白い人・黄色い人 (新潮文庫)

白い人・黄色い人 (新潮文庫)
あらすじ・内容
ユダは誰だ。人間の心に巣食う「悪」と「赦し」を描いた。【芥川賞受賞作】

フランス人でありながらナチのゲシュタポの手先となった主人公は、ある日、旧友が同僚から拷問を受けているのを目にする。神のため、苦痛に耐える友。その姿を見て主人公は悪魔的、嗜虐的な行動を取り、己の醜態に酔いしれる(「白い人」)。神父を官憲に売り「キリスト」を試す若きクリスチャン(「黄色い人」)。人間の悪魔性とは何か。神は誰を、何を救いたもうのか。芥川賞受賞。

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白い人・黄色い人の感想・レビュー(1029)

「白い人」のみ。再読だけど全然内容を覚えていなかった。前は「黄色い人」だけ読んだのかも。とにかくつらいしきつかった。ずっと眉根を寄せて読んでいた。そのせいか内容をよく考える余裕がなく、嫌悪感に近いものがあり作品を味わえなかった。もう読まないと思う
★19 - コメント(0) - 2月17日

aks
なんか、ちょいちょい笑わせにきてない?
★2 - コメント(0) - 2月13日

純文学?なるものを初めて読み通した気がする。男女がまぐわってとるに足らないことで悩んだり悩まなかったりしてしんだりしななかったりする。とてもじゃないが深いテーマを論じられるジャンルだとは思えない。
★5 - コメント(0) - 2月11日

「白い人」戦争と信仰が加虐性、人間の根源的な性質というテーマのもとに統合され、神の不在を浮かび上がらせる。神は、ヒロイズムは現代には相応しくない。虚構を良しとしない。神は悪を滅ぼすようなものではない。「黄色い人」例えば『沈黙』で筑後守に語らせたキリスト教の根付かない湿った土地、という風土が童話の「中庸」を表す「黄色い人」という肌の色と重ね合わされて語られる。山本健吉がいうように確かに「あまりに図式的」ではあるけれども、それゆえに尖った角がもろに突き刺さる。やはりストーリーテリングの力はここからして健在だ。
★13 - コメント(1) - 2月8日

遠藤周作初期の作品とのこと。確かに物語の展開や表現に力業のようなところもあったが、全体としては彼がテーマとしている「信仰とは」、「日本におけるキリスト教とは」、「人のもってる善と悪の二面性」を感じることができた。
★4 - コメント(0) - 2月6日

黄色い人に出てくる、「信仰と医学の矛盾だとか、神の存在の非科学性だとか、そんな大げさな理由のためではありません。若い信者たちの誰もが苦しむ、西洋人臭いこの理屈も僕にはどうでも良かったのです」と言う箇所について、私が20年来引っかかっている事が千葉にとってはどうでも良いこととして片付けられていて、ちょっと笑った。本作では日本人と西欧人の神に対する感受性の違いを浮き彫りにしているが、それでは人間が普遍的に持つ倫理や善はあるのだろうかと調べてみたくなる。
★4 - コメント(0) - 1月30日

芥川賞受賞の初期短編2編。 神の意味とは何か、を追い求める遠藤周作作品のテーマが短い作品のなかに集約されている。 ここから、沈黙や深い河などへとテーマが深化されていくのだけど、沈黙の映画化に伴って、初期の作品を読んでおきたいと思った。 遠藤さんの書きたかったことはすでに、こうした若いときの作品にはっきりと表れているんだな。でも、文章はやっぱりすごく若くて、それが新鮮ではあった。 ナチ占領下のフランスと、太平洋戦争下の神戸がそれぞれの舞台になっており、あの暗い時代の不気味さも迫ってくる。
★6 - コメント(0) - 1月22日

解説で批評家の山本健吉氏が指摘してるように遠藤作品はテーマを欲張る。宗教とは、罪とは、死とは、日本人とは。その重たくも興味深い複数の主題をギリギリまで簡素なエピソードで表現し、読者を引きつける、そのストーリーテラーっぷりに気づかされる。二編ともかなり初期の作品とのことなので、他の作品もたくさん読んでからまた立ち戻りたい。
★14 - コメント(0) - 1月22日

人種的な観点からの作品は古いかもしれないけど、白い人はフランスのリヨンを舞台にし、黄色い人は日本の神戸近くを舞台にしてあって、第二次世界大戦期の時代設定と、三角関係の恋愛と教会と神父さんが出てくる点で共通してます。もはや神が占める役割は減ってきたとはいえ、それでも神を巡る聖書的神話に身を焦がし、許されようとする人も一部出てきますが、現代は欲望の時代であることも大きく、神の世界に抱かれながらも、欲望に身を焦がす若者の話でしょうか。相反するような、神と欲望が描かれているけど、一筋縄でいかない気がした。
★7 - コメント(1) - 1月16日

彼らの行動から目を背けたい。共感どころか理解もしがたいが、自分勝手な感情と理屈で他人を排斥しているように思える者たちにさえも、寄り添うのが小説の役目なのかなと思った。一方で、ばつが悪いような気持ちにもなって。「こいつらを忌み嫌えるほど、お前は清らかなのか?」と問われるような。〈ペットの殺処分ひどい〉と〈牛肉おいしい〉が同じ人の中に共存するのも、人間っちゃ人間なんだし。…などと、物語そのものより、そこから派生して色々なことを考えさせられた一冊。
★34 - コメント(1) - 1月14日

『沈黙』再読がきっかけになっての2冊目。キリストのユダに対する心理など、『沈黙』に描かれるものがすでにここに見出され、興味深い。が、日本人は、西洋人は、という宗教観、罪意識に関しては今日でもはたして、そのまま有効だろうか。遠藤氏が存命だったら、今の日本をどう見るか、興味深いところである。
★3 - コメント(0) - 1月13日

初読は高校生のとき。ひたすら暗い話だと記憶していたが、今読むとまさに遠藤周作の根幹が表れていて面白い。「白い人」の罪悪感と善への嫌悪感はやがて「真昼の悪魔」になったし、「黄色い人」のただ深い疲れといううつろな感情はまさに「沈黙」「侍」などの日本人と基督の教えのすれ違いを描くこととなった感情だろう。この本に描かれている深い疲れ、白けた気持ち、加虐の悦びは現代に蔓延しているものだ。それに気づくと改めて遠藤氏の視点の素晴らしさに気づかされる。名作。
★5 - コメント(0) - 2016年12月23日

極めて個人的なお気に入り度合い:★★★★☆4点 30数年ぶりの再読。
★3 - コメント(0) - 2016年12月3日

私が生まれる前に書かれた小説だが、2編の小説に横たわる主題はいつの時代になっても色あせることなく、解説を読むことでより一層そう感じさせられる。いつの時代になっても神の存在とは、神の存在の有無に基づく罪の意識を持つ違いを考えさせられる。
★4 - コメント(0) - 2016年12月1日

鹿
罪への葛藤が上手い。主は平等に罪を与え、民は平等に苛む。
★3 - コメント(0) - 2016年11月30日

「沈黙」の理解を深める助けになりそう。
★4 - コメント(0) - 2016年11月16日

 両作品ともに敬虔なキリスト教徒と、神に対して懐疑的な者たちの対比が描かれています。  『白い人』におけるジャックのような英雄感情や犠牲精神の持ち主を陥れたいという「私」の行動理念は、信仰に関係なく誰しもが抱くことかもしれないと思いました。  『黄色い人』のデュランや千葉が、「黄色い人」を一緒くたにして無感動なもの、罪の意識が希薄なもの、という捉え方が違和感を感じました。 この時代の人々の無感動というものは、風土や信仰というよりも、戦時下による思考停止という方が大きいのではないか?と思いました。
★5 - コメント(0) - 2016年9月22日

①白い人-清教徒であった母親への反抗。老犬を縛って撲る女中の白い太腿。アデン旅行中に遭遇した少年に対する虐待から快楽を得たリヨン大学生。占領下の独軍に協力し秘密警察の手先となり抗独運動家を裁き拷問する。神を信じる者を愚弄。②黄色い人-デュラン神父の日記。両親と妹を失ったミキ子との姦淫。隠し持っていたピストルをブロウ神父の元に隠し彼を官警に売り渡す。一方でデュランから洗礼を受け日記を読んだ千葉自身も出征する友人の許嫁を犯す。空襲で亡くなったデュラン。性悪説に基づいた汎神論であり神の救済につき考えさせられた。
★66 - コメント(1) - 2016年8月15日

『キリストの生涯』を読んだ時の違和感を思い出した。キリスト教をモチーフに用いた彼の作品から漏れる悲哀は何に注がれているのだろう。所謂キリスト教国のキリスト教作家達が描くものとはどこか違う雰囲気がある。 そして、本作を読んで、氏の作品に通底しているものが何なのかも少しだけ分かったようにも思う。 それにしても、ヨーロッパ人の視点で羊羹色という形容には少し笑ってしまった。
★5 - コメント(0) - 2016年8月12日

小学校の先生から頂いた本。当時、一つのジャンルだけでなくいろいろな本を読むようにと教えられていたことを思い出す。遠藤周作は、高校生の頃「沈黙」を読んだ以来だ。この作品は、読みやすいし話は分かるが、「ユダ」をテーマに何がいいたいのかは理解しがたい。
★7 - コメント(0) - 2016年7月18日

人生において宗教に縁のない自分には、どこか遠い読書だった。作中、白い人たちはろくでもないことばかりして、そのくせその罪をウジウジと悔いたり、逆に悪に陶酔して逃げたりしているわけだが、その悩み方、行動はどことなくビビットだ。一方、われらが黄色い人たちは、罪の観念が一向に分からず、ゆえにさほどの後悔もなく、ただ「ふかい疲れ」と濁った目を携えて横たわっている。背景に戦争を置いているのでどちらも極めて醜悪に描かれているが、そしてあまりに図式的な比較だとも思うが、言いたいことは分からんでもなかった。
★115 - コメント(0) - 2016年6月27日

イエス・キリストの布教が、拷問によって完成されていること、彼が暴力を受けるほどに神聖な存在になっていったことは、罪びとにとって、重圧となってのしかかります。キリスト教信仰が、果たして本当に彼らを救ってきたのだろうか・・・ユダたちにとってキリスト者とは救いではなく苦しみの元凶ではなかったのか、と疑問を持たざるを得ませんでした。自身がカトリック信者の、日本人・遠藤ならではの苦悩そのものであったと思います。
★15 - コメント(0) - 2016年6月11日

私はなんと黄色い人であるかという事に愕然とする。それでも神は人間を救うために在るのではなかったか。また戦争の緊張が存在を刺激する。
★5 - コメント(0) - 2016年6月9日

「白い人」にこんな文章がある。「私には、もう何千年もの間、亦、何千年もの後も、風はこのように吹き渡り、窓硝子にカタコトと鳴りつづけるように思われる。」これと同様の文章が「黄色い人」にもある。救いようのない人間の邪悪性、変わることのないその本質を、空っぽの風に託しニヒリズムとともに言い表した主人公の述懐だが、これらの文章こそこのふたつの小説の中心に触れていると思う。西洋人と日本人の宗教観の違いよりも、この虚無感こそが問題なのだ。風は聖書では聖霊の象徴として表される箇所がある。そのことと対照的だと感じた。
★5 - コメント(0) - 2016年6月1日

宗教的な罪と罰。あまり深く考える事がないとしても読んで損はしないと思います。欲望とか罪とかいろいろ出てきます。1回読んだだけでも分からない事があるので、また読もうと思います。
★34 - コメント(0) - 2016年6月1日

フランス人でありながらナチのゲシュタポの手先となった主人公が、捕らえられた旧友に対し嗜虐的な行動を取り、己に酔いしれるという芥川賞受賞作「白い人」。信仰に反する行為のため、神父としての地位を奪われた一人の白人が、神の存在からの苦しみを、日本人の無宗教による罪悪感のなさに救われるという「黄色い人」。2篇が納められています。どちらも神に対しての裏切りがテーマになるのでしょうか?「海と毒薬」、「沈黙」へと通じる宗教、神、信仰を扱った遠藤周作氏初期の作品。
★46 - コメント(8) - 2016年5月19日

白い人、黄色い人は、それぞれフランス人、日本人の青年を主人公に置き、第2次世界大戦下の「裏切り」という共通点を持つ。その裏切りを起こさせる動機は、「ふかい疲れ」だ。深い疲労があるなら、浅い徒労というものがあるのだろうか。「白い人」は芥川賞受賞作だが、遠藤周作の生涯かけてのテーマがすべて内含されている。解説に「荒削りだ」とあるが、むしろその荒削りさの中に、大作家への飛翔を読み取った当時の選考委員は大手柄だっったと言えるのではないか。
★8 - コメント(0) - 2016年5月15日

粗削りだ、と解説されていましたが、素人には全くわからない。むしろ視覚的に、直接的に感情や考えを訴えかけられなければ、遠藤周作の書く小説は難しすぎる。私にとってだけど。でもやはり彼の作品は、「日本人」を的確に表現していると思う。時代の差はあれど、全く古さを感じさせない。すごい。日本人の本質って、今もあんまり変わってないんだなあって。「集団の和」を最優先する日本人の逃げ、責任転嫁。以前、『海と毒薬』を読んだけれど、彼は日本人を熟知しているなあ、と感じざるを得ない。聖書とキリスト教をもっと深く勉強したい。
★2 - コメント(0) - 2016年4月26日

初めて遠藤周作の作品を読む。自身がクリスチャンであることから来る日本人と神の関係、信仰という問題を扱ったテーマだった。友を売り拷問し、神父が不倫をし、友の許嫁と関係を持つなど、罪とは何か裁かれるとは、と訴えかける内容でした。
★3 - コメント(0) - 2016年4月26日

「白い人」が現代のある社会を思わせる。まったく古びたところを感じさせないのがすごい。著者の初期の作品ということで荒削りらしい。では、この後の作品はどうなのだろうか? 読んでみたくなった。
★13 - コメント(0) - 2016年3月26日

俺がかりに悪そのものならば、お前の自殺にかかわらず、悪は存在しつづける。俺を破壊しない限り、お前の死は意味がない。意味がない/だが君は日本人が神々はもったにしろ一つの神は絶対に持たなかったことを忘れているよ
★4 - コメント(0) - 2016年3月20日

『黄色い人』が地元が舞台ということで以前から読んでみたかった。『白い人』は冒頭の主人公の父親の一言やイボンヌの光景が強い印象。母の教育の裏返しの人生。強烈な小説でした。そして『黄色い人』仁川の戦中の風景が印象的。文章を読んでいて以前仁川の空襲や阪神大水害の話をご老人に聞いたことを思い出した。八百万の黄色、一神教の白色。罪の意識の差。日記を挟む構成の文章は大好きです。仁川橋(鶴の橋?)、甲山、関学、川西飛行機。この時代手塚治虫先生も仁川下流の一里山へ通っていたとも。文人の歩いた道を歩きながら読んだ本。
★5 - コメント(0) - 2016年3月14日

うーん... 遠藤周作の<沈黙>を読んで気に入ったので、こちらを読んだんですがイマイチでした。
★3 - コメント(0) - 2016年3月10日

青い人だった
★1 - コメント(0) - 2016年3月5日

物語りだけでなく、その背景についても中々難しかった。再読であったが、また読み直してみたい。
★9 - コメント(0) - 2016年2月21日

時代が移り変わる最中の激動期のお話はひきこまれますね。ユダの視点でイエスを描いた作品なのでしょうか?冷たく美しくも残酷な拷問描写と何もかも炎に包まれる終末を予感させるラストに痺れました。
★6 - コメント(0) - 2016年1月18日

2016年初読書。未完成な部分もありながら『海と毒薬』につながる道筋が見える。これがなければきっとあの作品は生まれなかったんだろうなと思わせられる。クリスチャンである著者が神を持たないものの虚しさを書いたということだけど、わたしには人間がどこまで堕ちていけるのかを書いたものに思えた。特に『黄色い人』のほうを埋め尽くす考えることもおっくうになる"深い疲れ"。この作品の背後には戦争があって、それが人々の疲れを生み出しているのだけれど、戦争のない現代日本の社会にもじわじわとこの"疲れ"が蔓延してきているように思
★3 - コメント(1) - 2016年1月9日

神について探究するのにこういう切り口もあるのだなあ、と。作者の苦悶が見える。
★5 - コメント(0) - 2015年12月28日

良くも悪くも、読みやすい文章、わかりやすい構成の話。歯ごたえはあまりない?? 初期作らしいので、次は「海と毒薬」あたりを読みたい。
- コメント(0) - 2015年12月10日

白い人・黄色い人の 評価:72 感想・レビュー:234
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