのオマージュかも、とも思った。マントの自宅「哀しみの館」(原題でもある)を二人して這いずり回るシーンは印象的だった。
★11 - コメント(1) - 2014年10月22日

パトリック・モディアノ氏の作品は、「ある人物や自己のアイデンティティなど、何かを探し求めるという作品が多い」らしい。青年のイヴォンヌに対する感情と彼女に魅了される心情が叙情的で理解しにくく難しかったです。
★9 - コメント(0) - 2014年10月21日

今年のノーベル文学賞パトリック・モディアノの作品。受賞理由は「最も捉え難い人々の運命を召喚し、占領下の現実を暴露する記憶の芸術に対して」とのこと。この作品は代表作ではなかったようで,作品選びにちょっと失敗したかも。かなり叙情的で捕らえにくかった。1960年代アルジェリア戦争の頃,フランスとスイスの国境の村が舞台。18歳で兵役を逃れるためパリから来た青年,デビューしたばかりの女優,医者らしき男,3人の出会いと根無し草的生活が描かれる。3人の素性は明らかにされず,背景に社会情勢や不安な空気が織り込まれていく。
★25 - コメント(0) - 2014年10月18日

これもアルジェ紛争の頃の話か
- コメント(0) - 2013年9月9日

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