浮雲 (新潮文庫)

浮雲 (新潮文庫)
あらすじ・内容
卑しい人間が出世し理想を抱く人間が没落していくのは何故なのか。ここから、この国の近代文学は始まった。悩める日本人を描いた不朽の古典的名作。

江戸文学のなごりから離れてようやく新文学創造の機運が高まりはじめた明治二十年に発表されたこの四迷の処女作は、新鮮な言文一致の文章によって当時の人々を驚嘆させた。秀才ではあるが世故にうとい青年官吏内海文三の内面の苦悩を精密に描写して、わが国の知識階級をはじめて人間として造形した『浮雲』は、当時の文壇をはるかに越え、日本近代小説の先駆とされる作品である。

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浮雲はこんな本です

浮雲の感想・レビュー(353)

日本近代小説の先駆け的作品なので、文章が独特ですね。仕事も縁談も駄目になり、惹かれた相手と両思いだと思い込んで悩む様子を見ていると苛つきと初々しさの両方の想いに駆られました。狭い世界の中で描かれる内面の苦悩が緻密だなと。江戸文学がまだベストセラーと言われる時代にこのような作品が出たというのは画期的に思えます。
★107 - コメント(0) - 3月4日

社会科の、この写真の人物の名前を答えよ!に出てきたような記憶のある二葉亭先生を初読み。巻末の解説や年譜を先に読んでから本題に入りました。叔母さんそりゃ言い過ぎだょ、と思うこと度々。そして理想と矛盾に悩む主人公が作者と重なることも多かった。浮雲とは良く言ったものだなぁと面白く思った。
★25 - コメント(0) - 2月14日

「お勢は可愛いなぁ。しかし俺クビになってしもうてどないしよ。やっぱり課長に媚び売ってへんかったからかな。おばさんめっちゃ責めて嫌味ばっかり言ってきよるやん。え、お勢は俺の事かばっておばさんとケンカしてくれたん。嬉しい!やっぱりお勢も俺の事好きなんやな。最近本田の奴が家に来てお勢となんかいい感じになっていきよる…。本田が課長を取りなしてやるとか言ってきたけどプライドが許さんわ。お勢もそうしたらいいって?あんな課長の奴隷に頼み事できるかい!俺の気持ち弄びやがってこのビッチ!
★4 - コメント(1) - 1月27日

没落した武士の息子である主人公は叔父の家に身をよせて勉学に励みながらなんとか就職するもサムライ堅気の性質が祟って対した事務仕事でないのにクビになってしまう。それまで叔父の娘に惹かれ、縁談も成就しかけたのに、再び勉学時代のいびりが始まり、いやな同僚の慰めにならない訪問に心が痛めつけられる。私も武士の子孫で下らないプライドがあり、不器用で就職活動に苦労し、きっと働く時も大変苦労するだろうから主人公の行動、心理ひとつひとつが自分に重なって身にこたえた。
★27 - コメント(0) - 2016年12月22日

ロシア文学では、ゴンチャロフの余計者文学を参考にしたようだ 明治30年頃に文官任用規則が固まるまでは情実人事で免職ということが実際にあったようだ このあたりゴーゴリの外套や、ドストエフスキーの貧しき人々に相通じる世界
★27 - コメント(5) - 2016年12月1日

最初読みにくいかと思ったが第二、三回辺りからだいぶ読みやすい。文章のリズムが非常に心地良くてするすると引き込まれた。でも結末がなんだか気になる感じで終わってしまったけど…私は文三嫌いじゃないですよ
★2 - コメント(0) - 2016年11月30日

僕の回りでは文三のようにくよくよしてる状態を評価しない人が多い。無駄な時間だと。特にニーチェ大好きな知り合いが蛇を飲み込んで超人になることを進めるのだけれどもそいつにこの本を投げつけてやりたい。没理想論争では逍遙は鴎外にコテンパンにやられてしまうが、論破したほうが正しいとは限らない。
★12 - コメント(0) - 2016年10月29日

最初は、言文一致とは言え読みづらいなあと思ったけど慣れてきたらテンポが心地良い。センター試験のスピンスピンスピン思い出したけどね。いつの時代も同じですなあ。俺も昇よりは文三クンに近いんで辛かった
★2 - コメント(0) - 2016年10月20日

言文一致の爽やかさよ。仕事をクビになり、勝手に両思いだと勘違いしてうじうじ悩み、これも「もてない男」の小説の系譜に連なるのだろうか。
★19 - コメント(0) - 2016年8月19日

図書館で見つけ、「落語家みたいな名前だな」と、不思議に思い、ずっと気になっていたので、読んでみました。江戸文学が残る明治の二〇年にデビューした著者の処女作と知り、驚きました。ある意味歴史的な作品だと思います。ここから、漱石や鴎外などに進化していくんだなと、興味深く読めました。ただ、文章は読みづらいですね。それも味ですが。お勢に片想いする文三がじれったくも初々しい。現代のナンパ合コン当たり前の時代では考えられないくらい純粋で、まるで空に浮かんだ雲のようです。
★16 - コメント(0) - 2016年5月14日

たまには古典の有名作品でも読んでみるか……と思ったらまさかの途中放棄作品! ただイジイジウダウダした話なので続きがなくても残念でもなく。叔母の振舞いが不快で仕方なかった。講釈みたいなリズムのある文語的な表現は面白かった。
★2 - コメント(0) - 2016年4月27日

文体の調子が良くて楽しい。段々と読みやすくなっていくのがまた。恋愛は時代によって様相が変わりますが根っこの部分は同じなんだなあと感心しました。しかし読んでる此方がイライラムカムカしてしまう作品でしたね。文三は何かと上手くやれない男ですが心持ちが良いので何だか不憫です………。
★5 - コメント(0) - 2016年4月10日

文さん,もっとがんばれよ~ っとは思うけど,おそらく自分もそうなるよなぁ
★3 - コメント(0) - 2016年4月4日

文三のぐだぐだっぷり、悩んでいる様子がすごく濃く書かれていてよかった。また登場人物の行動や衣服などをイメージさせるのが大変に巧い文章だった。
★3 - コメント(0) - 2016年3月29日

主人公、内海文三のぐだぐだっぷり!親戚一家に居候するニート、THE悩める日本人の始祖と名付けたい。融通のきかない割には優柔不断で芯がない。里に残した老いた母を引き取りたいが、ニートに何が出来よう…やることなすこと全て裏目に出る文三、駄目すぎて愛さずにはいられません(笑)主要な登場人物はたったの四人ですが、この四人で百人分くらいの働きをしてくれます。人の心が浮き雲の如きことは、今も昔も変わらない絶対の真理。
★46 - コメント(2) - 2016年3月23日

Z
紅露以前の小説なので、話の内容はお粗末。言文一致とあるが無論、現在の言葉とまた、漱石、鴎外の文章ともまったく異なる。この文章から、何が排除される必要があったか、何が加えられる必要があったのかという資料として読んだ。面白いのは地の文と会話に使われる言葉の違い。会話の文章は、現在でも詰まりなく読めると思うが、地の文の漢字、すごくハード。著者が第三巻において、この小説はつまらぬ事を種に作ったものゆえ人物も事実も皆つまらぬもののみでしょうが、と弁解が入って、第一巻の冒頭に書け!と思わず突っ込んでしまった。
★4 - コメント(0) - 2016年3月16日

初めは江戸時代的で古くさく読みにくかったが、後半はおもしろかった。役人を突然免職された内気な文三、文三が好きな明るい美人お勢、お勢に近づく調子がいいが卑しい役人の本田など平凡な人たちの心理がなかなか精緻に展開する。作者がロシア文学の翻訳者のためかわが国最初の言文一致体の文章は登場人物が軽いわりに骨太です。
★4 - コメント(0) - 2016年2月24日

主人公に感情移入できる具合を作者にうまくコントロールされながら読んでいた気がする。
★1 - コメント(0) - 2016年2月4日

文三草食説
★1 - コメント(0) - 2016年1月26日

二葉亭四迷と樋口一葉が顔を合わせることは1度もなかったといいます。一葉が早世(24歳で死去)だったことや二葉亭に会うことを警戒したことが理由のようですがこんな天才二人が面識なく終わったことを残念に思わずにはいられません。フランス文学のバルザックとスタンダールそしてロシア文学のトルストイとドストエフスキーもほとんど面識がなかったとか。現代のような情報社会ならそんなことはなかったかもしれない。『浮雲』は二葉亭四迷の処女作小説。これだけ素晴らしい作品を書きながらもこのあと二葉亭は作家活動から遠ざかっていく。。
★44 - コメント(1) - 2015年12月7日

今はあまり遣われなくなった言葉もあって読むのが大変だったけど時折出てくる綺麗な表現が好き。文三はやらない事へ言い訳ばかりで最後までほんと女々しかった。
★2 - コメント(0) - 2015年11月28日

小気味の良い口調と、洒落を利かした言い回しが心地良い。文三の免職をきっかけに一変する環境。叔母との不和、お勢とのすれ違い。それらの問題に煩悶し、うずくまる文三の心境が辛い。二葉亭が本作のような、理想と現実の間で常に揺れ動いていたのかと思うと、なお刺さるものがある。
★1 - コメント(0) - 2015年11月8日

言文一致体の記念すべき最初の一冊。最初はかなり読むのが骨がいるが、言文一致の実験的施策ということもあって段々すらすらと読みやすくなっていたのが文語体から口語体への移行の途中経過を見れたようで面白い。
★1 - コメント(0) - 2015年10月20日

明治時代の人間が、現代の人間と全く同じ感性を持って生きていたということがわかった。その同じ人間が、その後、戦争に直面したりして死んだりする。それは大変な、苦しみを抱いたことであろう。このように、浮雲は色々と考えさせられる名作だ。文三と勢のその後がどうなるのか知りたい気もしたが、このように、不明のまま終わらせるのもありかとも思う。
★2 - コメント(0) - 2015年10月11日

どうもいつの時代もヘタレ男が好きらしい。しかし独特なテンポ感の文体は確かに時代を感じさせる。
★26 - コメント(0) - 2015年9月16日

J.H
★★★★★
- コメント(0) - 2015年8月30日

言文一致体で書かれた初の小説ということで読んでみた。月の描写が長く、それでいて美しかったのが印象的。二葉亭四迷が生きていた頃は、このテンポで時が進んでいたんだろうな。文三がいつまで経っても何も出来ないでいて、この小説のまだ続きそうな終わりかたも、「結局また何も出来ないんだろうな」と思うとおかしかった。
★2 - コメント(0) - 2015年8月23日

ここで終わるのかというところで終わりなのでモヤモヤ感が残る。自分というものを捨てることができずに固執してしまう男。プライドが膨らみ続け、その重さに自分が押し潰されてしまったような印象をもった。
★25 - コメント(0) - 2015年8月13日

恋愛は、勘違いの積み重ね。
★2 - コメント(0) - 2015年7月18日

意外とコメディだった。文三がヘタレ
★3 - コメント(0) - 2015年6月25日

あきらかにお勢の気持ちは離れているのに、いつまでも淡い期待を抱いてしまう文三。恋は盲目ということを、体現している。世渡りべたで頑固な若者に、じれったくなりながら読んでいたが、次第にかわいそうになってくる。
★4 - コメント(0) - 2015年5月14日

時代と文体は古いのに、人間の心理ってやはり変わらないのだなあと。主人公に、その周りに、やきもきした。
★2 - コメント(0) - 2015年3月15日

面白い。文三の想いは叶わないんだろうな、とか思いつつ、この物語の持つ魅力にとりつかれ、ドキドキしながなら読んでしまった。最後まで読んで、「浮雲」というタイトルに合点がいきました。
★3 - コメント(0) - 2015年1月21日

明治古典文学。言文一致の日本近代小説の先駆…らしいのだが、この本は軽く読めた。文三が恋の悩みに苦しみ、世渡り上手な本田に嫉妬し内心大好きなお勢に「期待させんじゃねーよ!」と八つ当たりするという…。文三の若すぎる感性がずっとうだうだしていて面白い。お勢もただちやほやされたい若者の女だし、『浮雲』というタイトルも彼女の移ろいやすい心の動きを表しているのか、はたまた文三の悩める心を表しているのか気になる。明治の人って現代人とあんまり変わらないなぁ…と思った。
★2 - コメント(0) - 2014年11月27日

日本初の言文一致体の小説という触れ込みだが、半文語体的な文体に慣れるのは一苦労。とはいえ読み進めるうちに、グイグイ作品に引き込まれてしまった。主人公の文三はお世辞一つ言えない朴念仁。従妹のお勢に恋する思いを伝えらずグズグズしているうちに、首尾よく上司のご機嫌をとり、まんまと昇進する同僚・昇の横やりが入る・・・といった典型的な三角関係が描かれる。平成の今の世の中になっても、煮え切らない男はとことん優柔不断だし、異性、同性への妬み嫉みが尽きない人間模様は極めて普遍的であり、現代にも通じる内容でした。
★2 - コメント(0) - 2014年9月23日

調子のよい文体が読んでいて快く感じられる。おそらく「鄙劣」な行為を良しとしなかったことにより免職となった文三が、自らあるべきとする姿の周囲との齟齬によって思い悩む様には共感できる。
★1 - コメント(0) - 2014年9月21日

文三の悶々として煮え切らない様子が延々と続く。その心の葛藤は自分にも思い当たるところがあり、黙々と読んだ。しかし、文三が、自分がどの道を取ればよいかお勢に聞き出したときには笑った。初読のつもりで読んだが、すぐに青空文庫で読んだことがあると気付いた。紙でないと忘れやすくなるらしいことを改めて感じた。
★18 - コメント(0) - 2014年9月8日

文三の自意識は凄い。男の女々しさと自分に対する甘さの凝縮。現代においても我が身のことのように読める。
★1 - コメント(0) - 2014年6月16日

文三。
★2 - コメント(0) - 2014年6月15日

浮雲の 評価:64 感想・レビュー:91
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