火宅の人 (下) (新潮文庫)

火宅の人 (下) (新潮文庫)
あらすじ・内容
女、酒、放浪。無頼を地で行く小説家の、壮絶な魂の記録。

「チチ帰った?」「うん帰ったよ」「もう、ドッコも行かん?」「うん、ドッコも行かん」「もう、ドッコも行く?」「うん、ドッコも行く」女たち、酒、とめどない放浪。崩壊寸前のわが家をよそに、小説家桂一雄のアテドない放埒は、一層激しさを加えた。けれども、次郎の死を迎えて、身辺にわかに寂寞が……。二十年を費し、死の床に完成した執念の遺作長編。〈読売文学賞・日本文学大賞受賞〉

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火宅の人 (下)はこんな本です

火宅の人 (下)の感想・レビュー(237)

泳ぎ続けないと死んでしまう、マグロのような人だなぁ。生きるエネルギーが有り余って、あちこちで暴発している。日々、些細な節約なんかをしていると、こんな豪快な人の話が癒しになる。ファンタジーではなくほぼ実話というのが、凄いことだわ。
★7 - コメント(0) - 1月13日

檀一雄の私小説。原作を読み、改めて深作欣二監督の映画の素晴らしさを思う。主人公の桂は病気の子どもを含む5人の子持ちながら、女と旅を愛しさまよう。これが男の正体だと、欲望だと思えば気持ちが楽になる。
- コメント(0) - 2016年11月13日

上巻から引き続く主人公の無頼な冒険譚を面白く読み進める一方で、有名作家だからこそ桂(檀)一雄は女にももて、出版社に金を前借りしたりバーのマダムたちに先生先生と呼ばせたりできたのでは?という嫉妬じみた疑いも拭えなかったのだが、しかし解説の水上勉が指摘するように、終盤に入るや物語の色調は一変する。女たちとの別れ。家族との別れ。寂寥感がひしひしと胸に迫る。そして主人公自身の死の翳を暗示する、原因不明の昏倒。事実、この小説を完結させた三か月後に作者は帰らぬ人となった。どこか源氏物語正篇の幕切れをも思わせる。名作。
★9 - コメント(0) - 2016年9月5日

力強い人物である。その欲望の強さ、これだと思ったことにのめり込む集中力、精力・体力、そしてその人生を貫けるだけの稼ぐ力。どれを取っても桁外れの怪物。だからこそ女性にもモテたんでしょうなあ。。。
- コメント(0) - 2016年6月24日

転がる石にコケはつかない、と申しますが、壇さんの人生は坂道を下りおりる雪玉のような気がします。加速がつき止められない。普通の人なら破滅しますが、才能あるが故にどこまでも加速度がつき転がっていく。そんな人生に多少なりのあこがれ持つ人がいるために、40年近くたってもこの本が残り続けているような気がしました。
★3 - コメント(0) - 2016年4月5日

紙面に映し出された昭和という時代の空気感。「生きている」ことが生々しく匂う。時の流れとともに人間の味が希釈されているのではあるまいか。ともかく、昭和の雰囲気が否応もなく吸い込める一冊。作者が主人公に色濃く投影されているとはいえフイクションも盛り込んだ読み応えのある人間ドラマ。器が大きい人とはあいまいなことに耐性があること、と耳にしたことがあるが、父であり夫である主人公の野放途な放蕩ぶり、は器が壊れているかのよう。家族や愛人に対し薄情な処遇をしておきながらひとりになると愛について考える男の矛盾が悲しい。
★40 - コメント(4) - 2016年3月28日

私小説というみみっちい小説形態に復讐することを目的に二十年以上かけ書かれたは作品は、遺作となった。人は死ぬ時は一人とニヒルに自分の生き様を定めて生きる酒と女に溺れて生きた作家を主人公にしている。妻子ある身で不倫地獄に陥る主人公はさらなる深みにはまって行く。実体験と虚構を織り交ぜ書かれた大作は、孤独から逃れるため逃げ込んだ、爛れたアルコールと愛欲の世界。東京下町からニューヨーク・パリ・ロンドン人情風景も織り込み走馬燈のように流れていく。ついに妻にも愛人にも捨てられ狂騒は、次第に色あせ消え灰になる。
★187 - コメント(1) - 2016年3月26日

下巻は、欧州旅行の乱痴気騒ぎからはじまりますます激しくなってきた。他界する3年前まで20年もかけて書いたというから、もう檀先生の人生そのものと言っていいな。いきおいで書いたのではなく、体の中で熟したものを少しずつ吐き出していった感じ。
★6 - コメント(0) - 2016年3月23日

落ち着かない毎日。家族の気持ちはいかほどだったのか。それを記したのが「壇」なのか?
★2 - コメント(0) - 2016年3月4日

作者自身の伝記でもあり、随分勝手気儘な人生を送ったものだと感心。日本脳炎の後遺症で寝たきりの次郎を病院に入れ、寂しさのあまり死んでしまう下りは哀れで仕方ない。「チチさん」は何か父親らしい事を一つでもしたのか。今まで家族とともに生きてきたからこそ、心の安らぎが得られたのに、いきなり病院に入れられて、顔も出さないのでは、正常な子供でもどうかなりそうな気がする。ましてや、生まれた時からずっと付き添っていた母と離され気も狂わんばかりだったのではないか。家族に薄情なこの作家、最後はどのような状況で迎えたのだろう。
★2 - コメント(0) - 2016年2月8日

孤独を埋めるべく生きる生き様の物語
★1 - コメント(0) - 2016年1月23日

女達は桂先生のどこに惹かれて果てのない道行きをするのだろう。彼女達の生き様にやたら目が行く下巻だった。それでも皆それぞれに道を決めて、最後に一人残されるのは男だけ。だけどなぜかことさらに寂しいという感もなく、繰り返される愛とは何か?という自問自答もそれほど身にはつまされなかった。積み重ねることを苦手とする先生には現実の家族制度は窮屈だったのだろう。大多数が正しいとする規範を受け入れ生きることができないがゆえの苦労もあるだろう、とは思ったけれど。
★9 - コメント(0) - 2016年1月10日

DEE
現実の女は悉く消えて、最後はひとりぼっち。 でも、言うほどの寂しさも感じられず、思いはまた別の地の別の女へと。 こういう生き方ができる人間と、今よりも風通しがよく思える世界に、まったく憧れないと言ったら嘘になるだろうな〜。
★3 - コメント(0) - 2015年10月22日

2015.08.03(2014.10.11)(つづき)壇一雄著。  07/24  (P380)  まあおいしい、こんなモツ鍋、いただいたこと、ありません。  頂き物。  私の姓名、一晩の歓び、永久にお忘れしません。  神楽坂駅。  いわば幽霊ビル、Kビル。  こおろぎは、寂しい。  キリギリスは・・・。  生滅というもの、そもそも何であるか?  ヒトリボッチなんだ、おれ、ヒトリボッチ。  この目覚しいほどのウイウイシサ、なんだ。  パリの安宿。  (読了)2015.07.24 0635。 
★39 - コメント(0) - 2015年8月3日

★★★☆☆ 感想は上巻にて。
★18 - コメント(0) - 2015年7月16日

以前の記録
- コメント(0) - 2015年6月12日

JS
人生の喜びとか切なさとか全てのエネルギーが沸騰しているような感じの生き様。ただし普通の人は真似してはいけない(笑
★1 - コメント(0) - 2015年6月2日

2015.04.25(09/11)(つづき)壇一雄著。  04/22  (P370)  (宿-連れ込み)  さまざまな男女、組み合わせ。  ウィスキーを取り出す。  葱、大根、人参、セロリ、ゴキブリ集団。  水虫の大繁殖、その薬、3種類、買う。  新宿界隈に乗り出す。  一度だけ入ったバーのマダム。  新潟のエビが入った、とやってきた。  ナンバエビはありがたい。  そうだ、新しい女人だ、スリッパ入る。  Kホテル、女支配人。  ボストンバッグ。  生け花の器量、S女。 
★47 - コメント(0) - 2015年4月25日

10年ぶりの再読、迷走する上巻から、下巻に移り、彼自身の孤独がどんどん浮き彫りにされてくる、人が恋しいゆえに、ますます孤独になる。こんなにも辛い後半だったかと、、10年前は思わなかった。それは自分自身の環境の変化なのか、年齢のせいなのか。
★3 - コメント(0) - 2015年4月23日

読むのがしんどかった。
★1 - コメント(0) - 2015年3月25日

男は金と豆さですね。それが備わっていても老いとしがらみには勝てないってことです。 しかし、人間金持ってある程度ちやほやされると横山のやっさんみたいになるんですね。 まあ、今これと同じことをしたら、すべて表沙汰になって厄介なことになるんでみんなできないですが、世の中ショボイ時代になりましたよ。 この本の後半部分じゃないですが、私も通ってた飲み屋が無くなったりいろいろ寂しいことがありますからね。こんな本を読んで妙な感傷にひたるなんて、俺も齢をとったなぁと思いました。
★2 - コメント(0) - 2015年3月23日

2015.03.01(08/11)(つづき)壇一雄著。  02/27  書けない原稿、無理のでも書く気になっていた。  起き上がると、夕暮れ。  あちらの野菜屋、魚屋、肉屋に走る。  俎板の上にのせる。  琴子と、ことこと、煮詰める。  さて、ウイスキーのグラスを一杯。  しかし、原稿、一向に捗々(はかばか)しくない。  が、一歩たりとも退歩しない。  誠に夏は終わった。  ホテルの掃除女、連れ込み宿の書き入れ時、ゴキブリ、大繁盛には弱りきる。  小さい富士の全くの素晴らしさ。 
★50 - コメント(1) - 2015年3月1日

見方によって、スゴーク魅力的だったり、サイテーに思えたり。退廃的なところが魅力・・・っていう厄介なお方だと思いました。経済力スゴイ。舞台の一部が、愛着のある地域なので、その場面は特に楽しめました。
★2 - コメント(0) - 2015年2月17日

2014.12.30(07/11)(つづき)壇一雄著。 12/30 (P365) アハハ、夏は終わった。 世の有様(ありよう)の、デパート、販売方式の、規格人生は、かなぐりすててた。 ざまあ見ろだ。 これがおれの生き方だ。 (1)腹が減ったら、たちどころに、煮炊きができる。 (2)酒がほしけりゃ、前後左右に酒場がある、酒の店。 (3)金がなくなりゃ、やりかけの仕事の前倒しぐらい、S社でいつでも用立てしてくれる。 
★51 - コメント(3) - 2014年12月30日

桂さんの人生の旅行が終了。美しい筆記の数々。火宅と称するご謙遜ぶり。そのなにもかもが、桂さんの自由で闊達な心持ちにあると思います。上巻冒頭のご子息への思い。そしてご子息の死との向き合い。「ごめんね」と謝る枕元の描写は、あまりにも精緻に捉えている桂さんの醸す文体によって、皮肉にも突き刺さります。いくつもの桂さんの感嘆。終盤の「なーんだ!オレ、ヒトリボッチ!」は、誰もが行き着く思いなのではないか。桂さんと同舟させていただいた上巻下巻は、徒然に、生への肯定を抱かせました。石段を落ちるゴムまりの描写が好みです。
★2 - コメント(0) - 2014年11月30日

細君や恵子と別れそうになったり、逆に嫉妬に苦しんだり、主人公「桂一郎」の波乱万丈。それでもなぜかどちらも壊れず行ったり来たり、離れられない。小難しい文章の中に、面白い描写だったり、すごいことが書かれていたりする。放浪と料理については、檀氏の得意分野なのだろう。現実逃避しながらも次郎を想うやさしさもあり、こどもの描写はせつなくなった。 苦しくも彼は自由を得られたのだろうか。最終章「キリギリス」は晩年に病床で口頭筆記されたという。本気で体当たりの作品だと思う。「なーんだ! オレ、ヒトリボッチ!」が沁みる。
★38 - コメント(0) - 2014年11月27日

サチリアジス小説。これほど内容空疎な小説も珍しい。
★1 - コメント(0) - 2014年10月30日

2014.10.25(06/11)(つづき)壇一雄著。 10/23 (P358) 時枝君。 福祉病院規程。 この夥しい異常児たち。 ねじれゆがんだ手、足、引きつった目、口、不思議な野鳥のような啼き声、うめき、笑い。 もちろん次郎だって人様からみれば同じことだ。 この難事業に打ち込んだという主事のビリケン頭を見て、決心した。 細君は泣いているのである。 半月して見舞いにいった。 
★54 - コメント(1) - 2014年10月25日

著者は常人には理解できない凄まじく破天荒で破滅的な生き方を障害の貫き通した。 何人の女と付き合い、放浪しだからと言って、女たちや家族からあきられることはあっても、にくまれることは余りなかった生きざま。先生、先生と巡り会う多くの人から声をかけられ、接待され考えたら、やりたいように生き抜いた幸せな人生だったのだろう。
★3 - コメント(0) - 2014年9月22日

ある人が感銘を受けたと言う詩。 その時はサラッと聞き流していましたが、どうしてもその詩を見付けたくて、必ずこの本の中に出てくると確信を持って読み始めた”火宅の人” 自由奔放で、端から見ればはちゃめちゃに見える桂の人生。 けど、自分に正直に生きた人なんだろうなと。そして、どこか常に人間の淋しさや影が見え隠れする。 何せ、作中の会話文や、本文の言葉が綺麗。 ”石の上に雪を 雪の上に月を やがて、われ事もなき しじまの中の憩い哉” これが、私の探し求めていた詩です。 著者、壇一雄が夢の中で作
★4 - コメント(0) - 2014年9月12日

2014.08.29(05/11)(つづき)壇一雄著。 08/28 恵子宅。 10/末までにすっかり明け渡さなくっちゃならないの。 両側の家、すっかりなくなっちゃたね、取り壊し。 サヨナラしましょ。 真下君。 新宿三光町、おせいの店。 失恋の自棄酒だよ。 ウィスキーと牛乳のちゃんぽん飲みの店、できたの、行きましょ。 ◎骨。 次郎のことがあったころのことだった。 蔵王の麓、小さな旅館宿。 そこから帰ったとき、次郎が危篤なんです、村山の病院に入院させてから一ヶ月しない。 
★54 - コメント(1) - 2014年8月29日

2014.07.06(04/11)(つづき)壇一雄著。 07/04 (P340) 日向和田、すがすがしい朝。 岩の上の淵の中に身を投じて、聡子まで。 二泊三日は青梅にいたろう。 ふっと浅草千束あたりに行きたい。 国際劇場の五叉路。 奥さん、肩揉んで。 うまいって主人、言ってた。 隣の人は、マッサージ屋。 あら、御存じない。 奥さん、自殺、御主人、ピストルで撃たれて大変。 千束のマッサージ屋、恵子と2Fに暮らしていた。 「峠」にやってくる。 
★48 - コメント(1) - 2014年7月6日

途中で私小説と知り、どんよりとして読むスピードが落ちてしまった。みんなのそれぞれを想うとつらいしめちゃくちゃすぎるしいろんな悲しみはあるけれどとにかく桂先生の軽快愉快に身を任せる。だってちゃんと四軒分を原稿の締切を守って養ってたわけなんだから。 お葉ちゃんが可愛くてやたら気になった。 それにしても20年かけて哀れを書いてみたかったなんて素晴らしすぎる。遺してくれたことに感謝いたします。 としをとって読んだ時にまた違った感じ方が出来るように生きたい。
★3 - コメント(0) - 2014年6月29日

さらなる放浪。 女たちを渡り歩き、堕ちていく日々。
★5 - コメント(0) - 2014年5月24日

2014.05.06(03/11)(つづき)壇一雄著。 05/05 (P336) 弥太どん、フミ子、サト子、奥多摩へ川遊び、いこか。 二三日、泳ぎでもいくか? 全く何年かぶりの川遊びだ。 青梅、天徳まで引き返す、飯に逸(はぐ)れたらいかん。 仏師からおりてタクシーに乗っているところだった。 ここの2F、佐藤春夫先生ご夫妻と同行したことがある。 いいえ、日向和田で泳ぐんですよ。 渓流の断崖の家、風呂の用意。 川瀬の音にカジカの鳴き声まで。 
★62 - コメント(1) - 2014年5月6日

金も名誉も女も。大抵のものは手に入れてるはずやのに、ずっと寂しさがまとわりついてる感じ。こんな人生羨ましいような、そうでないような・・。
★3 - コメント(0) - 2014年4月27日

難しかったが読んでみて、小説とはすごいものだと感じた。いつか又読み返してみたい。
★2 - コメント(0) - 2014年3月27日

2014.03.08(02/11)(つづき)壇一雄著。 03/06 (P330) 徳子。 十二社(じゅうにそう)のころの趣、どこにもない。 ただ、フラ・アンジェリコ『受胎告知』 あたし、変わった? 案内の伸子。 みんな、風呂入ろ。 心臓の薬、飲まないと。 旦那の電話よ!徳ちゃん。 いずれにせよ、〇は終わった。 アテのない旅したくなる。 大町→糸魚川へ。 鉛色の波。 
★44 - コメント(1) - 2014年3月9日

「ただ、私達の関係が、きわめて持続しにくい、危うい尾根伝いの道だということも、私はよく知っている。八方から火は放たれているのである。行く手も、後ろも、炎の手があがっている。私はただ、その崩れやすい、きわどい炎の道を走る以外にはないではないか」あえて、好まざる私小説の形態をとったのも、より浪漫派として天然の旅情に従い「小説を創る」ことのみに帰結させた人生故。女は成長し、過ぎ行く。男は乱痴気騒ぎの末ようやく堂々巡りを知り呆然。・・・「さよなら」・・・夏は終わった。畜生!夏は終わった。・・・
★5 - コメント(0) - 2014年2月23日

昔の文学者は金があるなぁ、としみじみ思う小説。あと、出てくる食べ物がやたら旨そうに感じるのは、やはり文章力なんだろうか。
★2 - コメント(0) - 2014年1月27日

火宅の人 (下)の 評価:98 感想・レビュー:84
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