漂流 (新潮文庫)

漂流 (新潮文庫)
あらすじ・内容
流れ着いたのは絶海の無人島、それでも男たちは生き抜いた。江戸時代の史料にも残る不撓不屈の生還劇。

江戸・天明年間、シケに遭って黒潮に乗ってしまった男たちは、不気味な沈黙をたもつ絶海の火山島に漂着した。水も湧かず、生活の手段とてない無人の島で、仲間の男たちは次次と倒れて行ったが、土佐の船乗り長平はただひとり生き残って、12年に及ぶ苦闘の末、ついに生還する。その生存の秘密と、壮絶な生きざまを巨細に描いて圧倒的感動を呼ぶ、長編ドキュメンタリー小説。

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罪の声
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漂流の感想・レビュー(1043)

辿り着いた場所は、生きるために生きることさえままならない無人島。再び故郷の地へ。その願いは遠く、助けを待つこと虚しく、朽ち果てるだけと思われた。一縷の望みを繋いだのは彼らの忍耐。そして、無念にも海へと消えていった者たちの魂だったのでは。一緒に連れ帰って欲しいと。生にしがみつけ、齧りつけ。天の慈悲ではない。これは長きに渡る努力と工夫が実を結んだ魔法だ。
★30 - コメント(0) - 3月21日

深い絶望感。そこから這い上がる強い生命力と固い絆。最後の安堵感よりも途中の辛さで心が痛くなる。
★6 - コメント(0) - 3月16日

無人島に流れ着き12年もの年月を生き抜いた男の史実に基づく物語。そこには何もない。水すら湧かない。行き交う船も見えない。あまりに過酷で絶望的な状況。それでも生きるために己を奮い立たせる。ずば抜けた精神力、柔軟な想像力、そして実行力。流れ着いた廃材から釘を作り、船を完成させ、無人島から自らの力で脱出を遂げる船出のシーンは感動的でした。
★76 - コメント(6) - 3月14日

奇跡の様な記録ですね。
★2 - コメント(0) - 3月12日

★★★★☆江戸時代に鳥島で12年も過ごした長平という船乗りの史実です。無人島でどう生きていくか?食料、水、そして強い精神力が必要であるとつくづく感じました。彼の心の拠り所は念仏を唱えることでした。また島に生息するアホウドリばかり食べて死んだ仲間を教訓に栄養の偏りがないよう工夫したり爪の三日月で健康状態を把握すりなど知恵を絞ります。心の奇跡的に難破船が漂着して仲間が出来た時に陰口を言われますが、気にしませんでした。何故ならそこには待ちに待った人間という存在があるからです。人間の重みを感じさせられました。
★11 - コメント(0) - 3月8日

すごい、としか言えない。無人島で生き抜く秘訣は案外現代を生き抜くことと似ていると思った。
★1 - コメント(0) - 2月27日

江戸時代、土佐を出港した船が嵐に会って漂流し、鳥島にたどり着く。漂流仲間が減ったり(死ぬ)増えたり(新たな漂流者が島にたどり着く)しながら12年間生活し、船を作って脱出する話。この船を作るのが大変なんだ。解説にありましたが、吉村さんの作品の魅力は、「ひとりよがりの幻想に溺れたりしない。意味ありげな言葉を連ねたりしない。ただ、正確な眼で行動を追う」だそうです。そう、まさにそう。私はそう言いたかったんです。作品はもちろん、解説者にも拍手!
★9 - コメント(0) - 2月22日

主人公の長平の12年間… 壮絶な生き様を、みた。 絶対に生還する覚悟を自分自身に置き換えて… 何かの折には長平の12年間を思い出して強く生きようと思った。
★9 - コメント(0) - 2月21日

絶海の孤島での十二年間にわたる壮絶な生き様に圧倒されてしまった。(映画「cast.away」のトム・ハンクスがラグビーボールを友としていつも語りかける悲壮感漂うシーン思い出す。)食料といえばアホウドリを殺して生で食べ、飲み水は雨水だけ。それが来る日も来る日も続いていく。何年も船が近くに来ないと知った絶望感。鳥にぶら下がって島を抜け出す愚かな試み。鳥の首に手紙をくくるアイデアと失敗、そして絶望。仲間と舟を作る、その材料はただ、島に漂着した難破船の残骸だけとは。「これは事実だった。」ことに衝撃を受ける。
★21 - コメント(0) - 2月18日

ga
現在はアホウドリ保護の為、島全体が天然記念物となっている鳥島。ここに漂流した人がアホウドリを毎日食し10年以上生きた、という事までは知っていた。その江戸時代に土佐から時化で漂流し命からがら辿り着いた無人島での12年間の記録、読んでみたら凄まじいったらありゃしない!船に対して頻発される木っ端微塵という表現や荒れ狂い襲いかかる冷たい潮や波、喉の乾きや飢えなど全ての描写が同時体験気分になる程にまでリアル。長平の賢さ、生きる力の強さに感嘆したわ。しかし寄せ木の舟でよくぞまぁ、常に念仏唱えて機をみた見事な采配。
★32 - コメント(7) - 2月12日

土佐の船乗り長平が時化に遭い仲間と共に無人島に漂着する。この本の読みどころはここから始める。仲間がつぎつぎと死んで一人になり次の漂着することになる仲間が来るまでまったく一人になった時。アホウドリにつかまってなんとか空に羽ばたきたいというシーンがとても印象に残った。また人間がなにもかも持たずに放り出されることがどういうことかその心情もジリジリと書き出されている。吉村昭氏の文章はいつも映画のカメラのように対象に寄ったり俯瞰したり主人公になったりと自在に動きながら私情を入れず書かれていると思った。
★93 - コメント(5) - 2月12日

これはすごい。臨場感。旅に持って行ったら、大好きな飛行機の窓からの風景も見れずに読みふけってしまった。わざとらしいドラマチックさではなく、事実だけを書いたかのような姿で、起こったことを再現している。たくさん取材したことと思いますが、ここまで、目の前にあるように書ける想像力・構成力に脱帽です。読書なのに、貴重な経験をさせてもらった感じ。
★11 - コメント(0) - 2月11日

吉村昭の代名詞といっても良いかもしれない「漂流」。この小説を読んでから、吉村ファンになった記念すべき一冊。この種の小説は吉村が得意とするもので、黒潮に流されて江戸時代に漂流することがどんなドラマを生み出すのか、一個人の漂流を通して、時代を流れの渦に巻き込まれていくようでたまらないのてある。
★16 - コメント(0) - 2月6日

Ted
'76年5月刊。◎
★4 - コメント(0) - 2月4日

角幡氏「漂流」が良かったので、漂流モノにチャレンジ。吉村昭氏、文章がうまいねぇ
★3 - コメント(0) - 2月3日

久方ぶりの吉村昭。まさに無駄のない筋肉質な文章で、感情を極力排して物語はすすめられる。史実に基づいているとは言え、島での生活は創作らしく、アホウドリを食べるのは自分でもできそうだが、釘を創って、船を組み上げるとは想像できない。そういえば、ジョン万次郎も高知だったっけ?人生いろいろな困難が待ち受けるけれど、一人では生きていけないということを学べる。読み終えて、じわじわと感動するといった趣で、淡々と、そして粛々と、吉村文学の真骨頂が味わえる、読みやすく、心に入ってくる素晴らしい作品です。
★25 - コメント(2) - 2月2日

荒れた海の描写が怖いけれどたまらなく好きです。登場人物が足場をとられ波にまかれ、全身びしょぬれで鼻から海水をダラダラ垂らしてたりしてると釘付けです。天明5年。漂流して12年も無人島でサバイバルした男の実話がベース。平明簡潔、削ぎ落とされた文体。解説にあるように周到に用意された堅牢な細部に支えられた物語。感情に走ることがないのに長平の恐怖、苦悩をまざまざと感じさせる語りに脱帽しました。アホウドリを一日一羽、365×12=4380食・・、恐ろしい。帰国を果たしてのちの周囲の世知辛さ、呆気にとられました。
★38 - コメント(2) - 2月1日

江戸時代の史実を基にしたドキュメント小説。漂流の果て、辿り着いたのは絶海の無人島だった。湧き水もなく作物もなく、火打ち石など生活に必要最低限の道具すらない過酷な環境下で絶望と希望を繰り返しながらも、生還することを諦めなかった男たちの壮絶な実話。生き抜くための知恵と強靭な精神力に圧倒され、極限状態でも失われなかった感情に深く感動した。
★77 - コメント(0) - 1月30日

生き残れたのは「運」なのだろうけど、無人島に暮らす前の普通の生活の中で、どう生きてきたかも関係するような気がした。長平は、過去・現在・未来といった時間軸を押さえながら、自分が無人島で置かれている立場を捉えつつ、自己や仲間のメリットとデメリットを考えて行動してきた。こうした思考は常日頃から意識しているからできているのだと思う。音吉の死には涙した。仲間がいないところでの生活は精神力(自分一人ではない、神がいるとでも考えるしか。。。)の強さなんでしょう。吉村昭氏にはまりました。
★29 - コメント(2) - 1月27日

借物。船が難破する件りも無人島で生きていく件りも不安でざわざわした。
★5 - コメント(0) - 1月23日

現代でそうそうあり得ないのだろうが、現代人は本書の登場人物のようなことがどこまでできたかという疑問を持つ方は少なくないと思う。やはり気になるのは絶望的な状況で生と死の境はどこにあったのか?という点である。本書を読むに防衛的悲観主義が思い出される。
★15 - コメント(0) - 1月15日

この様な実話を綿密に調べた上での物語を記録文学と言うらしい。吉村昭の記録文学には数々の題材が有る中で、まず初めにこれを選んで読んだ。時代は江戸期、海運用の荷舟が嵐に巻き込まれ無人島に漂着すると言う話。人間は絶望的な環境下でも諦めず希望を持ち続ける事で命を繋ぎとめ、その粘り強い姿勢が最後には報われると言う、まるで創作した物語の様な奇跡的な実話。「この 実際に見てきた様な小説が面白い」 次は何を読もうか‥
★25 - コメント(0) - 1月14日

実話を基にした小説。ラストに近づくにつれ動悸がした。
★4 - コメント(0) - 1月12日

高知市から国道を東に二十キロ近く進むと、右手に太平洋のひろがりがみえる。
- コメント(0) - 1月12日

江戸時代に絶海の火山島に漂着した男の物語。仲間が次々と死んでいき、一人になった頃絶えず念仏をつぶやき、虫を相手に孤独に生きる場面は哀しすぎた。その後仲間ができ、力を合わせて生きていく。とりあえず偏食と運動不足は人間をダメにするのだなあと改めて。生きることのみに念頭において日を送っていたが、これからは死をおそれず行動すべきだと長平が思ったあたりは本当に胸がつまりそうだった。12年半はあまりに長いが、希望を捨てずに生きながらえる精神力を見習いたい。
★9 - コメント(0) - 1月9日

重かった。大晦日から元旦にかけて読むには重すぎたかも。重いけれど、けれどその重さがなんとも言えない。人はこんなに強くなれるのかと驚いた。私はゾンビ映画を見るたびに、早く噛まれて早く仲間になっちゃおって考える人なので、こんな事態に落ちいったならすぐに死んでしまうに違いない。読んでるうちに口の中がしょっぱくなってきたのは気のせいだろうか。
★53 - コメント(1) - 1月1日

これが実話であるとはとても信じがたい。 土佐の船乗り長平ら4人は嵐に会い、難破。孤島に流されてしまう。そこは泉もなく、穀物も育たない、ただ渡り鳥のあほう鳥がやってくるだけの島だった。船も火打ち石も何もかも失ってしまったが、長平は生きる事をあきらめなかった。長平の気力に圧倒されると共に、あれだけ絶望的な状況下で大きく和がみだれない船乗りの気質にも感動を覚えた。
★9 - コメント(0) - 2016年12月30日

実話とは思えない凄まじさ。主人公達の生きようとするエネルギーが伝わってくる小説だった。
★8 - コメント(0) - 2016年12月30日

実話を元に書かれた長編。江戸時代、時化の為に船が壊れ遭難した主人公たちが辿り着いたのは、無人島だった。水も湧かないその島で雨水を貯め、鳥を捕まえ、懸命に生きる主人公たちだったが、仲間は病に倒れ次々に死んでいく。一人残された主人公は、12年もの歳月をサバイバルし、新たに島に漂着した仲間たちと島に流れ着いた木材と時には漂着した碇から手作りした釘で完成させた船に乗り、島を脱出する…臨場感あふれる筆致で書かれていて、あっという間に読んでしまった。
★18 - コメント(3) - 2016年12月17日

sat
絶海の孤島で12年生き抜いた壮絶な物語。生きることへの執着にひきつけられ感動した。
★36 - コメント(0) - 2016年12月17日

江戸時代の船舶は基本構造が帆船のみに限定されていた。これは鎖国という国策が大きく影響していることなのだが、そのため難破する船は後を絶たず、本作の主人公たちも漂流の憂き目にあう。無人島に漂着し、一人また一人と仲間が死んでいく様を見、生命力と創造力を以って生きる道を切り開いていく男たち。見事と言える一方、大変恐怖し絶望していく者たちがいたのも事実。電気も電話もない時代。島には川も泉もなくどうして生きていられよう。そんな絶望の淵から生還した男たちを描いた本作は文明社会に生きる私達にとって新鮮な恐怖を感じさせる。
★7 - コメント(0) - 2016年12月12日

実話を元にした、長平の圧倒的サバイバル。無人島でどうやって12年も生き延びたのか。そのサバイバル術ではなく、柔軟な対応力、前向きな姿勢、問題解決能力、チームマネジメントたるや、現代に生きたなら有能なビジネスマンだったろう(著者はそんなことを書きたかったわけではないと思うが)過酷さと虚しさで胸がやられ、最後まで一気に読みたくなる小説。
★6 - コメント(0) - 2016年12月7日

一気読み、凄まじい本でした。吉村氏の静かな文章がリアル臨場感をさらに加速、もういろいろと泣けるし勇気を貰えた感じ。。。もっと早くに読めば良かった。満足の一冊でした。書斎のガラスケース本棚入り決定!! 又、今の現代社会においても会社、人間関係等に漂流してしまってる方にも必読かと、熱い物が込み上げてくるかと思う。氏の本は「熊嵐」に次いで2冊目だが、完全に吉村作品のファンになった。他の作品も読んでいきたい!
★58 - コメント(2) - 2016年12月6日

毎日生きていく中で、如何に我々が「人の世話になっている」のかを痛感できる作品。長平は12年で都合、何羽の鳥を殺したのか・・自らの生は他の死に寄って成り立っている。水と食べ物、生き抜く信念と(出来れば)仲間が居れば生きていける。パズドラもFacebookも要らねぇ=!
★6 - コメント(0) - 2016年12月5日

ちびちびAKIRA月間。天明年間に八丈島の遥か南・鳥島に流された水夫・長平の超絶サバイバル記。瞳に映る焚火の炎まで浮かんでくる圧巻の描写力。乱暴な対比だが、同じ様な題材をSHIBAが選ぶと「菜の花の沖」になり、AKIRAだと「漂流」になるのが面白い。SHIBAは嘉平を通じて“歴史の地層そのもの”を見るのに対し、AKIRAは長平という“歴史の地層に埋もれた石礫”を孔が空きそうな位、見つめている。掘り起こされた歴史の石礫、AKIRAの体温が乗り移り、ほのかに温かい。因みにこの本は、とても焼き鳥が食いたくなる。
★35 - コメント(0) - 2016年12月4日

漸く読了。非常に重い漂流記でした。私的な手記ともとれますが、内容は濃く、当時の航海そのものの苛酷さが滲み出ています。廃材や古鉄から船を作り出す過程は臨場感があり、又、信天翁に対する主人公の殺生への観念、廃材にしても難破した人達への労りの感情等、人生訓にも成り得るものでした。然し、日本各地からの出身者の集合体なのに、言葉が… 土佐の船乗りに一切訛りが感じられなかったのは非現実的ではないかと。
★16 - コメント(0) - 2016年12月3日

吉村昭さんの「漂流」をKindleで読了。1700年代江戸時代中期に難破して沖ノ鳥島に漂着した若者の事実に基づいた作品。当時は土佐藩だけでも年間100人前後人間が難破して命を落とす時代であったそうな。太平洋戦争後に太平洋の島々で終戦を信じずに隠れ住んだ後に生還した人のインタビューを含めた導入もあって迫真性がました。インタビューで紹介された太平洋戦争後のアナタハン島での6年間の物語は女性を巡っての殺し合いがあったり、ノーベル文学賞のゴールディング「蝿の王」を思い出させる人間性としての悲惨さがあったが、本編の
★3 - コメント(0) - 2016年12月2日

通算106冊目。12月01冊目読了。難破し島に流れ着き、そこから何年もの間助けを待ち続ける男達の人間ドラマ。色々書くとネタバレになるので書けないが、辛い時人間はその環境から逃れることだけ考えるが、極限状態における辛い事象に対しては、逃れられないから諦めるではなく、そこに順応することを考えるということが何事にも大事なことなんだと思った。一見簡単そうでこれが簡単ではない。そんなことを教えてくれる本です。人生に漂流している人におすすめです(笑)
★17 - コメント(0) - 2016年12月2日

吉村昭さんの小説は、しっかりとした骨太の文章を読みたい時に手にとります。この作品も、過酷な運命に翻弄される主人公の、その現実に何度も打ち負かされそうになりながらも必死に生きよう、希望を持とうとする様が緻密に描かれています。到底想像もできない試練は、私達の日常にある苦労などとは比べられるものではありませんが、自分が自分であるために何とか踏みとどまろうとする姿に感銘を受けました。
★8 - コメント(0) - 2016年11月12日

頭が体が、白熱する読書体験だった。抑制の効いた文体が起こす緊迫感・臨場感の荒波は、うねり、まくれ込み、崩れながら激しく絶え間なく打ち寄せ走る。無情で厳格な自然の前に人間の何と小さく無力なことか。そうであるからこそ生への執着、意思の強さに震えるほどの感動を見もするのだろう。生き延びるだけなら獣、しかし長平たちは生還を諦めなかった。ここには人間が描かれている。再び海に漕ぎ出す場面は感奮の泪。生きることに対する著者の深思に馳せる。名著。
★34 - コメント(2) - 2016年11月11日

漂流の 評価:100 感想・レビュー:374
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