白痴 (新潮文庫)

白痴 (新潮文庫)
あらすじ・内容
女が欲しい。たとえ白痴であったとしても――。太宰と人気を二分した無頼派・坂口安吾の代表作7編を収録。

白痴の女と火炎の中をのがれ、「生きるための、明日の希望がないから」女を捨てていくはりあいもなく、ただ今朝も太陽の光がそそぐだろうかと考える。戦後の混乱と頽廃の世相にさまよう人々の心に強く訴えかけた表題作など、自嘲的なアウトローの生活をくりひろげながら、「堕落論」の主張を作品化し、観念的私小説を創造してデカダン派と称される著者の代表作7編を収める。

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白痴の感想・レビュー(1714)

坂口安吾さんの作品は初読みでした。この作品は堕落論の主張が作品化しているということで、この本を読んだことで堕落論も読んでみたい。私はずっと前に堕落論を購入しているけど、まだ読めていないので、これを機に読んでみようと思った。
★13 - コメント(0) - 3月14日

<死は純粋と見るのは間違いで、生き抜くことの複雑さ不純さ自体が純粋ですらある…>■どの話にも、積極的、あるいはやむを得ない理由で、結果的にはかなり性に奔放な女性が出てくる。泥臭さを引き受けている感じがします。
★35 - コメント(0) - 3月4日

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自分が女に求めているのは肉欲のみと表明しながらも、その女の存在そのものを無意識的に求めている。いずれの作品も息苦しいほどに退廃的精神に後退しつつも安心して寄りかかれるのは、そんな生への希求が感じられるからだろうか。
★11 - コメント(0) - 3月1日

敵わんなぁ、と思った。これを読んで頭とか胸とか某所を熱くしちゃいそうな男のことを好きになっちゃいそうなあたしは白痴に憧れちゃいそうで。 己を放ちたい男と中に受け入れたい女(自他とした方が良いかも)、この隔たりこそが互いを惹きつけ、その隔たりを埋める為にすべての言葉(思考)は費やされてて、安吾の果敢な情熱、野心の純粋さに昂奮を覚える。 ひとって、なんで求めちゃうんだろう。何を求めてるんだろう。愛の夢とか?見ないでよそんなの。ほんと、敵わんなぁ。
★36 - コメント(0) - 2月28日

熱湯だ…坂口安吾の『白痴』. 表題作に感嘆. 安易な表現で言い表せないところを見事に表現していると思う. 鋭い. ぬるま湯につかっていたところ「甘えんなよ」と火の棒を投げ込まれるような強さと鋭さがある. 解説も凄まじく, 必読. また『私は海をだきしめていたい』には肉体と精神との関係がわかりやすく示されている.
★7 - コメント(0) - 2月18日

曝露それこそが文学だと突きつけられた。間違いなくこの読書体験でぼくのなかのなにかがブレイクスルーしました。ハマりました。全篇凄いが特に『白痴』『私は海を抱きしめていたい』『青鬼の褌を洗う女』が白眉。おまけに文庫解説もすげえんだけど。「坂口安吾は無意識の虚を突き、妥協の安定をくつがえす〜なんのために〜精神の純粋熾烈な発光に陶酔し感動したいという、その一事のために。坂口安吾は度しがたい夢想家なのだ」「かれにおいては、その創作行為とは、真の感動に達するためにおこなう感傷の削除作業を意味する」以下コメント欄へ➡︎
★6 - コメント(1) - 2月12日

男は『白痴』の女を白痴とか豚とか内心言いながら捨てない。紙屑を捨てるにも、捨てるだけの張り合いと潔癖さぐらいはいるのにこの女には微塵の愛情も未練もない代わりに捨てるだけの張り合いもないからっていう理由、ひどいな‼︎まあ、そう思ってる男も自身が屑に過ぎないと自覚してるから虚しい。でも、女子の心わかってる短編もある。『青鬼の褌を洗う女』で『好きな人と一緒に買い物に出て、あれにしようかこれにしようか一々私に相談されるのはイヤ、自分でこれと決めて、押し付けてくれる方が嬉しい』には共感した。太宰治読んだ時と似てる。
★61 - コメント(0) - 2月9日

普段の生活は不特定多数の男性と肉体関係を持つアウトロー女性が、戦火の中では生き生きと映るのは何でだろな。女性の潔さが妙に力強かったりする。
★1 - コメント(0) - 1月30日

奇妙な関係は、男女、友、家族の仲に劣らないほど陳腐で尊いものだ、と思う。退屈は人間である、と思う。人とは何をもって人なのだろうか、と思う。自分が何を言ってるのかよくわからない。
★3 - コメント(0) - 1月26日

なんでこんなにも良いのだろう。理由はよく分からないけれど、ずっと読んでいたいくらい面白くて、終わってしまうと、なんだか寂しい。
★2 - コメント(0) - 1月22日

坂口安吾初読み。太宰が好きで、作風が似てる(無頼派)と知り借りました。若干難しい気もしましたが、5作目の「私は海をだきしめていたい」というタイトルが良いし文章が綺麗で、さらに最後の2作は両作ともに女性視点の話で読みやすくて楽しめました。最後の作品での''「一番」よいとか、好きだとか、この一つ、ということが嫌いなんだ。なんでも五十歩百歩で、五十歩と百歩は大変な違いなんだ''というセリフが何というか心にずーんときました。正直に思ったことを書かれているなという印象です。
★23 - コメント(0) - 1月18日

mia
白痴 意思があって初めて人と見なしているところがおもしろい。スピード感がすごかった。死んでもいいと思いながらも、火の手が迫り死にそうになると世間体を気にし白痴の女が見られないよう周りの人がいなくなるのを待ってから逃げようとしたり、生々しい。女への評価がコロコロ変わる。
★5 - コメント(0) - 1月14日

気になった話のみ
★1 - コメント(0) - 1月13日

デカダンな空気が取り巻く小説です。人は信念も持ち物も奪われた時どうなるのか?を秀逸に描いています。
★3 - コメント(0) - 1月11日

表題作『白痴』以外は初読。印象に残った短編をふたつ。『いずこへ』一ヶ月の生活費を一日で使い果たす主人公の生き方は、寺山修司の一点豪華主義に通ずるものがあると思った。芸術への理想と低俗な現実とのギャップ、その空虚に苦しみ、自分という存在がわからなくなる彼の姿には共感を覚える。『私は海をだきしめていたい』不感症の娼婦との情交をとおして、清潔で孤独な肉慾を見出し、新たな幸福論を得る話。一貫して女への肉慾を扱った短編ばかりであるが、その根底には坂口安吾の理想と現実の乖離に苦しむロマンチストの精神を感じる。
★4 - コメント(0) - 2016年12月31日

デカダンス、退廃的で暗くて、肉慾、アウトロー。読んでいる時は嫌だと思ってるのに、他の作家を読み始めるとふと思い出してこの本に帰りたくなるような、何故か大好きな短編集。様々な小説や映画等で空襲のシーンは沢山見ているのに、坂口安吾の書く空襲が最もハッとさせられて胸に残った。
★3 - コメント(0) - 2016年11月29日

初の坂口安吾作品でした。決して「おもしろい!」という作品ではなかったです。いわゆる他者の欲望を排除した、人間の個人的な欲求についてトコトン描きたかったのではないかと思いました。
★4 - コメント(0) - 2016年11月23日

戦後すぐの逼迫した世相だからなんだろうけど、西村賢太とは違って昔の人は堕落しても真面目だなーって思った。「白痴」や「私は海をだきしめていたい」が面白かったけど、十分にこの作品の良さを味わい尽くせたとは思えない。またいつか読み返したいな。
★3 - コメント(0) - 2016年11月23日

生きるための堕落。作者の生への強い執着を感じた。
★2 - コメント(0) - 2016年11月18日

登場人物の女性はだれも私とはちがっってとても奔放でうらやましくも思った。劇的な何かを求める所は同じかもしれない。戦時下の場面では祖母の青春時代もこういう世の中だったのかなあと思いを馳せた。白痴が読みたくて買った。ほかでは読んだことないような感覚でもちろん読み応えがあったが、女性が主人公となっている青鬼の褌を洗う女も面白かった。久須美とさちのような関係にあこがれるかもしれない
★3 - コメント(0) - 2016年11月13日

日常生活に空襲があった時代の人々の暮らしが描かれていて、戦争をリアルに感じた。白痴の主人公は頭で思っている事と口に出す言葉があべこべだ。火の海の中、あんな言葉を言われたら信じてついていく。この中では戦争と一人の女が一番好き。徹底的な破壊は夜明けに、希望につながるのかな。
★4 - コメント(0) - 2016年11月3日

★★★ どの話も作者が主人公的な感じがする。 白痴は町田康が解説してたのを聞いて読んでみたけど、内容知ってても面白かった。
★3 - コメント(0) - 2016年10月12日

【速読】どんな調子で書いてあったかな、というざっと読みでの確認です。
★1 - コメント(0) - 2016年10月3日

アウトローがデカダンスを語る。戦中・戦後という時代背景は想像でしか補えないが、退廃的、刹那的な生き方を選ぶことに躊躇の度合いは少なくすむ時勢。ある作家が江戸時代を「あっけらかんとした絶望」と称した。時代は違えども類似した好感を感じた。不謹慎を承知で言えば、勇気をもらった気さえした。「あっけらかんと」出来ないから、今の時代、生きにくいのではないだろうか。
★37 - コメント(0) - 2016年10月2日

「いずこへ」「母の上京」「外套と青空」「私は海を抱きしめていたい」だけ拾い読み。最近読んだ『ダイオウイカは知らないでしょう』で西加奈子さんが「ぼんやりしている人はモテる」と書いていたのを、これを読んで納得したような気がする。どの主人公も、人がどうなろうと、国がどうなろうとどこか上の空だ。ダメ人間なのだけど、すごく魅力的なんだよなあ。
★12 - コメント(0) - 2016年9月29日

☆☆☆☆ 内容は良く言われるようにデカダンスなのだろうが、文章は迫真を持って伝わってくる力強いものであり、強く惹かれる。「私は海をだきしめていたい」は全体が名文だと思う。「白痴」は戦時下の日本が色濃く描写されている。焼野原を強く印象付ける「戦争と一人の女」は、青空文庫で読んだものとは違う作品であり、続編を改題したものと知った。対と言っても良い二つの作品であり、甲乙つけがたい。「外套と青空」のキミ子、「青鬼の褌を洗う女」のサチ子、ともに奔放で何だか魅力的だ。その他「いずこへ」「母の上京」。
★40 - コメント(0) - 2016年9月26日

作者の生き様と、当時の世相を全部ひっくるめて、一つの作品なんだろうな。最低野郎の最低な生き方に共感するには、もう少し不幸にならないと無理かな。
★3 - コメント(0) - 2016年9月18日

早口でドンドン攻めこんでくるような言葉の力は強く、迫力と勢いに時にたじろぐ。ネットで多少の事を調べてから読むのが通例になってきているので今回も同じく探ってみて、その破天荒さに驚きつつ読み始めた。幾つかの話は戦争の描写が多く見られる中、それは主人公や登場人物を語るための要の風景のように思えた。〔青鬼の~〕は最後が良かった「ただ見ていた」「あなたを」なんて、それまでの流れを組んでのあの最後がイヤに素敵に感じた。安吾作品は手強くてでも後追いしたくなる。堕落論を探してこよう。
★30 - コメント(0) - 2016年9月18日

「母の上京」と、女性主人公二編が興味深い。
★1 - コメント(0) - 2016年9月10日

多用される体言止めと過剰な描写と繰り返しに読むリズムを掴めないまま読み終わってしまった。何だろう、この筆の勢い。誰にも止められない。凄い。
★4 - コメント(0) - 2016年9月8日

憐憫の情が自己の中に存する可能性を捨て露悪に慎む事を「堕落」と言うんだ。物語だからこそ、すっとわかるし余韻も残る。
★2 - コメント(0) - 2016年9月6日

人間の肉欲。世間の目。カッコ悪いところを見せたくない。命の危険が迫っても。そして周りは火の海。極限でのやりとり。最後は豚。読解力がないだけに、こんな感想になってしまった。自分も男であるから、分かる部分はある。こんな内容を、こんな時代に取り上げて。正直な男だと感じた。坂口安吾は時代に歯向かってる。皮を被らない人間。堕落したと言うのか、人間の本質まで落ちきった人間。
★3 - コメント(0) - 2016年9月6日

ハッとして、グッときたのはトシちゃんだが、グウグウと親指を立てるのはエドはるみだが、三途の渡し場のような浜辺で初めて安吾を読んだ私の頭の中ではグニャリと音がした。穿ちつづけてきたつもりの墓標が溶けて歪んだ。オカモトゼロワンのように薄く私自身を包み込んでいた偽善の愛が摩擦によって破れ体液を漏洩した。ならば産めよとその覚悟もないのに言う男の萎びたシャウエッセン。とかわけのわかんないことを口走るほど己の欲を暴露され身の置き所もないほどの羞恥とリビドーの放出認可を失考し得た快感でバイブレーション発動し止められず。
★9 - コメント(0) - 2016年8月29日

退廃的です。
★1 - コメント(0) - 2016年8月20日

時代背景や、時に主語が完結しない文体に手を焼いたが、やっと七編目の「青鬼の褌を洗う女」でその正体らしきものをつかむことができた。坂口安吾は丸裸の人間を描いているのであった。それは動物としての人間、なぜなら引き剥がされたものは社会性だからだ。私はそれを非常に好ましいと思う。丸裸の人間を描くものが小説だからだ。その逆は小説らしい何か小説ではない散文だ。しかしこれほど読めなかったと、自らの力不足で読めなかったと痛感した作品はない。だからあと何度かは読まないと、しんどいけれども読みたいと思いました。
★7 - コメント(0) - 2016年8月14日

対戦と終戦が日本人に残したモノと変わらず残ったモノとそもそも根源的なモノとを見事に描き切った感じがする。信じていたものが壊れ去った時の動揺と逃避みたいなものが手に取る様に感じられた。
- コメント(0) - 2016年8月13日

堕落論がらみで全集より表題作のみ。フムフム。印象的だったのは、空襲後の情景をかなりドライに描き、燃える街を見て正直清々したというところ。その他人の批判をものともしない(ような強がりとも見える)正直さ、率直さが安吾らしさかと思う。
★7 - コメント(0) - 2016年7月31日

NHK『100分de名著』の『堕落論』の関連本として『白痴』が取り上げられていたので、当該表題作のみ読了。
★13 - コメント(0) - 2016年7月31日

観念を捨てることと、現実を捨てることでは、どちらを堕落と言うのだろう。堕ちて堕ちて、、、孤独な夜の片隅で、明日も汚れずにいようと誓う人。もしも全てを失って身体ひとつになった時、内側にたったひとつ残るものがあるなら、それを引き換えに何かを得ることは、やはり私を傷付けるのだろうか。時代を越えて安吾の問いかけは届けられる。堕ちて堕ちて、、、それでも守りたいものはありますか?
★10 - コメント(0) - 2016年7月31日

青空文庫で読了。坂口安吾の言葉は、心の深いところを鷲掴みされるような息苦しさがある。
★10 - コメント(0) - 2016年7月30日

白痴の 評価:80 感想・レビュー:379
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