こころ (新潮文庫)

こころ (新潮文庫)
あらすじ・内容
友情と恋の、どちらかを選ばなくてはならなくなったら、どうしますか……。
鎌倉の海岸で、学生だった私は一人の男性と出会った。不思議な魅力を持つその人は、“先生”と呼んで慕う私になかなか心を開いてくれず、謎のような言葉で惑わせる。やがてある日、私のもとに分厚い手紙が届いたとき、先生はもはやこの世の人ではなかった。遺された手紙から明らかになる先生の人生の悲劇――それは親友とともに一人の女性に恋をしたときから始まったのだった。

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378ページ
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こころの感想・レビュー(12885)

純然たる人間を騙してしまった苦しみ、そして騙した本人が同じようにまた純たる者であったという悲劇の連鎖。激情を伴わず、ぽつぽつと語られる物語はいつの世にも通じる人間の逃れられないエゴを鮮明に書き出している。 残された妻が白いままであることが願われている終わり方には、他の悲劇にはない寂寞を伝う濛々としたやるせなさが込められている気がする。 とても好きな作品だった。
★10 - コメント(0) - 3月21日

 おそらく中学生くらいの時に教科書に載ってる一部分くらいは読んだだろうが、今頃になって改めて読了。  読んで思ったのは、漱石の文章はとても美しいという事だ。表現、比喩、暗喩、文字の構成に至るまで完成されていると感じる。文の中に生きる登場人物らの目に映る光景が、ありありとその場に見えるから凄い。  普通に面白かったし改めてしっかりと読んでみて良かったと思った一冊。
★7 - コメント(0) - 3月17日

騙し騙し生きていきたい。みんなどっかでひとを傷つけてしまっている。ほんとうにごめんなさい。今日も飯がうまい。そういえば、私の父は死んだの?私、怒られただろうなー
★7 - コメント(0) - 3月9日

時代は明治から大正へ。時代の移り変わりを示唆するように、父と息子、先生と私といった、幾つものドラマが展開されます。主人公の“私”は良く言えば物怖じしない、悪く言えば人の領域にドスドス入ってくる新しい世代の若者ですが“先生”は過去、エゴイズムに染まり、親友を失ってしまった自分と重ね合わせ、次第に彼を受け入れていく。高等教育を受けた人は、それだけ社会に対して責任があります。先生の手紙を受けて列車に飛び乗った彼の決断が良かったのかどうか?これまでになく若い男女のヒリヒリするような三角関係を描いた人間ドラマです。
★36 - コメント(1) - 3月4日

教科書に一部載っていたとき、わたしは腐女子だったため、考えることはそう多くなく、友達と右左について語るだけだった。 さいきんになって興味が湧いて読むと、この話はずいぶん長いものだった。さらに、思っていたよりスピード感があった。意外だ。 空を見る場面が好きだった。しかしまあ読みやすい。
★11 - コメント(0) - 3月3日

先生自身のそのこころの葛藤に共感しつつも、そんなこころの葛藤に悩まされるそんな境遇にいられるのも 金銭的に裕福であり、余裕があるからこそであると妙にリアルな45歳の自分がいる。14歳の頃 最初にこの小説を読んで心を打たれた自分はここにはいない。それ位 自分はある意味汚れたし、現実的だ。
★9 - コメント(0) - 2月26日

最初に読み終えた時は結末ばかりに注視し、Kや先生の苦悩を理解できずにいた。自分を責めて何もかも立ち行かなくなり世の中が真っ黒に見えるなんて起こり得ない事だと思っていた。そのため先生が送った手紙の厚さばかりが印象残るという浅さすぎる記憶の留め方になっていた。読み返すと、なんとも人間らしい小説であるなと思う。ここでの人間らしさは、人を裏切る心も、信じる心も、愛する心も、全部まとめて言える。こころは、どの時代においても不透明なのだろう。その心に肉薄しながらを見つめ続けた苦悩が今になって漸くこちらに届いた気がする
★11 - コメント(0) - 2月19日

二十数年ぶりの再読です。当時の方が素直に受け入れられた様に思います。年を取った為でしょう。さて、私見ですが、湊かなえさんの「告白」は、芥川龍之介さんの「藪の中」をオマージュした作品だと思っています。この作品も同様に、異なる視点で料理したら面白そうだなぁ、なんて考えていました。意地が悪くなった物です。夏目漱石さん作品では最も好きな作品、楽しかったです。
★9 - コメント(0) - 2月11日

漱石生誕150年を機に再読。最初に読んだのは学生の頃、母親の本棚に見つけたのがきっかけ。再読した今は、先生とKの関係も物語の展開も分かっているのだが、先生が罪の意識に苛まれる様子が私の心をも押しつぶすようだった。被害者だと思っていた青年がいつの日か恋愛感情から嫉妬、焦燥を覚え、友を出し抜く。その業を一生背負うことになるとも知らずに。今回は、手紙の最後で妻を気遣う先生の想いに落涙した。この物語に「こころ」と名付けた漱石が憎い。私達の心を赤裸々に描き、私達の心を捉えて離さない物語。読み継がれて欲しい。(蔵書)
★137 - コメント(12) - 2月10日

『精神的に向上心のないものは、馬鹿だ』----------------人の持つ嫉妬心や猜疑心とかいう、もろもろの微妙な、人には分かってもらいにくい憂鬱な内面が、「先生」が綴る言葉の中にはある。「先生」の心情に、あぁ、と、ところどころ共感してしまう度、かつてああいう心持ちになった時、わたしの頭の中ではこんなことが起こってたのだなあ、としみじみ感じた。課題に追われる今、読んでる最中は、病みそう、病みそう、と思っていたけれど、読み終わった今、晴れ晴れとしている。
★11 - コメント(0) - 2月9日

読書会に向けて再読。Kと先生が上野公園で話をする場面が、辛かった。本当に先生はお嬢さんが好きだったのか、kのために奥さんを大事にしてるのか。何度読んでも、疑問がくるくる面変わりしてでてくる。だってこころは単純じゃないもの。
★16 - コメント(0) - 2月5日

ken
理想と欲望の間の葛藤が苦しく、罪の意識に胸が詰まる作品。
★8 - コメント(0) - 2月4日

高校時代に授業で習って以来。全編を通しては初めての読了。エゴイズムとそれに伴う弱さに支配されて、そんな自分に自責の念を持ちながらも結局抗うことができないという登場人物たちが実に「人間らしく」描かれていると感じた。「先生」の遺書の最後に、自身の秘密を妻には知られたくないと述べてる部分がその最たるものではないだろうか。一読しただけでは理解できたとは言い難いので、何度も何度も読んでいこうと思う。「精神的に向上心のないものは、馬鹿だ」
★12 - コメント(0) - 2月2日

考え深い本。ただ、連載者の難しさがある感じはした
- コメント(0) - 2月1日

高校の教科書で読んで以来、十数年ぶりに。向上心を持っていても行動すら起こせない僕は大馬鹿ものだ。
★8 - コメント(0) - 1月25日

★★★★★多分読むのは4回目くらい。今読んで思うのは、先生は十分幸せだったのでは無いか?Kが居てお嬢さんが居て。親友と本当に好きな人。なかなか得られないと思う。きっとそんな人が存在するだけで素晴らしいと思う。残念ながら僕には分からないけど。明治でも平成でも、人の「こころ」は変わらないと思う。
★16 - コメント(0) - 1月25日

悪人らしい悪人がいるわけでないのに、みんな辛い思いしてる。昔の情緒なんだろうが、思ったことを言わなすぎる。先生は考えすぎ、病みすぎ、若干プライドが高いのだろうか。きっと全部なんだろう。
★12 - コメント(0) - 1月22日

授業で扱うたびに読みます。そのたびに新たな発見があります。「上」「中」の「私」の物語が完結していないのが気になります。漱石は、「私」の物語を何らかの形で終える構想を持っていたと思うのですが。
★11 - コメント(2) - 1月21日

十数年ぶりの再読。なぜ今さら、また手にしたのか?この偶然は何らかの因縁か。背骨に電撃が走る感じ。どうして漱石は「先生」の親友「K」を真宗寺院の子として設定したのだろう?それが一番気になる。私は親鸞が大好きだからこそ、納得できる部分と納得できない部分があった。読後は両方の感情が入り混じって、なんか本を机に叩きつけたかった。「ごめん、ごめん、許してくれ!」って生きるのは能天気に過ぎるかなぁ?己が悪人であると知った瞬間こそが転機だと思うんだけどなぁ。しかし、珠玉の一品であることに異論なし。再読に感謝。
★18 - コメント(1) - 1月21日

初めて読んだ夏目漱石。夏目文学の絶頂をなす作品と言われているようで、大正3年から伝わる、言わずと知れた『こゝろ』。その当時の、妙に懐かしく古風な作風に、見事に魅了されてしまいました。時間をかけてしっかり読んだせいか、心の中へグイグイ沸き上がってくる切なさは予想以上…。総評として、この作品の感想はとてもこの限られた文字数では書ききれません。独特な描写が映し出す表現や世界観にハマり、一度読み終えてまた再読してしまいました。やはり語り継がれる作品には理由がある。読書の楽しみを広げてくれた、素晴らしい作品でした。
★53 - コメント(2) - 1月20日

N
教科書で「手紙」だけは読んだことがあったけど、全体を通して読むのは始めて。文体もそこまで読みにくくなくさくさく読めた。先に手紙の内容を知っていたので、主人公目線の先生の言動の意味がわかって読んでいて悲しい。「手紙」でお話が終わるのが、余韻が残る感じで好き。
★16 - コメント(0) - 1月18日

とても深い。読んでよかった。
★8 - コメント(0) - 1月18日

高校の授業で読んだ。遺書長っいなー、っていう記憶。
★6 - コメント(0) - 1月17日

書名の通り, 人間の心に焦点を当てた作品. どことなく謎な雰囲気をもつ"先生"が忘れられない. 話が展開するところから一気に読める. 当時の生活とも合わせて楽しめる作品です.
★9 - コメント(0) - 1月16日

ストイックさや高潔さが行き過ぎて、現実に耐え切れないほど心が脆くなってしまった人々の話。高校の現代文で、クライマックスの部分だけ抜き出して授業を受けた時は「ああ、この『先生』というのは、潔い人なんだな」って印象を抱いたんだけど、実際に最初から読んでみると、意外と言い訳が多いし責任転嫁ともとれる言動をしていたりで、「人並みの狡猾さを持った生身の人間だったんだな」とイメージが変わった。冷ややかな頭で言うことより、熱した舌で平凡な説を述べる方が生きている、これは間違いない。愛と金が人をたやすく悪人にするのもね。
★13 - コメント(0) - 1月15日

生きている限り、こころは震えるのです。震え方はさまざまで、例えば運命的な出逢い、一生の伴侶にしたい相手を見つけたとき、叔父の裏切り、友だちの恋心、そして死。誰がKや先生の死を咎めることが出来るでしょうか、いいえ、誰も資格などないのです。ですが、先生はしてはいけない過ちを犯しました。先生を懇意にしていた私が先生の後を辿らないとは限らないのです。その時、妻はどうなるのでしょうか、いつか出逢う私を懇意にする人はどう思うでしょうか。夏目が乃木の殉死に衝撃を受けたようにKから紡いだ路に光が灯り続けるかもしれません。
★23 - コメント(0) - 1月12日

かなり読むのに時間がかかったけど、読んで良かったと思える作品。
★22 - コメント(0) - 1月11日

再読だったが、改めて「こんな話だったか~!」 驚き
★5 - コメント(0) - 1月7日

漱石先生の読書三冊目、文体的にはすらすら読めるが先生と私との関係が良く理解できないうえに、先生とのいかにも陰鬱なやり取りが伏線めいて続き展開が遅くて難渋する。が、「下 先生と遺書」の手紙で物語が一気に展開し面白くなった。尊敬していた近親者に若しくして相続問題で裏切られて人間不信に陥り、更に恋愛を巡る裏切りにより友人を自死させてしまったとの自己呵責から孤独の世界に生きる先生。自らの精神世界や倫理性と妻には最後まで事情を伏せてなお懊悩する先生が、天皇崩御に背を押されるように自死を選ぶ姿は如何にも重く切ない。
★26 - コメント(0) - 1月5日

友人を死なせてしまったという呪縛から逃れられないことの辛さ、一人で抱えることの悲しさがひしひしと伝わってきた。 この辛さから先生は今で言う鬱病を患ったのではないかと思った。鬱病がまだ認知されていない時代にこれを書けるなんてすばらしい。
★9 - コメント(0) - 1月4日

後半の先生の遺書における告白で、こころを抉られる衝撃を受ける。人間の心理を見事に描いた19世紀を代表する小説である。どんな人間の内にも潜む善意と悪に転じる闇。現在でも色褪せず普遍性を帯びているのがよくわかる。もっと若い頃読んでいたらと思い、いま読んでも大きな価値があると思う。
★3 - コメント(0) - 1月1日

授業でやって、先生が「こころってすごい深いんだよ〜」って言ってたので読み直しました。前に坊ちゃんも4、5回くらい読み直しましたが、?や!がないからちょっと感情が読み取りにくいなぁと思いました。でもこれはスルメ本だなと思いました。こころを読んで文学に興味が出てきました
★9 - コメント(0) - 2016年12月30日

高校生ぶりに読んだ。全部通しで読んだのは初めて。じぶん自身を遠くからしげしげと眺めて、個として孤独を自覚しながら生きる。25歳のじぶんには高校生のときよりよっぽど染みた。
★8 - コメント(0) - 2016年12月29日

読み直すたびに、Kの最後の行動について考え直す。10代のころは、ひどくKがかわいそうに思えた。今はどちらかというと先生に同情的になってしまう。Kはお嬢さんの気持ちが自分に向けられていると少しも疑っていないように見えるのだ。はじめから恋心を向けられているはずの先生でさえ、悩むのに。Kは強い。純だ。でも、やはり私は先生のような男の方が好きだなあと思ってしまうのだった。
★8 - コメント(0) - 2016年12月29日

先生に対する復讐の意味合いもあったのでは、とKが自殺した原因を自分はそう捉えた。己の死が先生に対して与える負の感情の度合いまでは予期出来なかったとしても、なんらかの傷跡は残せると考えたのでは。「もう取り返しがつかないという黒い光が、私の未来を貫いて、一瞬間に私の前に横たわる全生涯を物凄く照らしました。」取り返しがつかないとはKの命と先生の人生とふたつの意味合いがあるのだろう。先生はここで二重に絶望している。Kはそこまでの意図はなかったかもしれない。しかし先生の自死によってKの復讐は果たされたのではないか。
★10 - コメント(0) - 2016年12月27日

★4 - コメント(0) - 2016年12月23日

読めたという達成感しかない。2人分の人生を見てきた感じ。最後、お父さんの最期に間に合うのかとか、東京に行ってどうするのかとか、気になる事が色々あるけど書かないほうが余韻が残っていいのか?
★9 - コメント(0) - 2016年12月21日

人間は金と恋愛のためには、親しい人を裏切ることができる悲しい生き物、主人公が尊敬する先生の遺書には、そんな人間の性に苦しんできた過去が綴られていました。虚無感におびえる人間の孤独を描く「行人」、エゴイズムがひきおこした悲劇に一生苦しむ「こころ」ともに救いのない心に重く響く小説でした。
★15 - コメント(0) - 2016年12月20日

★★★☆☆
★5 - コメント(0) - 2016年12月20日

一年振りに読んでみると読後感が中々違う。
★9 - コメント(0) - 2016年12月16日

こころの 評価:82 感想・レビュー:2514
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