沈黙 (新潮文庫)

沈黙 (新潮文庫)
あらすじ・内容
神様って、いないんじゃない? という疑問を、ここまで考えぬいた人達がいる。

島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。神の存在、背教の心理、西洋と日本の思想的断絶など、キリスト信仰の根源的な問題を衝き、〈神の沈黙〉という永遠の主題に切実な問いを投げかける長編。

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312ページ
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沈黙の感想・レビュー(5890)

一度転んだ(改宗)人間は自己を正当化する。確か本文中にも記載があったが、これは遠藤周作の同胞に対する自己正当化の話にも思えた。決意表明でもあるのだが。しかしながら、キリスト教が禁教になった経緯にはほとんど触れず、日本人に対してはかなりアンフェアな内容。これでは日本人がただ異教という理由で迫害をしたように誤認される。キリスト教が植民地化政策の地ならしであったこと、カトリックとプロテスタントの日本内部での対立、一神教を理由に無差別な寺社仏閣の破壊、奴隷売買…
★3 - コメント(0) - 1月23日

ずっと読みたい本に登録していて、映画化されたので漸く手にした作品でしたが、圧倒されました。読み終えた今でも、この思いをどう表現したらいいのかと考えています。ロドリゴの、主よ、あなたは何故、黙っておられるのです、というような度々の問いかけが胸に刺さります。キチジローの弱いところも。あの時代の切支丹への弾圧は知識としては知っていましたが、その過酷さに目を逸らすことが出来ませんでした。神は沈黙している、と思っていましたが、最後の一文が響きました。映画ではこの世界がどう表現されているのか気になります。
★22 - コメント(1) - 1月23日

航海日誌感覚で読み進めてたら超重たい内容だった。本作品に対するカトリックからの批判には違和感がある。現場兵士に降伏を認めない無能司令官の様。ただ、ここまで宗教が歴史のテーマになるぐらい我を通す日本に奇妙な誇りも感じる。
★15 - コメント(0) - 1月23日

映画化に際して再読。やはり歴史に残る不朽の名作だ。忘れているかと思ったけど、かなり覚えていてやっぱり強烈に記憶に残っていたんだなあと実感。学生の頃に読んだときはもう少し学術的な視点で読めた気がするのに、大人になったいまの方がなぜか感情が揺さぶられて涙が出た。禁忌を破り、尋常でない烈しい問いを突きつけるこの深さは、日本人にしか書けない小説かもしれない。宗教についての物語ではなく、人間の物語なのだと思った。
★14 - コメント(0) - 1月23日

映画のために再読。若き司祭と隠れ切支丹が命懸けで神にその信仰を捧げる話、ではなく、そこから見える日本人、日本という国の本質を酷なほど鮮明に描いた作品。神に疑いを抱き信仰心を折られていくロドリゴの痛みも、それでも神を信じて赦しを乞い続けるキチジローの弱さも、読み進めるほどに共鳴し彼らの叫び声は己のことのように胸を圧し潰す。文字だけでこれほどまでに人の心を揺さぶれるのかと、遠藤周作の、或いは文学の力に圧倒される超傑作。
★9 - コメント(0) - 1月22日

「『デウスと大日と混同した日本人はその時から我々の神を彼等流に屈折させ変化させ、そして別のものを作りあげはじめたのだ』」 ↑渋谷のハロウィンのようですね…
★10 - コメント(1) - 1月22日

25年前に読んだはずだが、設定・結論を含めすっかり忘れていた。 でも最後のほうの、宣教師が教えた(教えたかった)キリスト教を日本人が自分たちに合わせて変えてしまった、って話は刷り込まれていたなぁ。ここで得た情報だったのか、と再認識。 映画化されたようなので、弱い人間代表キチジローを窪塚洋介がどのように演じているか、スコセッシ監督のフィルターを通してこの作品がどう描かれているか、観てみたい。
★14 - コメント(0) - 1月22日

「踏絵ば踏んだ者には、踏んだ者の言い分があっと。踏絵をば俺が悦んで踏んだとでも思っとっとか。踏んだこの足は痛か。痛かよオ。俺を弱か者に生れさせおきながら、強か者の真似ばせろとデウスさまは仰せ出される。それは無理無法と言うもんじゃい」
★14 - コメント(0) - 1月22日

暗い話なのにとてもドラマチックで面白かった。ポルトガルの司祭が遠い極東の島で消えた師を探す旅にでるが、そこにはイノウエという悪魔のような恐ろしい男がいるらしい。イノウエに打ち勝ち、師を助けることができるのかという冒険譚でもある。『海と毒薬』もそうだけど、暗くて重たい歴史に基づいた話なのにエンタメ的に読ませる力は素晴らしいの一言。
★12 - コメント(0) - 1月22日

映画を受けて再読
★18 - コメント(5) - 1月22日

映画の前評判は非常に高く、必見なので準備万端の状態で鑑賞すべく再読。 2回目読んでも全然面白く、1回目で見逃してた主旨もくみ取れたような気がする。幕府のキリシタンに対する政策や、日本人にキリスト教(一神教)が馴染まない理由など、文章では完結に言葉少なくでしか語られてないが、バックボーンに存在する情報量に多さと思考の濃密さにびびる。遠藤周作先生凄い。文学的な作品ではあるが、「何故に フェレイラは転んだのか?」「何故神は沈黙するのか?」という謎を含ませつつ進行するのでミステリ的な要素もあってぐいぐいと読める
★17 - コメント(0) - 1月22日

凄く重い、内面に迫る物語だけど物凄くわかりやすい文章で書かれ、最後まで真っ直ぐ読んだ。人間の弱さと強さについて考え、自分の過去を振り返り、未来を考えるきっかけを貰った。
★19 - コメント(0) - 1月22日

遠藤周作作品は昔結構読んだのだけれど、本書は読み過ごしていた。あらためて著者の信仰心の厚さと作家としての才能を認識した。異教の国、困難を前にした神の「沈黙」と司教の苦悩と葛藤。
★20 - コメント(0) - 1月22日

映画公開を知って原作読んでみたら、打ちのめされて、映画見に行く気持ちの余裕がなくなった。
★13 - コメント(1) - 1月22日

映画を観る前に読み終えようとしてようやく今読了。でも、映画を観るかどうか迷う。悲惨な壮絶な拷問から目をそらしたくなりそうで。私なら踏み絵を踏んでしまうだろう。まずは生きる事が先決と思ってしまう。だけど例え表向きは妥協したかに見えても心の中までは縛られない。その気持ちがあることが大事なんじゃないか。信仰に限らず自分の中の信念とか貫きたい志をもち続ける上で。
★19 - コメント(0) - 1月21日

キリシタンを立憲主義者に変えてみると今の時代にそっくりですね。
★13 - コメント(0) - 1月21日

十数年前、キリスト教徒になりかけていた頃に読んだ作品を再読了。序盤から宣教師たちの押しつけがましい宗教的正義感や、自らをドラマチックにキリストの受難と重ね合わせる主人公ロドリゴにイライラする。しかしこれこそ本作の主題であり、終盤より普遍的な信仰に昇華するものである。終盤でロドリゴの心中に響くようになるキリストの言葉は、まさに「内なる光」だと思った。これを外国人の立場から描いた著者凄い!でもこの視点は日本の信徒として葛藤を抱える者ならではのものでしょう。更に米国人の立場から描かれるスコセッシの映画、楽しみ。
★19 - コメント(0) - 1月21日

再読。多分読んだのは高校生の頃。信仰について漠然としか捉えられていなかったあの頃よりも深く読めたような気がする。信仰とは一方通行であり、何かを求めるものではない。感謝を捧げ崇める為に祈るのであり、対価を求めてはならない。絶対的に信じていたものに対する疑心に気付いた瞬間にそれは綻び始める。信仰は環境によって変わる可能性があると気付く。怖い。それでも尚、信仰は失われていない筈だと祈る。まだわたしは大丈夫、と言い聞かせる。「神は褒めたたえるためにあり、恨むために存在するのではないことを勿論、よく知っている。」
★25 - コメント(0) - 1月21日

うーん、壮絶! すさまじい! これを読んでなお映画を観たいとは、思わんかな。
★13 - コメント(0) - 1月21日

映画公開を気に再読。
★11 - コメント(0) - 1月21日

鎖国して間もない日本を舞台に、宣教師たちの苦悩を描いたドラマ。状況から結末は明白だが、そこに至るプロセスの堅牢さ、重厚感が逸品。主人公である司祭の気高さ、傲慢さが、目の前で苦悩し、犠牲となっていく日本人信徒の姿に揺らぐ過程、そしてその先にある超然たる結末。キリスト教を題材とした物語にしばしば垣間見える独善的な側面を突きながらも糾弾せず、自らの裡に封じ込める終幕こそ、実は真理に近いのではなかろうか。また、ドラマティックな構成は映像を思い描きやすく、マーティン・スコセッシが映像化を切望したのも頷ける。
★24 - コメント(0) - 1月21日

たとえあの人は沈黙していたとしても、私の今日までの人生があの人について語っていた。(本文より)
★18 - コメント(0) - 1月21日

昭和41年の作品。2017年1月21日の本日映画公開。ハリウッド映画なんですね。 http://chinmoku.jp/ 舞台は江戸初期の鎖国、切支丹禁制下。 ポルトガル司祭が布教のために日本に潜入。迫害、拷問、数々の苦難と背教、それに対する神の沈黙。キリスト教だけでなく、宗教への根源的な問い。これは面白い!
★19 - コメント(0) - 1月21日

映画を見る前に再読。何度読んでも苦しくなるが、鬼気迫る描写にのめり込んでしまう。しかし、信仰のない自分にはよく理解できないこともありそこらへんが映画でわかるといいな、と期待しています。
★30 - コメント(4) - 1月21日

映画を見る前に読んでみた。事実に基づいて作られたとあり、この時代の信仰のとらえ方などがとてもよく分かった。人間にとって神とはいったい何なのかを考えるきっかけになった。映画が楽しみにもなった。
★16 - コメント(0) - 1月21日

映画の予習として。遠藤周作の、日本人なのにキリスト教徒という妙な立場を考えると、教会組織ではなく、信仰そのものをとったという物語を書いたのは面白い(興味深い)ですね。
★15 - コメント(0) - 1月21日

映画を観るので。これは聖人の話ではなく、私たちと同じ弱さを持った人間の話だ。ロドリゴは隠れ住む生活でストレスをためたり、吉次郎をさげすんだり、神の沈黙を責めたり、ごく普通の人間だ。読者も吉次郎をさげすみながら読むけれど、読み進むにつれ吉次郎と同じ弱さが自分の中にあることを認めずにはいられなくなる。吉次郎が卑しければ卑しいほど、その衝撃は大きい。弱さについて、信仰について、考えさせられた。
★2 - コメント(0) - 1月20日

べっ、別に明日から映画上映が始まるからって読んだ訳じゃないからねっ!でも…面白かったよ。
★16 - コメント(3) - 1月20日

ひとつの「答え」を提示した、という感想が一番強かった。人の力ではどうしようもない困難、それに直面した時、祈り縋るが何も起こらない現実。昔から問われていた言葉。それが沈黙。この作品は、そのテーマを、日本という土地風土、そして隠れキリシタンに託し、複雑さ深さを加えている。さらに、井上やキチジローを配置し、ロドリゴを追い詰める。例えばコルベ神父は尊敬され列聖されたのに。人を救うとは?救われるとは?それは宗教に限ったことなのか?人の心次第なのか?と、止まることなく思考できる。それが著者の狙いなのか?→
★23 - コメント(2) - 1月20日

文章は軽く感じた。宗教観について、最終段階の主人公の考えに共感する。でも選択はいちいち悪い方を選ぶのでイライラ…。大した事なく転ぶ場面では主人公の人間性に嫌気がさす。文学としてはそのシナリオが適切なのはわかるのだけれども…。そういった要素も含め、解説ではダイナミックとされる。それも言えるが、私はクライマックスの連続という表現をしたい。AメロBメロサビAメロBメロサビCメロサビCメロサビCメロサビ…のような。サビがクライマックス=神への疑いor信仰告白。その小出しがクライマックスの連続を私に連想させたのか。
★15 - コメント(0) - 1月20日

そういう時代があった、という風には読めなかった。なぜならまさに現在でも「アメリカのどこかにいる」シングルマザーを踏絵にし、恫喝し、精神的拷問を加え、それによって自分たちの思い通りに他人を操ろうとする「アメリカの新興学問」を奉じる者たちの所業がありありと目に浮かぶからだ。だからこの小説で描かれなかったこと──他人に「踏絵を踏ませる側」に就き、就くことを望み、(これから)就こうとする者たちは何を自分自身に問うことができるのか、自分たちのしていること、それが日本という「沼地」でその根を確実に腐らせていることを。
★16 - コメント(0) - 1月20日

スコセッシ監督の映画公開に備えて、初めて手にとった。弾圧に苦しむ信者たちの前で「沈黙」を続ける神。深い信仰心を持たない私にも、ロドリゴの葛藤が痛みとともに迫ってきた。決断の時、「お前たちに踏まれるため」。読み終わってからも、この言葉がしばらく頭から離れなかった。ロドリゴの視点で話は進むが、キチジローが物語の中でとてもいい役割を果たしていると思う。キチジローの視点でも考えてみたいと思った。信仰とは、寛容とは、強さとは、弱さとは。また読み返したい。惨いシーンの連続だが、不思議な読後感がある。
★22 - コメント(0) - 1月19日

江戸初期、切支丹弾圧下の日本に布教に来たロドリゴと同僚の話。自身の存在によって次々と犠牲になっていく人々、祈っても祈っても沈黙し続ける神 自分の信仰を守るのか、自らの棄教によって苦しむ人々を救うべきなのかというジレンマで苦しむ中で自分が信じる神の教えを初めて理解する。
★28 - コメント(0) - 1月19日

何だか物凄い作品を読んでしまった気がします。絶対的に信じているものへ沸き起こる小さな疑念、拷問に喘ぐ人の為に「転べ」と迫る悪魔のような囁き、どんなに祈っても何度答えを訊ねてみても「沈黙」したままの神ーー祭司ロドリゴの苦悩や葛藤が津波のように胸に迫ってきて、踏み絵のシーンは涙が出ました。何よりも大事にしていた美しく清らかなものが汚されてしまった屈辱と悲しみは計り知れない。そして「信仰」故に命を落とす貧しい日本人達。あまりにも酷い。私が思ったのは「神」とは外部にあるものではなく、実は己の内部にあるということ。
★130 - コメント(5) - 1月19日

直前に読んだ本が、テーマとして沈黙の対極にあるドーキンスの「利己的な遺伝子」だったので、物語としての対比がより一層印象強くなった。人間は正しいものを信じるのではなく、正しいと信じるものを信じるのである。本書で問われるのはそうした信仰への内からの疑念にどう向き合うかであり、これはキリスト教に限られる問題ではないだろう。信念が危機に晒されたとき初めて人は信じる事自体の意味を問えるようになるのかもしれない。それはシュミットが政治の本質は例外状態にある、とした構造にも似ている。存在論にまで射程をひらく稀有な小説。
★19 - コメント(0) - 1月19日

時代が違っていれば皆で笑いながら神の祝福を感謝し思う存分祈ることも出来たというのに、キリシタン禁制の厳しい日本において信徒達に課せられる罰はあまりにむごい。司祭の苦悩と葛藤が痛みをともなうほど伝わってくる。日本における宗教の根付き方などは非常に興味深く、「沈黙」の意味するところ、問いかけの場面はドラマチックで震えるほどだった。
★39 - コメント(0) - 1月19日

すごい作品だ。人間の本質とその複雑さにここまでクリティカルに迫っている本書はスゴイ。自分がどんな感想を書いてもこの作品の重厚さに比し、超薄っぺらになってしまうので、書評なんて奥がましくてとてもできません。自分は神も仏信じない無神論者だけど、本書をキリスト教信者が読んだらどう思うのだろうか?お恥ずかしながら昔々あのコーヒーのCMにでていた遠藤周作がこれ程の作品を書いていた作家だとは…。★を付けることすら僭越だけど、当然の満点★5。
★21 - コメント(0) - 1月19日

マーティン・スコセッシによって映画化、久しぶりに注目された名作。前半は主人公の宣教師ロドリゴのポルトガル教会への報告書簡の体を取る。日本へ密航後幕府の警吏に捕らえられて後、3人称の表現となる。過酷な弾圧に苦しみ最後は悲惨な死を迎える無辜の民の現状を観て、何故神は黙したままなのかと疑問が膨らみ、やがて神の存在そのものに疑いを持ってしまう主人公。非常に重いテーマであり、主人公の疑問に最後は何とか答えを見出してはいるが、信仰そのものに対する大いなる疑問の提示である。現代に生きる我々は、いかなる答えを見出せるか。
★20 - コメント(0) - 1月18日

映画化をきっかけに再読。10代の多感な時期はとにかく苦しくてかなり葛藤した。今は答えを求めなくなった。ずるくなったのか、鈍感になったのか。ただこんな時代には二度とならないことが唯一の願い。
★25 - コメント(0) - 1月18日

心がかき乱されるも最後は救われた、わたしは。読む人によって全然違うと思う。キリスト教信仰、その真理が題材ではあるが人間の根源を追究している。欧米の人にたくさん読まれて欲しい。映画がきっかけになるといい。キリスト教布教の名のもと侵略された国々、民族のことも考えさせられた。映画を見てまた読み返す予定。傑作。おすすめ
★51 - コメント(1) - 1月18日

沈黙の 評価:88 感想・レビュー:1558
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