倫敦塔・幻影の盾 (新潮文庫)

倫敦塔・幻影の盾 (新潮文庫)
あらすじ・内容
「夏目精神ニ異常アリ。」と電報まで打たれた苦悩の英国留学時代に着想を得た、瞠目の傑作7編。

イギリス留学中に倫敦塔を訪れた漱石は、一目でその塔に魅せられてしまう。そして、彼の心のうちからは、しだいに二十世紀のロンドンは消え去り、幻のような過去の歴史が描き出されていく。イギリスの歴史を題材に幻想を繰りひろげる「倫敦塔」をはじめ、留学中の紀行文「カーライル博物館」、男女間における神秘的な恋愛の直観を描く「幻影の盾」など七編をおさめる。

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夜行
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倫敦塔・幻影の盾の感想・レビュー(432)

単純な好みで選ぶなら「琴のそら音」や「一夜」が良いなあと感じたけれど、興味深かったのは「倫敦塔」と「趣味の遺伝」。同時代のロンドンやヨーロッパについて、日露戦争の際の漱石の戦争観について。そして、明治というのはほんの1、2世代遡れば江戸時代だったんだってことを、今回初めて強く実感できた気がします。ごく個人的なことですが、頭の中でとっ散らかっていた色々の点が繋がり、目が開かれる思いを味わうことができました。
★10 - コメント(0) - 3月23日

イギリスのお話は付いていけず挫折…完読できたのは『琴のそら音』『趣味の遺産』。漱石のラストの書き方がいつも好き。
★1 - コメント(0) - 2月19日

「猫」と同時期の、初期の短編集7編。作風がそれぞれ違って、試行錯誤の跡が見えるのが興味深い。一読して漱石というより鴎外の文のような美文『幻影の盾』『カイロ行』、ロンドンの紀行文『倫敦塔』『カーライル博物館』。漱石の小説における対照、〝廃寺でかっぽれを踊る”生と死、恐怖とユーモアという軸を語っている『趣味の遺伝』。ナンセンス小説『一夜』、ポーの奇怪小説のような『琴のそら音』。初期に多彩な作風を持っていたことは驚きだが、漱石39歳の作品とあれば、引き出しは既に蓄積があったのだろう。
★34 - コメント(4) - 2月15日

漱石の文学修業時代で様々な文体の短編がある。『薤露行(かいろこう)』や『幻影の盾(まぼろしのたて)』は騎士道物語やシェイクスピアを翻案小説化するのだが、講談調だったり文語調だったりしてはっきり言って読みにくい(途中で断念)。面白ければいいんだけど、『倫敦塔』のように面白さも感じられない。『倫敦塔』は近代の怪談でもある。紀行文の中に劇中劇として妄想した倫敦塔に囚われた歴上の人物の物語が漢文調で描かれてたりして興味深い。文体模索の時期ではあったのだ。
★9 - コメント(3) - 2月10日

当時の漱石の精神状態によるものか。妙にかこつけた……というより畏怖のようなものを感じる文章だった。引き込まれた空想を述べる文章の、なんと厳しいことか。血腥い倫敦塔の歴史を、若干の誇張と脚色を持って表現されたこの話は。戯曲的で引き込まれるものがある。この話を構成する文章が印象深く、思わず口に出して言いたくなるものが多いのも。それを意識した故なのだろう。
★2 - コメント(0) - 2016年12月30日

「趣味の遺伝」、随筆かと思って読み進めていたら小説だった…。いかめしい顔をしながら割とお茶目だよね漱石って。
★4 - コメント(0) - 2016年12月21日

紀行文や散文詩に近い短編が収録されている初期作品集。ちょっと武張ったところや古式ゆかしいところがあり、読みにくい短編もありましたが、「琴のそら音」「趣味の遺伝」あたりの現代短編は素直に楽しむことができました。
★10 - コメント(0) - 2016年12月20日

前半のロンドン紀行やランスロットの話などは美文が過ぎるのと古風な文体であまり入り込めなかったが、最後の『趣味の遺伝』などは漱石のユーモラスな部分が存分に発揮されていてとてもおもしろかった。
★4 - コメント(0) - 2016年12月3日

漱石初期の短編集。とても読むの苦労しました。英国留学時の倫敦塔/カーライル博物館は難解だったがなんとか。幻影の盾もなんとか。琴のそら音/趣味の遺伝は漱石のユーモアのセンスがきらりと。
★79 - コメント(0) - 2016年11月5日

イギリス史がわからんと。。。。
★22 - コメント(0) - 2016年10月29日

漱石のユーモアはやはり良い。
★2 - コメント(0) - 2016年10月26日

倫敦塔を読みたくて読みました。『倫敦塔/カーライル博物館』読み易くすぐれた見聞記。『琴のそら音/趣味の遺伝』ユーモア短編。後者は、もう少し簡潔に書けば隠れた名品では。他の作品は、明らかに趣味で書いている。『幻影の盾』予想以上に読みにくく、理解不能。『韮露行』タイトルで曹操の詩を連想したが、アーサー王伝説だった。興味なく読んでいたが、終盤”赤毛のアン”のお姫様ごっこのシーンがこれかと気付くと少しうれしかった。でもやはり理解不能。もっとわからんのが『一夜』。実験小説ですか送籍さん。
★6 - コメント(0) - 2016年10月20日

夏目漱石先生初期の短編集。そのためか文体が難しい。漱石先生の作品コンプまであと少し。
★18 - コメント(0) - 2016年9月20日

お気に入りは「琴のそら音」。現代小説以外の作品は言葉が難解で読むのに苦労した。三部作シリーズと他何冊しか読了していませんが、間違いなく夏目漱石の初期作品集だなと得心してしまいました。節が効いているというか、最初から濃い判子が強く押されていてすごいなと思いました。『ワー』という喝采に深い情が籠っているという文が好きです。
★10 - コメント(0) - 2016年9月15日

夏目漱石の初期短編集。琴のそら音、趣味の遺伝は読みやすくて面白かった。他の作品は正直難しく理解できなかった。
★31 - コメント(0) - 2016年7月18日

端正なお顔に髭が立派で癇癪持ちの小説家である前に「英文学者」なことに気付かされた。文語、漢文調は読了に困難。イギリスでの体験から来る4編は英文学の知識と文化的建造物?を前に漱石が空想の世界へすうっと入っていく調子が分かり、ものすごい創作力。妻に狂気と思われる激しい幻想癖。今なら不思議くんで通れるのにな、と思われるほど色彩に満ちた作品群。描かれているアーサー王やイギリスの騎士物語はアン(赤毛の)が扮したり朗読した物語でもあったことに気づき、懐かしい物語に再会した気分。
★8 - コメント(0) - 2016年6月12日

初期の短編集。イギリスが舞台であったり、イギリスの伝説を下敷きにしていたり。イギリス留学の影響を生々しく感じる1冊でした。文章が古文で、読みにくかった…。その中で最後に収録されている「趣味の遺伝」は、言文一致体になるのかな?推理小説のような恋愛小説で、共感はできないけれど、面白かったです。でも、思い込みの激しい小説だとも思いました。その思い込みの激しさが、ちょっと怖かったです。
★11 - コメント(0) - 2016年6月10日

漱石の著作を読み直そうと思い、これも初めて読んでみた。題材がアーサー王伝説の作品を、こんな初期に書いていたのは意外だった。
★20 - コメント(1) - 2016年6月8日

ロンドン塔に魅せられ、過去の記憶が幻覚として現れる描写に引き込まれた。まるで自分自身もその場にいて、過去と対面しているような感覚に陥った。いつか私も実際にロンドン塔を見てみたいと感じた。薤露行は文体が難しく読みづらい。アーサー王伝説を詳しく知っているわけではないので、理解が追い付かなかった。空のこと音、趣味の遺伝が面白かった。
★13 - コメント(0) - 2016年5月18日

「薤露行」と「趣味の遺伝」の前半・後半がよかった。アーサー王伝説をちゃんと読みたくなった。「趣味の遺伝」では帰還した軍人を見に行く場面とラストの謎解きめいたテンポの早い展開が印象的。他は特に気に入ったりということはなかったけど、さすがに外れがないなあと。漱石先生が外国を描いているのは初めて読んだので新鮮だった。
★3 - コメント(0) - 2016年4月15日

「倫敦塔」は、旅の紀行文と思いきや、現実の世界からふらふらと幻想的に霧がかかり・・・歴史があぶり出されるよう。お気に入りは、「趣味の遺伝」「琴のそら音」。正直、他のものは読みにくく難儀しました。
★5 - コメント(0) - 2016年4月13日

『倫敦塔』は旅行ガイド的な部分と幻想味が混じっていておもしろい。ロンドン塔の血塗られた歴史を幻視するような、忌まわしい空想には、ぞくぞくとさせられる。そしてそのような妄想が、現実的な見方で破られる展開もどこか苦みがあって良かった。個人的には『趣味の遺伝』が好き。特に漱石の戦争観がうかがえるところが良い。内容的には厭戦的で気が滅入る部分もあるが、ユーモアを交えているからか、重く沈まないあたりはさすがである。
★7 - コメント(0) - 2016年4月5日

この「倫敦塔」が夏目漱石作品の中で私的BEST 3に入ります。とっても好きな作品です。ほかの収録作品「幻影の盾」などちょっと読みにくかったのでいつかまた再読したいです。
★5 - コメント(0) - 2016年4月3日

夏目漱石の定番!という本ではないと思うけれど、だからこそ、漱石の中ではとても好き。自分の中のロンドンのイメージと全く違うところが、夏目漱石の文章の凄さだと思う。文章を読むだけで、美術館で絵画を見ているのと同じような気分になった。
★5 - コメント(0) - 2016年2月22日

倫敦塔、カーライル博物館のみ読了。なかなか倫敦塔を想像するのが難しかったが、倫敦塔を実際に見に行くことができたためまた再読したい。カーライル博物館、好きです。
★2 - コメント(0) - 2016年2月20日

読みにくい話もあったけど文章の所々に出てくる真面目なようなトボけたような表現につい笑ってしまいました。漱石さんって独特で変わった思考回路の持ち主だったんだろうと文章から伝わりました。倫敦塔のオチは大好きです。
★6 - コメント(0) - 2016年2月16日

読了。七編のうち、「カーライル博物館」と「琴のそら音」がお気に入りです。この他だと、「趣味の遺伝」以外の四編は読みづらい印象を受けました。特に「琴のそら音」は、今まで読んできた漱石作品のなかでも五本の指に入るほど好きでした。焦って駆けつけた余と、宇野の家の呑気な雰囲気が好対照で、思わず吹き出しそうになりました。
★4 - コメント(0) - 2016年2月11日

読了‼︎
★6 - コメント(0) - 2016年1月18日

倫敦塔に行ったことがあったので読んでみた。漱石の表現力と想像力(妄想力?)が素晴らしく、自分もまた訪れたかのような追体験ができた。あの場所から感じ取れるものは、今も100年前も変わっていない。
★2 - コメント(0) - 2015年12月29日

倫敦塔、カーライル博物館、幻影の盾、琴のそら音、(一夜、薤露行、趣味の遺伝)
★1 - コメント(0) - 2015年12月19日

rb
漱石初期の短篇集。作品によって雰囲気がかなり違っていて、『倫敦塔』『カーライル博物館』は紀行文的、『琴のそら音』『趣味の遺伝』は現代小説的である。『趣味の遺伝』において、物寂びた寂光院に佇む美人を見た感慨をきっかけに、マクベス(シェイクスピア)の門番にみられる「対照」の効果を論じているところが気に入った。 かための文体で西洋の歴史的出来事(伝説?)を描く『幻影の盾』『薤露行』は、ちょっと頭に入ってこなかった…
★62 - コメント(3) - 2015年11月7日

漱石というと風刺やユーモアをどうしても思い浮かべてしまうけど、こういった作風の作品もあったのだなぁ、と。
★13 - コメント(0) - 2015年11月3日

1度目の感動が薄れるから2度いかないってなんかすげえ
★4 - コメント(0) - 2015年10月29日

ん~何ていうか、漱石さんが本当に言いたいことはなんなのか、理解できている気がしない。表面だけを読んでいるような気がする。いつかもう一度読む必要がある。
★2 - コメント(0) - 2015年10月12日

Me
『一夜』しとしと降る雨と艶かしい女の足の甲、遠くに詠んだ歌、細やかで美しい日常の風情、それらは人生という陰鬱な継続の中で唯一の救いである漱石先生のときめき。然しこの胸のときめきは何処か一方通行でしか流れず、其れを切なく遠く眺める。理解し合えた悦びは在らず。幻想癖は恋に等しく、一刻に一刻を加うれば二刻と殖えるのみ、その間に漂う漱石先生に痺れます。「あの声は胸がすくよだか、惚れたら胸は痞えるだろ」朦朧のなかに、叶わぬ恋がありました。
★28 - コメント(0) - 2015年10月3日

漱石初期の短編集です。幻想と現実が織混じった世界は、時間も空間も操っているようでした。全ての短編が作風も文体も異なり、実験的な要素があると思います。短い話1つ1つが幻想的で、世界観に導かれて彷徨うようでした。古き良き英国の幻影、格調高い日本の中に潜むユーモア。どの作品にも見られるのは漱石の英国留学の影響でした。神秘的な作品も多く、また他の作品に通じるような表現もあり、短編ならではの魅力があります。古文・漢文・英文の素養がふんだんに盛り込まれているのも美しい文章に結びついていると思いました。
★110 - コメント(0) - 2015年9月25日

漱石の最初期の作品集。アーサー王伝説を漱石流解釈で再構築した「幻影の盾」のような作品は、文体が古臭すぎて読み辛かった。随筆と小説の中間のような「琴のそら音」が完成度が高い。
★2 - コメント(0) - 2015年5月20日

青空文庫の代替。「倫敦塔」前に行った時のことを思い出した。「カーライル博物館」紀行文。「幻影の盾」後半の幻想的な場面が胸を打った。「琴のそら音」微笑ましい。「一夜」教科書に載っていた。美しき多くの人の、美しき多くの夢を、というくだりで思い出した。「薤露行」アーサー王物語から。「趣味の遺伝」最後の方の適当さに笑った。
★9 - コメント(0) - 2015年3月1日

『こゝろ』や『それから』『草枕』とはこれまた違っていて。漱石ってわりと裾野か広いのね。「倫敦塔」「カーライル博物館」「幻影の盾」「琴のそら音」「一夜」「趣味の遺伝」などが収められている中、私の目当ては「薤露行」。アーサー王伝説のランスロットとギネヴィア王妃の物語を下敷きに漱石が書いたものです。
★1 - コメント(0) - 2015年2月21日

『吾輩は猫である』と並行して書かれた短編7編。『猫』と比較すると大分読みにくい。近代小説的な「琴のそら音」「趣味の遺伝」はまだいいのだが、他の5編はどうにも。いずれ読み直したい。
★21 - コメント(0) - 2015年2月21日

倫敦塔・幻影の盾の 評価:80 感想・レビュー:109
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