戦艦武蔵 (新潮文庫)

戦艦武蔵 (新潮文庫)
あらすじ・内容
日本帝国海軍の夢と野望を賭けた不沈の戦艦「武蔵」――。

厖大な人命と物資をただ浪費するために、人間が狂気的なエネルギーを注いだ戦争の本質とは何か? 非論理的“愚行”に驀進した“人間”の内部にひそむ奇怪さとはどういうものか? 本書は戦争の神話的象徴である「武蔵」の極秘の建造から壮絶な終焉までを克明に綴り、壮大な劇の全貌を明らかにした記録文学の大作である。

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戦艦武蔵の感想・レビュー(1025)

本気なだけに、滑稽の極みです。
★3 - コメント(0) - 3月20日

「武蔵」は日本における戦争の象徴だったと言われるが、確かに、国中の知識と資金を投入して建造された、技術と忍耐の結晶である、“時代遅れの”巨艦、という意味でも、当時の日本を表していると思う。世界の趨勢が見えていない…。色んな意味で勿体なかった。 「武蔵」が進水するシーンから、「武蔵」が徐々に生き物のように感じてくる。滅びてしまう恐竜のような…。苦労の末に建造した戦艦なのに、その威力を存分に発揮することなく破壊されてしまうのも、切ない。この作品を読んで何を思うのか。それを考えることが大事なのだろう。
★5 - コメント(0) - 3月17日

戦艦武蔵の出自から壮絶な最期まで、吉村昭氏の徹底的な取材力が全てを構築している一冊。日本軍が開発した戦艦たちはどれも規格外の大きさだったけれど、攻撃方法が戦艦から飛行機に移るにしたがって、手足をもがれるように力を失っていくのが読んでいてなんとも切ない気持ちになる。戦争が生み出した巨大な副産物である戦艦武蔵の一生を克明につづった、資料的価値があり、かつ読み応えのある小説。
★11 - コメント(0) - 3月4日

本書は、戦艦武蔵の受注から、起工、進水、艤装、竣工、出港、実戦を経て、レイテ沖海戦で撃沈されるまでを、資料と関係者への取材を踏まえて書いた記録文学です。山を削ってドックを拡張したり、接岸場所の海底を11メートル掘り下げて水深を深めたり、竣工を早めるために作業員たちが休日返上で毎日残業したりと、莫大な資材と工数をかけて建造した世界最大の超弩級戦艦が、たった一日の航空機攻撃で爆弾と魚雷を大量に被弾したあげく数千人の乗組員を巻き添えにして沈んでしまったのは、巨艦巨砲主義の終焉を象徴する事件だったように思います。
★24 - コメント(2) - 3月3日

世界で見ても前代未聞の主砲を備えた武蔵だが、時代は航空機主体の戦闘へ変わっていた。完成した時にはすでに太平洋戦争はミッドウェイも終わり折り返し。ここまでで3分の2を消費。不沈艦武蔵のレイテ沖の決戦は感動です。
★33 - コメント(0) - 3月2日

秘密裡に製造された当時世界最大級の戦艦武蔵。製造中は、全体にすだれをかけ、外部から見られないようにし、進水式当日は、長崎市民に外出を一切禁止したという。湾近くの人家には警察官が1宅につき複数名出向き、戦艦を見させないようにしていたという。製造中の工員ですら、自分の担当工事のことしか知らされておらず、目の前の配管がどこにつながっているかすらわからなかったらしい。大砲の射程距離は38キロ!大砲一発の重さが1トン!援護機がいない中、米軍機の執拗な魚雷攻撃により沈む。本当に無念。冥福を祈る。
★8 - コメント(0) - 3月2日

まずは、吉村さんの取材能力に脱帽!だって軍事機密ですよ。これ。絶対、資料とかほとんど残ってないか見せてもらえない物が多かったはずなのに、ここまで詳しく調査されているとは。正直、造船のとこなんかはその難しさもすごさもピンとこなかったけど、長崎出身なのであの港の景色に武蔵がいたのか・・と思うと胸が熱くなりました。それにしても、ようやく武蔵が完成したのにもう世界大戦は航空機メインとなっていたと知り、え〜!!ってなった。武蔵での集団自殺の様な最後、無念でした。
★50 - コメント(0) - 2月22日

不沈の戦艦「武蔵」の、極秘のうちに進められた建造から壮絶な最後までを描いた記録文学。一面に広がる星空のもと、その巨大な船体が海中へと沈みこんでいく様は映画「タイタニック」を彷彿させるものがありました。戦争作品を読むたびに感じることではありますが、人の命に代えてまで突き進まざるをえなかったものとは一体何だってのか。無機質な単なる記録にとどまることなく、「武蔵」とその乗組員をめぐるちょっと悲しすぎる物語でした。
★73 - コメント(0) - 2月11日

今でこそ、戦艦というと大和のイメージを持っているが、戦争を体験しているご年配の方(私の父含め)には、武蔵のようである。この本を読んで、そのすごさを実感した。国をかけての大事業、係った人がちの創意工夫がすばらしい。近代の日本の熱意が現われていると思います。良い本に出会えました。
★18 - コメント(0) - 2月9日

戦艦武蔵がどこでどのように建造されたのか。そこから完成に至るまでの様々な苦労と末路を描いた史実に基づく一作。武蔵の建造過程など初めて知る事がとても多くて。国家機密であるが故に建造中の艦を決して見られぬように、知られぬようにと。様々な苦悩が丁寧に描かれており、読んでいても手にじっとりと汗をかくほど。あり得ないほどの制約の中で完成した巨大戦艦。そして、その巨大さがもたらした末路を今も海底に眠る武蔵の事を考えながら、読み終えた。吉村さんは陸奥や零戦の作品もあるようなのでそちらも読んでみたい。
★37 - コメント(4) - 1月29日

昭和46年 8月14日 初版であった。 NHKのドキュメントの再放送をやっていたので、今一度読む。最初は九州一帯で棕櫚が買い漁れたところから始まる。2号艦と呼ばれ、領事館の前には巨大な倉庫が建てられるなど海軍の涙ぐましい努力があった。3号艦は信濃に4号艦は解体されるのだが、大艦巨砲主義であったとうかがいしれる。NHKのドキュメントは出撃から沈むまでのをこの本からとったのかと思うほどそっくりであった。後10年早く見つかればなぁとおもう。
★11 - コメント(0) - 1月29日

★★★★☆この本のほとんどが武蔵建造に関わる記述です。だったら面白くないのかな?なんて思われるかもしれませんが、武蔵は国家の最重要機密で造られた戦艦で、その規模も世界最大級です。これだけの戦艦を進水させるだけでも物凄いことです。以前、海賊と呼ばれた男で日本が戦争に負けたのは石油が無かったからということが書いてありましたが、武蔵の重油搭載量は6300トンと膨大でしたがリンガ泊地で訓練を重ねていたようです。武蔵が沈没する時はタイタニックを思い出しました。最後に猪口艦長は郷土の宝ですね。日本の艦長は素晴らしい。
★7 - コメント(0) - 1月10日

ryo
巨大戦艦武蔵が様々な困難を乗り越えながら長崎の造船所で作り上げられていく様は読んでるだけで胸熱だった。戦争が日常に近い中で、将来この国の守り神になるであろう戦艦の建造に関わった民間の人たち。でも、(細かい部分まではわからないけど大体)武蔵がどういう運命にあったかは知っているので、切なくなった。戦争とは何か、考えさせられます。
★11 - コメント(1) - 1月3日

AKIRAが記す通り、シブヤン海に眠るあの奇っ怪な鉄の塊がさきの戦争の「象徴」であるならば、個人的な感傷でしかないのだが、引き揚げなどしないでほしい。膨大な知と血と鉄を注ぎ込み作られたものが、何よりも科学と技術を発達させるものが、兵器であり戦争であるという虚しさと恐ろしさ。どうか、そのまま海に沈めてくれ。この傑作記録文学は、武蔵に殉じた人々への墓標だ。今さら墓を暴く必要はない。今この国で武蔵を引き揚げると、あの時の空気も甦りそうで怖い。あくまで個人的な感傷として。ウォーイズオーバー、メリークリスマス。
★32 - コメント(0) - 2016年12月24日

20161216読了。⭐⭐⭐☆☆。どちらかというと、大和よりマイナーな武蔵。とんでもない大きさの戦艦を、極秘に急ピッチで建造する過程に感心した。
★5 - コメント(0) - 2016年12月16日

★★★★☆
- コメント(0) - 2016年12月16日

戦艦武蔵の機密さデカさ凄さがわかる本だった!!
★2 - コメント(0) - 2016年12月10日

戦艦武蔵の建造過程とその最期をあますところなく再現した迫真のドキュメント。棕櫚が忽然と姿を消した、というミステリアスな幕開けから、膨大な予算と人材、頭脳を結集した巨大建造物の完成目撃に読者を引きずり込んでいく。製造上の困難に加えて重くのしかかってきたのが、軍機密護持のため武蔵を隠し通さなければならなかったことだ。そのための涙ぐましい努力(遮蔽するための海上倉庫の建設、目立たないように後景の岸壁を武蔵の色に塗るなど)には唖然とした。航空兵力が主力の時代に大和、武蔵と巨大戦艦を造ってしまった時代錯誤が虚しい。
★10 - コメント(0) - 2016年12月2日

先輩に借りて。カフカの「流刑地にて」を思い出した。機械を描写することで、人間を描く手法。
★25 - コメント(0) - 2016年12月2日

戦艦武蔵の極秘の建造を緻密に描いている。建造から竣工までで紙幅の大部分を割いていることからも、技師たちの熱量を感じさせる内容である。
★5 - コメント(0) - 2016年11月28日

もうノンフィクションですね。淡々とした文章で戦艦武蔵の造船について書かれ、だからこそ、その携わった人たちの心理がわからず、少しゾッとすることも。後半の戦時下での武蔵のそれに乗るかれら、その姿に痛みを感じた。
★24 - コメント(0) - 2016年11月26日

棕櫚が九州を中心に市場から無くなった。なぜか?そんな書き出しから一気にひきつけられる。武蔵の建造は長崎という丸見えの場所。無理な要求。期限。そんな中造り上げた人々の努力ー陳腐な表現ですがーに感動。そして、武蔵と同じ頃呉で建造されていた同型船があって、それが大和だったとは知らなかった。なーんも知らんな。前半は建造場面。後半の後半が戦闘場面。壮絶。もう一つの感動は作者。これを書き上げるのは並大抵のことではなかった。吉村さんの作品は、その「調べ上げ」がいつも素晴らしい。
★12 - コメント(2) - 2016年11月19日

それほどまでに金・物・人・技術をつぎ込んで造り上げた巨大戦艦が、無惨に沈んでゆく姿。あとがきに書かれた作者の戦争に対する思いも必読。
★14 - コメント(0) - 2016年11月11日

棕櫚のすだれで秘匿されていた頃がどれだけ平和だったことか
★3 - コメント(0) - 2016年11月4日

淡々とした文体だからこそ、描写が刺さる。戦時下に規格外の戦艦の建造には、材料や人だけでなくて、建造する場所や道具の新調から情報まで統制しなければならず、本当にたくさんの時間もお金も労力もかかって作られたのと対照的に、あっけなく破壊されつくす。武蔵に載っていた人たちの最期も悲惨で辛くて、痛くて、重い。読んでよかったと思う。
★19 - コメント(0) - 2016年10月31日

勤勉に働く作業員の姿と機密を必死で守る人々の姿が淡々と描かれる。読後も喉に痞える。
★2 - コメント(0) - 2016年10月31日

静かに進められる武蔵の建造過程。後半になって「これが戦争か」と気分が悪くなる生々しい描写が一気に続く。人々の絆、家族愛や友情などの一切が描かれていないが、だからこそ戦場にいる人々が目の当たりにした光景を感じられた。あとがきにある「戦争を根強く維持させたのは、やはり無数の人間たちであった」「戦艦武蔵が、戦争を象徴化した一種の生き物」の言葉を今、大切に受け止めたい。
★20 - コメント(0) - 2016年10月27日

#kindle 海中に沈没した武蔵が見つかったというニュースを見た後に、bookmeterのレヴューでも見かけて興味を持ったのです。著者は一部の指導者とは別に多くの国民のエネルギーが注がれた戦争の本質を少年として体験し、作品を書きたかったと言っていますが、鉄鋼関係の職を経験したことのある私には、建造過程そのものの描写は興味深いものでした。しかし、建造に係る秘密主義から戦闘そして沈没後まで、やはり戦争はその全てが異常であるということを再認識し、重苦しい。著者の伝えたかった戦争の本質がわかった気がします。
★16 - コメント(0) - 2016年10月2日

 この小説は本文のみでなくあとがきと解説も重要だと思いました。  武蔵は、呉の海軍工廠という完全なベールの中で生まれた兄の「大和」とは違って、軍の厳重な管理下とは言え民間の造船所で生まれたという点がひとつ大きかったように思います。設計図紛失事件は怖かったです。  そして最後に武蔵が沈みゆくシーンですが、著者の感情を挟む余地もなく、ひたすら当時の資料と関係者の証言を動員して綴られた記述があまりにも衝撃的でした。
★21 - コメント(0) - 2016年9月30日

昨年フィリピン沖で武蔵が発見されたニュースは記憶に新しいかと存じますが…て全然知らんかったwでもさ戦艦といえば大和なのになぜ著者は二番煎じの武蔵にズームしたのか!そこが本書の真骨頂であるのだが…あぁ言いたい。全部ぶちまけたい。だめよぉーダメダメ✖︎でもチラっとならいいか|ω・`)パンチラ精神で!そう武蔵だって造船所から先っちょハミ出てたし♩全長263mもある戦艦をあの時代どうやって秘密裡に造ったか。そらワクワクするさ。そんなワクワクからの最期もほんに切ないのさ。この虚無感こそ戦争の侘しさそのものに違いねぇ
★56 - コメント(3) - 2016年9月29日

「戦艦大和」といえば日本人なら殆どの方が知っていると思うが、大和の姉妹艦「武蔵」はどうだろうか。「宮本武蔵」の方がネームバリューとしては高いだろう。戦艦武蔵は大日本帝国海軍の威信をかけて造られた浮沈艦であり、そう信じられていた。戦争とは無駄な支出、土地の荒廃、国を荒廃させる愚行の何者でもない。 前の戦争の爪痕は70年経っても残っている。知らない世代も多い。知らない若者は戦争がいかに愚かなことかを十分知ってほしい。懐古主義ではなく明日は我が身かもしれないと…
★16 - コメント(0) - 2016年9月24日

武蔵の建造を描く前半、武蔵が実戦配備されてから沈没するまでを描いた後半。前半では、みんなに秘密で俺たちすげーもん作ってる!そんなワクワクするような気持ち、不沈艦を建造しているのだという誇りと熱量が伝わってくる。建造も大変だが武蔵の存在を隠すのも、進水させるのも大変なのだ。読んでいるこちらの胃も痛くなる。後半は、重かった。多くの人々のエネルギーを投入して造られた武蔵だが、不利な戦局下で無念にも沈没してしまう。ほとんど活躍することもないまま……。解説にある「集団自殺の物語」というのは的を射ていると思った。
★10 - コメント(0) - 2016年9月23日

★★★☆☆
★2 - コメント(0) - 2016年9月21日

武蔵建造の秘密を守り、沈まないと信じ、完成に肩を震わせた人たち。そして世界の実像にリアルタイムで目を向けていなかった国。それだけを書いた。戦闘も沈没も、臨場感あふれるシーンもほとんどない。あっけなくて虚しくて胸のざわつきがいつまでも収まらない。
★34 - コメント(0) - 2016年9月17日

図書館本。新潮100選。いろいろ物思う1冊でした。今の時代なら、隠そうとしても隠しきれないので、諦めもあるのでしょうが、世界最高峰の軍艦を作るための、数えきれない非常識。その時代には常識であって、名誉だったのでしょうが、人間の一点を見て、走り出してしまった時の、悲しさ。ただ、一方で、読みながら、戦艦武蔵ができて行きつつある時の高揚。人は、道を指示されると、たやすく、流されるものなのかも。天皇万歳でもなく、ひたすら悲惨さを語るでもなく、その語り口は、後世に伝えて欲しい。最後の戦争物で、良い本に出会えました。
★32 - コメント(0) - 2016年9月13日

Good
★6 - コメント(0) - 2016年9月3日

「武蔵」の建設過程での軍部の徹底した秘密保持に狂気を感じた。設計図1枚でこんな騒ぎになるんだもの…
★17 - コメント(0) - 2016年8月30日

武蔵建造の背景がよく分かった。造船技術が発展した長崎造船の三菱造船も造船経営の危機に瀕している。技術を維持することは、想像以上に難しい。武蔵の進水は大変嬉しかったであろう。しかし、海洋上開戦中の武蔵は散々たる結果であり、アメリカにあっけなく撃沈され、海軍水平が、スクリューに幾人もの人が巻きこまれた。日本人は広島長崎だけでなく、太平洋上で陸海空軍のトップが繰り広げた戦争がいかに無謀であったかを、直視し、二度と此のような悲劇が起こらないよう歴史を勉強する必要がある。
★10 - コメント(0) - 2016年8月30日

巨大戦艦武蔵の建造に関わる異常なるまでに情報漏えいを恐れた関係者の行動と、本来の任務も果たせずあっけなく海の藻屑と消えていく武蔵の様は、「神国日本」の本質に迫るものを包含している。
★13 - コメント(0) - 2016年8月29日

【2016新潮文庫・図書館】著者が、長崎に行って漁師に話を聞いた時「今の話は、だれにも言わないでくれ」と戦後20年も経っているのに顔をこわばらせて言われたそうです。造船中、設計図がなくなった時の話や知られない様にグラバー邸を借りたりする程、戦艦武蔵は極秘扱いであったそうです。20年経っても、漁師が怖れる程に…今の日本でも鉄屑にお金を掛けていますが、もっと良い使い道あるんじゃないのかな〜!武蔵みたいにムダなのでは?と、言ってる私も「この話は、だれにも言わないでくれ」と、言った方がいいのだろうか!?
★45 - コメント(0) - 2016年8月22日

戦艦武蔵の 評価:88 感想・レビュー:367
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