巡礼 (新潮文庫)

巡礼 (新潮文庫)
あらすじ・内容
男はなぜ、ゴミ屋敷の主になり果てたのか? その孤独な魂を抱き留める、恐るべき傑作長篇!

男はなぜ、ゴミ屋敷の主になり果てたのか? いまはひとりゴミ屋敷に暮らし、周囲の住人達の非難の視線に晒される男・下山忠市。戦時中に少年時代を過ごし、昭和期日本をただまっとうに生きてきたはずの忠市は、どうして、家族も道も、見失ったのか──。誰もが顔を背けるような現在のありさまと、そこにいたるまでの遍歴を、鎮魂の光のなかに描きだす。橋本治、初の純文学長篇。

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巡礼はこんな本です

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巡礼の感想・レビュー(129)

 戦前からの一人の男の物語。普通に生きてきて、年をとるごとに何かが壊れ、世間と離れ、世間とつなぎとめるために、ゴミ屋敷になってしまったと思う。現代は牧歌的な時代ではなく、ものすごく価値観等の変化が激しい。その変化を放棄したとき人というものは、その乖離に違和感を覚えると思う。
★2 - コメント(0) - 3月10日

図書館で借りて読んだ。そこまで感銘は受けなかったかな。なんとなく読んだ感じ。
- コメント(0) - 1月31日

読メコミュ内で読友さん推薦。「ゴミ屋敷」主人の話。自分が積み集めた物からは異臭が放ち、近所からクレームが来ても「ゴミじゃない」と異論する。戦後、日本の急激な変化の暮らしぶりに呑まれていく不器用な男の人生がそこにあって、昔は物を手に入れることの苦労を味わっているから思い入れもあり、そう簡単には捨てられないのだろう。テレビではよく見かける光景だけど、なぜこうなってしまったのか作品を読んで少しだけ解るような気もしたが、ゴミ屋敷はただの傍迷惑でしかない。今は断捨離やミニマリストが人気だから、持たない暮らしもいい。
★28 - コメント(3) - 2016年7月7日

はたからみて理不尽だと思われることもしている本人にとってはそれなりの理由があるのだ。ゴミ屋敷の住人は他の多くの庶民と同じように一生懸命ささやかな人生を歩んできた。どこで歯車が軋んできたのか。気が付けば孤独になっていた。その空虚を埋めるようにひたすら捨てられたものを集める。人がゴミと呼ぶものを。自分では止めることのできないその空虚なあがきを終わらせてくれたのは血縁のある弟だった。苦しい巡礼の旅は本物の四国巡礼の旅によって彼を天国へと導いた。圧倒的に美しい最後の描写。人間の一生が走馬灯のように映し出される。
★1 - コメント(0) - 2016年6月23日

縁の多さが、心のライフラインになる事を忘れ、すべての縁を失うと、まるで地縛霊のようになってしまうのですね。最後は、まるで成仏していったかのようでした。四国、恐るべしです。
★12 - コメント(0) - 2016年5月5日

人生に何らかの意味を見出だそうとしなければ楽に生きられるのかなと思う。そういう姿勢がいいか悪いかは別として。
★1 - コメント(0) - 2016年5月4日

花花でゴミ屋敷の話をみて、この現象についてのルポ本とかあるのだろうか、と探していて見つけた本。なぜゴミを集め続けるのか、捨てないのか、その心にほんの少しふれた気がした。簡単ではない問題。でも一気に読んでしまった。
★2 - コメント(0) - 2016年4月2日

主人公はゴミ屋敷に住む忠市という老人。戦争中に少年時代を過ごし、戦後まもなく荒物屋の住み込み店員になり、やがて父親から家業の荒物屋を継ぐ。作中で戦後の貧しい日本が豊かになっていく、その変遷と人々の暮らしぶりが細やかに描かれており、目を見張るものがある。そんな時代に生真面目に生きてきた忠市の家が、一体なぜ、どのようにしてゴミ屋敷に成り果てたのか?古いものを捨て、新しいものを受け入れる、その循環が崩れていく過程が痛ましく悲しみを誘う。物語終盤、弟とのお遍路さんで、忠市が初めて見せた笑顔に救われた気がする。
★79 - コメント(5) - 2016年3月22日

ゴミ屋敷をめぐる近所の人たちの論争。市役所はプライバシーだと言って強制的なゴミの撤去をしようとしない。周りの住民も愚痴を言ってるのみでどうにもならない。やがてゴミ屋敷がワイドショーで再三放映される。最後は弟が来て、ゴミの片付けを手伝うが。 実態にもゴミ屋敷はあちこちに存在して話題になるが、やはりそこまでゴミを溜める理由はナゾだ。
★2 - コメント(0) - 2016年2月27日

ゴミ屋敷の主忠市はなぜゴミを集め続けてしまうんだろう。それは飲み会でオールする大学生と同じ、結婚しないでモラトリアムの中で動かないでいるシングルと同じ。この過ごした時間に意味を見い出したかった。無意味と片付けたくなかった。自分もどうやら随分とぼんやり生きてるな、と反省します。
★8 - コメント(0) - 2015年12月21日

「そうであるものは、そのようであるとしか言いようがない」というような橋本治の頭のよさを小説でもビンビンに感じる。選択などなく、ただそうなったのだ、と言われているよう。メインはゴミ屋敷の主だが、その他の登場人物も全てがドラマチックではなく、しかしステレオタイプでもなく、そこにとても感じ入る。
★2 - コメント(0) - 2015年12月9日

ゴミ屋敷の主の物語。やっぱり大きな屋敷には人は食われてしまうのかな。 と思った。
★1 - コメント(0) - 2015年7月6日

Aki
「ゴミ屋敷の住人」のことを書いた本です。 住宅街に現れたゴミ屋敷の住人が主人公で、周辺住民たちから当然拒絶され、迷惑がられる。 「他人の中ににも人間が潜んでいる」そしてその「他人」とは「他人」ではなくて「共通理解を可能にする人間という存在だ」 この「理解しがたさ」を理解しようとしている橋本治の優しさであり、強さだと思います。
★5 - コメント(0) - 2015年3月15日

冗長。
★1 - コメント(0) - 2015年2月11日

意味のないことを続ける、一所懸命に生きているつもりでも、時代に振り回されている、そういうことなんだろうか?
★3 - コメント(0) - 2014年11月2日

とても冗長で、作者は書いてて楽しいんだろうけど、どうもちょっと読みにくかったです。いまいち登場人物の気持ちも分かりづらかったし、正直あまり面白くなかったかな。
- コメント(0) - 2014年9月26日

橋本紡さんと間違えてしまいました。そちらの橋本さんを想定して、なぜ純文学??と思ったら橋本さん違い。始めの、ゴミ屋敷を近所の人たちから見ているところでは夕方のワイドショーを見ているような、理解不能な人が理解不能なことをしている、くらいにしか思えずひたすら読み続けるのが苦痛。ゴミ屋敷の主人の、その家族の歴史を振り返っていくところでは。どうしようもないのだけれど、どうしようもない方向に向かっていく人生がつらい。時代が全然違うなぁとは思うのですが。
★2 - コメント(0) - 2014年7月20日

62点 ゴミ屋敷。傍迷惑な話だ。しかし結果には過程があり原因がある。どこからその道を歩み、なぜゴミを集めそこに住まうのか。現在を拠に行きつ戻りつする時系列。語られる忠市の過去と彼を見つめる様々な視点描写が興味深く、日本が急激に変わろうとしていた時代を生きた人々の心の動きがリアル。人は誰もが幸せにその人生を全うできるものではない。こういう人間が確かに存在し得る事もまた真理で、行く道を間違えたなら有り得ないとも言い切れない怖さがある。多分誰もが感情移入し辛い話。でも、誰もが何となく解る読後感に包まれるはずだ。
★23 - コメント(0) - 2014年5月5日

ゴミ屋敷を巡る主婦たちのしょーもないドロドロ話かと思っていたら途中から完全回顧モードになり、ゴミ屋敷主人の生い立ち、歴史がずーっと続きます。戦後の話がタラタラ続くので一瞬めげかけたが、最後は本当に意外で、爽やか?で素晴らしい展開だったと思う。今まであまり出会ったことの無い感覚の作品。読んでよかった。
★2 - コメント(0) - 2014年4月19日

読み進むごとにぐいぐいと引き込まれていきました。最後には心がきりきりしに心にずしっと残る感じが久々の感触でした。
★1 - コメント(0) - 2014年2月24日

橋本氏の本は好きでかなり読んでいるが正直最近の小説は殆ど読んでなかった。しっかしこんなに面白いとは。各キャラクタの細やかな心理描写が圧倒的。人生相談や評論で見せる凄まじい分析力が遺憾なく発揮されている。いやむしろ小説でキャラをこう動かしたらこうなるという構想から、人生の機微が見えちゃっているのかも。
★5 - コメント(0) - 2014年1月31日

ゴミ屋敷の住人にはどんな過去があったのか。戦前から今への流れが丁寧に描かれていた。昔はこんな時代で、人々はこんな考え方だったのか、なんて思うと同時に今の自分たちとも大して変わってないなぁと思うところもあり…。近代史は頭に入っているけれど、時代の流れを肌で感じられた気がしたのが良かった。
★3 - コメント(0) - 2013年10月4日

5/5
- コメント(0) - 2013年8月31日

再読。
- コメント(0) - 2013年8月21日

橋本治が平凡な「戦前」の男の一生を軸に見つめる戦後の風景。橋本治がすごいのは、敗戦直後の日本人の心境について、〈(略)多くの日本人達が「無風状態になった戦前」の中で生きていた。そこで声を荒らげるのは、「戦後派」という名の変わり者だけだった。〉と書くところ。よく戦前生まれの知識人が「軍国主義教育が突然民主主義教育になって国家や権力への不信が生まれた」なんて話をすることがあるけど、そういう人は実は「少数派」で、ほとんどの人は何とも思わなかったんじゃないだろうか。(コメントに続く)
★1 - コメント(1) - 2013年8月20日

時代と街と家族の変化の中で、名前もつけられず行き場もないもの。最後の方は胸がいっぱいになってしまった。
- コメント(0) - 2013年7月14日

以前観たドキュメンタリーで「居る所と行く所、二つ揃って"生き甲斐"」と精神科医の先生が仰っていたのを思い出しました。自分の家という「居る所」があっても尚、「行く所」がないために迷ってしまう老人の姿に気が付い時に、急に胸が痛くなる程の哀しさを感じてしまいます。これって誰にでも、どの時代でも起こりうる事なのだと思うと更に寒々とした気持ちも・・・。痛くて重い傑作。ただし読む時を間違えると凹むかも。。。
★11 - コメント(0) - 2013年2月6日

不思議な事に気づいたら読み終えておりました。なんと不思議な事か。
- コメント(0) - 2012年10月30日

住宅街の一軒のゴミ屋敷。ここの家主はどういういきさつで、なぜゴミ屋敷に住むようになったのか?そして結末は・・・戦後の日本の発展と、その喧騒に翻弄され、うまく生きられなかった忠市の生き様が鮮やかに描かれていてあっという間に読了。ラストは思わず涙してしまった。
★12 - コメント(0) - 2012年9月20日

s_i
広く→深くの手付きがきれい! 脱線も上手い!
- コメント(0) - 2012年7月28日

以前書評に取り上げられていたのが気になって読んでみた。ゴミ屋敷の近所の主婦連中、屋敷の主忠市、忠市の生い立ち(戦中戦後の土地開発、郊外への伸長、荒物屋という商いの衰退)という視点の展開は見事。ぐいぐい引き込まれてしまった。特に主婦の描きかたは小津映画を見ているよう。作者の女性観と合わせながら読んだこともあり印象深い。そのせいか忠市に感情移入できず、ラストもあれっ?となってしまった。残念です。私事だが、駅の近くの荒物屋が先日閉店して、この物語とだぶらせて読んだ。
★2 - コメント(0) - 2012年7月18日

人は、何かを得るために生きるのか。何かを護るために生きるのか。何かを失うために生きるのか。 ひと時、盛んに話題になった「ゴミ屋敷」。その住人はほぼみんな口を揃えて「これはゴミじゃない」という。明らかにゴミとしか言いようのないものでさえ捨てられない、その理由は… 主人公忠市の人生を解くことで、その理由のひとつが見つかる。 彼がゴミを溜めることで護ろうとしたのは、その必要はなくなった、と認められない思いだったのかもしれない。
★3 - コメント(0) - 2012年7月8日

戦後の日本社会の変動を、とある地方の荒物屋一族の、もの悲しいといってもいい変遷を追うことによって、壮大に描ききっている。これはゴミではないと言って、まわりからはゴミとしか見えないものを自身の家に積み上げてゆく老人・忠市。まわりの住民の様々な人生やその思いから、徐々にフォーカスを絞ってゆくように忠市の人生を浮き彫りにしてゆく。無意味なものの集積としてのゴミ屋敷、これはゴミではないと言い張る忠市の、それは自身のメタファであり、多くのものを消費して捨ててきた戦後社会のメタファでもあるのだろうか。
★1 - コメント(0) - 2012年5月9日

ゴミ屋敷の主になってしまった男の過去とは?という話。時代背景もわかるし、誰にでも起こり得る生活の失敗とか、それそれの落差も「あるだろうな」と思う。そうは思うけれど必然性は無い。ラストもあそこが落ちどころかな。橋本治氏が書く、大きい意味での時間の移ろいは読んでいて心地いい。読後感は少し物足りない。
★20 - コメント(0) - 2012年4月15日

小津安二郎東京物語のもっとダーク版という印象。山田太一ドラマよりも突き放した目線。小説というより映画のノヴェライズか。 ラストが残酷すぎて泣ける。
- コメント(0) - 2012年3月25日

4.0点。そうか、ゴミを集めて捨てられないのは、こんな経験があるからなのねぇ 人生はやっぱりいろいろあって、あまり多くのことを引きずって生きていくのはいいことはないと。
★3 - コメント(0) - 2012年3月23日

いわゆるゴミ屋敷騒動を題材とした小説。どうしてゴミを集めるのか、地域にゴミ屋敷がるということとは。自宅をゴミ屋敷にする正当性などないのだろうけれど、主人公の心情が察せられるような気もする。何か心に残滓が降りる読後感だった。
★9 - コメント(0) - 2012年3月23日

なぜ彼はゴミ屋敷の主となってしまったのか。 理解できない行動をする人間の背景にある、彼らの深い悲しみを想像できたら・・何かが違って見えるかもしれない、と思った。
★1 - コメント(0) - 2012年3月15日

時代に乗れない人間はとりこぼされていくだけなのか。生きる実感を探しても空回りして虚空をつかむだけで。戦後急激に訪れた繁栄に、日本中のみんながそろってテンポよくえいやっと波に乗れたわけではない。繁栄はじわじわとやってきて、概念を少しずつくつがえしていった。取り残された人間は変人扱い。嘆いても仕方がないのだろう、価値観の多様性を叫んだところで、人の一生はあまりに短く。とてもいい作品だった。
★12 - コメント(0) - 2012年3月3日

巡礼の 評価:90 感想・レビュー:53
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