仮面の告白 (新潮文庫)

仮面の告白 (新潮文庫)
あらすじ・内容
苦しい。彼の姿から目が離せない僕。そんな男の子の気持わかりますか?

「私は無益で精巧な一個の逆説だ。この小説はその生理学的証明である」と作者・三島由紀夫は言っている。女性に対して不能であることを発見した青年は、幼年時代からの自分の姿を丹念に追求し、“否定に呪われたナルシシズム”を読者の前にさらけだす。三島由紀夫の文学的出発をなすばかりでなく、その後の生涯と、作家活動のすべてを予見し包含した、戦後日本文学の代表的名作。

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仮面の告白の感想・レビュー(5054)

直接な性的描写(村上春樹さんのような)は無いが官能的だった。男色家のことはよく分からないけど、「恋」に抽象化することで少し共感できる部分があった。三島由紀夫は二転三転する感情、アンビバレントな感情を表現するのが上手い。
- コメント(0) - 3月26日

ひとつひとつ扉を開き、正常な場所へ逃げていこうとするも、しかし、いつも気づけば、もと居た異常な場所に戻ってきてしまっている。抗えない性というのはそういうもの。それは殊、青春期において、本人をどうしようもなく苦しませるものである。こういった苦しみや葛藤が、溺れさせられるような豊富で美しい語彙によって描かれていた。読んでよかった。
★14 - コメント(1) - 3月22日

ちょいと難しかったけども、筆者の描いた世界観ははあく 出来たとは思う。屈折した人間像が自分にぴったりで心地よかった。
★9 - コメント(0) - 3月22日

同性愛の傾向と生命、死への憧れを前提として置く構成。近江の人物描写や、園子の純粋さの表現。特にピアノの音で結婚前と結婚後の園子を描く腕には目を見張った。 また仮面の告白は同性愛を語る小説ではないことに注目した。 精神的には園子を愛すが肉欲は女性ではなく男性にしかわかない。この葛藤が最初に置いた前提により、違和感なく伝わってくる。 三島由紀夫は自らの心を解体している。小説を通して、自己のマイノリティを暴いている。 にもかかわらず、この小説が面白いのは三島の精緻な計算ゆえだろう。素晴らしいの一言である。
★6 - コメント(0) - 3月19日

やはりどこまでいっても「作品」だ。彼の告白は完遂したか。我々にとっては、それはどうでもいいことなのかもしれない。むしろ大切なのは、彼の「仮面」の方だという気もする。この仮面の告白に耳を傾けてこそ、私たちは、三島由紀夫という魂に触れ始めるのだと思う。
★8 - コメント(0) - 3月14日

少年期から青年期にかけて、同性に惹かれると言うか、心が近づく感じは否定しないけども。視覚的に強く惹かれる部分の描写が、まったくわからない。
★4 - コメント(0) - 3月9日

三島作品を初めて読んでみました。「カラマーゾフの兄弟」の美に対する問答から始まり、祖母に溺愛される幼少期、絵画への倒錯とejaculatio、同級生への熱烈な恋、たくましい肉体への憧れ。どれを取っても普通じゃないのに、これはこれで筋が通っていて美しいと思わせてしまう描写力はさすがです。怖いもの見たさで一気に読んでしまいました。それにしても、腋窩の草ぼうぼうにはまるで惹かれないわぁ。二の腕ならまだわかるけど。男性対男性特有の視点なのかしら。
★16 - コメント(0) - 3月2日

『命売ります』は著者の余技と思えるので本格的な作品は初読である。読後第一感は面白かったである。続いて私小説とはこういう作品なのかと思ったが解説を読むとその考えは誤りであり一つの形式であった事に気付かされた。24歳で緻密さと豊かな教養を示した作品を書いた著者に驚かされた。著者の死は知られている通りであるが本作品に遠因は私には感じられなかった。一方でかつて篠山紀信写真展『写真力』で見た著者没年に撮影されたポートレートは不可解であったが、本作品で登場する聖セバスチャンそのものでないかと謎が解けた様で嬉しかった。
★32 - コメント(0) - 2月25日

他ではnasty と感じる描写も芸術的な表現。孤高な青春。真実を告白するには勇気を必要とするが、仮面をつけることにより自分の恥辱から逃れることはできる。単に欲望に振り回されるのでなく、理知的に自己に秘める同性愛を掘り起こしている。非凡な才能を感じさせる作品であり、自分の中にはない感情(同性愛)が新たに作り出されていくように感じた。
★42 - コメント(0) - 2月24日

難しい。心の内の、そのときだけの微妙な気持ちや感覚が、緻密に表現されている。また時間を置いて読み返したい。「陽が昇りきらないうちは、景色は雪のために美しくはなく陰惨にみえた。街の風景の傷口をかくしている薄汚れた繃帯のようにそれがみえた。街の美しさは傷口の美しさに他ならないからだ」「抵抗を感じない想像力というものは、たといそれがどんなに冷酷な相貌を帯びようと、心の冷たさとは無縁なものである」「急にその冷たい袂がほしくなった」「私は嫉妬を感じた。養殖真珠が天然の真珠に感じるような耐えがたい嫉妬を」
★3 - コメント(0) - 2月10日

暗い告白です。普通なら公にしない告白です。
★11 - コメント(1) - 2月3日

多少の振れ幅の違いはあるけど、少年時代から二十歳前後に誰にでも起こりそうな出来事や気持ちを、これでもか、と豊かな表現で攻めてくる。今さら読んだけどもっと知られていい本。
★7 - コメント(0) - 1月31日

終始その表現力に圧倒されました。
★3 - コメント(0) - 1月28日

初三島ではないだろうか、半自叙伝的小説といわれている本書。正直あまり合わない。
★88 - コメント(0) - 1月28日

Sでゲイという性癖に悪足掻きする物語。文章が美しい。事象としては大して激動と呼べる程の事は起きていないが、その内面に渦巻く激動ぶりが清々しい。一挙手一投足にそれ程の感情の高低があれば、そりゃあ一日が長いわな。若いっていいよな、という三島由紀夫には聞かせられない感想に至る。園子への感情はわからんでもない。当事者にすればたまったもんじゃないだろうが、そこは妙に共感した。
★13 - コメント(0) - 1月23日

肉慾に対する描写がしつこいぐらいだった。自分の肉慾がいかに生来的かつ抗いがたいものなのか、理屈じゃなく本能の部分で女に興味が持てないのだと痛いぐらいに主張しているような気がした。だからこそ園子への感情はプラトニックな愛情なんかじゃなくく、園子の純潔さへの憧れのようなものなんじゃなかろうか……。でも性欲に振り回されて感情を勘違いする人って多いのに、その逆で悩み苦しむこともあるのかと勉強に(?)なりました。世の中知らないことばかりだな。
★1 - コメント(0) - 1月22日

「街の美しさは傷口の美しさに他ならないからだ」(p52)のように、美しく特徴的な文章で綴られている。語彙がやや難解で辞書を片手に読んだ。あらゆる感情が精妙に描かれており、共感を覚える部分も少なからずある。それなりに古い小説ではあるが新鮮に読めると思う。
★9 - コメント(0) - 1月16日

具体的エピソードよりは観念的な表現が多く、やや読みづらい。語り手の仮面性やアンビヴァレンスが面白い。自分を特殊と見る者の孤独と苦しみが感じられる。語り手はあまりに感性が豊かで、ある感情を抱く自分のことを捉えつつ、そこからさらに何かを感じ取るという複雑な感覚を持っている。そのためか彼は(一見は)不幸そうに見えるが、ただ不幸なだけとは思えない。仮面をかぶっていることで、または仮面をかぶっていることを自覚していることで、何かが可能になるのかもしれない。あとこの作品には、三島のフェティシズムが出ている気がする。
★7 - コメント(0) - 1月6日

三島由紀夫のデビュー作。レベルの高い綺麗な文章で書かれた全てをさらけ出した自伝的小説。同性愛者の主人公が、園子という「正常」と恋をする展開には、深く読まされた。
★8 - コメント(0) - 2016年12月26日

前半部、自己の性癖を語る部分は読み辛く、『悪習』の強烈さが不快に感じた。園子が登場する後半部は、主人公の自己欺瞞に多少共感し、その心情描写の緻密さに驚嘆した。これが三島文学か。中々語彙が難しくスラスラとは読めなかったが、三島由紀夫の文章をじっくり楽しむことができたと思う。
★3 - コメント(0) - 2016年12月17日

文章が美しい意味がわかった
- コメント(0) - 2016年12月16日

語彙が豊富。三島由紀夫の回顧録と言われているそうですが、このような意識を、自意識を持ち合わせていながら、同性に性的指向を持ち合わせていないというのは無理があるのでは?そう思いたくなるほど、自分の奥底で隠しておきたいあの頃の気持ちや、火照った自分の頬を思い出す。そんな己の自意識に恥じ入る。時代は違えど精緻な文体で情景が眼前に浮かんだ。
★35 - コメント(0) - 2016年12月10日

不毛感がこんなにも秀逸な文学に昇華しているのが素晴らしい。三島に、男とはかくあるべきという強固な理想像が植えついてしまったのが不幸だ。内なる獣を認められない、受け入れさえすれば楽になるのに、絶望的なまでに拒否してしまう。心が望む生き方を、身体で抑え込む、その潔癖な生き方は美しいけど、どこか破滅的だ。
★11 - コメント(0) - 2016年12月8日

女性ではなく男性に欲望を感じる青年が幼少期からの自分を振り返る…という内容。自叙伝的な描かれ方だから余計にドキドキしてしまう。ものすごく耽美的なところはあるけど思春期の頃に異性より同性が好きなんじゃないか私、という時期があった経験を何人かからきいたことがあるし、またものすごく自意識過剰になるというのも分かる気がするので、そういう意味ではその年頃らしいテーマで書かれた作品と言えなくもないかも。言葉が難しいのやら色々でなかなか読み進められなかったけど、園子さんが出てきてからがわりと読みやすかったかも。
★147 - コメント(0) - 2016年11月29日

退廃的。風が吹いただけで考えていたことが変わったり、けど実際に生きているということはそのように気まぐれなんだ。死にたいと思い自殺の方法まで考えたのに次の瞬間には生きたいと考える。そこにはなんのごまかしもなく。この小説にはそうやって心のままてらいなく生きている主人公の美しさ(それはあるいは醜いかもしれない動物的な)がある。
★9 - コメント(0) - 2016年11月24日

Me
嗚呼、面白かった!何十回も読んでるのにさ!近江の腋窩に繁る豊饒の草叢、皿に乗る全裸同級生ディナー、汗に濡れる薄鼠色晒を巻いた青年、聖セバスチャンを象るサディズムはマゾヒズムへと帰るのか。それは愛の奥処に流れる寸分たがわず相手に似たいという不可能な熱望が結果己を愛するナルシズムである故、鏡に映るモヤシソドムの不能者である自分に拒絶の悲劇という恍惚が甘く立ち込める。もうこのゾルゲエンドレスループから抜け出せない。晩年キイワードの同一化を次々現実で叶えて行く先生が、少し切なくて哀しい。
★26 - コメント(5) - 2016年11月18日

これが三島由紀夫か。なるほど。生真面目で独特な性格が文体から伝わってくるような気がする。幼少期の倒錯した興奮や、思春期のころの同性に対する思慕の念や、青年期の女の子に対するアンビバレントで言葉にしにくい感情などはなんだか理解できるような気がする。三島は多分、線の細い文学青年なんだろうね。
★17 - コメント(2) - 2016年11月17日

★★★★☆:英語で。突然終わって、え?ってなった。今度は日本語で読みたい。BL大歓迎。
★5 - コメント(0) - 2016年11月16日

こんなにも余裕がなくて洗練されていない、剥き出しの文章を三島由紀夫も書いていたのかと驚いた。わざと衒学的に書いてあるのも、自信の無さの現れであるように思える。しかし、こうした三島のイタさ、恥、衒い、それらすべてが骨身にしみるほどよくわかる。三島は決して自己の悩みを他人から同情されたくないだろうし、安直にわかってもらうことなど毛嫌いしているだろうが、その自己特別視や自尊心すべてが私にも痛感できるし、読んでいてたまらなくなる。
★10 - コメント(0) - 2016年11月12日

倒錯者、マイノリティである本質を「普通」の仮面で覆い隠そうと、必死で演算する主人公の葛藤。最後迄仮面被ったままだった彼は今後どのような人生を歩むのだろう?作中に出てくるグイド・レーニ「聖セバスチャン」、調べてみたらとても美しく暗く艶めかしい素敵な絵画だった
★20 - コメント(0) - 2016年11月10日

エンタメ小説に慣れきっている身としては三島さんの書く文章はあっちこっちに行くから難しい。それでもちゃんと吟味してみるとそこに無駄のようなものは感じないから面白い。本末の脚注の量を見て改めて、昔の作家さんの知識の多さ、博学さ具合に驚いた。あと何年後かにもう一度読んで吟味したい作品。
★10 - コメント(0) - 2016年11月8日

私という内面を普通という仮面で隠す主人公の苦悩と葛藤の告白は、常に暗さと苦しさがつきまとっていた。暗さがつきまとう物語だったが、夢中なって読んだのは、三島由紀夫の文章だからなのか?いずれ再読したい。
★16 - コメント(0) - 2016年11月8日

読んでいて何度も息が詰まりそうになった。それほどまでに凄まじい葛藤が描かれていた。正常であろうとするがゆえに、自己を欺かねばならない苦しみ。自己欺瞞をする自己に気がついている苦しみ。理性で自己を欺こうとしても本能を欺くことはできない苦しみ。その「霊肉相克の苦しみ」(P223)がずっと描かれているように感じた。「園子は私の正常さへの愛、霊的なものへの愛」(P224)という言葉は痛切。凡人には想像もできない苦しみや、異常さが、三島由紀夫を三島由紀夫たらしめたのだろうか、と考えずにはいられなかった。
★104 - コメント(1) - 2016年11月7日

聖セバスチャンの殉教図より性的興奮を覚え、自分が男色の傾向を持つ事を意識する。愛情を感じた友人の妹の園子とも愛を育む事が出来ず、彼女は他の男と結婚する。敗戦後、猥雑なダンスホールでの園子との再会。彼女と踊る野蛮な青年の汗に濡れた肉体を見ているうちに、そのたくましい胴体が血潮で彩られていく幻想に興奮し園子と別れる。自分の性の意識の変遷を孤独に抱えていく青年の苦悩については理解したが一方で自らの性癖やマゾヒズムが超越した存在である故にそれが極端なナルシズムへと昇華した優越を語りたいのか?解釈が出来なかった。
★97 - コメント(1) - 2016年11月6日

いまいち理解できない部分も多かった。この小説を読んで思ったのは、陳腐ではあるが、完全にプラトニックな愛は存在するのか否かということだった。小説の最後で、ぼくらは目覚めたのである、と書いてあったが、三島由紀夫はプラトニックラブを信じる、ということなんだろうか。
★5 - コメント(0) - 2016年10月30日

すごい好き。生レバー食べてるみたいな感覚。元気のない時に読み返そう。
★18 - コメント(3) - 2016年10月29日

名作を読んでいるというより、いい意味で、面白い小説を読んでいるという感覚だった。言葉づかいそのものは古いけれども、三島の感性が新しいと思った。緻密な心理描写が凄い。主人公のような性癖を持つ人は少ないだろうけれども、自分が劣った人間かもしれないという悩みは、思春期の人間の通過儀礼ではないだろうか?個人の悩みを掘り下げ、普遍性に近づくという試みに、見事成功している。やっぱり、三島は天才なのだと思う。
★41 - コメント(0) - 2016年10月7日

「私」がいかに普通を装っているかという話です。「私」の心理がうまく言語化されていて面白いです。
★10 - コメント(0) - 2016年10月4日

ストーリー中に関わる人にはこの悲劇を、遂には仮面取って告白できず、異質と思われざるを得ない性的指向と悲痛な心境は読者にのみ仮面姿のまま告白される結果となりました。その指向は、現在では多様化された形態が周知されていますが、当時としては無分類の受け入れられ難い事実だったのだと思われます。内容が恥辱じみていますがとても面白かったです。園子からもらった無内容な恋文を読んだあとの、自身に潜む悪魔の怒りの囁きともいうべき「私」の心境を揶揄して代弁され、それが本心だと是認する場面が好きですね。
★3 - コメント(0) - 2016年10月3日

心と体が異なる反応をすることは「正常ではない」のだろうか。大切に思うあまり汚せない・触れられないと考えることは、決して異常ではない。そこには愛がある。だが、こう考えたところで、彼にとって薬にはならないようだ。正常であろうと振る舞い、可能でありたいと願った末に、不可能であることを知る。愛は全てを救うというが、彼は愛に気がつけなかったのだろうか。いや、愛があるのに愛せないからこその、絶望なのかも知れない/性についての告白は信じられないまでに生々しい。なぜここまで明晰に複雑な人の思考を言語化できるのだろうか。
★22 - コメント(0) - 2016年10月1日

仮面の告白の 評価:58 感想・レビュー:1088
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